有価証券報告書-第31期(2023/10/01-2024/09/30)

【提出】
2024/12/26 13:30
【資料】
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【項目】
130項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得状況の改善やインバウンド需要が回復する一方、世界経済は長期化するインフレの進行に伴う金融引き締め、中国での国内需要の低迷による景気停滞、ウクライナ問題や中東等における地政学リスクの高まりにより、先行き不透明な状況が続いております。
当社の属する情報通信業界におきましては、情報通信機器や事務用機器のリース取扱高でみるとほぼ前年並みの推移となっております。
こうした経営環境のなか、当社グループは成長戦略としてグローバル専門商社構想を掲げ、海外ソリューション事業の拡大、DX、脱炭素商材の開拓と販売拡大に取り組むとともに、ストック収益の積み上げにも取り組んでまいりました。海外ソリューション事業の拡大に向けて、2024年7月にシンガポールでAIサーバーを販売するTAKNET SYSTEMS PTE LTD.社(以下、TAKNET社)を子会社化し、シンガポール市場への進出及び海外で情報通信機器の販売展開を開始することとしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益が前年同期比22.9%増の11,687百万円となりましたが、営業利益は報酬改定や幹部社員や営業社員の増員等による人件費の増加、M&Aによる株式取得費用等の費用増を吸収することができず、前年同期比40.2%減の269百万円、当期利益は前年同期比61.0%減の142百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比73.3%減の83百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
a.国内ソリューション事業
直営店チャネルにおいては、顧客データベースを活用した効率的な営業活動を実施し、新規の顧客開拓の強化にも取り組みました。企業のカーボンニュートラルへの取り組みに向けたLEDやエアコンの販売強化、ネットワークセキュリティ強化ニーズに向けたソリューション営業を実施しました。その結果、同チャネルの売上収益は前年同期比13.4%増の2,461百万円となりました。
FC加盟店チャネルにおいては、直営店の販売手法を加盟店へ水平展開し、販売支援を実施してまいりました。また、FC1社の権利譲渡をおこないました。これらの結果、同チャネルの売上高は前年同期比20.5%減の918百万円となりました。
代理店チャネルにおいては、電力料金の引き下げ対策として主力商品のLED商品の販売促進に取り組みました。その結果、同チャネルの売上収益は前年同期比10.6%増の1,090百万円となりました。
これらの結果、国内ソリューション事業の売上収益は、前年同期比3.6%増の4,471百万円となりました。セグメント利益は、コスト構造の見直しにより、前年同期比124.6%増の423百万円となりました。
b.海外ソリューション事業
海外ソリューション事業は、脱炭素化に取り組む企業へLED商品や業務用エアコン等による省エネソリューション提案に注力しました。中国、インド、マレーシアでの販売が順調に推移しました。これらの結果、売上収益は前年同期比42.8%増の6,617百万円、セグメント利益は、前年同期比11.8%減の342百万円となりました。
c.BPR(※2)事業
BPR事業は、新規顧客開拓に取り組むとともに、コンサルティング営業による業務効率化提案を通じてRPAやAI-OCRの導入、BPO業務受託を獲得しました。BPOセンターにおいては、業務の自動化に向けて、特にRPAの活用による業務効率化と品質向上に取り組みました。これらの結果、売上収益は前年同期比6.4%憎の598百万円となりましたが、セグメント利益は、大幅な円安元高によりセンターコストが増加したため、前年同期比64.4%減の30百万円となりました。
※2 BPR(Business Process Re-engineering)の略称です。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ349百万円増加し、2,975百万円となりました。営業活動で841百万円を獲得、投資活動で1,348百万円を使用、財務活動で816百万円を獲得したことによるものです。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で獲得した資金は、841百万円(前連結会計年度は104百万円の使用)となりました。この主な要因は、税引前利益が307百万円、減価償却費及び償却費が176百万円となり、営業債権が164百万円、棚卸資産が213百万円、その他の流動資産が174百万円減少し、法人所得税を103百万円支払ったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は、1,348百万円(前連結会計年度は843百万円の使用)となりました。この主な要因は、TAKNET社株式の取得により1,284百万円を支出したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で獲得した資金は、816百万円(前連結会計年度は876百万円の使用)となりました。この主な要因は、TAKNET社の株式取得に伴い長期借入で1,210百万円を調達したことを含め、長短借入金が1,039百万円増加したこと、及び配当金として126百万円の支払いを実施したことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注状況
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別、販売チャネル別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年10月1日
至 2024年9月30日)
前年同期比(%)
国内ソリューション事業直営店(千円)2,461,272113.4
FC加盟店(千円)918,88279.5
代理店(千円)1,090,863110.6
(千円)4,471,018103.6
海外ソリューション事業(千円)6,617,616142.8
BPR事業(千円)598,638106.4
合計(千円)11,687,272122.9

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末より1,801百万円増加し、12,645百万円となりました。これは、主に現金及び現金同等物が349百万円、TAKNET社を取得したこと等により棚卸資産が104百万円、のれんが1,098百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末より1,460百万円増加し、7,350百万円となりました。これは、主にTAKNET社を子会社としたこと等により買掛金が204百万円増加、TAKNET社の取得資金として1,210百万円の借入を実施したことにより、借入金合計が1,090百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末の資本につきましては、前連結会計年度末より341百万円増加し、5,294百万円となりました。これは、主にその他の資本の構成要素が324百万円、非支配持分が67百万円増加し、利益剰余金が53百万円減少したこと等によるものであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、情報通信機器及び環境商材等の仕入資金ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。また、M&Aや新規事業開発、グローバル事業への戦略的投資に係る資金需要が生じております。
当社グループの事業活動に必要な資金を確保する方法として、運転資金につきましては、内部資金または短期借入金により調達することを原則としております。M&A等の戦略的投資に係る資金につきましては、長期借入金や転換社債、株式発行等で調達することとしており、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。