有価証券報告書-第56期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 15:24
【資料】
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【項目】
56項目
1.業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、朝鮮半島並びに中東における地政学的リスクが懸念されたとはいえ、総じて世界経済が好調に推移したため、製造業を中心に企業収益が堅調に伸びました。設備投資もIoT投資や省力化投資などによって活発化しており、戦後2番目に長い景気拡大局面にあります。伸び悩みが続いていた個人消費につきましては、雇用・所得環境の改善を背景にして消費マインドが持ち直してきました。しかしながら、実質賃金の伸びが鈍いため、消費者の多くは景気の回復を十分には実感できずにおります。
外食産業におきましては、豪雨・台風・雪害などの悪天候や冬季オリンピックの自宅観戦による外出の抑制、人件費や物流費の増加、米、食肉、鮮魚、野菜などの食材価格の高騰等に見舞われました。また、コンビニに代表される異業種との競合も激化し、更に、商品・サービスに対する消費者のニーズの多様化や選別志向がますます顕著になっております。生活の豊かさを求め価値あるものには支出を惜しまない一方、節約にも努めている消費者のニーズに合った商品・サービスを、納得感のある価格で提供できるか否かによって、同業種内においても業績の二極化が鮮明になってきております。
このような状況の中、当社グループでは「すべてはお客様のために」をモットーにQSCAを高め、家庭ではなかなか体験できない様々な料理や高レベルのサービスをお客様に提供することで、「楽しかった、美味しかった」とお客様に喜んで頂けるよう引き続き努めております。そのため過去の成功体験にとらわれず、お客様のニーズを精査するとともに、主要業態のポジショニングを再確認し業態のコンセプトの一層のブラッシュアップを続けております。更に、従業員の福祉と労働生産性の向上を両立させる目的で、勤務時間の短縮についても進めてまいりました。
店舗運営面では、「お値打ち感」のある魅力的なメニューの提供並びにお客様をお待たせしないための店内作業の一層の効率化はもとより、予約の再確認の徹底や客席管理のレベルアップ、お客様とのコミュニケーションの活性化などにも精力的に取り組んでまいりました。
コスト面では、食材価格の上昇の影響を極力抑えるため、メニュー面での工夫による使用食材の歩留まり向上を図るとともに、価格変動に機動的に対応した食材調達、仕入れ先の選別及び中期的な契約の締結、発注システムの高度化などを進めました。更に、加工製品の内製化を一層推進するため長浜工場を新設・本格稼動させたほか、グループ各社が使用する各種調味料の規格の共通化、セントラルキッチンにおける生産性の向上、物流センターのエリアごとの集約などにも努めております。
店舗政策につきましては、直営レストラン業態を40店舗、直営居酒屋業態を15店舗、合計55店舗を新規出店致しました。一方、定期建物賃貸借契約の終了や不採算などにより直営レストラン業態を28店舗、直営居酒屋業態を24店舗、合計52店舗を閉店致しました。その結果、当連結会計年度末の直営店舗数は1,530店舗となりました。尚、FC店舗を含めた総店舗数は2,721店舗となっております。
以上のような施策を進めてまいりましたことから、焼肉業態やステーキ業態等の業績は堅調に推移したものの、新規出店が計画未達に終わったことに加え、居酒屋業態や回転寿司業態を中心に、業績の低迷した店舗において減損処理を進めた結果、当連結会計年度の売上収益は2,459億11百万円、営業利益は42億42百万円、税引前利益は27億67百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は11億70百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① ㈱コロワイドMD
㈱コロワイドMDは、主に「手作り居酒屋 甘太郎」・「北の味紀行と地酒 北海道」・「遊食三昧 NIJYU-
MARU」などの飲食店の運営及び各種食料品の商品開発・調達・製造・物流・マーチャンダイジングを行っております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上収益は1,129億52百万円(前年同期1,128億10百万円)、営業損失は5億76百万円(前年同期営業利益22億44百万円)となりました。
尚、店舗政策につきましては6店舗の新規出店、8店舗の閉鎖を行い、当連結会計年度末の直営店舗数は328店舗となっております。
② ㈱アトム
㈱アトムは、主に「にぎりの徳兵衛」・「ステーキ宮」などのレストラン業態の直営飲食店チェーン及びFC事業の多店舗展開を行っております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上収益は532億74百万円(前年同期527億33百万円)、営業利益は21億85百万円(前年同期7億85百万円)となりました。
尚、店舗政策につきましては4店舗の新規出店、14店舗の閉鎖を行い、当連結会計年度末の直営店舗数は463店舗となっております。
③ ㈱レインズインターナショナル
㈱レインズインターナショナルは、主に「牛角」・「温野菜」・「土間土間」・「かまどか」・「FRESHNESS
BURGER」などのレストラン及び居酒屋業態のフランチャイズ加盟店の募集、加盟店の経営指導、商品の企画販売及び食材等の供給の他、直営店舗の運営を行っております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上収益は804億36百万円(前年同期675億10百万円)、営業利益は60億97百万円(前年同期44億17百万円)となりました。
尚、店舗政策につきましては92店舗(FC51店舗・直営41店舗)の新規出店、90店舗(FC69店舗・直営21店舗)の閉鎖を行い、当連結会計年度末の店舗数は1,541店舗(FC1,173店舗・直営368店舗)となっております。
④ カッパ・クリエイト㈱
カッパ・クリエイト㈱は、主に「かっぱ寿司」などの回転寿司の直営店の運営の他、寿司・調理パンなどのデリカ事業を行っております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上収益は787億29百万円(前年同期794億23百万円)、営業利益は5億48百万円(前年同期営業損失17億57百万円)となりました。
尚、店舗政策につきましては2店舗の新規出店、8店舗の閉鎖を行い、当連結会計年度末の直営店舗数は348店舗となっております。
⑤ その他
その他は、ワールドピーコム㈱における外食事業向けセルフ・オーダー・トータル・システムの開発・販売、無線通信技術の開発・運用、㈱バンノウ水産における鮪類並びに水産物の卸売及び加工販売、㈱シルスマリアにおける生菓子、焼き菓子、チョコレート(生チョコ他)の製造・販売、㈱ココットにおける事務処理業務、㈱ダブリューピィージャパン、㈱コロカフェ、及びCOLOWIDE VIETNAM.,JSC.における飲食店運営となっております。
当連結会計年度の業績につきましては、売上収益は293億62百万円(前年同期304億64百万円)、営業利益は2億27百万円(前年同期7億72百万円)となっております。
(2)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー166億58百万円(前連結会計年度比 233.8%増)
投資活動によるキャッシュ・フロー△52億81百万円(前連結会計年度比 - )
財務活動によるキャッシュ・フロー△113億90百万円(前連結会計年度比 - )
現金及び現金同等物期末残高346億5百万円(前連結会計年度比 0.1%減)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額が△13百万円、営業活動によるキャッシュ・フローが166億58百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△52億81百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△113億90百万円となりました結果、前連結会計年度末に比べ25百万円減少し、346億5百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前利益、減価償却費及び償却費の計上によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額によるものであります。
2.生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
前年同期比(%)
㈱コロワイドMD(百万円)11,392155.4
㈱アトム(子会社2社含む)(百万円)453115.1
㈱レインズインターナショナル
(子会社17社含む)(百万円)
--
カッパ・クリエイト㈱
(子会社1社含む)(百万円)
10,531103.1
その他(百万円)3,245124.8
合計(百万円)25,622124.8

