有価証券報告書-第140期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/18 9:17
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(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(業績等の概要)
1 業績
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症が世界全体に拡大し、国内外で緊急事態宣言等の行動規制により、内外需要が急速に冷え込み、個人消費、生産活動、輸出がともに落込みました。第1四半期以降は経済活動の再開や特別定額給付金等の政策効果、世界的な金融緩和やIT関連需要の高まりにより、景気の最悪期を脱し、個人消費の持ち直し、設備投資の回復はあるものの、新型コロナウイルス感染症は収束しておらず、景気下振れリスクは依然大きい状況が続いています。
地元経済につきましても、足元は個人消費、生産活動は持ち直しつつありますが、お取引先の業況悪化が懸念される状況であり、状況を注視するとともに地元企業への積極的な資金供給や経営課題解決への対応を通じて、地元経済の回復に貢献していく方針です。
以上のような事業環境の中、当行では2017年度からスタートしている期間10年の経営計画『Vision2027「未来共創プラン」』のフレームワークに基づいて2020年度からスタートした中期経営計画『未来共創プラン ステージⅡ』で策定した各施策を着実に実施してまいりました。
2020年度における主な活動成果は次のとおりです。
当連結会計年度の業績は、連結経常収益は、有価証券利息配当金や貸出金利息の減少を主因に前年同期比103億42百万円(8.1%)減収の1,169億76百万円となりました。連結経常費用では、与信コストは増加しましたが、資金調達費用減少や営業経費削減の影響が大きく、前年同期比141億30百万円(12.8%)減少の957億24百万円となりました。連結経常費用の減少が連結経常収益の減少を上回り、連結経常利益は、前年同期比37億89百万円(21.6%)増益の212億52百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比25億2百万円(20.9%)増益の144億18百万円となりました。
セグメントごとの業績は下記のとおりです。
[銀行業]
米国金利の引下げによる貸出金利息や有価証券利息配当金の減少を主因に、経常収益は前年同期比110億64百万円(9.9%)減収の997億65百万円となりました。経常利益は、与信コストは増加したものの、外貨調達コストの大幅な減少や営業経費の削減などにより、前年同期比35億70百万円(23.0%)増益の190億45百万円となりました。
[リース業]
経常収益は、リースの実行増加などにより前年同期比4億15百万円(3.4%)増収の124億53百万円となりましたが、一方で与信コストが増加したことから、経常利益は前年同期比2億27百万円(29.7%)減益の5億37百万円となりました。
[証券業]
経常収益は、市況の好転を受け、株式・投資信託などの販売状況が回復したことから、前年同期比3億58百万円(13.0%)増収の31億11百万円となりました。経常損益は前年同期比3億45百万円改善し、経常利益2億36百万円となりました。
[その他]
経常収益は前年同期比1億72百万円(3.1%)減収の53億60百万円、経常利益は前年同期比90百万円(4.8%)増益の19億29百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況は下記のとおりです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う預金残高の増加などにより営業活動によるキャッシュ・フローが大幅に増加したことを主因とし、前年同期比4,342億円増加し9,988億円となりました。
○ 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症拡大に対応すべく金融支援に注力したことで貸出金残高が増加する等の減少要因があり、一部相殺されたものの、新型コロナウイルス感染症対策に伴う資金流入による預金残高の増加や日本銀行による新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペによる借用金の増加を主因に、前年同期比8,257億円と大幅に増加し、6,564億円となりました。
○ 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、前連結会計年度末にかけて悪化していた市況の回復を受け、有価証券の売却が減少したことにより、前年同期比2,176億円減少し、マイナス2,279億円となりました。
○ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス対策融資を資金使途としたソーシャルボンド(劣後債)の発行による資金調達を主因に前年同期比105億円増加し、56億円となりました。
① 国内・海外別収支
資金運用収支 :米国金利引下に伴う外貨調達コストの減少を主因に、国内は前連結会計年度に比べ442百万円増の57,986百万円、海外は前連結会計年度に比べ138百万円増の566百万円、合計で前連結会計年度に比べ581百万円増の58,553百万円となりました。
役務取引等収支:2020年度上半期の営業活動自粛の影響により、国内は前連結会計年度に比べ265百万円減の14,350百万円、海外は前連結会計年度に比べ11百万円減の8百万円、合計で前連結会計年度に比べ275百万円減の14,359百万円となりました。
その他業務収支:デリバティブ関連収益が増加したことから、国内は前連結会計年度に比べ1,471百万円増の9,077百万円、海外は前連結会計年度並みの1百万円、合計で前連結会計年度に比べ1,471百万円増の9,078百万円となりました。
種類期別国内海外相殺消去額
(△)
合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
資金運用収支前連結会計年度57,544428-57,972
当連結会計年度57,986566-58,553
うち資金運用収益前連結会計年度75,0042,02059376,431
当連結会計年度64,68890114165,448
うち資金調達費用前連結会計年度17,4591,59259318,458
当連結会計年度6,7013341416,895
信託報酬前連結会計年度1--1
当連結会計年度0--0
役務取引等収支前連結会計年度14,61519-14,634
当連結会計年度14,3508-14,359
うち役務取引等収益前連結会計年度18,96429-18,994
当連結会計年度18,61821-18,640
うち役務取引等費用前連結会計年度4,34910-4,359
当連結会計年度4,26812-4,281
その他業務収支前連結会計年度7,6061-7,607
当連結会計年度9,0771-9,078
うちその他業務収益前連結会計年度21,7881-21,789
当連結会計年度23,2391-23,240
うちその他業務費用前連結会計年度14,182--14,182
当連結会計年度14,162--14,162

