四半期報告書-第57期第1四半期(2023/03/01-2023/05/31)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)が判断したものです。
(1) 財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末から6億84百万円減少し、4,306億34百万円となりました。減少の主な原因は、現金及び預金が24億70百万円減少したことによるものです。一方で商品が18億63百万円増加しました。
負債の残高は、前連結会計年度末から13億円減少し、2,206億29百万円となりました。減少の主な原因は、短期借入金が33億57百万円、未払法人税等が35億27百万円、長期借入金が32億5百万円それぞれ減少したことによるものです。一方で支払手形及び買掛金が61億86百万円増加しました。
純資産の残高は、利益剰余金が4億72百万円増加したことなどにより2,100億5百万円となり、前連結会計年度末から6億16百万円増加しました。
(2) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年5月31日)におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルスの感染法上における位置づけが「5類感染症」へ変更され、人流が活発化し、外出機会やインバウンド需要がコロナ前の水準に近づくなど、脱コロナ社会へ向けて緩やかな回復基調を維持しました。資源価格や原材料価格の上昇などに起因する物価高からのマイナス影響を受けながらも、宿泊、飲食、サービス、交通への需要回復や供給制約の緩和による自動車販売の回復などにより個人消費が増加したことに加え、企業設備投資なども増加したことで、2023年1-3月期の実質GDP成長率は前期比0.7%増となりました。
このような環境下において、当社は、「お客さまと従業員の『圧倒的な安心とワクワク』を実現する」を経営ビジョンに掲げ、「現場主義」「従業員満足」「シナジー創出」を経営方針とし、引き続きお客さま及び従業員の安全・安心の確保に注力するとともに、お客さまと社会の行動や変化に対して柔軟かつ迅速に対応する、最も地域に貢献する企業集団を目指しています。コロナ禍で深刻な影響を受けた事業や業態の多くが回復基調を維持するなど、脱コロナ社会へ向けた動きが着実となる一方で、人口減少、業態を超えた同質化競争、消費の成熟化など従前からの課題と、物価高によるコスト増などの新たな課題へ対応すべく挑戦を続けます。そのような認識のもと、常にお客さまの行動を具体的なデータとともに分析し、商品やサービスに対する現場の声を事業活動に反映させ、最新のお客さまニーズへ対応することで売上高の伸長を目指します。また、商品管理を徹底しロスの削減による荒利益高の改善とコストコントロールを推し進め、各利益項目の最大化を目指します。
株式会社フジ・リテイリングは、地域との繋がりを大切にし、お客さまのくらしを支え、「この街に、あってよかった。」と思っていただける店舗づくりを目指すとともに、現場主義を徹底し、お客さまの視点に立って具体的に行動できる企業文化の構築を進めています。店舗では、「最新基準の店舗づくり」を掲げ、愛媛県と広島県を重点エリアと定める新規出店計画を進めるとともに、安全と安心が確保された快適な買物環境の追求、デジタル化の推進、多様化するニーズへの対応など店頭の利便性と競争力向上を目指す既存店の活性化にも取り組んでいます。2022年8月以降段階的なオープンを進めてきたラクア緑井(みどりい)(広島市安佐南区)は、3月にグランドオープンを迎えました。既存店では、3月にフジグラン緑井(みどりい)(広島市安佐南区)、4月にフジグランナタリー(広島県廿日市市)とフジ白島(はくしま)店(広島市中区)において改装による活性化を進めるとともに、大型店を中心にコロナ禍で中止していた大規模なイベントを再開するなど、賑わいを取り戻し集客につなげる売場活性化にも取り組んでいます。
食料品は、競争力の維持・向上に向け、物価高で高まるお客さまの生活防衛意識に対応すべく価格訴求を推し進めています。また、前事業年度に実施した創業55周年記念事業の一環として開発を進めた、地元の素材、味付け、新たなメニュー提案を追求した記念商品をさらに進化させるなど、新たな価値をお客さまへ提供する取り組みも継続しています。
人流の活発化に伴い、外出や旅行、帰省などへの需要に対応すべく、行楽商材や手土産などの販売、おもてなしメニューの提案に注力しました。
