四半期報告書-第56期第2四半期(令和4年6月1日-令和4年8月31日)

【提出】
2022/10/13 9:36
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)が判断したものです。
(1) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末から2,580億27百万円増加し、4,330億円となりました。増加の主な原因は、現金及び預金が244億69百万円、商品が218億58百万円、有形固定資産が1,509億52百万円、無形固定資産に含まれるのれんが262億91百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債の残高は、前連結会計年度末から1,463億63百万円増加し、2,259億99百万円となりました。増加の主な原因は、支払手形及び買掛金が457億40百万円、短期借入金が226億3百万円、長期借入金が332億20百万円それぞれ増加したことによるものです。 純資産の残高は、資本剰余金が1,223億22百万円増加したことなどにより2,070億円となり、前連結会計年度末から1,116億64百万円増加しました。
(2) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年3月1日~2022年8月31日)におけるわが国の経済状況は、2022年4-6月期の実質GDP成長率が前期比年率3.5%増(前年同期比0.9%増)となるなど、緩やかな回復基調となりました。歴史的な円安、天然資源や穀物価格の上昇による食料品やエネルギーの価格高騰に加え、新型コロナウイルスオミクロン株派生型「BA.5」による感染者数の急拡大などがありましたが、まん延防止等重点措置が解除された3月以降、外出機会が増え、また、3年ぶりとなる行動制限のないゴールデンウィークや夏の行楽シーズンを迎えたことなどにより、旅行や娯楽、外食などのサービス消費が持ち直しました。一方で、緊迫化する世界情勢や為替変動リスクの拡大、電力需給ひっ迫、冬季に向けた感染拡大のおそれなど、景気の先行きは依然として不透明なままです。
このような環境下において、当社は、「お客さまと従業員の『圧倒的な安心とワクワク』を実現する」を経営ビジョンに掲げ、「現場主義」「従業員満足」「シナジー創出」を経営方針とし、最も地域に貢献する企業集団を目指しています。コロナ禍で深刻な影響を受けた事業や業態の多くが回復基調となったものの、人口減少による市場の縮小、消費の成熟化、業種や業態の垣根を越えた競争環境、Z世代を始めとする新たなライフスタイルへの対応など従前からの課題に加え、内食・巣籠需要の減退など変化する需要への速やかな対応や、原材料価格や光熱費の上昇によるコスト増などの新たな課題に直面しています。そのような認識のもと、引き続きお客さま及び従業員の安全・安心の確保に注力し、防疫と経済活動が両立する社会への対応を推し進め、また、お客さま視点で購買行動を分析し最新ニーズへの対応に注力するとともに、ロスやコストの削減などに取り組んでいます。
株式会社フジ・リテイリングは、地域との繋がりを大切にし、お客さまと地域のくらしを支え、「この街に、あってよかった。」と思っていただける店舗づくりを目指すとともに、お客さま視点で考え行動できる企業文化の構築を進めています。また、創業55周年を迎えており、記念販促、記念商品の開発、地域のくらしに密着する活動、お客さまと従業員満足度の向上に資する活動など様々な記念事業を実施しています。新規出店では、「最新基準の店舗づくり」を掲げ、愛媛県と広島県を重点エリアと定める出店計画を進めており、8月にラクア緑井(みどりい)(広島市安佐南区)をファーストオープンしました。なお、同店は2023年春までに段階的なオープンを計画しています。既存店では、安全と安心が確保された快適な買物環境の追求、デジタル化の推進、多様化ニーズへの対応など店頭の利便性と競争力向上を目指す既存店活性化計画を進めています。
食料品は、競争力を向上すべく安さへの対応を継続しました。また、猛暑やエネルギー価格上昇などを背景に家庭での節電や調理時間節減への意識が高まることを予見し、調理品や半調理品など加工度の高い商品の品ぞろえ拡充に注力するなど、新たな需要変化へ対応しました。また、活発化した外出や行楽需要、3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークや夏の行楽シーズンにおける旅行・帰省需要などへも対応すべく、行楽商材、ごちそうメニュー、手土産などの販売に注力しました。さらに、事業の拡大に取り組む移動スーパーは、前四半期までの5店舗に加え、8月にフジ三島(みしま)店(愛媛県四国中央市)、フジ志度(しど)店(香川県さぬき市)で新たにサービスを開始し、合計34店舗を拠点に62台186ルートでサービスを提供しています。以上の取り組みにより、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比2.6%増、移動スーパー事業売上高前年同期比37.6%増)。