(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する連結子会社(以下「国内連結子会社」という。)であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度8百万円、当連結会計年度9百万円)を控除して表示しております。
4 本支店勘定利息を相殺消去しております。
② 国内・海外別資金運用/調達の状況
資金運用勘定:平均残高は合計で前連結会計年度に比べ463,596百万円増の8,250,580百万円となり、利息は国内で前連結会計年度に比べ10,316百万円減の64,688百万円、海外では前連結会計年度に比べ1,119百万円減の901百万円、合計では前連結会計年度に比べ10,983百万円減の65,448百万円となりました。
資金調達勘定:平均残高は合計で前連結会計年度に比べ537,243百万円増の8,189,915百万円となり、利息は国内で前連結会計年度に比べ10,758百万円減の6,701百万円、海外で前連結会計年度に比べ1,258百万円減の334百万円、合計で前連結会計年度に比べ11,563百万円減の6,895百万円となりました。
○ 国内
種類期別平均残高利息利回り
金額(百万円)金額(百万円)(%)
資金運用勘定前連結会計年度7,743,35375,0040.96
当連結会計年度8,209,62664,6880.78
うち貸出金前連結会計年度4,780,13049,8131.04
当連結会計年度5,018,96645,4840.90
うち商品有価証券前連結会計年度2,198110.51
当連結会計年度1,41380.61
うち有価証券前連結会計年度2,253,22823,8291.05
当連結会計年度2,298,64218,2920.79
うちコールローン前連結会計年度279,6371530.05
当連結会計年度451,5771250.02
うち預け金前連結会計年度366,3533590.09
当連結会計年度370,0414500.12
資金調達勘定前連結会計年度7,609,13317,4590.22
当連結会計年度8,149,0496,7010.08
うち預金前連結会計年度6,477,6051,5880.02
当連結会計年度7,077,9036550.00
うち譲渡性預金前連結会計年度287,271320.01
当連結会計年度270,487270.01
うちコールマネー前連結会計年度30,4112640.86
当連結会計年度69,825△124△0.17
うち売現先勘定前連結会計年度141,5183,2772.31
当連結会計年度97,4112680.27
うちコマーシャル・ペーパー前連結会計年度39,5689202.32
当連結会計年度40,7491730.42
うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度517,4376580.12
当連結会計年度294,9593010.10
うち借用金前連結会計年度130,4972,1821.67
当連結会計年度311,7411,0780.34

(注)1 当行の平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、国内連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
3 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度21,753百万円、当連結会計年度27,166百万円)及び利息(前連結会計年度8百万円、当連結会計年度9百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
○ 海外
種類期別平均残高利息利回り
金額(百万円)金額(百万円)(%)
資金運用勘定前連結会計年度69,7702,0202.89
当連結会計年度73,6889011.22
うち貸出金前連結会計年度23,3066712.88
当連結会計年度24,4873291.34
うち商品有価証券前連結会計年度---
当連結会計年度---
うち有価証券前連結会計年度46,1761,3472.91
当連結会計年度48,7955701.16
うちコールローン前連結会計年度---
当連結会計年度---
うち預け金前連結会計年度000.25
当連結会計年度000.29
資金調達勘定前連結会計年度69,6791,5922.28
当連結会計年度73,6003340.45
うち預金前連結会計年度42,7989752.27
当連結会計年度40,8651870.45
うち譲渡性預金前連結会計年度---
当連結会計年度---
うちコールマネー前連結会計年度741202.79
当連結会計年度---
うち売現先勘定前連結会計年度---
当連結会計年度---
うちコマーシャル・ペーパー前連結会計年度---
当連結会計年度---
うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度---
当連結会計年度---
うち借用金前連結会計年度---
当連結会計年度---