さらなる事業の拡大に取り組む移動スーパーは、3月にフジグラン北島(きたじま)(徳島県板野郡北島町)で新たにサービスを開始しました。4月には、既にサービスを開始しているフジ柳井(やない)店(山口県柳井市)で販売エリアを拡大し、合計43店舗を拠点に76台228ルートでサービスを提供しています。
衣料品及び住居関連品は、ライフスタイルやニーズの変化へ迅速に対応すべく商品構成の見直しやレイアウト変更などによる既存店の活性化に取り組んでいます。脱コロナ社会へ向けて増加する旅行・外出需要への対応に注力するとともに「美と健康」をテーマとした商品の拡大も進めており、婦人衣料、履物、服飾を中心に回復基調が続いています。また、テナント事業も、飲食店やアパレル店を中心に堅調に推移しました。
以上の取り組みにより、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比5.0%増、衣料品同3.6%増、住居関連品同2.2%減、移動スーパー事業同35.2%増、テナント事業同9.4%増)。
当事業年度においてもあらゆるコストの高止まりは続いています。電気料金を中心とする光熱費は、前年同期を上回りましたが、全社を挙げた積極的な電気使用量の節減に加え契約変更による単価の引き下げなどに努めました。あわせて、物価上昇へ対応し従業員のモチベーション向上にも繋げるべく賃上げを実施する一方で、業務の効率化と省力化による生産性向上やコストコントロールに取り組みましたが、販売費及び一般管理費は前年同期を上回りました(販売費及び一般管理費前年同期比5.8%増、人件費同5.0%増、全社電気使用量同8.2%減、電気料金同27.2%増)。
同社は、循環型社会の実現に向け、お客さまとともにマイバッグ・マイバスケット持参によるレジ袋の削減や、食品トレーや牛乳パック、ペットボトルなどを店頭で回収することによるリサイクル推進に取り組んでいます。また、ご家庭などの余剰食料品を持ち寄っていただき福祉団体・施設に寄贈するフードドライブ活動を拡大すべく、新たに徳島県の4店舗にフードドライブコーナーを設置し、合計35店舗で取り組んでいます。さらに、自家消費型太陽光パネルの設置を進め現在までに38店舗への設置が完了したことで、年間約4,000tのCO2排出量削減に寄与する見込みであり、今後も設置店舗を増加させる計画です。あわせて、店舗屋上広告塔の常時消灯や店内照明の照度調整、日々の気温を考慮した空調温度の設定など省エネ対策を強化することで、脱炭素社会の実現に向けさらなる省エネ・再エネの推進と環境負荷の低減に取り組んでいます。
株式会社フジ・リテイリングの子会社のSM事業会社について、株式会社フジマートは、利便性向上を目指し、3月にピュアークック五月が丘(さつきがおか)店(広島市佐伯区)、4月にピュアークック観音(かんおん)店(広島市西区)において改装による活性化を行いました。また、株式会社ニチエーは、3月にニチエー沼南(しょうなん)店(広島県福山市)において改装による活性化を実施する一方で、5月にニチエー沼田東(ぬたひがし)店(広島県三原市)とニチエー新市(しんいち)店(広島県福山市)を閉店しました。
コロナ禍で大きな影響を受けた株式会社フジ・リテイリングの子会社について、飲食業では、新業態や新メニューの開発に注力しており、4月に焼肉業態の小型店舗である焼肉食堂炎蔵松山市駅前店(愛媛県松山市)を新規出店しました。人流の活発化に伴い客数は回復基調を維持しており、業績は堅調に推移しています。総合フィットネスクラブ事業は、新たなサービスの開始や接客向上に取り組んでおり、業績は緩やかに回復しています。近年では、プール施設の老朽化や指導スキルの確保などの課題を抱える学校が増えており、2022年6月に広島県海田町教育委員会から小学校1校の水泳指導業務を受託しており、当事業年度も廿日市市と福山市において新たに小学校2校の水泳指導業務を受託する予定です。また、廿日市市多世代活動交流センター「フジタスクウェアまるくる大野」において、3月からアリーナ・トレーニング室等の運営を受託しています。長年培ってきた水泳指導のノウハウや自社施設及び人材などを活用し、お子様の健やかな発育と発達や地域の賑わい創出への貢献を目指しています。一般旅行業は、全国旅行支援の後押しを受けた国内旅行の需要回復に伴い、業績は回復基調が続いています(飲食業営業収益前年同期比14.0%増、総合フィットネスクラブ事業同8.6%増、一般旅行業同229.3%増)。
