有価証券報告書-第35期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産が37,680百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,713百万円増加しました。一方、負債は16,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,004百万円増加しました。また、純資産は21,127百万円となり、前連結会計年度末に比べ708百万円増加しました。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により社会経済活動が大幅に制限され、景気は急速に悪化いたしました。これに対し政府が行った各種政策や段階的な社会経済活動の再開などにより一部に持ち直しの動きも見られたものの、年度末にかけて大都市圏を中心に新規感染者数が増加傾向に転じており、依然として厳しい状況が継続しております。また、IoTの進展や自動車生産の回復などに伴う半導体の世界的な需給ひっ迫の影響も懸念されます。
このような状況の下、当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、主にファウンドリ向けの信頼性テストシステムや自動車関連向け等の受託サービスが低迷したものの、メモリー向けテスターの需要改善や決済端末の販売が堅調に推移した結果、売上高32,536百万円(前期比4.4%増)、営業利益1,954百万円(同17.0%増)、経常利益2,460百万円(同29.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,534百万円(同31.3%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動において836百万円(前期比73.1%減)、財務活動において685百万円(同137.9%増)の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)を得た一方、投資活動に2,207百万円(同28.8%増)を使用した結果、当社グループの当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ741百万円減少し、5,432百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.一部の自社製品については、社外へ委託生産を行っており、上表の金額は外部委託先からの仕入価格を基準に記載しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
a.財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、20,476百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,232百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度末にかけて売上高が増加したことに伴う受取手形及び売掛金の増加によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、17,203百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,480百万円増加しました。これは主に、当社及び子会社における新規連結子会社の取得に伴うのれんの増加や子会社における機械装置及び運搬具の取得によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、12,183百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,062百万円増加しました。これは主に、メモリー向けテスターの需要増に伴う運転資金確保のため、短期借入金が増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,369百万円となり、前連結会計年度末に比べ58百万円減少しました。これは主に、長期借入金の返済によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、21,127百万円となり、前連結会計年度末に比べ708百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は53.3%となり、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント減少しております。
b.経営成績
(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により、主にファウンドリ向けの信頼性テストシステムや自動車関連向け等の受託サービスが低迷したものの、メモリー向けテスターの需要改善や決済端末の販売が堅調に推移したことなどから32,536百万円となり、前連結会計年度に比べ4.4%増加しました。一方、利益率はメモリー向けテスターの大幅増収や三栄ハイテックス株式会社の海外事業が好調に推移したことなどにより収益率が向上したものの、STAr Technologies, Inc.や株式会社レグラスなどの収益性が低下したことにより、売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント増加の69.4%となりました。また、販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症の影響により出張旅費・交通費などが減少したものの、新規連結子会社の取得によるのれん償却額の増加や業績の向上に伴う従業員賞与の増加などにより前連結会計年度に比べ0.9%増加し、8,000百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ17.0%増加し、1,954百万円となりました。
なお、報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。また、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
[設計開発ソリューション事業]
設計開発ソリューション事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動が制限され、展示会等を活用した新規顧客開拓が難しい状況となりましたが、既存顧客を中心に積極的な営業活動を行い、売上拡大及び収益の安定化に努めてまいりました。主力商品の半導体設計用(EDA)ソフトウェアは、既存顧客からの受注や新規取り扱い商品の販売などにより堅調に推移いたしました。アイティアクセス株式会社は、決済端末事業が堅調に推移したことに加え、ライセンス販売も伸張し増収となりました。三栄ハイテックス株式会社のLSI設計受託ビジネスは、国内主力顧客の需要に回復の兆しが見られたほか、海外事業の好調により増益となりました。一方、自社製CPUボードなどの組込み製品は、医療向けや防衛向けが堅調だったものの、FAやセキュリティ関連の需要減により減収となりました。ガイオ・テクノロジー株式会社の車載向け組込みソフト検証ツール販売及びエンジニアリングサービスは、主要顧客である自動車関連の需要が減速したことや製品開発への集中投資などにより、前期実績には及びませんでした。株式会社レグラスは、AIカメラシステムの量産販売や画像処理関連の受託開発が低迷し減収となりました。