(注) 「海外」とは、当行の海外店であります。
○ 合計
種類期別平均残高(百万円)利息(百万円)利回り
(%)
小計本支店勘定
の相殺
消去額
(△)
合計小計本支店勘定
の相殺
消去額
(△)
合計
資金運用勘定前連結会計年度7,813,12426,1397,786,98477,02559376,4310.98
当連結会計年度8,283,31532,7348,250,58065,58914165,4480.79
うち貸出金前連結会計年度4,803,436-4,803,43650,485-50,4851.05
当連結会計年度5,043,453-5,043,45345,813-45,8130.90
うち商品有価証券前連結会計年度2,198-2,19811-110.51
当連結会計年度1,413-1,4138-80.61
うち有価証券前連結会計年度2,299,404-2,299,40425,177-25,1771.09
当連結会計年度2,347,437-2,347,43718,863-18,8630.80
うちコールローン前連結会計年度279,637-279,637153-1530.05
当連結会計年度451,577-451,577125-1250.02
うち預け金前連結会計年度366,353-366,353359-3590.09
当連結会計年度370,041-370,041450-4500.12
資金調達勘定前連結会計年度7,678,81226,1397,652,67219,05259318,4580.24
当連結会計年度8,222,64932,7348,189,9157,0361416,8950.08
うち預金前連結会計年度6,520,403-6,520,4032,563-2,5630.03
当連結会計年度7,118,769-7,118,769843-8430.01
うち譲渡性預金前連結会計年度287,271-287,27132-320.01
当連結会計年度270,487-270,48727-270.01
うちコールマネー前連結会計年度31,152-31,152284-2840.91
当連結会計年度69,825-69,825△124-△124△0.17
うち売現先勘定前連結会計年度141,518-141,5183,277-3,2772.31
当連結会計年度97,411-97,411268-2680.27
うちコマーシャル・ペーパー前連結会計年度39,568-39,568920-9202.32
当連結会計年度40,749-40,749173-1730.42
うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度517,437-517,437658-6580.12
当連結会計年度294,959-294,959301-3010.10
うち借用金前連結会計年度130,497-130,4972,182-2,1821.67
当連結会計年度311,741-311,7411,078-1,0780.34

(注) 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度21,753百万円、当連結会計年度27,166百万円)及び利息(前連結会計年度8百万円、当連結会計年度9百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
③ 国内・海外別役務取引の状況
役務取引等収益:新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、対面での営業活動を一時自粛した影響などにより、国内は前連結会計年度に比べ346百万円減の18,618百万円、海外は前連結会計年度に比べ8百万円減の21百万円、合計で前連結会計年度に比べ354百万円減の18,640百万円となりました。
役務取引等費用:国内は前連結会計年度に比べ81百万円減の4,268百万円、海外は前連結会計年度に比べ2百万円増の12百万円、合計では前連結会計年度に比べ78百万円減の4,281百万円となりました。
種類期別国内海外合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
役務取引等収益前連結会計年度18,9642918,994
当連結会計年度18,6182118,640
うち預金・貸出業務前連結会計年度6,555166,571
当連結会計年度5,99736,001
うち為替業務前連結会計年度5,54285,550
当連結会計年度5,82265,829
うち証券関連業務前連結会計年度2,256-2,256
当連結会計年度2,513-2,513
うち代理業務前連結会計年度2,001-2,001
当連結会計年度1,574-1,574
うち保護預り・貸金庫業務前連結会計年度164-164
当連結会計年度157-157
うち保証業務前連結会計年度4314436
当連結会計年度4373441
役務取引等費用前連結会計年度4,349104,359
当連結会計年度4,268124,281
うち為替業務前連結会計年度9160916
当連結会計年度9030904

(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
④ 国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
種類期別国内海外合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
預金合計前連結会計年度6,649,83451,9476,701,781
当連結会計年度7,460,31339,5167,499,830
うち流動性預金前連結会計年度4,709,1018584,709,960
当連結会計年度5,334,1361,0465,335,182
うち定期性預金前連結会計年度1,841,89051,0881,892,979
当連結会計年度1,856,98438,4701,895,455
うちその他前連結会計年度98,841-98,841
当連結会計年度269,192-269,192
譲渡性預金前連結会計年度194,963-194,963
当連結会計年度167,189-167,189
総合計前連結会計年度6,844,79751,9476,896,745
当連結会計年度7,627,50239,5167,667,019