マックスバリュ西日本株式会社は、「旬・鮮度」「豊富さ」「お求めやすい価格」「クリンリネス」「笑顔の接客」の徹底を基本とし、「地域密着」「生鮮強化」を軸にサプライチェーン改革を行い、お客さまが安全に安心して楽しくお買い物ができる店舗づくりに取り組んでいます。兵庫県西部、岡山市、広島市、山口県、香川県及び山陰エリアを中心とする出店計画と既存店の活性化に加え、移動スーパーやEコマースをはじめとするノンストア事業の確立に向けた取り組みを進めています。さらに、より便利な買い物環境の実現を目指し、スマートフォンアプリ「iAEON(アイイオン)」によるお買い得情報の発信、アプリ決済の推進、また、専用端末でスキャンしながら買い回りができる「マイピレジ」の導入拡大など、デジタル活用も進めています。加えて、新型コロナ感染症の行動制限の緩和とともに活発化する外出や行楽、帰省など人の移動に伴う需要にも対応して取り組んでいます。
新規出店は、4月にマックスバリュ河崎(かわさき)店(鳥取県米子市)の1店舗をオープンしています。既存店では、4月にマックスバリュ段原(だんばら)店(広島市南区)、マルナカ仏生山(ぶっしょうざん)店(香川県高松市)、マルナカ佐川(さかわ)店(高知県高岡郡佐川町)、5月にマルナカ加茂(かも)店(広島県福山市)の4店舗で改装による活性化を進めました。
商品では、外出が活発化し内食需要が落ち着き、相場高の影響により農産や水産などの生鮮品は伸び悩む一方、行楽機会が増え、値上がりした光熱費や食用油類などへの負担から家庭の料理機会が抑制されたことで惣菜の販売は好調に推移しました。地域の特色を活かした商品開発では、地元素材を使用した弁当や加工品などの開発に取り組み、バイヤーが厳選しておすすめする「バイヤー三ツ星」の商品として全店に展開し販売の強化に取り組んでいます。また、販売点数アップに向けて、PB商品の販売強化、火曜市の深耕、夕刻以降の出来立て商品の拡充にも取り組み、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比2.1%増、衣料品同4.2%減、住居関連品同1.5%増)。
移動スーパーでは、3月にマルナカ山陽(さんよう)店(岡山県赤磐市)で新たに開始したことで、9県25店舗を拠点に35台の専用車両の展開となり、日常のお買物が困難な山間部や島しょ部の地域を中心に事業を拡大しています。また、デリバリーサービスの導入では、5月よりマックスバリュ西明石南(にしあかしみなみ)店(兵庫県明石市)、マックスバリュ茶園場(さえんば)店(兵庫県明石市)にてUberEatsのサービスを開始しました。今後も移動スーパーや無人店舗の展開を進め、お客さまの不便の解消と新たなニーズに対応し、便利で新しいサービスを提案していきます。
店舗運営では、光熱費の削減に努め節電を徹底するとともに、プロセスセンターからの商品供給により売場づくりの精度向上と、店舗作業の軽減で店内作業の省力化を進め、生産性の向上による利益の拡大を図っています。当事業年度では、2022年9月に稼働を始めた岡山総合プロセスセンターの供給拡大に加えて、3月には兵庫県姫路市で、新たに兵庫プロセスセンターの稼働を開始しました。今後は、さらなる供給拡大により需要の時間帯にあわせた売場の出来栄えの向上と、店舗作業の軽減、素材を生かした独自商品の開発に取り組み、一層の店舗の生産性向上と収益の拡大を図ります(販売費及び一般管理費前年同期比2.7%増、人件費同2.9%増、全社電気使用量同10.5%減、電気料金同0.0%増)。
同社は、地域を支援する目的で、事業地域のスポーツチームへのスポンサー活動、地域団体への寄附金贈呈を行っています。4月には、同社がオフィシャルトップパートナーとしてスポンサードをつとめるレノファ山口FCに、山口県内で発行している「大好きレノファ山口FC WAON」の利用金額の一部を、また、「徳山動物園WAON」「姫路城WAON」「にぎわい徳島WAON」などそれぞれの地域において寄附金を贈呈しています。5月には「イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン」として、2022年度に投函いただいたお買い上げレシートの合計金額1%相当分を寄附金として、各地域のボランティア団体718団体に贈呈しました。
また、持続可能な社会の実現に向け、食品廃棄物の削減や、CO2排出削減の取り組みを推進しています。4月には、兵庫県加東市及び加東市社会福祉協議会と「フードバンク活動における三者連携協定」を締結し、マックスバリュ東条(とうじょう)店、マックスバリュ社(やしろ)店の2店舗で、賞味期限前の商品を同社会福祉協議会に提供するフードバンク活動を開始しました。また徳島県でも、県内20店舗でフードバンク活動を開始するとともに、家庭で余剰となった食品をお持ち頂き集めて寄贈するフードドライブコーナーを新たに20店舗で設置しました。これにより、当期末時点でフードドライブの常設コーナーの設置は76店舗、フードバンク活動は282店舗となっています。同じく4月には、マルナカまんのう公文(くもん)店(香川県仲多度郡まんのう町)の再生可能エネルギーを100%使用し、CO2排出の実質ゼロを目指した店舗運営が評価され、香川県の「かがわ脱炭素取組優秀賞」に選出されています。引き続き、地域の環境に配慮した取り組みを進め、安全で安心な生活ができる環境づくりに努めます。
