四半期報告書-第56期第3四半期(2022/09/01-2022/11/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)が判断したものです。
(1) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末から2,673億80百万円増加し、4,423億52百万円となりました。増加の主な原因は、現金及び預金が241億92百万円、商品が253億3百万円、有形固定資産が1,520億1百万円、無形固定資産に含まれるのれんが259億54百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債の残高は、前連結会計年度末から1,563億89百万円増加し、2,360億26百万円となりました。増加の主な原因は、支払手形及び買掛金が449億43百万円、短期借入金が220億31百万円、長期借入金が391億62百万円それぞれ増加したことによるものです。
純資産の残高は、資本剰余金が1,223億22百万円増加したことなどにより2,063億26百万円となり、前連結会計年度末から1,109億90百万円増加しました。
(2) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年3月1日~2022年11月30日)におけるわが国の経済は、歴史的な円安、天然資源や穀物価格の上昇による食料品やエネルギー価格の高騰などが家計や企業活動に大きな影響を与え、また、貿易赤字の拡大などにより7-9月期の実質GDP成長率が前期比年率0.8%減(前期比0.2%減)となり、加えて、緊迫が続く世界情勢、為替変動リスク、電力需給ひっ迫、感染「第8波」への懸念など、依然として不透明なままです。しかしながら、感染「第7波」があったものの3年ぶりとなる行動制限のない夏休みや行楽シーズンを迎え、また、全国旅行支援などの後押しもあり、旅行・娯楽・外食などのサービス消費への支出は回復基調を維持しました。
このような環境下において、当社は、「お客さまと従業員の『圧倒的な安心とワクワク』を実現する」を経営ビジョンに掲げ、「現場主義」「従業員満足」「シナジー創出」を経営方針とし、最も地域に貢献する企業集団を目指しています。コロナ禍で深刻な影響を受けた事業や業態の多くが回復基調となったものの、人口減少による市場の縮小、消費の成熟化、業種や業態の垣根を越えた競争環境、Z世代を始めとする新たなライフスタイルへの対応など従前からの課題に加え、内食・巣籠需要の減退など変化する消費者の購買行動への速やかな対応や、原材料価格や光熱費の上昇と高止まりによるコスト増などの新たな課題に直面しています。そのような認識のもと、引き続きお客さま及び従業員の安全・安心の確保に注力し、防疫と経済活動が両立する社会への対応を推し進めると同時に、お客さま視点で購買行動を分析し最新ニーズへの対応に注力するとともに、ロスやコストの削減に取り組んでいます。
株式会社フジ・リテイリングは、地域との繋がりを大切にし、お客さまと地域のくらしを支え、「この街に、あってよかった。」と思っていただける店舗づくりを目指すとともに、お客さま視点で考え行動できる企業文化の構築を進めています。また、創業55周年を迎えており、記念販促、記念商品の開発、地域のくらしに密着する活動、お客さまと従業員満足度の向上に資する活動など様々な記念事業を実施しています。新規出店では、「最新基準の店舗づくり」を掲げ、愛媛県と広島県を重点エリアと定める出店計画を進めており、8月にラクア緑井(みどりい)(広島市安佐南区)をファーストオープン(同店は2023年春までに段階的なオープンを計画)、11月にフジ古川椿(ふるかわつばき)店(愛媛県松山市)をオープンしました。既存店では、安全と安心が確保された快適な買物環境の追求、デジタル化の推進、多様化ニーズへの対応など店頭の利便性と競争力向上を目指し、9月にフジ南久米(みなみくめ)店(愛媛県松山市)、10月にフジ広見(ひろみ)店(愛媛県北宇和郡鬼北町)、11月にフジグラン石井(いしい)(徳島県名西郡石井町)を改装しました。