(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金
⑤ 国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)4,874,732100.005,113,156100.00
製造業673,15113.81712,48513.93
農業,林業9,0980.198,1420.16
漁業2,7560.062,5480.05
鉱業,採石業,砂利採取業2,0680.042,5630.05
建設業128,0322.63156,3863.06
電気・ガス・熱供給・水道業245,1725.03253,3354.95
情報通信業18,4330.3818,1140.35
運輸業,郵便業216,3174.44247,1484.83
卸売業,小売業537,74811.03546,97010.70
金融業,保険業385,6807.91438,2448.57
不動産業,物品賃貸業689,00514.13710,04213.89
各種のサービス業314,9936.45341,0346.68
地方公共団体474,5679.74455,0548.90
その他1,177,70424.161,221,08423.88
海外及び特別国際金融取引勘定分25,251100.0022,279100.00
政府等----
金融機関11,64446.1111,09849.82
その他13,60653.8911,18050.18
合計4,899,984-5,135,435-

(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
○ 外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑥ 国内・海外別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
種類期別国内海外合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
国債前連結会計年度654,089-654,089
当連結会計年度757,069-757,069
地方債前連結会計年度751,316-751,316
当連結会計年度747,935-747,935
社債前連結会計年度355,873-355,873
当連結会計年度305,661-305,661
株式前連結会計年度114,618-114,618
当連結会計年度140,106-140,106
その他の証券前連結会計年度419,50144,166463,668
当連結会計年度618,87648,389667,266
合計前連結会計年度2,295,39944,1662,339,566
当連結会計年度2,569,64948,3892,618,039

(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
⑦ 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社であります。
○ 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
資産
科目前事業年度末
(2020年3月31日)
当事業年度末
(2021年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
有価証券180.31180.37
有形固定資産2,80545.441983.88
その他債権10.03--
銀行勘定貸3,30953.594,85795.00
現金預け金380.63380.75
合計6,174100.005,113100.00

負債
科目前事業年度末
(2020年3月31日)
当事業年度末
(2021年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
金銭信託3,33253.974,89795.77
土地及びその定着物の信託2,77945.011522.99
包括信託631.02631.24
合計6,174100.005,113100.00

(注) 共同信託他社管理財産はありません。
○ 元本補填契約のある信託財産の運用/受入状況(末残)
資産
科目前事業年度末
(2020年3月31日)
当事業年度末
(2021年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
銀行勘定貸3,090100.004,269100.00
合計3,090100.004,269100.00

負債
科目前事業年度末
(2020年3月31日)
当事業年度末
(2021年3月31日)
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
元本3,090100.004,269100.00
合計3,090100.004,269100.00

2 自己資本比率等の状況
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)(単位:億円 %)
2020年3月31日2021年3月31日
1.連結総自己資本比率(4/7)13.0413.44
2.連結Tier1比率(5/7)13.0413.20
3.連結普通株式等Tier1比率(6/7)13.0413.20
4.連結における総自己資本の額5,0215,609
5.連結におけるTier1資本の額5,0195,507
6.連結における普通株式等Tier1資本の額5,0195,507
7.リスク・アセットの額38,48541,722
8.連結総所要自己資本額3,0783,337

連結レバレッジ比率(国際統一基準) (単位:%)
2020年3月31日2021年3月31日
連結レバレッジ比率5.996.52

単体自己資本比率(国際統一基準)(単位:億円 %)
2020年3月31日2021年3月31日
1.単体総自己資本比率(4/7)12.7012.95
2.単体Tier1比率(5/7)12.7012.71
3.単体普通株式等Tier1比率(6/7)12.7012.71
4.単体における総自己資本の額4,8495,376
5.単体におけるTier1資本の額4,8495,276
6.単体における普通株式等Tier1資本の額4,8495,276
7.リスク・アセットの額38,18741,488
8.単体総所要自己資本額3,0553,319

単体レバレッジ比率(国際統一基準) (単位:%)
2020年3月31日2021年3月31日
単体レバレッジ比率5.816.28

3 資産の査定
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
① 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
② 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
③ 要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
④ 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記①から③までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
債権の区分2020年3月31日2021年3月31日
金額(億円)金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権219221
危険債権281384
要管理債権230312
正常債権49,70751,902