コロナ禍で市場が縮小した衣料品と住居関連品は、変化するライフスタイルやニーズへ対応すべく、「安さ」「健康と美」「環境配慮型」などをテーマに商品構成の見直しを行うとともに、レイアウト変更などによる既存店の活性化に取り組みました。コロナ禍において需要が大幅に縮小していた季節商品の回復に加え、猛暑対策商品の品ぞろえを拡充するなどしたことで、売上高は衣料品を中心に緩やかな回復基調を維持しました(衣料品売上高前年同期比6.0%増、住居関連品売上高前年同期比0.4%増)。加えて、テナント事業も、飲食店やアパレル店を中心に回復基調となりました。
また、同社は、循環型社会の実現に向け、お客さまとともにマイバッグ・マイバスケット持参によるレジ袋の削減や、食品トレーや牛乳パック、ペットボトルなどを店頭で回収することによるリサイクル推進に取り組んでいます。また、4月から、お客さまにお渡しするカトラリー類(スプーン、フォーク、ストローなど)を、プラスチック製から紙製や木製の環境配慮型素材へ切替えるなど、さらなる使い捨てプラスチックの削減を進めています。さらに、CO2排出量削減を目的に自家消費型太陽光パネルの設置を進め現在までに35店舗への設置が完了したことで、年間約4,000tの削減を見込んでおり、引き続き設置店舗を増加させる計画です。加えて、7月1日~9月30日までの期間で、店舗屋上広告塔の常時消灯や店内照明の照度調整、日々の気温を考慮した空調温度の設定など省エネ対策を強化するなど、脱炭素社会の実現に向け、さらなる省エネ・再エネの推進と環境負荷の低減に取り組みました。
株式会社フジ・リテイリング子会社のSM事業会社について、株式会社フジマートは、4月に商品・サービスのさらなる充実と利便性向上を図るべくピュアークック中通(なかどおり)店(広島県呉市)を改装しました。また、株式会社フジマート四国へ、株式会社サニーTSUBAKIの2店舗を移管し、改装を行ったうえでスーパーABC桑原(くわばら)店(愛媛県松山市)、スーパーABC道後樋又(どうごひまた)店(愛媛県松山市)として3月から営業を開始、また、7月には、一時閉店し建替工事を進めていたスーパーABC平井(ひらい)店(愛媛県松山市)をリニューアルオープンしました。
コロナ禍で受けた影響からの回復を目指す株式会社フジ・リテイリングの子会社について、飲食業は、まん延防止等重点措置全面解除後客数が伸長し、7月以降感染急拡大の影響は受けたものの、業績は回復基調です(営業収益前年同期比11.0%増)。また、総合フィットネスクラブ事業は、オンラインスタジオ「FIT NET」サービスの内容拡充や接客向上などに取り組んでおり、業績は緩やかに回復しています(営業収益前年同期比2.5%増)。さらに、一般旅行業は、国内を中心に旅行需要が前期を上回ったことに加え新規事業が貢献し、業績は回復しています(営業収益前年同期比322.9%増)。
マックスバリュ西日本株式会社は、「旬・鮮度」「豊富さ」「お求めやすい価格」「クリンリネス」「笑顔の接客」の徹底を基本とし、「地域密着」「生鮮強化」を軸にサプライチェーン改革を行い、お客さまが安全に安心して楽しく買物ができる店舗づくりに取り組んでいます。兵庫県西部、岡山市、広島市、山口県、香川県及び山陰エリアを中心とする出店計画と既存店の活性化に加え、移動スーパーやEコマースをはじめとするノンストア事業の確立に向けた取り組みを進めています。加えて、感染症予防に起因する需要と消費スタイルの変化、アフターコロナを見据え活発化しつつある外出需要などにも対応し取り組みを推進しました。
商品では、生鮮強化とともに、地場や旬の商品を圧倒的に販売する「数を売る商品」の展開、バイヤーが厳選しておすすめする「バイヤー三ツ星」を重点商品として全店で展開、地元生鮮素材を使った季節弁当など独自商品の開発に取り組みました。また、価格訴求や均一商品の展開など買上点数アップの取り組みによる火曜市の深耕や、夕刻以降の加工数量増加や出来立て商品の品ぞろえ拡充などデリカの夕刻強化に取り組みましたが、外出自粛が緩和され外食やレジャーが活発化し内食需要が落ち着いたことによって、水産や畜産などの生鮮素材は影響を受けました(食料品売上高前年同期比1.3%減、衣料品売上高前年同期比3.0%減、住居関連品売上高前年同期比0.5%増)。
新規出店では、前四半期の1店舗に加え、6月にマックスバリュJU米子髙島屋(よなごたかしまや)店(鳥取県米子市)、7月にマルナカ青山(あおやま)店(兵庫県姫路市)をオープン、既存店では、前四半期の6店舗に加え、マックスバリュ高陽(こうよう)店(広島市安佐北区)、ザ・ビッグ小郡(おごおり)店(山口県山口市)、マルナカ可部(かべ)店(広島市安佐北区)の3店舗を改装しました。一方、8月にマルナカ神田(こうだ)店(高知県高知市)、マルナカ三本松(さんぼんまつ)店(香川県東かがわ市)を閉店しました。