食料品は、競争力を向上すべく安さへの対応を継続しました。また、回復基調である外出・旅行需要などへ対応すべく、行楽商材、ごちそうメニュー、手土産などの販売に注力しました。さらに、エネルギー価格上昇などを背景に家庭での節電や調理時間節減への意識の高まりに対し、加工度の高い調理品や半調理品の品ぞろえを拡充するなど、新たな需要変化の対応に注力しました。加えて、「北海道うまいもの味めぐり」や「ハロウィン」、「冬ギフト」など催事企画の商品改廃や拡充も推し進めました。
さらなる事業の拡大に取り組む移動スーパーは、前四半期までの7店舗に加え、9月にフジ宇和島(うわじま)店(愛媛県宇和島市)、フジグラン緑井(みどりい)(広島市安佐南区)、フジ長門(ながと)店(山口県長門市)、11月にフジグラン重信(しげのぶ)(愛媛県東温市)で新たにサービスを開始し、合計38店舗を拠点に69台207ルートでサービスを提供しています。以上の取り組みにより、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比2.8%増、移動スーパー事業売上高前年同期比36.1%増)。
コロナ禍で市場が縮小した衣料品と住居関連品は、変化するライフスタイルやニーズへ対応すべく、「安さ」「健康と美」「環境配慮型」などをテーマに商品構成の見直しを行うとともに、レイアウト変更などによる既存店の活性化に取り組みました。コロナ禍により需要が大幅に縮小していた季節商品や外出関連商品の回復に加え、全国旅行支援の後押しを受け、旅行関連品が堅調に推移したこともあり、売上高は緩やかな回復基調を維持しました(衣料品売上高前年同期比4.3%増、住居関連品売上高前年同期比0.02%増)。加えて、テナント売上高も、飲食店やアパレル店を中心に回復基調です(テナント事業売上高前年同期比5.8%増)。
あらゆるコストが上昇するなか、特に電気料金を中心とする光熱費は高騰が続いており、全社を挙げて電気使用量の削減に積極的に取り組むとともに、業務の効率化や省力化による生産性向上や広告費の見直しを行いましたが、販売費及び一般管理費は前年を上回りました(販売費及び一般管理費前年同期比6.6%増、電気料金前年同期比52.6%増)。
また、同社は、循環型社会の実現に向け、お客さまとともにマイバッグ・マイバスケット持参によるレジ袋の削減や、食品トレーや牛乳パック、ペットボトルなどを店頭で回収することによるリサイクル推進に取り組んでいます。4月から、お客さまにお渡しするカトラリー類(スプーン、フォーク、ストローなど)を、プラスチック製から紙製や木製の環境配慮型素材へ切替えるなど、一層の使い捨てプラスチックの削減を進めています。さらに、自家消費型太陽光パネルの設置を進め現在までに35店舗への設置が完了したことで、年間約4,000tのCO2排出量削減を見込んでおり、引き続き設置店舗を増加させる計画です。加えて、7月1日~9月30日までの期間で実施した、店舗屋上広告塔の常時消灯や店内照明の照度調整、日々の気温を考慮した空調温度の設定など省エネ対策強化の期間を2023年2月末まで延長するなど、脱炭素社会の実現に向け、さらなる省エネ・再エネの推進と環境負荷の低減に取り組みました。
株式会社フジ・リテイリング子会社のスーパーマーケット事業会社について、株式会社フジマートは、商品・サービスのさらなる充実と利便性向上を図るべく4月にピュアークック中通(なかどおり)店(広島県呉市)、9月にピュアークック東雲(しののめ)店(広島市南区)を改装しました。また、株式会社フジマート四国では、株式会社サニーTSUBAKIから譲り受けた2店舗を、スーパーABC桑原(くわばら)店(愛媛県松山市)、スーパーABC道後樋又(どうごひまた)店(愛媛県松山市)として改装を加え3月から営業を開始、7月には、一時閉店し建替工事を進めていたスーパーABC平井(ひらい)店(愛媛県松山市)をリニューアルオープンしました。
コロナ禍で受けた影響からの回復を目指す飲食業は、まん延防止等重点措置全面解除後客数が伸長し、業績は回復基調です(営業収益前年同期比10.4%増)。また、総合フィットネスクラブ事業は、オンラインスタジオ「FIT NET」サービスの内容拡充、パーソナルトレーニングやペアストレッチなどの有料サービスの拡大などに取り組んでおり、業績は緩やかに回復しています(営業収益前年同期比2.4%増)。さらに、一般旅行業は、国内を中心に旅行需要が前期を上回ったことに加え新規事業が貢献し、業績は回復しています(営業収益前年同期比340.8%増)。