(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(主要な項目の具体的な分析)
当連結会計年度における主な項目の具体的な分析は、以下のとおりです。
1 経営成績の分析(単体)
損益状況(単体)
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
業務粗利益(除く債券関係損益)74,77576,3651,590
経費(除く臨時処理分)54,01052,783△1,227
コア業務純益(※)20,76523,5822,817
コア業務純益(※)(除く投信解約損益)20,67123,4162,745
一般貸倒引当金繰入2,3803,7941,414
債券関係損益△524△552△28
業務純益17,86019,2351,375
臨時損益△2,385△1892,196
株式等関係損益735,5865,513
不良債権処理損失3,2304,2731,043
その他臨時損益771△1,502△2,273
経常利益15,47519,0453,570
特別損益△625△339286
税引前当期純利益14,84918,7063,857
法人税、住民税及び事業税4,3267,3162,990
法人税等調整額△291△1,617△1,326
当期純利益10,81513,0072,192

※ コア業務純益=業務純益-債券関係損益+一般貸倒引当金繰入
① コア業務純益
本業のもうけを表すコア業務純益につきましては、対面営業の自粛に伴う役務利益の減少など減益要因もありましたが、邦貨貸出金利息の増加や米国金利の引下を契機とする外貨調達コストの減少により資金利益が増加したこと、また人件費・物件費などの経費を削減した効果が大きく、前期比28億円増益の235億円となりました。
貸出金に関しましては、マイナス金利政策導入以降邦貨貸出金利回りの低下が続く中、地域金融機関として本業を通じた地域応援活動に注力し、地元を中心に事業性資金平残の積み増しに努めておりますが、当事業年度におきましては、特に新型コロナウイルス感染症拡大に関連した金融支援に注力した結果、平残の増加が利回りの低下をカバーし、邦貨貸出金利息は前期比増加しました。なお、外貨貸出金利息は、米国金利の引下により前期比減少しました。
また、有価証券運用に関しては、マイナス金利政策継続による厳しい運用環境下で邦貨有価証券利回りが低下し、加えて、米国金利の引下により外貨有価証券利回りも低下したため、有価証券利息配当金は前期比減少となりました。
なお、外貨資金調達の面に関しましては、複数の外貨調達手段の中から、適宜有利な調達手段を柔軟に選択し、調達コストの削減に努めております。当事業年度においては、上記米国金利の引下の影響もあり、外貨調達コストが大きく減少しました。
なお、経費に関しましては、人員減少や超過勤務の削減による人件費の減少、システム投資の圧縮やコロナ禍での営業活動の見直しなどによる物件費の削減により、前期比大幅に減少しました。
② 一般貸倒引当金繰入
貸出金残高の増加や引当率の上昇を主因に前期比14億円増加し、37億円となりました。
③ 債券関係損益
債券関係損益につきましては、前期並みの5億円の損失となりました。
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
債券関係損益△524△552△28
売却益3,0262,496△530
償還益255025
売却損3,5262,948△578
償却50150100

④ 不良債権処理コスト
個別貸倒引当金は42億円の繰入(前期は32億円の繰入)となり、一般貸倒引当金も上記のとおり37億円の繰入であったことから、与信コスト合計では前期比24億円増加の80億円となりました。
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
貸出金償却02626
個別貸倒引当金繰入額3,2124,2451,033
その他の債権売却損182△16
不良債権処理コスト ①3,2304,2731,043
(参考)一般貸倒引当金繰入額 ②2,3803,7941,414
(参考)償却債権取立益 ③30△3
(参考)与信コスト合計(①+②-③)5,6078,0672,460

⑤ 株式関係損益
前事業年度において、新型コロナウイルス感染症を起因とする株式相場の下落により株式等売却損及び株式等償却を計上しており、その反動から前期比55億円増加の55億円の利益となりました。
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
株式関係損益735,5865,513
株式等売却益7,0737,233160
株式等売却損4,5961,497△3,099
株式等償却2,403149△2,254

⑥ 経常利益
以上から、経常利益は前期に比べ36億円増益の190億円となりました。
⑦ 特別損益
減損損失の減少等により2億円改善し、ネット3億円の損失となりました。
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
特別損益△625△339286
特別利益1-△1
固定資産処分益1-△1
特別損失627339△288
固定資産処分損319463
減損損失596244△352

⑧ 当期純利益
以上から、当期純利益は前期に比べ22億円増益の130億円となりました。
⑨ 連結子会社の状況等
当連結会計年度の連結子会社の状況は、概ね良好な結果となり、連結利益に貢献しております。
提出会社
(百万円)(A)
連結
(百万円)(B)
差異(百万円)
(B)-(A)
経常収益99,765116,97617,211
経常利益19,04521,2522,207
当期純利益
(親会社株主に帰属する当期純利益)
13,00714,4181,411

