有価証券報告書-第138期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(業績等の概要)
1 業績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における我が国の経済は、上半期は、堅調な海外経済を背景として、輸出や生産の持ち直しが続くとともに、個人消費や民間設備投資に改善が見られ、緩やかな回復基調が続きました。下半期にさしかかって、米中の経済摩擦などの政治リスクや中国経済の減速感が国内経済にも影響してきており、景気の不透明感は増しています。今後につきましても、オリンピック関連の設備投資が徐々にピークアウトすることや、消費税の引上げの影響が見込まれることから経済動向には注視が必要な状況であります。
地元経済につきましては、2018年7月に西日本地方が記録的な豪雨に見舞われ、多くの被害が各地で発生する大災害となり、当行の営業エリアも甚大な被害を受けました。一時的に生産停止を余儀なくされるお取引先もありましたが、その後、生産活動も徐々に改善しつつあり、災害復旧工事も本格化してきています。引き続き、当行グループの総力をあげて、一人ひとりのお客さまに寄り添い、災害復興支援に取組んでまいります。
このような事業環境の中、当行では2017年度からスタートした期間10年の経営計画『Vision2027「未来共創プラン」』で策定した各施策を着実に実施してまいりました。
2018年度における主な活動成果は次のとおりです。
連結経常収益は、有価証券利息配当金の減少や貸倒引当金戻入益の減少を主因に前年同期比38億24百万円(2.8%)減収の1,286億21百万円となりました。連結経常費用は、有価証券売却損や営業経費は減少したものの、与信コストや外貨調達コスト増加の影響が大きく、前年同期比34億3百万円(3.3%)増加の1,049億25百万円となりました。
連結経常利益については、上記連結経常収益の減少と連結経常費用の増加により、前年同期比72億26百万円(23.3%)減益の236億96百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比50億59百万円(23.7%)減益の161億99百万円となりました。
セグメントごとの業績は下記のとおりです。
[銀行業]
金利動向を踏まえた有価証券運用残高の圧縮に伴う有価証券利息配当金の減少や貸倒引当金戻入益の減少を主因に、経常収益は前年同期比30億38百万円(2.6%)減収の1,134億61百万円となりました。また、経常利益は、営業経費の減少などの増益要因もありましたが、上記経常収益の減少に加え、貸倒引当金が繰入に転じ、与信コストが大幅に増加したことなどにより、前年同期比60億12百万円(21.5%)減益の219億19百万円となりました。
[リース業]
経常収益は、貸倒引当金戻入益の増加などにより、前年同期比67百万円(0.5%)増収の113億12百万円、経常利益も前年同期比50百万円(6.0%)増益の8億73百万円となりました。
[証券業]
期中の株式市況の低迷を受け、前期好調であった仕組債の販売が大幅に落ち込み、経常収益は、前年同期比15億72百万円(36.5%)減収の27億31百万円となり、経常損益は前年同期比8億37百万円悪化し、経常損失1億円となりました。
[その他]
経常収益は、クレジットカード業務や信用保証業務における受取保証料が増加したことなどから、前年同期比92百万円(1.7%)増収の54億25百万円となりましたが、経常利益につきましては、信用保証業務における与信コストの増加の影響が大きく、前年同期比1億7百万円(5.5%)減益の18億15百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況は下記のとおりです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、有価証券運用において償還資金を原資とする再投資を抑制したこと、豪雨災害に伴う保険金の流入により預金残高が増加したこと等の増加要因により一部相殺されたものの、有価証券運用残高の抑制に伴い債券貸付担保金取引が減少したこと、地元事業性を中心とした貸出金残高の増強に注力したことなどから、前年同期比111億円減少し7,493億円となりました。
○営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べて1,395億円減少し、マイナス2,407億円となりました。これは、主に有価証券運用残高の減少に伴い、債券貸付担保金取引の減少幅が大きくなったこと等によるものであります。
○投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べて1,626億円増加し、2,357億円となりました。これは、金利動向を踏まえた有価証券運用残高の抑制のため、償還資金による再投資としての有価証券の取得が減少したことによるものであります。
○財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べて6億円増加し、マイナス60億円となりました。これは、株主還元方針に基づいた自己株式の取得額が前年同期に比べ減少したことによるものであります。
① 国内・海外別収支
資金運用収支 :国内は前連結会計年度に比べ3,493百万円減の62,051百万円、海外は同4百万円減の382百万円、合計で同3,497百万円減の62,434百万円となりました。
役務取引等収支:国内は前連結会計年度に比べ860百万円増の13,686百万円、海外は前連結会計年度に比べ16百万円増の31百万円、合計で前連結会計年度に比べ877百万円増の13,718百万円となりました。
その他業務収支:国内は前連結会計年度に比べ2,580百万円増の7,499百万円、海外は同34百万円改善の△39百万円、合計で同2,615百万円増の7,460百万円となりました。
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する連結子会社(以下「国内連結子会社」という。)であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度10百万円、当連結会計年度9百万円)を控除して表示しております。
4 本支店勘定利息を相殺消去しております。
② 国内・海外別資金運用/調達の状況
資金運用勘定:平均残高は合計で前連結会計年度に比べ38,855百万円増の7,720,207百万円となり、利息は国内で同306百万円減の78,439百万円、海外で同749百万円増の1,798百万円、合計で同57百万円減の79,654百万円となりました。