当社は、2022年3月1日付「マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制への移行完了及び当社子会社の商号変更に関するお知らせ」のとおり、マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制へ移行しました。現在は、2024年3月の合併新会社発足を見据えシナジーを創出すべく株式会社フジ・リテイリング及びマックスバリュ西日本株式会社と事業課題やその問題解決について議論を進めています。
当連結累計期間においては、営業収益は堅調に推移し増収となりました。しかしながら、積極的なロス削減に取り組んだものの仕入価格の上昇により荒利益率は低下しました。賃上げの実施により上昇した人件費は未来への積極的な投資と捉える一方で、プロセスセンターの活用やデジタル化の推進などによる生産性の向上に取り組み、また、あらゆるコストの積極的な節減に取り組みましたが、販売費及び一般管理費は前年同期比17億86百万円増加し、各利益項目は前年同期を下回りました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は1,953億86百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は23億38百万円(前年同期比14.7%減)、経常利益は28億1百万円(前年同期比10.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億74百万円(前年同期比12.9%減)となりました。
(連結業績) (単位:百万円)
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(1) 財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末から6億84百万円減少し、4,306億34百万円となりました。減少の主な原因は、現金及び預金が24億70百万円減少したことによるものです。一方で商品が18億63百万円増加しました。
負債の残高は、前連結会計年度末から13億円減少し、2,206億29百万円となりました。減少の主な原因は、短期借入金が33億57百万円、未払法人税等が35億27百万円、長期借入金が32億5百万円それぞれ減少したことによるものです。一方で支払手形及び買掛金が61億86百万円増加しました。
純資産の残高は、利益剰余金が4億72百万円増加したことなどにより2,100億5百万円となり、前連結会計年度末から6億16百万円増加しました。
(2) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年5月31日)におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルスの感染法上における位置づけが「5類感染症」へ変更され、人流が活発化し、外出機会やインバウンド需要がコロナ前の水準に近づくなど、脱コロナ社会へ向けて緩やかな回復基調を維持しました。資源価格や原材料価格の上昇などに起因する物価高からのマイナス影響を受けながらも、宿泊、飲食、サービス、交通への需要回復や供給制約の緩和による自動車販売の回復などにより個人消費が増加したことに加え、企業設備投資なども増加したことで、2023年1-3月期の実質GDP成長率は前期比0.7%増となりました。
このような環境下において、当社は、「お客さまと従業員の『圧倒的な安心とワクワク』を実現する」を経営ビジョンに掲げ、「現場主義」「従業員満足」「シナジー創出」を経営方針とし、引き続きお客さま及び従業員の安全・安心の確保に注力するとともに、お客さまと社会の行動や変化に対して柔軟かつ迅速に対応する、最も地域に貢献する企業集団を目指しています。コロナ禍で深刻な影響を受けた事業や業態の多くが回復基調を維持するなど、脱コロナ社会へ向けた動きが着実となる一方で、人口減少、業態を超えた同質化競争、消費の成熟化など従前からの課題と、物価高によるコスト増などの新たな課題へ対応すべく挑戦を続けます。そのような認識のもと、常にお客さまの行動を具体的なデータとともに分析し、商品やサービスに対する現場の声を事業活動に反映させ、最新のお客さまニーズへ対応することで売上高の伸長を目指します。また、商品管理を徹底しロスの削減による荒利益高の改善とコストコントロールを推し進め、各利益項目の最大化を目指します。