2 財政状態の分析(単体)
当事業年度末の貸借対照表計上額は、「資産の部」につきましては、前期末に比べ1兆90億円増加して9兆1,226億円となりました。
主な内訳は、現金預け金が4,244億円増加の1兆6億円、有価証券が2,774億円増加の2兆6,225億円、貸出金が2,347億円増加の5兆1,444億円となっています。
「負債の部」につきましては、前期末に比べ9,612億円増加して8兆5,786億円となりました。
主な内訳は、預金が7,997億円増加の7兆5,113億円、譲渡性預金が273億円減少の1,771億円、借用金が1,274億円増加の2,754億円となっています。
「純資産の部」につきましては、株主資本合計では前期末に比べ89億円増加して4,538億円となりました。利益剰余金は、利益の積み上げから89億円増加し4,420億円となっています。
また、評価・換算差額等合計は、株式相場の回復などを受けたその他有価証券評価差額金の増加を主因に、前期比389億円増加して899億円となりました。以上から、純資産合計では前期比478億円増加の5,440億円となりました。
主要科目の状況は次のとおりです。
貸出金は、期間10年の経営計画で掲げる長期ビジョン「地域・お客さま・従業員と分かち合える豊かな未来を共創する」の実現に向け、地域金融機関として本業を通じた地域応援活動に取り組む中で、当事業年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けているお取引先の資金繰り支援に注力した結果、事業性資金に関しては、地元を中心に増加し、3月末残高は前年同期比2,338億円(年率7.2%)増加の3兆4,682億円となりました。
また、個人ローンにつきましても、住宅ローンの伸びが牽引する形で前年同期比238億円(同2.0%)増加し、3月末残高は1兆1,981億円となりました。以上から貸出金全体では2,347億円(同4.7%)増加し、3月末残高は5兆1,444億円となりました。
有価証券は、前述のとおり、金利動向を勘案し、債券の残高を積み増した結果、前年同期比2,774億円(同11.8%)増加し、3月末残高は2兆6,225億円となりました。
預金及び譲渡性預金に関しては、特別定額給付金などの新型コロナウイルス感染症対策による資金流入を主因として個人預金及び法人預金を中心に残高が増加し、前年同期比7,725億円(同11.1%)増加の3月末残高7兆6,885億円となりました。
預り資産の状況
2020年3月末(A)
(億円)
2021年3月末(B)
(億円)
増減(B)-(A)
(億円)
預り資産合計73,18981,0677,878
預金67,11675,1137,997
譲渡性預金2,0441,771△273
公共債2,7992,704△95
投資信託1,2291,477248

預り資産全体としては、前年同期比7,878億円増加の3月末残高8兆1,067億円となりました。これは前述のとおり、個人預金及び法人預金の増加が主因です。
3 リスク管理債権の状況(単体)
リスク管理債権額につきましては、再生支援活動を通じたランクアップや直接償却並びに債権売却によるオフバランス化を実施する等減少に努めましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の低迷を受け、前年同期比185億円増加し、3月末残高は912億円になりました。
また、リスク管理債権比率(貸出金残高に占める比率)は、前年同期比0.29ポイント上昇し、3月末1.77%となりました。
なお、当行は部分直接償却を実施していませんが、仮に部分直接償却を実施した場合のリスク管理債権比率は前年同期比0.32ポイント上昇の1.53%となります。
2020年3月末(A)
(億円)
2021年3月末(B)
(億円)
増減(B)-(A)
(億円)
リスク管理債権破綻先債権5344△9
延滞債権444556112
3ヵ月以上延滞債権88-
貸出条件緩和債権22230381
リスク管理債権 合計727912185
(部分直接償却後)(594)(787)(193)

貸出金残高(末残)49,09851,4442,346
(部分直接償却後)(48,964)(51,319)(2,355)

貸出金残高比
(%)
破綻先債権0.110.09△0.02
延滞債権0.901.080.18
3ヵ月以上延滞債権0.020.020.00
貸出条件緩和債権0.450.590.14
リスク管理債権 合計1.481.770.29
(部分直接償却後)(1.21)(1.53)(0.32)

