半期報告書-第41期(2024/11/01-2025/10/31)

【提出】
2025/06/13 9:59
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【項目】
39項目
文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、物価上昇の影響から、企業の雇用・所得環境の改善傾向が広がりましたが、実質賃金の上昇が伴わず、消費者マインドに弱さが見られました。また、業種や業態の垣根を越えた販売競争の激化や、人件費や原材料価格の上昇、加えて、為替相場の急激な変動や不安定な海外情勢・政策動向の影響から、依然として先行き不透明な状況が続いております。個人消費も、物価高騰が家計の負担となる中、コスパを求める消費と、支出を惜しまない積極的な消費と、慎重に消費対象を選ぶ傾向が強まっています。
このような状況のもと、中期経営計画(2024/10月期~2026/10月期)の2年目として、読書文化を継承していくための“持続可能な書店創り”の方針のもと、書籍を中心とした“書籍×○○”による店舗の付加価値を追求してまいりました。本から繋がる/本へと繋がる業種や品揃え、イベント、サービス等の複合化を推進し、新規来店や再来店の創出に取り組んでおります。
取り組みの中心となります書籍は、出版取次の株式会社トーハンとの連携強化を継続、書籍の品揃えの充実を図るとともに、店舗ではオリジナル企画やフェアを多数展開、また、本の購入を“売る”から“贈る”スタイルの企画も新たに実施いたしました。一方、EC販売も1年で5店舗に出店を拡大、前年比495%と大幅に上回り、リアルとネットの両輪で売上と読書と触れ合う機会を創出いたしました。加えて、読書に触れ合うイベントを開催したり、書店以外で本を贈り合う“ブックライブラリー”を開設し、読書文化継承の新たな取り組みも挑戦いたしました。今後は、公共事業への参入も検討しており、書店がない市町村に読書との出会い創出の取り組みにも尽力してまいります。
また、創業当初からの複合書店の強みを活かし、書籍と掛け合わせた業種や商品で蔦屋書店事業とのシナジー効果最大化を推進いたしました。日常を豊かに、非日常の発見に繋がるオリジナリティを追求、ガシャポンバンダイオフィシャルショップやコスメECサイト企業と提携したリアルコスメショップ「NOIN beauty」の展開拡大、タリーズコーヒーの飲食事業やゲーム・トレカ販売事業の強化・拡大も継続して進めております。加えて、人気通販ショップや観光地物産展等のPOP UPショップ、新規ファッションアイテムや全国有名店の人気お取り寄せ食品、シーズン企画等の展開拡大により、来店機会を創出するとともに、書籍との併売率上昇に取り組み、特撰雑貨文具は既存店前年比107.0%と堅調に成長しております。今後は、当社で取り扱っております特撰雑貨文具を他の書店でも展開し、当社出店エリア外でも持続可能な書店創りに貢献してまいります。
さらに、売場効率向上による収益改善を目的とした店舗改装を実施いたしました。既存店舗の取扱い事業や商品を見直し、書籍を中心に、よりご来店いただく楽しさを感じていただける店舗に生まれ変わらせることで、お客様に感動・発見を体験してもらい、再来店へと繋がり、結果持続可能な書店となるよう改装を進めております。併せて、店舗の運営効率化も引き続き見直しを行い、コスト削減だけではなく従業員が働きやすい環境を整えることで、中期経営計画の方針・目標達成に向け、進んでまいります。
なお、グループ子会社でありますスポーツ関連事業、訪問看護事業、飲食事業、ゲーム・トレカ販売事業につきましては、売上高が前年中間期を上回り、連結業績に寄与いたしました。グループビジョンであります「MAKE LIFEVALUE.」のもと、蔦屋書店事業を軸とした各子会社との連携を強化しております。スポーツ以外の学びを通して子供たちの可能性を応援、地域のお客様へ読書習慣を拡大し、イベント開催を通じて体験や感動を届け、コミュニティを創出、サステナビリティの高まりに伴うリユースの強化にも取り組みました。
第41期上期の店舗状況におきましては、群馬県の1店舗が商業施設全体の大規模リニューアルに伴い一時休業のため営業を終了、他新潟県など6店舗の営業を終了し、店舗数は46店舗となりました。その他グループ子会社のオープンが2店舗、1店舗営業終了があり、グループ全体の店舗数は98店舗(2025年4月30日時点)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高9,302百万円(前年同期比95.0%)、営業損失111百万円(前中間連結会計期間は営業損失162百万円)、経常損失149百万円(前中間連結会計期間は経常損失192百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失262百万円(前中間連結会計期間は親会社株主に帰属する中間純損失218百万円)となりました。
