半期報告書-第75期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/14 14:24
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などを背景に緩やかな回復基調にありますが、資源価格の高騰や為替変動の影響、地政学的リスクの継続から、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。食品流通業界では、物価上昇による生活防衛意識の高まりに伴う低価格志向や、物流費や光熱費、人件費などのコスト増加など、厳しい経営環境が継続しております。
こうした環境の中、当社グループは2030年度をゴールとする中長期的な経営ビジョンに「地域のスペシャルパートナー」を掲げ、当社グループの独自機能の提供とステークホルダーとの協業を通じて、日本全国の地域における食品流通の問題・課題を共に解決し、共に成長することを目指しております。
今年度は経営ビジョンの達成に向けた2025年度を目標年度とする「中期経営計画2025」の2年目として、「信州」「顧客」「産地」の3領域別方針と、「エンゲージメント経営」「業務構造改革」「サステナブル経営」の重点施策に取り組んでおります。
領域別方針の「産地」につきましては、国内養殖魚の事業領域を従来のトレードモデル(集荷・販売)から、利益獲得が見込める生産分野へ拡大することで構造的な収益力強化を目指しております。この養殖魚事業の利益構造の変化への抜本的な対応策として、㈱ダイニチの株式を取得し、11月1日に子会社化いたしました。同社との事業シナジーの創出により『協業型』の国内養殖ビジネスモデルを強化し、国産養殖魚の流通に革新をもたらすことを目指してまいります。
重点施策の「業務構造改革」につきましては、7月に新基幹システム「M-BASE」を稼働いたしました。稼働直後には物流システム(WMS)との連携や照合作業の増加等の問題が表面化する中、大幅な工数を割いて対応したことで一過性でありますが多大な経費増が発生し、利益を圧迫しましたが、商流と物流を維持いたしました。現在はシステムの安定運用に向け、引き続き全社を挙げて取り組んでおります。
当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は商品の相場高や値上げに伴う販売単価の上昇もあり1,268億71百万円(前年同期比2.0%増)となりました。利益面につきましては、仕入価格上昇による売上総利益の減少や、物流関連コストの上昇、新基幹システムの稼働に伴う減価償却費の増加と一過性の人件費等の増加により営業損失60百万円(前年同期は7億6百万円の営業利益)となり、経常利益は補助金や受取配当金等による営業外収益の増加もあり3億66百万円(同61.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は固定資産売却益の計上等により2億93百万円(同44.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
※ 各セグメントの売上高については、セグメント間の内部売上高を除いて記載しております。
※ なお、(セグメント情報等)に記載のとおり、当中間連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しておりますので、下記の前年同期比につきましては、前年同期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値との比較となっております。
<水産事業セグメント>水産部門は国内天然魚の水揚量減少と水産物全般の相場高が継続する環境下、調達機能の強化を目指した川上領域に対する戦略投資を進めております。養殖魚事業では㈱ダイニチの子会社化に伴う事業戦略推進を目的に養殖事業部を新設いたしました。デイリー部門ではエリア卸とのアライアンス推進と調達・配荷物流機能の強化による販路拡大を推進しております。フードサービス部門では、当社グループの機能を活かした惣菜分野や業務用マーケット向けの商品提案を進めております。
売上高につきましては、養殖ブリや冷凍マグロ、洋日配商品の販売が好調に推移したことや、相場高による販売単価の上昇もあり762億84百万円(前年同期比5.2%増)となりました。利益面につきましては、仕入価格の上昇に伴う売上総利益率の減少と物流費等の販売管理費の増加による収益の低下により、営業損失1億11百万円(前年同期は2億17百万円の営業利益)となりました。
<一般食品事業セグメント>商品の値上げに伴う消費者の節約志向が継続し、店頭での低価格競争が激化する環境下、信州域内(長野・山梨エリア)での卸売機能強化による収益力向上と、自社開発商品の販売拡大に向けた商品開発機能の強化と全国卸とのアライアンスによる販路拡大に取り組んでおります。
売上高につきましては、相次ぐ商品の値上げの影響で店頭での買上げ点数が減少し、販売が伸び悩んだことから137億15百万円(前年同期比3.8%減)となりました。利益面につきましては、物流関連コストの低減に努めたものの売上総利益の減少等により営業損失2億28百万円(前年同期は1億32百万円の営業損失)となりました。
<畜産事業セグメント>飼料価格の高騰に伴う国産の牛肉・豚肉の高値傾向と、輸入畜肉の仕入価格の高止まりが継続する中、製造・流通加工機能の強化に向けた食肉加工分野への重点投資を進めております。
売上高につきましては、畜産物相場の高値傾向が継続し、販売が鈍化したことから200億8百万円(前年同期比4.2%減)となりました。利益面につきましては、売上高の減少と相場高に伴う収益の低下による売上総利益の減少や、調達・販売コストの上昇により営業損失1億6百万円(前年同期は1億37百万円の営業利益)となりました。
<丸水長野県水グループセグメント>グループ内の経営資源の集約化による信州事業の再強化とグループ最適化の実現を目指し、2025年度を目途とする当社と㈱丸水長野県水との統合に向けた検討を進めております。
業績につきましては、売上高163億25百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は前年同期に発生した退職給付費用の一時的な減少からの反動もあり3億7百万円(同21.7%減)となりました。
<その他(物流・冷蔵倉庫事業、OA機器・通信機器販売及び保険代理店事業)>子会社マルイチ・ロジスティクス・サービス㈱は、当社グループの物流業務・冷蔵倉庫事業の品質向上とローコスト体制の構築を、グループ内の各事業と連携しながら推進しております。
業績につきましては、売上高5億37百万円(前年同期比4.2%減)、営業利益79百万円(同13.7%減)となりました。
②財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は599億12百万円となり、前連結会計年度末と比較して73億98百万円の減少となりました。主な要因は、現金及び預金が42億50百万円、受取手形及び売掛金が60億38百万円減少し、商品及び製品が29億51百万円増加したことによります。
負債は337億66百万円となり、前連結会計年度末と比較して73億51百万円の減少となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が90億98百万円減少したことによります。
純資産合計は261億45百万円となり、前連結会計年度末と比較して47百万円の減少となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の38.1%から42.7%に増加しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は44億53百万円となり、前連結会計年度末と比較して42億50百万円の減少となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は62億82百万円となりました(前年同期に増加した資金は12億19百万円)。これは主に、税金等調整前中間純利益が5億5百万円、減価償却費が4億96百万円、売上債権の減少59億94百万円等により資金が増加した一方で、仕入債務の減少90億98百万円、棚卸資産の増加29億24百万円等により資金が減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は2億62百万円となりました(前年同期に減少した資金は8億23百万円)。これは主に、無形固定資産の取得による支出が2億円、有形固定資産の取得による支出が3億52百万円となり、有形固定資産の売却による収入が3億61百万円になったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は22億94百万円となりました(前年同期に減少した資金は5億32百万円)。これは主に、短期借入金による収入が26億68百万円、長期借入金の返済による支出が71百万円、リース債務の返済による支出が72百万円、配当金の支払額が2億66百万円となったことによります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因はありません。