マックスバリュ西日本株式会社は、「旬・鮮度」「豊富さ」「お求めやすい価格」「クリンリネス」「笑顔の接客」の徹底を基本とし、「地域密着」「生鮮強化」を軸にサプライチェーン改革を行い、お客さまが安全に安心して楽しく買物ができる店舗づくりに取り組んでいます。兵庫県西部、岡山市、広島市、山口県、香川県及び山陰エリアを中心とする出店計画と既存店の活性化に加え、移動スーパーやEコマースをはじめとするノンストア事業の確立に向けた取り組みを進めています。加えて、感染症予防に起因する需要と消費スタイルの変化、アフターコロナを見据え活発化しつつある外出需要などへの対応を推進しました。
商品では、生鮮強化とともに、地場や旬の商品を圧倒的に販売する「数を売る商品」の展開、バイヤーが厳選しておすすめする「バイヤー三ツ星」を重点商品として全店で展開、地元生鮮素材を使った季節弁当など独自商品の開発に取り組みました。また、価格訴求や均一商品の展開など買上点数アップに向けた火曜市の深耕や、夕刻以降の加工数量増加や出来立て商品の品ぞろえ拡充などデリカの夕刻強化に取り組みましたが、外出自粛が緩和され外食やレジャーが活発化し内食需要が落ち着いたことによって、水産や畜産などの生鮮素材は影響を受けました(食料品売上高前年同期比0.3%減、衣料品売上高前年同期比3.5%減、住居関連品売上高前年同期比1.0%増)。
店舗運営では、電気料金単価の急上昇に伴い光熱費が大幅に増加しましたが、節電を徹底するとともに、9月から稼働を始めた岡山総合プロセスセンターの供給拡大による店舗作業の軽減など省力化を進めました(販売費及び一般管理費前年同期比0.02%増、電気料金前年同期比44.1%増)。
新規出店では、前四半期までの3店舗に加え、9月にマックスバリュ今市(いまいち)店(島根県出雲市)、10月にマルナカまんのう公文(くもん)店(香川県仲多度郡まんのう町)、ザ・ビッグ淀江(よどえ)店(鳥取県米子市)をオープン、既存店では、前四半期までの9店舗に加え、9月にマックスバリュエクスプレス北条(ほうじょう)店(兵庫県姫路市)、マックスバリュ山田(やまだ)店(山口県下松市)、11月にマルナカPCレインボー店(香川県高松市)の3店舗を改装しました。一方、9月にマルナカ丸亀(まるがめ)店(香川県丸亀市)、10月にマックスバリュ伊川谷(いかわだに)店(兵庫県神戸市)、11月にマックスバリュ矢野(やの)店(広島県広島市)を閉店しました。
移動販売では、9月にマルナカ新土庄(しんとのしょう)店(香川県小豆郡土庄町)、10月にマルナカ奈半利(なはり)店(高知県安芸郡奈半利町)、11月にマルナカ院庄(いんのしょう)店(岡山県津山市)、マックスバリュ平生東(ひらおひがし)店(山口県熊毛郡平生町)で新たに開始し、これまで9県19店舗を拠点に29台の専用車両で展開しており、日常のお買物が困難な山間部や島しょ部の地域を中心に事業を拡大しています。11月には、かねてより移動販売を行っていた広島県廿日市市の中山間部にある浅原地区の浅原交流会館に無人店舗を出店しました。生鮮品を届ける移動販売と、主に日用品を品揃えする無人店舗を組み合わせることによって幅広いお買物が楽しめるものとして、地域に根差す新たな取り組みを開始しました。今後も移動販売や無人店舗の展開を進め、お客さまの不便の解消と新たなニーズに対応し、便利で新しいサービスを提案してまいります。
同社は、地域を支援する目的で広島広域都市圏神楽後継者育成事業などに寄付金を贈呈しています。また、「徳山動物園WAON」、「おいでませ山口WAON」、「下松市こども未来WAON」、「ほうふ幸せますWAON」、「萩まちじゅう博物館WAON」など、それぞれの地域において電子マネーの利用金額の一部を寄付金として贈呈しています。さらに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとしては、一層の使い捨てプラスチックの削減を目指し、4月よりお客さまにお渡しするカトラリー類(スプーン、フォーク、ストローなど)を、プラスチック製から紙製や木製の環境配慮型素材へ順次切替えました。また、9月に鳥取県米子市のザ・ビッグ淀江(よどえ)店の新規出店にあわせて「イオンふるさと森づくり」植樹祭を開催し、約100名の地域の方々とともに約1,600本の植樹を行いました。10月には高知市内の店舗で販売したレジ袋の収益金を高知市のオフセット・クレジット(J―VER)制度を適用した「よさこいの森クレジット」の購入に充て、カーボン・オフセットを通じた地域の森林育成や環境保全活動の支援をしています。