※ 表中の計数は、全て単位未満を四捨五入しています。
また、当行は部分直接償却を実施していませんが、参考として仮に部分直接償却した場合の計数を「(部分直接償却後)」として掲載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、将来に関する事項については当連結会計年度末現在において判断したものです。
①会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積もりを必要としています。当行グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りを行なっています。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
○貸倒引当金
当行グループにおいては、与信業務は最大の収入源であり、連結貸借対照表上、貸出金、支払承諾見返等の信用リスク資産の占める重要性は高く、経営成績や財政状態に及ぼす影響が大きいことから、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
なお、当行グループの貸出金の有する次に掲げる特性が、会計上の見積りにおいても重要な影響を与えるものと認識しております。
当行は地域金融機関として、岡山県を中心とする東瀬戸内圏において、地域社会の発展に寄与するため、総合的な金融サービスを提供しており、多くの中小企業向け融資を実行しています。中小企業向け貸出金の2021年3月末残高は2兆7,464億円と総貸出金残高の53%を占めています。
また、当行は資金調達余力を活かし、市場性ローンを含むストラクチャードファイナンスや非日系融資など銀行本部での貸出金運用(以下「本部貸出金」という。)を実施しており、本部貸出金の2021年3月末残高は5,746億円と総貸出金残高の11%を占めております。これら本部貸出金は、1案件当たりの貸出金額が相対的に多額であるといった特性を有しています。
貸倒引当金に係る見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (重要な会計上の見積り)」の内容と同一であります。
○金融商品の時価
当行グループにおいては、金融機関の特殊性として、多種多様な有価証券の運用を行っており、市場価格がない有価証券を保有するケースが比較的多く、連結貸借対照表計上額の金額的重要性が高いこと、また金融資産の運用及び調達のリスクヘッジ手段や営業上の目的として多くのデリバティブ取引を行っており、当行グループの経営成績、財政状態への影響が大きいことなどから、金融商品の時価情報が会計上の見積りにおいて重要なものと判断しています。
有価証券の評価は、株式は取引所の価格、債券は売買参考統計値または売買参考統計値を参考とした比準価格、取引所の価格、取引金融機関から提示された価格等によっております。また、投資信託は、公表されている基準価格によっております。自行保証付私募債は、将来キャッシュ・フローの合計額をリスクフリーレートに内部格付に基づく区分ごとの信用スプレッドを上乗せした利率で割り引いて算定しています。
デリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ取引、金利キャップ取引)、通貨関連取引(通貨スワップ取引、通貨オプション取引、為替予約取引、ノンデリバラブル・フォワード取引)、債券関連取引(債券先物取引、債券オプション取引)、株式関連取引(株式先物取引、株式オプション取引)、クレジットデリバティブ取引(クレジット・デフォルト・スワップ取引)などであり、取引所の価格、割引現在価値、オプション価格計算モデルや取引金融機関から提示された価格等により算出した価額によっています。
金融商品の時価の算定方法及び重要な仮定は合理的であると判断しており、財務諸表等に適切に計上又は注記しています。
これらの見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
②経営成績に重要な影響を与える主な要因
当行グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因としては、下記のものが考えられます。
・本邦の景気動向
本邦の景気動向は、当行グループの融資先の経営状況にも影響が大きく、これに起因し当行グループの貸出金残高の増減、貸出金利息や与信関係費用が増減する可能性があります。株式配当金の変動は、有価証券利息配当金にも影響を与える可能性があります。
・株式市況の動向
当行グループが保有している株式の評価損益、株式等売却損益などの有価証券関連損益に影響を与える可能性があります。そのため、銘柄選定能力を高め、中長期視点から将来含み益が見込まれる銘柄への投資を行なっています。
また、株式市況の動向は、お客さまの投資マインドも大きく左右することから、投資信託などの預り資産業務や金融商品仲介業務での商品販売額にも大きな影響があり、役務収益が増減する可能性があります。
前連結会計年度末にかけては、コロナショックで株価が下落し、株式等売却損や株式等償却を計上するとともに、期末評価損益も悪化しましたが、当連結会計年度においては株式市況の回復が見られ、株式関係損益も増加するとともに、期末評価損益も回復しました。
・国内金利動向
日本銀行によるマイナス金利政策が導入されて以降、現在、国内金利は超低水準で推移を続けており、邦貨貸出金利回りは低下傾向にあります。この貸出金利回りの低下は貸出金利息収入の減少要因となります。そのため、地域金融機関の本業として地域応援活動の推進による資金需要の発掘・取り込みを図り、地元事業性資金の増加を図るとともに、収益性を勘案して、非日系貸出金やストラクチャードファイナンスなどの利回りの高い分野への積み増しを図り、市場の影響を受けにくい資産ポートフォリオの再構築を行っています。
上記資産ポートフォリオの再構築と併せ、事業性評価・地域応援活動をさらに深化させ、ソリューション営業体制を強化することで、お客さまとの強固な関係性を構築し、金利競争に過度に依存しない適正収益の確保に結びつけることで貸出金利回りの改善を図る方針です。