売上・利益の増減要因
売上面につきましては、店舗数の減少の影響等により、当社グループの主軸である蔦屋書店事業全体の売上高は8,379百万円(前年同期比93.6%)となりました。
利益面につきましては、徹底したコスト管理を行い販管費の削減に努めました。一方で人件費の上昇、閉店や改装等に伴うコスト増加により、営業損失111百万円(前中間連結会計期間は営業損失162百万円)、経常損失149百万円(前中間連結会計期間は経常損失192百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失262百万円(前中間連結会計期間は親会社株主に帰属する中間純損失218百万円)となりました。
セグメントの状況は、次のとおりです。
①蔦屋書店事業
当セグメントの当中間連結会計期間の業績は、売上高8,379百万円(前年同期比93.6%)、セグメント損失は190百万円(前中間連結会計期間はセグメント損失205百万円)となりました。
主力商品の売上高は、書籍5,336百万円(前年同期比94.6%)、特撰雑貨・文具1,633百万円(前年同期比99.4%)、レンタル261百万円(前年同期比69.2%)、賃貸不動産収入242百万円(前年同期比95.3%)、販売用CD92百万円(前年同期比81.8%)、ゲーム・リサイクル85百万円(前年同期比62.5%)、販売用DVD57百万円(前年同期比48.1%)となりました。
②ゲーム・トレーディングカード事業
当セグメントの当中間連結会計期間の業績は、売上高252百万円(前年同期比124.5%)、セグメント利益29百万円(前年同期比609.9%)となりました。
③スポーツ関連事業
当セグメントの当中間連結会計期間の業績は、売上高129百万円(前年同期比112.8%)、セグメント利益9百万円(前中間連結会計期間はセグメント損失3百万円)となりました。
④訪問看護事業
当セグメントの当中間連結会計期間の業績は、売上高99百万円(前年同期比122.7%)、セグメント利益6百万円(前年同期比60.7%)となりました。
⑤飲食事業
当セグメントの当中間連結会計期間の業績は、売上高588百万円(前年同期比104.8%)、セグメント利益14百万円(前年同期比127.5%)となりました。
(2) 財政状態の分析
総資産につきましては、前連結会計年度末比966百万円減少し、14,814百万円となりました。これは主に、商品が490百万円減少した結果、流動資産が582百万円減少し、また、建物及び構築物が69百万円、リース資産が81百万円、敷金及び保証金が212百万円それぞれ減少した結果、固定資産が383百万円減少したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末比646百万円減少し、13,515百万円となりました。これは主に、買掛金が57百万円、短期借入金が100百万円、長期借入金が278百万円、リース債務が143百万円それぞれ減少したことによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末比319百万円減少し、1,298百万円となりました。これは主に、剰余金の配当を63百万円実施したこと、及び親会社株主に帰属する中間純損失を262百万円計上したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ77百万円減少し、901百万円となりました。
当中間連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は490百万円(前年同期比617百万円資金減)となりました。
これは主に、仕入債務の増減額が1,307百万円減少するとともに、棚卸資産の増減額が636百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は74百万円(前年同期比55百万円資金増)となりました。