当社は、2022年3月1日付「マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制への移行完了及び当社子会社の商号変更に関するお知らせ」のとおり、マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制へ移行しました。現在は、2024年3月の合併による統合新会社設立を見据え、シナジーを創出すべく株式会社フジ・リテイリング及びマックスバリュ西日本株式会社と事業課題やその問題解決について議論を進めています。
当連結累計期間においては、営業収益は堅調に推移しています。しかしながら、仕入価格や原材料価格の上昇による荒利益率の低下に加え、あらゆるコストの高まりが利益を押し下げました。特に電気料金は、当社グループ各社合計で前年同期比約50億円増加しており、節電の徹底とともに販売費や設備活動費など積極的なコストの節減に取り組みましたが、光熱費の増加分を吸収するには至っておりません。引き続き営業収益の拡大を図るとともに、ロスとコストの削減を推し進め、利益の確保に努めます。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は5,778億82百万円(前年同期比144.2%増)、営業利益は53億39百万円(前年同期比9.4%増)、経常利益は68億37百万円(前年同期比1.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は62億38百万円(前年同期比39.4%増)となりました。
(連結業績) (単位:百万円)
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(1) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末から2,673億80百万円増加し、4,423億52百万円となりました。増加の主な原因は、現金及び預金が241億92百万円、商品が253億3百万円、有形固定資産が1,520億1百万円、無形固定資産に含まれるのれんが259億54百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債の残高は、前連結会計年度末から1,563億89百万円増加し、2,360億26百万円となりました。増加の主な原因は、支払手形及び買掛金が449億43百万円、短期借入金が220億31百万円、長期借入金が391億62百万円それぞれ増加したことによるものです。
純資産の残高は、資本剰余金が1,223億22百万円増加したことなどにより2,063億26百万円となり、前連結会計年度末から1,109億90百万円増加しました。
(2) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年3月1日~2022年11月30日)におけるわが国の経済は、歴史的な円安、天然資源や穀物価格の上昇による食料品やエネルギー価格の高騰などが家計や企業活動に大きな影響を与え、また、貿易赤字の拡大などにより7-9月期の実質GDP成長率が前期比年率0.8%減(前期比0.2%減)となり、加えて、緊迫が続く世界情勢、為替変動リスク、電力需給ひっ迫、感染「第8波」への懸念など、依然として不透明なままです。しかしながら、感染「第7波」があったものの3年ぶりとなる行動制限のない夏休みや行楽シーズンを迎え、また、全国旅行支援などの後押しもあり、旅行・娯楽・外食などのサービス消費への支出は回復基調を維持しました。
このような環境下において、当社は、「お客さまと従業員の『圧倒的な安心とワクワク』を実現する」を経営ビジョンに掲げ、「現場主義」「従業員満足」「シナジー創出」を経営方針とし、最も地域に貢献する企業集団を目指しています。コロナ禍で深刻な影響を受けた事業や業態の多くが回復基調となったものの、人口減少による市場の縮小、消費の成熟化、業種や業態の垣根を越えた競争環境、Z世代を始めとする新たなライフスタイルへの対応など従前からの課題に加え、内食・巣籠需要の減退など変化する消費者の購買行動への速やかな対応や、原材料価格や光熱費の上昇と高止まりによるコスト増などの新たな課題に直面しています。そのような認識のもと、引き続きお客さま及び従業員の安全・安心の確保に注力し、防疫と経済活動が両立する社会への対応を推し進めると同時に、お客さま視点で購買行動を分析し最新ニーズへの対応に注力するとともに、ロスやコストの削減に取り組んでいます。