6月より、愛媛県のスーパーマーケットでは初となるWolt Japan株式会社が展開するデリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」をマルナカ若草(わかくさ)店(愛媛県松山市)に導入し、自分の時間を有効に使いたいお客さまのニーズに応えるべく取り組んでいます。移動スーパーでは、7月にマックスバリュ広東(ひろひがし)店(広島県呉市)、マックスバリュJU米子髙島屋(よなごたかしまや)店で新たな車両「おまかせくん」での販売を始め、瀬戸内海の沿岸部や島しょ部、山陰エリアで移動販売を開始するなど、7県14店舗を拠点に23台の専用車両を走らせています。今後も無人店舗の展開を含め、多様化するお客さまの生活スタイルに合った便利で新しいサービスを提案してまいります。
また、同社は、環境に配慮し、地域との連携を進化させるべく、7月に兵庫県三木市、8月に同県三田市とフードバンク利用契約協定を締結し同エリアで食料を必要とする世帯や団体への寄附の推進、香川県をホームタウンとするサッカークラブチーム「カマタマーレ讃岐」とそのサポーターと共にフードドライブを行うなど、地域と一緒になりフードロスの削減に取り組んでいます。8月には兵庫県姫路市及び神姫バス株式会社と「サイクル・アンド・バスライドに関する連携協定」を締結し、同市内のバス停近くにある4店舗の駐輪場の一部を提供しました。行政や地元の企業と連携し、自転車の活用とバスの乗り換えを組み合わせることで公共交通機関の利用を促し、脱炭素社会の実現に向けた新たな取り組みとして推進をしています。また、岡山県岡山市を本拠地とするバレーボールクラブチーム「岡山シーガルズ」と共に県下のママさんバレーボールチームが参加するバレーボール大会を開催するなど、地域に根ざす企業としてスポーツ振興を通じて明るく豊かな地域づくりに努め、事業のサステナビリティ向上に取り組んでいます。
当社は、2022年3月1日付「マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制への移行完了及び当社子会社の商号変更に関するお知らせ」のとおり、マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制へ移行しました。現在は、2024年3月の合併による統合新会社設立を見据え、シナジーを創出すべく株式会社フジ・リテイリング及びマックスバリュ西日本株式会社と事業課題やその問題解決について議論を進めています。
なお、マックスバリュ西日本株式会社が当社グループに加わったことで2022年8月末時点でのグループ店舗数は519店舗(前年同期比389店舗増)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の営業収益は3,861億71百万円(前年同期比144.2%増)、営業利益は51億8百万円(前年同期比54.6%増)、経常利益は60億39百万円(前年同期比29.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は59億43百万円(前年同期比98.1%増)となりました。
(連結業績) (単位:百万円)
2022年2月期第2四半期2023年2月期第2四半期
前年同期比前年同期比
営業収益158,1252.4%増386,171144.2%増
営業利益3,30528.2%増5,10854.6%増
経常利益4,66330.7%増6,03929.5%増
親会社株主に帰属する四半期純利益2,99939.3%増5,94398.1%増

(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における「営業活動によるキャッシュ・フロー」につきましては、税金等調整前四半期純利益95億32百万円に含まれる非資金損益項目の減価償却費85億28百万円の調整と、増加要因として、仕入債務の増減額85億45百万円等により、188億73百万円の収入(前年同期は48億49百万円の収入)となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」につきましては、有形及び無形固定資産の取得(設備関係支払手形決済等を含む)による支出が98億67百万円あったことなどにより41億42百万円の支出(前年同期は39億29百万円の支出)となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」につきましては、長期借入れによる収入が115億円、一方で長期借入金の返済による支出が137億円あったことなどにより53億29百万円の支出(前年同期は9億2百万円の収入)となりました。
以上の結果、新規連結会社の期首取込額150億68百万円を含め、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高は369億69百万円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。