また、金利水準の動向は、国内債券の利回りや債券時価にも影響を与えることから、有価証券利息配当金や国債等債券売却損益も増減する可能性があります。これらの金利リスクが過大とならないよう残高をコントロールするとともに、債券の償還見合い資金を、より利回りの高い銘柄の債券へ再投資するなど、資金利益の積上げを図ります。
・海外金利動向
米国金利の上昇局面においては、保有する外債が逆ザヤとなるリスクが生じるため、運用残高を抑制するとともに、変動債の保有比率を高めるなど、ポートフォリオ改善の為の入替売買を行っています。また、外貨建運用に見合う調達に関しても、金利上昇によりコスト増加となるため、売現先勘定取引やコマーシャル・ペーパー取引など調達手段の多様化を図り、外貨調達コストの抑制に取組んでおります。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、米国金利が引き下げられたことから、外貨運用収益と外貨調達費用が大きく減少しました。なお、当行のポートフォリオでは、外貨運用資産に比べ、外貨調達負債は変動金利の割合が高いことから、外貨調達コストの減少幅の方が大きくなりました。
・新型コロナウイルス感染症拡大
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、国内経済・地域経済に甚大な影響を及ぼしており、当行グループの今後の業務運営及び業績においても多大な影響を受ける可能性があります。
現時点では、影響の程度や影響の及ぶ期間、対応策等の把握が困難でありますが、以下のようなリスクや影響があると考えております。
○役職員に感染者、濃厚接触者が発生した場合の一時的な業務の停止
○当行の営業活動の自粛や取引先企業の経済活動の縮小等による、資金利益や役務利益へのマイナス影響
○取引先企業の資金需要の増加による、資金利益へのプラス影響
○当行の営業活動の変化等による経費(人件費、物件費)やソフトウェア投資の減少
○景気悪化や取引先企業の業績悪化による、貸倒引当金の増加
③財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (主要な項目の具体的な分析)」に記載のとおりです。
④経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (主要な項目の具体的な分析)」に記載のとおりです。
⑤セグメントごとの経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりです。
⑥資本的支出の財源及び資金の流動性
当行グループの重要な資本的支出の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当行グループは、銀行業という特殊性から資金利益を獲得することを本業としており、具体的には、お客さまから預け入れられた預金や資金市場から調達した資金を、地元の事業性融資や個人ローン、非日系貸出金、ストラクチャードファイナンスといった貸出金や国内外の有価証券への投資などで運用しています。
資金調達方法に関しては、特に外貨調達資金については、コマーシャル・ペーパー、コールマネー、売現先取引など、調達手段の多様化を図っており、資金満期、適用金利更改時期などに留意しつつ、その時々で最も有利なレートで調達できる手段を選択し、調達コストの削減に努めています。併せて、当連結会計年度におきましては、お客さま・地域社会の課題解決を通じて、地域における雇用の維持や経済の安定回復に貢献するために、新型コロナウイルス感染症の影響を受けているお客さまへの融資を資金使途とするソーシャルボンドを発行し、総自己資本比率の維持と資本効率の向上を図りました。
また、店舗の新築等の設備投資計画に関しては、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。これらの設備投資資金は、原則、自己資金でまかなうことを前提としています。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) 1 業績」に記載のとおりです。
⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当行では、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標」に記載のとおり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を定めています。
2020年4月よりスタートさせました中期経営計画『未来共創プラン ステージⅡ』(期間:3年間 2020年4月~2023年3月)においては、前中期経営計画での構造改革(戦略投資及びBPRによる効率化・営業力強化)の成果をもとに、外部環境の変化に迅速に対応するとともに、地域社会とともに発展する「当行独自のビジネスモデル」の実現に向け、組織力と人財育成を強化していきます。
中期経営計画における指標の当事業年度における達成・進捗状況につきましては、下記のとおりです。
中期経営計画1年目の2020年度は、各施策の取組みを通じて、着実に実績を積み上げることが出来ました。引き続き、KPI達成を通じて、長期的な域内(東瀬戸内経済圏※1)人口とGDPの向上を目指します。
0102010_005.png※1:東瀬戸内経済圏・・・岡山県、香川県、広島県東部(備後地域)、兵庫県西部(播磨地域)
※2:創業支援先数・・・当行が開催する創業支援イベント等により、創業した先数
※3:事業承継支援先数・・・事業承継コンサルティングサービス受託先数
※4:金融リテラシー向上等に資する活動・・・金融リテラシー、ビジネススキル等の向上に資する各種イベント・勉強会等の開催件数
※5:お客さま満足度・・・お客さまアンケート「満足・やや満足」の合計(法人・個人アンケートを隔年で実施)
※6:人件費支払前コア業務純益における労働分配率・・・人件費÷(コア業務純益+人件費)