有価証券報告書-第26期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/25 17:01
【資料】
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【項目】
146項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益が回復し、設備投資も底堅く推移するなど、緩やかな回復基調が続きました。その一方で、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱問題など海外経済の不透明感に加え、本年10月1日施行の消費税率引上げによる景気への影響が懸念されるなど、先行きは不透明な状況となっております。
当社の属する情報通信業界におきましては、情報通信機器や事務用機器のリース取扱高でみると前年比で減少傾向にあり、総じて厳しい状況で推移しております。
こうした経営環境のなか、当社グループは今期の最重要テーマとして「グループ経営の推進」を掲げ、事業本部制による権限委譲をより一層進め、意思決定の迅速化に取り組んでまいりました。情報通信事業では、新規の顧客開拓に注力するとともに、約6万件の顧客データベースを活用した顧客向けサービスの強化に取り組みました。 BPO(※1)事業では新規顧客の開拓及び既存顧客からの売上の積み上げに取り組み、大連、長春、ミャンマーの各センター特性に合わせた業務の適性配分を行い、業務品質と業務効率の向上に取り組んでまいりました。海外法人事業では、2019年6月よりM&Aで獲得したタイ、インドネシア、フィリピンを含めた海外9か国での拡販に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高が前年同期比35.1%増の9,858百万円となりました。営業利益は、国内環境関連事業における直販事業の不振及び卸事業での販売促進費用の増加等があったこと、及び海外法人事業においては、円高による為替の影響が収益を押し下げる要因となったこと等により前年同期比21.7%減の511百万円となりました。経常利益は前年同期比2.3%増の642百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比4.3%増の318百万円となりました。
※1 BPO(Business Process Outsourcing)の略称です。
セグメント毎の業績は次のとおりであります。
a. 情報通信事業
直営店チャネルにおいては、新規の顧客開拓に注力するとともに、顧客データベースを活用した効率的な営業活動を実施しました。年々複雑化・巧妙化する企業へのサイバー攻撃対策として独自商品であるUTM※2の販売強化に努めました。また、直営店チャネルのシナジーを高めるために、株式会社コスモ情報機器、及び株式会社R・Sを直営店に編入しました。これらの結果、同チャネルの売上高は前年同期比31.9%増の2,357百万円となりました。
加盟店チャネルにおいては、加盟店へ販売手法の共有を推し進めるとともに、UTM等のセキュリティ商材の販売支援を強化してまいりました、これらの結果、同チャネルの売上高は前年同期比10.3%減の1,601百万円となりました。
代理店チャネルにおいては、採算性を重視した代理店の再編成を進めるとともに、各代理店に対してセキュリティ商材等の販売支援を積極的に実施しました。これらの結果、同チャネルの売上高は前年同期比1.9%増の153百万円となりました。
グループ会社においては、ヴィーナステックジャパン株式会社のUTM販売が順調に増加しました。また、グループシナジーをより発現させることを目的として、株式会社コスモ情報機器及び株式会社R・Sを直営店チャネルに編入しました。さらには、レカムIEパートナー株式会社を新たなセグメントを追加した環境関連事業へ変更しました。これらの結果、グループ会社の売上高は前年同期比77.7%減の480百万円となりました。
これらの結果、情報通信事業全体(直営店・加盟店・代理店・グループ会社の合計)の売上高は、前年同期比1.0%減の4,592百万円となりました。利益面においては営業効率の効率化が図れたことや管理部門等の管理コストの削減ができたこと等により、セグメント利益は前年同期比42.9%増の193百万円となりました。
※2 UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)の略称です。
b.環境関連事業
環境関連事業はレカムIEパートナー株式会社において、代理店へのLED照明の拡販に努めるとともに、新規代理店開拓にも注力いたしました。また、直販によるLED照明や業務用エアコンの販売をを強化しました。さらには、2018年12月に太陽光発電システムを販売する株式会社産電を連結子会社とし、新規顧客の開拓に注力しました。これらの結果、売上高は前年同期比131.0%増の2,977百万円となりました。セグメント利益は、直販による販売を伸ばすことができなかったことや代理店への販売促進費用が増加したこと等により前年同期比86.0%減の28百万円となりました。
c. BPO事業
BPO事業は、紹介営業やWebを通じた問い合わせによる新規営業展開を推進するとともに、既存顧客からの追加業務の獲得に取り組んでまいりました。BPOセンターにおいては、業務効率と品質向上に取り組み、3拠点の特性を活かした業務を委託することで全体的な収益向上につなげてまいりました。 これらの結果、売上高は前年同期比61.2%増の511百万円となりました。セグメント利益は、増収効果やBPOセンターの効率的なオペレーションを実施し業務の効率化が図れたこと等から、前年同期494百万円増の82百万円となりました。
d. 海外法人事業
海外法人事業は、新たにインド、台湾へ進出するとともに、2019年6月にM&Aによりタイ、インドネシア、フィリピンを新たな拠点に加えることができました。販売面では、LED照明に次ぐ商品として業務用エアコンの販売に注力し、商品ラインナップの拡充に取り組みました。これらの結果、売上高は前年同期比61.3%増の1,776百万円となりました。セグメント利益は、既に進出している拠点の売上を伸ばせなかったことや円高による為替の影響があったこと等から、前年同期比15.5%減の235百万円となりました。
(セグメント別売上高)
事業の種類別セグメントの名称販売高(千円)
情報通信事業直営店2,357,694
FC加盟店1,601,913
代理店153,247
グループ会社480,077
4,592,931
環境関連事業2,977,640
BPO事業511,368
海外法人事業1,776,379
合計9,858,320