株式会社フジ・リテイリングは、地域との繋がりを大切にし、お客さまと地域のくらしを支え、「この街に、あってよかった。」と思っていただける店舗づくりを目指すとともに、お客さま視点で考え行動できる企業文化の構築を進めています。また、創業55周年を迎えており、記念販促、記念商品の開発、地域のくらしに密着する活動、お客さまと従業員満足度の向上に資する活動など様々な記念事業を実施しています。新規出店では、「最新基準の店舗づくり」を掲げ、愛媛県と広島県を重点エリアと定める出店計画を進めており、8月にラクア緑井(みどりい)(広島市安佐南区)をファーストオープン(同店は2023年春までに段階的なオープンを計画)、11月にフジ古川椿(ふるかわつばき)店(愛媛県松山市)をオープンしました。既存店では、安全と安心が確保された快適な買物環境の追求、デジタル化の推進、多様化ニーズへの対応など店頭の利便性と競争力向上を目指し、9月にフジ南久米(みなみくめ)店(愛媛県松山市)、10月にフジ広見(ひろみ)店(愛媛県北宇和郡鬼北町)、11月にフジグラン石井(いしい)(徳島県名西郡石井町)を改装しました。
食料品は、競争力を向上すべく安さへの対応を継続しました。また、回復基調である外出・旅行需要などへ対応すべく、行楽商材、ごちそうメニュー、手土産などの販売に注力しました。さらに、エネルギー価格上昇などを背景に家庭での節電や調理時間節減への意識の高まりに対し、加工度の高い調理品や半調理品の品ぞろえを拡充するなど、新たな需要変化の対応に注力しました。加えて、「北海道うまいもの味めぐり」や「ハロウィン」、「冬ギフト」など催事企画の商品改廃や拡充も推し進めました。
さらなる事業の拡大に取り組む移動スーパーは、前四半期までの7店舗に加え、9月にフジ宇和島(うわじま)店(愛媛県宇和島市)、フジグラン緑井(みどりい)(広島市安佐南区)、フジ長門(ながと)店(山口県長門市)、11月にフジグラン重信(しげのぶ)(愛媛県東温市)で新たにサービスを開始し、合計38店舗を拠点に69台207ルートでサービスを提供しています。以上の取り組みにより、売上高は堅調に推移しました(食料品売上高前年同期比2.8%増、移動スーパー事業売上高前年同期比36.1%増)。
コロナ禍で市場が縮小した衣料品と住居関連品は、変化するライフスタイルやニーズへ対応すべく、「安さ」「健康と美」「環境配慮型」などをテーマに商品構成の見直しを行うとともに、レイアウト変更などによる既存店の活性化に取り組みました。コロナ禍により需要が大幅に縮小していた季節商品や外出関連商品の回復に加え、全国旅行支援の後押しを受け、旅行関連品が堅調に推移したこともあり、売上高は緩やかな回復基調を維持しました(衣料品売上高前年同期比4.3%増、住居関連品売上高前年同期比0.02%増)。加えて、テナント売上高も、飲食店やアパレル店を中心に回復基調です(テナント事業売上高前年同期比5.8%増)。
あらゆるコストが上昇するなか、特に電気料金を中心とする光熱費は高騰が続いており、全社を挙げて電気使用量の削減に積極的に取り組むとともに、業務の効率化や省力化による生産性向上や広告費の見直しを行いましたが、販売費及び一般管理費は前年を上回りました(販売費及び一般管理費前年同期比6.6%増、電気料金前年同期比52.6%増)。
また、同社は、循環型社会の実現に向け、お客さまとともにマイバッグ・マイバスケット持参によるレジ袋の削減や、食品トレーや牛乳パック、ペットボトルなどを店頭で回収することによるリサイクル推進に取り組んでいます。4月から、お客さまにお渡しするカトラリー類(スプーン、フォーク、ストローなど)を、プラスチック製から紙製や木製の環境配慮型素材へ切替えるなど、一層の使い捨てプラスチックの削減を進めています。さらに、自家消費型太陽光パネルの設置を進め現在までに35店舗への設置が完了したことで、年間約4,000tのCO2排出量削減を見込んでおり、引き続き設置店舗を増加させる計画です。加えて、7月1日~9月30日までの期間で実施した、店舗屋上広告塔の常時消灯や店内照明の照度調整、日々の気温を考慮した空調温度の設定など省エネ対策強化の期間を2023年2月末まで延長するなど、脱炭素社会の実現に向け、さらなる省エネ・再エネの推進と環境負荷の低減に取り組みました。