これは主に、敷金及び保証金の回収による収入が82百万円増加するとともに、敷金及び保証金の差入による支出が24百万円増加したこと、資産除去債務の履行による支出が31百万円増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は641百万円(前年同期比317百万円資金増)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額が100百万円減少した一方で、長期借入金の返済による支出が49百万円、その他財務活動によるキャッシュ・フローの支出が330百万円それぞれ減少したことによるものです。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
(7) 従業員数
当中間連結会計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(8) 生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい増減はありませんが、主な販売状況は下記のとおりとなっております。
区 分前中間連結会計期間
(自 2023年11月1日 至 2024年4月30日)
当中間連結会計期間
(自 2024年11月1日 至 2025年4月30日)
売上高
(千円)
構成比
(%)
売上高
(千円)
構成比
(%)
蔦屋書店事業書籍5,639,33956.95,336,39756.5
特撰雑貨・文具1,642,65316.61,633,14417.3
レンタル378,4823.8261,9252.8
賃貸不動産収入254,4862.6242,4962.6
販売用CD112,7361.192,2661.0
ゲーム・リサイクル136,3921.485,3080.9
販売用DVD120,1101.257,7490.6
その他561,0485.7543,1735.7
セグメント間の
内部売上高又は振替高
109,0081.1127,4301.3
8,954,25790.48,379,89388.7
ゲーム・
トレーディング
カード事業
外部顧客に対する売上高202,5182.0252,2122.7
セグメント間の
内部売上高又は振替高
202,5182.0252,2122.7
スポーツ関連
事業
外部顧客に対する売上高101,8981.0110,0031.2
セグメント間の
内部売上高又は振替高
13,1090.119,7090.2
115,0071.1129,7121.4
訪問看護事業外部顧客に対する売上高80,7330.899,0991.0
セグメント間の
内部売上高又は振替高
80,7330.899,0991.0
飲食事業外部顧客に対する売上高562,1535.7588,9736.2
セグメント間の 内部売上高又は振替高
562,1535.7588,9736.2
合計9,914,669100.09,449,890100.0

(注)1 セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
2 蔦屋書店事業の「その他」は、図書カード他であります。
(9) 主要な設備
①重要な設備の新設等
該当事項はありません。
②重要な設備の除却等
当中間連結会計期間に完了した主な設備の除却等は、既存店7店舗の閉店であり、その内容は以下の通りです。
会社名事業所名
(所在地)
セグメントの名称設備の内容除却等の
完了年月
除却等による減少能力
年間売上額
(2024年10月期)
株式会社
トップ
カルチャー
蔦屋書店
アクロスプラザ美沢店(新潟県長岡市)
蔦屋書店事業店舗閉店に伴う
既存店舗の除却
2024年11月210,537千円
株式会社
トップ
カルチャー
蔦屋書店
佐久野沢店
(長野県佐久市)
蔦屋書店事業店舗閉店に伴う
既存店舗の除却
2025年1月119,375千円
株式会社
トップ
カルチャー
蔦屋書店
伊勢崎平和町店
(群馬県伊勢崎市)
蔦屋書店事業店舗閉店に伴う
既存店舗の除却
2025年1月113,089千円
株式会社
トップ
カルチャー
蔦屋書店
伊勢崎宮子店
(群馬県伊勢崎市)
蔦屋書店事業店舗閉店に伴う
既存店舗の除却
2025年2月239,882千円
株式会社
トップ
カルチャー
蔦屋書店
南大沢店
(東京都八王子市)
蔦屋書店事業店舗閉店に伴う
既存店舗の除却
2025年2月128,272千円
株式会社
トップ
カルチャー
蔦屋書店
ベルパルレ寺尾店
(新潟県新潟市)
蔦屋書店事業店舗閉店に伴う
既存店舗の除却
2025年3月105,775千円
株式会社
トップ
カルチャー
蔦屋書店
熊谷店
(埼玉県熊谷市)
蔦屋書店事業店舗閉店に伴う
既存店舗の除却
2025年3月190,047千円