その結果、当事業の売上高は20,905百万円(前期比1.3%減)、セグメント利益は1,459百万円(同0.2%減)となりました。
[プロダクトソリューション事業]
プロダクトソリューション事業は、半導体メモリー市場、モバイルデバイス市場等の顧客を中心に当社グループのエンジニアリング力を活かし、高付加価値製商品及びサービスの提供、新規アプリケーションの開拓に注力するとともに、顧客ニーズに対応した製品の開発、商品の開拓に積極的に取り組んでまいりました。台湾のSTAr Technologies, Inc.は、中国国内の経済活動再開により中国向けの販売が回復に転じたものの、新型コロナウイルス感染症の影響による主要部品の供給難や韓国向けの需要一巡により、大幅な減益となりました。一方、自社製テストシステムは、メモリー向けテスターの国内需要が改善し、前期実績を大幅に上回りました。
その結果、当事業の売上高は11,630百万円(同16.6%増)、セグメント利益は1,037百万円(同60.4%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の不動産賃貸料は、テナントの入居率が増加したことなどから475百万円となり、前連結会計年度に比べ2.4%増加しました。一方、不動産賃貸費用はテナント占有率の増加に伴い、前連結会計年度に比べ10.4%増加の334百万円となりました。また、主に海外子会社において助成金を受給したことや、円安の進行に伴い為替差益を計上したことなどから、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ29.8%増加し、2,460百万円となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益を計上したことなどにより7百万円となりました。一方、特別損失は投資有価証券評価損を計上し、10百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ29.7%増加し、2,458百万円となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等は、増益により前連結会計年度に比べ37.7%増加し、827百万円となりました。
この結果、当期純利益は前連結会計年度に比べ25.9%増加し、1,630百万円となりました。
また、法人税等の税金等調整前当期純利益に対する比率は33.7%となり、前連結会計年度に比べ2.0ポイント増加しました。
(非支配株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、主にSTAr Technologies, Inc.が減益となったことに加え、同社の増資を当社が引き受けたことに伴い持分比率が増加したことなどから前連結会計年度に比べ24.0%減少し、95百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ31.3%増加し、1,534百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ741百万円減少し、5,432百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は836百万円(前期比73.1%減)となりました。これは主に、売上債権が1,060百万円、たな卸資産及び前渡金が856百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益を2,458百万円計上したことに加え、前受金が342百万円増加したことなどにより資金を得たためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は2,207百万円(同28.8%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得に662百万円、無形固定資産の取得に377百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に844百万円の資金を使用したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果得られた資金は685百万円(同137.9%増)となりました。これは主に、配当金の支払に618百万円、長期借入金の返済に882百万円の資金を使用したものの、短期借入金の増加により1,801百万円、長期借入れにより373百万円を得たことなどによるものであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品や原材料等の仕入代金や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は経常的に発生するものではありませんが、生産設備を有する一部の子会社の設備投資や事業買収に係る費用等があります。これらの資金需要に対しては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を使用し、不足分について金融機関からの借入などによる調達を実施することとしております。長期借入金や社債などの長期資金の調達につきましては、金利動向などの調達環境を考慮の上、調達規模や調達手段を適宜判断して実施することとしております。
また、自己株式の取得につきましては、「資本政策に関する基本方針」に基づき、実行の是非を判断することとしております。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準により作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって、経営者が採用した会計基準や、資産・負債及び収益・費用の計上並びに開示に影響を与える見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」にそれぞれ記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産が37,680百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,713百万円増加しました。一方、負債は16,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,004百万円増加しました。また、純資産は21,127百万円となり、前連結会計年度末に比べ708百万円増加しました。