株式会社フジ・リテイリング子会社のスーパーマーケット事業会社について、株式会社フジマートは、商品・サービスのさらなる充実と利便性向上を図るべく4月にピュアークック中通(なかどおり)店(広島県呉市)、9月にピュアークック東雲(しののめ)店(広島市南区)を改装しました。また、株式会社フジマート四国では、株式会社サニーTSUBAKIから譲り受けた2店舗を、スーパーABC桑原(くわばら)店(愛媛県松山市)、スーパーABC道後樋又(どうごひまた)店(愛媛県松山市)として改装を加え3月から営業を開始、7月には、一時閉店し建替工事を進めていたスーパーABC平井(ひらい)店(愛媛県松山市)をリニューアルオープンしました。
コロナ禍で受けた影響からの回復を目指す飲食業は、まん延防止等重点措置全面解除後客数が伸長し、業績は回復基調です(営業収益前年同期比10.4%増)。また、総合フィットネスクラブ事業は、オンラインスタジオ「FIT NET」サービスの内容拡充、パーソナルトレーニングやペアストレッチなどの有料サービスの拡大などに取り組んでおり、業績は緩やかに回復しています(営業収益前年同期比2.4%増)。さらに、一般旅行業は、国内を中心に旅行需要が前期を上回ったことに加え新規事業が貢献し、業績は回復しています(営業収益前年同期比340.8%増)。
マックスバリュ西日本株式会社は、「旬・鮮度」「豊富さ」「お求めやすい価格」「クリンリネス」「笑顔の接客」の徹底を基本とし、「地域密着」「生鮮強化」を軸にサプライチェーン改革を行い、お客さまが安全に安心して楽しく買物ができる店舗づくりに取り組んでいます。兵庫県西部、岡山市、広島市、山口県、香川県及び山陰エリアを中心とする出店計画と既存店の活性化に加え、移動スーパーやEコマースをはじめとするノンストア事業の確立に向けた取り組みを進めています。加えて、感染症予防に起因する需要と消費スタイルの変化、アフターコロナを見据え活発化しつつある外出需要などへの対応を推進しました。
商品では、生鮮強化とともに、地場や旬の商品を圧倒的に販売する「数を売る商品」の展開、バイヤーが厳選しておすすめする「バイヤー三ツ星」を重点商品として全店で展開、地元生鮮素材を使った季節弁当など独自商品の開発に取り組みました。また、価格訴求や均一商品の展開など買上点数アップに向けた火曜市の深耕や、夕刻以降の加工数量増加や出来立て商品の品ぞろえ拡充などデリカの夕刻強化に取り組みましたが、外出自粛が緩和され外食やレジャーが活発化し内食需要が落ち着いたことによって、水産や畜産などの生鮮素材は影響を受けました(食料品売上高前年同期比0.3%減、衣料品売上高前年同期比3.5%減、住居関連品売上高前年同期比1.0%増)。
店舗運営では、電気料金単価の急上昇に伴い光熱費が大幅に増加しましたが、節電を徹底するとともに、9月から稼働を始めた岡山総合プロセスセンターの供給拡大による店舗作業の軽減など省力化を進めました(販売費及び一般管理費前年同期比0.02%増、電気料金前年同期比44.1%増)。
新規出店では、前四半期までの3店舗に加え、9月にマックスバリュ今市(いまいち)店(島根県出雲市)、10月にマルナカまんのう公文(くもん)店(香川県仲多度郡まんのう町)、ザ・ビッグ淀江(よどえ)店(鳥取県米子市)をオープン、既存店では、前四半期までの9店舗に加え、9月にマックスバリュエクスプレス北条(ほうじょう)店(兵庫県姫路市)、マックスバリュ山田(やまだ)店(山口県下松市)、11月にマルナカPCレインボー店(香川県高松市)の3店舗を改装しました。一方、9月にマルナカ丸亀(まるがめ)店(香川県丸亀市)、10月にマックスバリュ伊川谷(いかわだに)店(兵庫県神戸市)、11月にマックスバリュ矢野(やの)店(広島県広島市)を閉店しました。