(注)1.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ621百万円増
加し、2,106百万円となりました。投資活動で1,487百万円、営業活動で113百万円を使用した一方、財務活動
で2,244百万円を獲得したこと等によるものです。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で使用した資金は、113百万円(前連結会計年度は250百万円の獲得)となりました。使用の主な要因は売上債権の増加720百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は、1,487百万円(前連結会計年度は970百万円)となりました。使用の主な要因はM&Aによる子会社株式の取得1,447百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で獲得した資金は、2,244百万円(前連結会計年度は984百万円)となりました。獲得の主な内訳は、転換型新株予約権付社債の発行による収入1,000百万円、株式の発行による収入497百万円等であります。
③生産、受注及び販売の状況
(1) 生産実績
該当事項はありません。
(2) 受注状況
該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別、販売チャネル別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成30年10月1日
至 令和元年9月30日)
前年同期比(%)
情報通信事業直営店(千円)2,357,69431.9
FC加盟店(千円)1,601,913▲10.3
代理店(千円)153,247▲1.9
グループ会社(千円)480,077▲77.7
(千円)4,592,931▲1.0
環境関連事業(千円)2,977,640131.0
BPO事業(千円)511,36861.2
海外法人事業(千円)1,776,37961.3
合計(千円)9,858,32035.1

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額に消費税等は、含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
当連結会計年度
(自 平成30年10月1日
至 令和元年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
オリックス株式会社1,230,66616.9980,2639.9
NTTファイナンス株式会社1,170,67016.0840,7758.5

(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて
おります。
②財政状態の分析
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末より3,845百万円増加し、9,777百万円となりました。これは主に現金及び預金が664百万円、売上増加に伴い売掛金が720百万円、M&Aを実施したことによるのれんが1,375百万円増加したこと等によるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末より2,837百万円増加し、5,576百万円となりました。これは、M&A実施時に資金調達を実施したこと等から、短期借入金が619百万円、1年内返済予定の長期借入金が208百万円、長期借入金が434百万円、社債発行により転換社債型新株予約権付社債が1,000百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末より1,007百万円増加し、4,201百万円となりました。これは主に新株式の発行及び新株予約権の行使による払込等により資本金及び資本剰余金が531百万円、利益剰余金が217百万円増加したこと等によるものです。
③経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
④当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、情報通信機器及び環境商材等の仕入資金ならびに人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。また、M&Aや新規事業開発、グローバル事業への戦略的投資に係る資金需要が生じております。
当社グループの事業活動に必要な資金を確保する方法として、運転資金につきましては、内部資金または短期借入金により調達することを原則としております。M&A等の戦略的投資に係る資金につきましては、長期借入金や転換社債、株式発行等で調達することとしており、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。