②経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により社会経済活動が大幅に制限され、景気は急速に悪化いたしました。これに対し政府が行った各種政策や段階的な社会経済活動の再開などにより一部に持ち直しの動きも見られたものの、年度末にかけて大都市圏を中心に新規感染者数が増加傾向に転じており、依然として厳しい状況が継続しております。また、IoTの進展や自動車生産の回復などに伴う半導体の世界的な需給ひっ迫の影響も懸念されます。
このような状況の下、当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、主にファウンドリ向けの信頼性テストシステムや自動車関連向け等の受託サービスが低迷したものの、メモリー向けテスターの需要改善や決済端末の販売が堅調に推移した結果、売上高32,536百万円(前期比4.4%増)、営業利益1,954百万円(同17.0%増)、経常利益2,460百万円(同29.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,534百万円(同31.3%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動において836百万円(前期比73.1%減)、財務活動において685百万円(同137.9%増)の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)を得た一方、投資活動に2,207百万円(同28.8%増)を使用した結果、当社グループの当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ741百万円減少し、5,432百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
設計開発ソリューション事業(千円) | 7,517,449 | 89.23 |
プロダクトソリューション事業(千円) | 6,853,798 | 145.96 |
合計(千円) | 14,371,247 | 109.53 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.一部の自社製品については、社外へ委託生産を行っており、上表の金額は外部委託先からの仕入価格を基準に記載しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
設計開発ソリューション事業(千円) | 7,669,861 | 101.75 |
プロダクトソリューション事業(千円) | 1,462,052 | 170.10 |
合計(千円) | 9,131,913 | 108.75 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
設計開発ソリューション事業 | 21,839,450 | 89.68 | 13,534,884 | 107.41 |
プロダクトソリューション事業 | 13,672,322 | 131.21 | 4,256,438 | 192.16 |
合計 | 35,511,773 | 102.12 | 17,791,323 | 120.08 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
設計開発ソリューション事業(千円) | 20,905,454 | 98.68 |
プロダクトソリューション事業(千円) | 11,630,964 | 116.59 |
合計(千円) | 32,536,419 | 104.41 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
a.財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、20,476百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,232百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度末にかけて売上高が増加したことに伴う受取手形及び売掛金の増加によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、17,203百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,480百万円増加しました。これは主に、当社及び子会社における新規連結子会社の取得に伴うのれんの増加や子会社における機械装置及び運搬具の取得によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、12,183百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,062百万円増加しました。これは主に、メモリー向けテスターの需要増に伴う運転資金確保のため、短期借入金が増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,369百万円となり、前連結会計年度末に比べ58百万円減少しました。これは主に、長期借入金の返済によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、21,127百万円となり、前連結会計年度末に比べ708百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は53.3%となり、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント減少しております。
b.経営成績
(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により、主にファウンドリ向けの信頼性テストシステムや自動車関連向け等の受託サービスが低迷したものの、メモリー向けテスターの需要改善や決済端末の販売が堅調に推移したことなどから32,536百万円となり、前連結会計年度に比べ4.4%増加しました。一方、利益率はメモリー向けテスターの大幅増収や三栄ハイテックス株式会社の海外事業が好調に推移したことなどにより収益率が向上したものの、STAr Technologies, Inc.や株式会社レグラスなどの収益性が低下したことにより、売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント増加の69.4%となりました。また、販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症の影響により出張旅費・交通費などが減少したものの、新規連結子会社の取得によるのれん償却額の増加や業績の向上に伴う従業員賞与の増加などにより前連結会計年度に比べ0.9%増加し、8,000百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ17.0%増加し、1,954百万円となりました。
なお、報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。また、セグメント利益は連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
[設計開発ソリューション事業]