(注)金額は、製造原価によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
(2) 受注実績
当社グループは、店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
① 販売実績状況
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
前年同期比(%)
㈱コロワイドMD(百万円)112,952100.1
㈱アトム(子会社2社含む)(百万円)53,274101.0
㈱レインズインターナショナル
(子会社17社含む)(百万円)
80,436119.1
カッパ・クリエイト㈱
(子会社1社含む)(百万円)
78,72999.1
その他(百万円)29,36296.4
合計(百万円)354,753103.4

(注)金額は、販売価額によっており、セグメント間の内部取引消去前の数値によっています。
② 主要顧客別売上状況
主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)経営成績及び財産の状況の推移(連結)
区分第55期
2016年4月
~2017年3月
第56期
2017年4月
~2018年3月
売上収益(百万円)234,444245,911
当期利益(△は損失)(百万円)△4,2801,397
基本的1株当たり当期利益(△は損失)(円)△19.5612.91
資産(百万円)233,127229,816
資本(百万円)49,91050,316

(注)1.基本的1株当たり当期利益(損失)は、期中平均株式数にもとづいて算出しております。
2.第56期の売上収益の主な増加の要因は、㈱フレッシュネス、REINS INTERNATIONAL(USA)CO.,LTD.及びその子会社が連結会計年度を通して連結されたことによるものであります。
3.第56期の当期利益の主な増加の要因は、第55期に繰延税金資産の取崩しを行った影響がなくなったことによるものであります。
4.第56期の資産の主な減少の要因は、有形固定資産が減少したことによるものであります。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ33億11百万円減少し、2,298億16百万円となりました。これは主に有形固定資産が21億28百万円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ37億17百万円減少し、1,795億円となりました。これは主に営業債務及びその他の債務が44億27百万円増加したものの、社債及び借入金が53億53百万円、その他の金融負債が31億82百万円減少したことによるものであります。
資本は、前連結会計年度末に比べ4億6百万円増加し、503億16百万円となりました。
尚、資金の流動性及びキャッシュ・フローの状況についての分析は「1.業績の概要(2)連結キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が4,292百万円減少しております。
(表示組替)
(a)その他の営業収益、その他の営業費用、金融収益及び金融費用
日本基準では「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目のうち、IFRSでは財務関係損益については「金融収益」及び「金融費用」として計上し、それ以外の項目については、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」に表示しております。
(b)法人所得税費用
日本基準では「法人税、住民税及び事業税」、「法人税等調整額」を区分掲記しておりましたが、IFRSでは「法人所得税費用」として一括して表示しております。また、日本基準では「法人税、住民税及び事業税」に計上されている住民税均等割を、IFRSでは「販売費及び一般管理費」に組替表示しております。