移動販売では、9月にマルナカ新土庄(しんとのしょう)店(香川県小豆郡土庄町)、10月にマルナカ奈半利(なはり)店(高知県安芸郡奈半利町)、11月にマルナカ院庄(いんのしょう)店(岡山県津山市)、マックスバリュ平生東(ひらおひがし)店(山口県熊毛郡平生町)で新たに開始し、これまで9県19店舗を拠点に29台の専用車両で展開しており、日常のお買物が困難な山間部や島しょ部の地域を中心に事業を拡大しています。11月には、かねてより移動販売を行っていた広島県廿日市市の中山間部にある浅原地区の浅原交流会館に無人店舗を出店しました。生鮮品を届ける移動販売と、主に日用品を品揃えする無人店舗を組み合わせることによって幅広いお買物が楽しめるものとして、地域に根差す新たな取り組みを開始しました。今後も移動販売や無人店舗の展開を進め、お客さまの不便の解消と新たなニーズに対応し、便利で新しいサービスを提案してまいります。
同社は、地域を支援する目的で広島広域都市圏神楽後継者育成事業などに寄付金を贈呈しています。また、「徳山動物園WAON」、「おいでませ山口WAON」、「下松市こども未来WAON」、「ほうふ幸せますWAON」、「萩まちじゅう博物館WAON」など、それぞれの地域において電子マネーの利用金額の一部を寄付金として贈呈しています。さらに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みとしては、一層の使い捨てプラスチックの削減を目指し、4月よりお客さまにお渡しするカトラリー類(スプーン、フォーク、ストローなど)を、プラスチック製から紙製や木製の環境配慮型素材へ順次切替えました。また、9月に鳥取県米子市のザ・ビッグ淀江(よどえ)店の新規出店にあわせて「イオンふるさと森づくり」植樹祭を開催し、約100名の地域の方々とともに約1,600本の植樹を行いました。10月には高知市内の店舗で販売したレジ袋の収益金を高知市のオフセット・クレジット(J―VER)制度を適用した「よさこいの森クレジット」の購入に充て、カーボン・オフセットを通じた地域の森林育成や環境保全活動の支援をしています。
当社は、2022年3月1日付「マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制への移行完了及び当社子会社の商号変更に関するお知らせ」のとおり、マックスバリュ西日本株式会社との経営統合に伴う持株会社体制へ移行しました。現在は、2024年3月の合併による統合新会社設立を見据え、シナジーを創出すべく株式会社フジ・リテイリング及びマックスバリュ西日本株式会社と事業課題やその問題解決について議論を進めています。
当連結累計期間においては、営業収益は堅調に推移しています。しかしながら、仕入価格や原材料価格の上昇による荒利益率の低下に加え、あらゆるコストの高まりが利益を押し下げました。特に電気料金は、当社グループ各社合計で前年同期比約50億円増加しており、節電の徹底とともに販売費や設備活動費など積極的なコストの節減に取り組みましたが、光熱費の増加分を吸収するには至っておりません。引き続き営業収益の拡大を図るとともに、ロスとコストの削減を推し進め、利益の確保に努めます。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は5,778億82百万円(前年同期比144.2%増)、営業利益は53億39百万円(前年同期比9.4%増)、経常利益は68億37百万円(前年同期比1.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は62億38百万円(前年同期比39.4%増)となりました。
(連結業績) (単位:百万円)
2022年2月期第3四半期 | 2023年2月期第3四半期 | ||||
前年同期比 | 前年同期比 | ||||
営業収益 | 236,665 | 1.7%増 | 577,882 | 144.2%増 | |
営業利益 | 4,881 | 9.2%増 | 5,339 | 9.4%増 | |
経常利益 | 6,920 | 15.7%増 | 6,837 | 1.2%減 | |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 4,475 | 27.9%増 | 6,238 | 39.4%増 |
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。