設計開発ソリューション事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動が制限され、展示会等を活用した新規顧客開拓が難しい状況となりましたが、既存顧客を中心に積極的な営業活動を行い、売上拡大及び収益の安定化に努めてまいりました。主力商品の半導体設計用(EDA)ソフトウェアは、既存顧客からの受注や新規取り扱い商品の販売などにより堅調に推移いたしました。アイティアクセス株式会社は、決済端末事業が堅調に推移したことに加え、ライセンス販売も伸張し増収となりました。三栄ハイテックス株式会社のLSI設計受託ビジネスは、国内主力顧客の需要に回復の兆しが見られたほか、海外事業の好調により増益となりました。一方、自社製CPUボードなどの組込み製品は、医療向けや防衛向けが堅調だったものの、FAやセキュリティ関連の需要減により減収となりました。ガイオ・テクノロジー株式会社の車載向け組込みソフト検証ツール販売及びエンジニアリングサービスは、主要顧客である自動車関連の需要が減速したことや製品開発への集中投資などにより、前期実績には及びませんでした。株式会社レグラスは、AIカメラシステムの量産販売や画像処理関連の受託開発が低迷し減収となりました。
その結果、当事業の売上高は20,905百万円(前期比1.3%減)、セグメント利益は1,459百万円(同0.2%減)となりました。
[プロダクトソリューション事業]
プロダクトソリューション事業は、半導体メモリー市場、モバイルデバイス市場等の顧客を中心に当社グループのエンジニアリング力を活かし、高付加価値製商品及びサービスの提供、新規アプリケーションの開拓に注力するとともに、顧客ニーズに対応した製品の開発、商品の開拓に積極的に取り組んでまいりました。台湾のSTAr Technologies, Inc.は、中国国内の経済活動再開により中国向けの販売が回復に転じたものの、新型コロナウイルス感染症の影響による主要部品の供給難や韓国向けの需要一巡により、大幅な減益となりました。一方、自社製テストシステムは、メモリー向けテスターの国内需要が改善し、前期実績を大幅に上回りました。
その結果、当事業の売上高は11,630百万円(同16.6%増)、セグメント利益は1,037百万円(同60.4%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の不動産賃貸料は、テナントの入居率が増加したことなどから475百万円となり、前連結会計年度に比べ2.4%増加しました。一方、不動産賃貸費用はテナント占有率の増加に伴い、前連結会計年度に比べ10.4%増加の334百万円となりました。また、主に海外子会社において助成金を受給したことや、円安の進行に伴い為替差益を計上したことなどから、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ29.8%増加し、2,460百万円となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は、固定資産売却益を計上したことなどにより7百万円となりました。一方、特別損失は投資有価証券評価損を計上し、10百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ29.7%増加し、2,458百万円となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等は、増益により前連結会計年度に比べ37.7%増加し、827百万円となりました。
この結果、当期純利益は前連結会計年度に比べ25.9%増加し、1,630百万円となりました。
また、法人税等の税金等調整前当期純利益に対する比率は33.7%となり、前連結会計年度に比べ2.0ポイント増加しました。
(非支配株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、主にSTAr Technologies, Inc.が減益となったことに加え、同社の増資を当社が引き受けたことに伴い持分比率が増加したことなどから前連結会計年度に比べ24.0%減少し、95百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ31.3%増加し、1,534百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当社グループの当連結会計年度末における資金の残高は、前連結会計年度末に比べ741百万円減少し、5,432百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は836百万円(前期比73.1%減)となりました。これは主に、売上債権が1,060百万円、たな卸資産及び前渡金が856百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益を2,458百万円計上したことに加え、前受金が342百万円増加したことなどにより資金を得たためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は2,207百万円(同28.8%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得に662百万円、無形固定資産の取得に377百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に844百万円の資金を使用したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果得られた資金は685百万円(同137.9%増)となりました。これは主に、配当金の支払に618百万円、長期借入金の返済に882百万円の資金を使用したものの、短期借入金の増加により1,801百万円、長期借入れにより373百万円を得たことなどによるものであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品や原材料等の仕入代金や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は経常的に発生するものではありませんが、生産設備を有する一部の子会社の設備投資や事業買収に係る費用等があります。これらの資金需要に対しては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を使用し、不足分について金融機関からの借入などによる調達を実施することとしております。長期借入金や社債などの長期資金の調達につきましては、金利動向などの調達環境を考慮の上、調達規模や調達手段を適宜判断して実施することとしております。
また、自己株式の取得につきましては、「資本政策に関する基本方針」に基づき、実行の是非を判断することとしております。
③経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準により作成されております。
連結財務諸表の作成にあたって、経営者が採用した会計基準や、資産・負債及び収益・費用の計上並びに開示に影響を与える見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」にそれぞれ記載しております。