株式会社フジ・リテイリングは、地域との繋がりを大切にし、お客さまのくらしを支え、「この街に、あってよかった。」と思っていただける店舗づくりを目指すとともに、現場主義を徹底し、お客さまの視点に立って具体的に行動できる企業文化の構築を進めています。店舗では、「最新基準の店舗づくり」を掲げ、愛媛県と広島県を重点エリアと定める新規出店計画を進めるとともに、安全と安心が確保された快適な買物環境の追求、デジタル化の推進、多様化するニーズへの対応など店頭の利便性と競争力向上を目指す既存店の活性化にも取り組んでいます。2022年8月以降段階的なオープンを進めてきたラクア緑井(みどりい)(広島市安佐南区)は、3月にグランドオープンを迎えました。既存店では、3月にフジグラン緑井(みどりい)(広島市安佐南区)、4月にフジグランナタリー(広島県廿日市市)とフジ白島(はくしま)店(広島市中区)において改装による活性化を進めるとともに、大型店を中心にコロナ禍で中止していた大規模なイベントを再開するなど、賑わいを取り戻し集客につなげる売場活性化にも取り組んでいます。
食料品は、競争力の維持・向上に向け、物価高で高まるお客さまの生活防衛意識に対応すべく価格訴求を推し進めています。また、前事業年度に実施した創業55周年記念事業の一環として開発を進めた、地元の素材、味付け、新たなメニュー提案を追求した記念商品をさらに進化させるなど、新たな価値をお客さまへ提供する取り組みも継続しています。
人流の活発化に伴い、外出や旅行、帰省などへの需要に対応すべく、行楽商材や手土産などの販売、おもてなしメニューの提案に注力しました。
さらなる事業の拡大に取り組む移動スーパーは、3月にフジグラン北島(きたじま)(徳島県板野郡北島町)で新たにサービスを開始しました。4月には、既にサービスを開始しているフジ柳井(やない)店(山口県柳井市)で販売エリアを拡大し、合計43店舗を拠点に76台228ルートでサービスを提供しています。
衣料品及び住居関連品は、ライフスタイルやニーズの変化へ迅速に対応すべく商品構成の見直しやレイアウト変更などによる既存店の活性化に取り組んでいます。脱コロナ社会へ向けて増加する旅行・外出需要への対応に注力するとともに「美と健康」をテーマとした商品の拡大も進めており、婦人衣料、履物、服飾を中心に回復基調が続いています。また、テナント事業も、飲食店やアパレル店を中心に堅調に推移しました。
以上の取り組みにより、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比5.0%増、衣料品同3.6%増、住居関連品同2.2%減、移動スーパー事業同35.2%増、テナント事業同9.4%増)。
当事業年度においてもあらゆるコストの高止まりは続いています。電気料金を中心とする光熱費は、前年同期を上回りましたが、全社を挙げた積極的な電気使用量の節減に加え契約変更による単価の引き下げなどに努めました。あわせて、物価上昇へ対応し従業員のモチベーション向上にも繋げるべく賃上げを実施する一方で、業務の効率化と省力化による生産性向上やコストコントロールに取り組みましたが、販売費及び一般管理費は前年同期を上回りました(販売費及び一般管理費前年同期比5.8%増、人件費同5.0%増、全社電気使用量同8.2%減、電気料金同27.2%増)。
同社は、循環型社会の実現に向け、お客さまとともにマイバッグ・マイバスケット持参によるレジ袋の削減や、食品トレーや牛乳パック、ペットボトルなどを店頭で回収することによるリサイクル推進に取り組んでいます。また、ご家庭などの余剰食料品を持ち寄っていただき福祉団体・施設に寄贈するフードドライブ活動を拡大すべく、新たに徳島県の4店舗にフードドライブコーナーを設置し、合計35店舗で取り組んでいます。さらに、自家消費型太陽光パネルの設置を進め現在までに38店舗への設置が完了したことで、年間約4,000tのCO2排出量削減に寄与する見込みであり、今後も設置店舗を増加させる計画です。あわせて、店舗屋上広告塔の常時消灯や店内照明の照度調整、日々の気温を考慮した空調温度の設定など省エネ対策を強化することで、脱炭素社会の実現に向けさらなる省エネ・再エネの推進と環境負荷の低減に取り組んでいます。
株式会社フジ・リテイリングの子会社のSM事業会社について、株式会社フジマートは、利便性向上を目指し、3月にピュアークック五月が丘(さつきがおか)店(広島市佐伯区)、4月にピュアークック観音(かんおん)店(広島市西区)において改装による活性化を行いました。また、株式会社ニチエーは、3月にニチエー沼南(しょうなん)店(広島県福山市)において改装による活性化を実施する一方で、5月にニチエー沼田東(ぬたひがし)店(広島県三原市)とニチエー新市(しんいち)店(広島県福山市)を閉店しました。
コロナ禍で大きな影響を受けた株式会社フジ・リテイリングの子会社について、飲食業では、新業態や新メニューの開発に注力しており、4月に焼肉業態の小型店舗である焼肉食堂炎蔵松山市駅前店(愛媛県松山市)を新規出店しました。人流の活発化に伴い客数は回復基調を維持しており、業績は堅調に推移しています。総合フィットネスクラブ事業は、新たなサービスの開始や接客向上に取り組んでおり、業績は緩やかに回復しています。近年では、プール施設の老朽化や指導スキルの確保などの課題を抱える学校が増えており、2022年6月に広島県海田町教育委員会から小学校1校の水泳指導業務を受託しており、当事業年度も廿日市市と福山市において新たに小学校2校の水泳指導業務を受託する予定です。また、廿日市市多世代活動交流センター「フジタスクウェアまるくる大野」において、3月からアリーナ・トレーニング室等の運営を受託しています。長年培ってきた水泳指導のノウハウや自社施設及び人材などを活用し、お子様の健やかな発育と発達や地域の賑わい創出への貢献を目指しています。一般旅行業は、全国旅行支援の後押しを受けた国内旅行の需要回復に伴い、業績は回復基調が続いています(飲食業営業収益前年同期比14.0%増、総合フィットネスクラブ事業同8.6%増、一般旅行業同229.3%増)。
マックスバリュ西日本株式会社は、「旬・鮮度」「豊富さ」「お求めやすい価格」「クリンリネス」「笑顔の接客」の徹底を基本とし、「地域密着」「生鮮強化」を軸にサプライチェーン改革を行い、お客さまが安全に安心して楽しくお買い物ができる店舗づくりに取り組んでいます。兵庫県西部、岡山市、広島市、山口県、香川県及び山陰エリアを中心とする出店計画と既存店の活性化に加え、移動スーパーやEコマースをはじめとするノンストア事業の確立に向けた取り組みを進めています。さらに、より便利な買い物環境の実現を目指し、スマートフォンアプリ「iAEON(アイイオン)」によるお買い得情報の発信、アプリ決済の推進、また、専用端末でスキャンしながら買い回りができる「マイピレジ」の導入拡大など、デジタル活用も進めています。加えて、新型コロナ感染症の行動制限の緩和とともに活発化する外出や行楽、帰省など人の移動に伴う需要にも対応して取り組んでいます。
新規出店は、4月にマックスバリュ河崎(かわさき)店(鳥取県米子市)の1店舗をオープンしています。既存店では、4月にマックスバリュ段原(だんばら)店(広島市南区)、マルナカ仏生山(ぶっしょうざん)店(香川県高松市)、マルナカ佐川(さかわ)店(高知県高岡郡佐川町)、5月にマルナカ加茂(かも)店(広島県福山市)の4店舗で改装による活性化を進めました。
商品では、外出が活発化し内食需要が落ち着き、相場高の影響により農産や水産などの生鮮品は伸び悩む一方、行楽機会が増え、値上がりした光熱費や食用油類などへの負担から家庭の料理機会が抑制されたことで惣菜の販売は好調に推移しました。地域の特色を活かした商品開発では、地元素材を使用した弁当や加工品などの開発に取り組み、バイヤーが厳選しておすすめする「バイヤー三ツ星」の商品として全店に展開し販売の強化に取り組んでいます。また、販売点数アップに向けて、PB商品の販売強化、火曜市の深耕、夕刻以降の出来立て商品の拡充にも取り組み、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比2.1%増、衣料品同4.2%減、住居関連品同1.5%増)。
移動スーパーでは、3月にマルナカ山陽(さんよう)店(岡山県赤磐市)で新たに開始したことで、9県25店舗を拠点に35台の専用車両の展開となり、日常のお買物が困難な山間部や島しょ部の地域を中心に事業を拡大しています。また、デリバリーサービスの導入では、5月よりマックスバリュ西明石南(にしあかしみなみ)店(兵庫県明石市)、マックスバリュ茶園場(さえんば)店(兵庫県明石市)にてUberEatsのサービスを開始しました。今後も移動スーパーや無人店舗の展開を進め、お客さまの不便の解消と新たなニーズに対応し、便利で新しいサービスを提案していきます。
店舗運営では、光熱費の削減に努め節電を徹底するとともに、プロセスセンターからの商品供給により売場づくりの精度向上と、店舗作業の軽減で店内作業の省力化を進め、生産性の向上による利益の拡大を図っています。当事業年度では、2022年9月に稼働を始めた岡山総合プロセスセンターの供給拡大に加えて、3月には兵庫県姫路市で、新たに兵庫プロセスセンターの稼働を開始しました。今後は、さらなる供給拡大により需要の時間帯にあわせた売場の出来栄えの向上と、店舗作業の軽減、素材を生かした独自商品の開発に取り組み、一層の店舗の生産性向上と収益の拡大を図ります(販売費及び一般管理費前年同期比2.7%増、人件費同2.9%増、全社電気使用量同10.5%減、電気料金同0.0%増)。
同社は、地域を支援する目的で、事業地域のスポーツチームへのスポンサー活動、地域団体への寄附金贈呈を行っています。4月には、同社がオフィシャルトップパートナーとしてスポンサードをつとめるレノファ山口FCに、山口県内で発行している「大好きレノファ山口FC WAON」の利用金額の一部を、また、「徳山動物園WAON」「姫路城WAON」「にぎわい徳島WAON」などそれぞれの地域において寄附金を贈呈しています。5月には「イオン幸せの黄色いレシートキャンペーン」として、2022年度に投函いただいたお買い上げレシートの合計金額1%相当分を寄附金として、各地域のボランティア団体718団体に贈呈しました。
また、持続可能な社会の実現に向け、食品廃棄物の削減や、CO2排出削減の取り組みを推進しています。4月には、兵庫県加東市及び加東市社会福祉協議会と「フードバンク活動における三者連携協定」を締結し、マックスバリュ東条(とうじょう)店、マックスバリュ社(やしろ)店の2店舗で、賞味期限前の商品を同社会福祉協議会に提供するフードバンク活動を開始しました。また徳島県でも、県内20店舗でフードバンク活動を開始するとともに、家庭で余剰となった食品をお持ち頂き集めて寄贈するフードドライブコーナーを新たに20店舗で設置しました。これにより、当期末時点でフードドライブの常設コーナーの設置は76店舗、フードバンク活動は282店舗となっています。同じく4月には、マルナカまんのう公文(くもん)店(香川県仲多度郡まんのう町)の再生可能エネルギーを100%使用し、CO2排出の実質ゼロを目指した店舗運営が評価され、香川県の「かがわ脱炭素取組優秀賞」に選出されています。引き続き、地域の環境に配慮した取り組みを進め、安全で安心な生活ができる環境づくりに努めます。
当社は、2022年3月1日付「マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制への移行完了及び当社子会社の商号変更に関するお知らせ」のとおり、マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制へ移行しました。現在は、2024年3月の合併新会社発足を見据えシナジーを創出すべく株式会社フジ・リテイリング及びマックスバリュ西日本株式会社と事業課題やその問題解決について議論を進めています。
当連結累計期間においては、営業収益は堅調に推移し増収となりました。しかしながら、積極的なロス削減に取り組んだものの仕入価格の上昇により荒利益率は低下しました。賃上げの実施により上昇した人件費は未来への積極的な投資と捉える一方で、プロセスセンターの活用やデジタル化の推進などによる生産性の向上に取り組み、また、あらゆるコストの積極的な節減に取り組みましたが、販売費及び一般管理費は前年同期比17億86百万円増加し、各利益項目は前年同期を下回りました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は1,953億86百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は23億38百万円(前年同期比14.7%減)、経常利益は28億1百万円(前年同期比10.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億74百万円(前年同期比12.9%減)となりました。
(連結業績) (単位:百万円)
2023年2月期第1四半期 | 2024年2月期第1四半期 | ||||
前年同期比 | 前年同期比 | ||||
営業収益 | 189,676 | 142.7%増 | 195,386 | 3.0%増 | |
営業利益 | 2,742 | 60.8%増 | 2,338 | 14.7%減 | |
経常利益 | 3,141 | 37.8%増 | 2,801 | 10.8%減 | |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 2,038 | 39.1%増 | 1,774 | 12.9%減 |
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。