資金調達勘定:平均残高は合計で前連結会計年度に比べ38,830百万円増の7,582,723百万円となり、利息は国内で同3,188百万円増の16,388百万円、海外で同752百万円増の1,415百万円、合計で同3,439百万円増の17,219百万円となりました。
○ 国内
(注)1 当行の平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、国内連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
3 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度24,784百万円、当連結会計年度24,879百万円)及び利息(前連結会計年度10百万円、当連結会計年度9百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
○ 海外
(注) 「海外」とは、当行の海外店であります。
○ 合計
(注) 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度24,784百万円、当連結会計年度24,879百万円)及び利息(前連結会計年度10百万円、当連結会計年度9百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
③ 国内・海外別役務取引の状況
役務取引等収益:国内は前連結会計年度に比べ847百万円増の17,967百万円、海外は同16百万円増の38百万円、合計で同863百万円増の18,006百万円となりました。
役務取引等費用:国内は前連結会計年度に比べ14百万円減の4,280百万円、海外は同0百万円増の7百万円、合計では同13百万円減の4,288百万円となりました。
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
④ 国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金
⑤ 国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
○ 外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑥ 国内・海外別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
⑦ 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社であります。
○ 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
(注) 共同信託他社管理財産はありません。
○ 元本補填契約のある信託財産の運用/受入状況(末残)
2 自己資本比率等の状況
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
連結レバレッジ比率(国際統一基準) (単位:%)
単体レバレッジ比率(国際統一基準) (単位:%)
3 資産の査定
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
① 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
② 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
③ 要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
④ 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記①から③までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(主要な項目の具体的な分析)
当連結会計年度における主な項目の具体的な分析は、以下のとおりです。
1 経営成績の分析(単体)
損益状況(単体)
※ コア業務純益=業務純益-債券関係損益+一般貸倒引当金繰入
① コア業務純益
本業のもうけを表すコア業務純益につきましては、貸出金利息は増加しましたが、有価証券利息配当金の減少による資金利益減益の影響が大きく、前期比11億円減益の228億円となりました。
貸出金に関しましては、マイナス金利政策導入以降邦貨建貸出金利回りの低下が続く中、地域金融機関として本業を通じた地域応援活動に注力し、地元を中心に事業性資金平残の積み増しに努めるとともに、収益性の観点から利回りの低い都市部での貸出金を抑制し、非日系向け貸出金やストラクチャードファイナンスでの貸出金平残の積み上げを図り、貸出金利息全体では前期比増加となりました。
一方で、有価証券運用に関しては、金利動向を勘案し、金利リスクへの配慮から有価証券運用残高を抑制した影響から、有価証券平均残高が減少し、有価証券利息配当金は前期比減少となりました。
なお、営業経費に関しましては、前事業年度でのホストシステム更改に伴い増加した税金が減少したこと、また働き方改革施策により人件費が減少したことなどから、営業経費は前期比減少しましたが、資金利益減益の影響が大きく、コア業務純益は前期比減益となっております。
② 一般貸倒引当金繰入
一般貸倒引当金につきましては、引当率の上昇を主因に29億円の繰入(前期は17億円の戻入)となりました。
③ 債券関係損益
債券関係損益につきましては、外貨建債券を中心に売却損が減少したこと、また、金利低下局面で邦貨建債券の売却を進め、売却益が増加した結果、ネット損益は前期比35億円改善し、11億円の利益となりました。
④ 不良債権処理コスト
個別貸倒引当金は10億円の繰入(前期は25百万円の戻入)となり、一般貸倒引当金も29億円の繰入に転じたことから、与信コスト合計では前期比59億円増加の41億円となりました。
⑤ 株式関係損益
株式ポートフォリオの入替に伴う売却損の増加などにより、前期比29億円減少し14億円の利益となりました。
⑥ 経常利益
以上から、経常利益は前期に比べ60億円減益の219億円となりました。
⑦ 特別損益
減損損失の増加等により1億円悪化し、ネット2億円の損失となりました。
⑧ 当期純利益
以上から、当期純利益は前期に比べ41億円減益の153億円となりました。
⑨ 連結子会社の状況等
当連結会計年度の連結子会社の状況は、概ね良好な結果となり、連結利益に貢献しております。
2 財政状態の分析(単体)
当事業年度末の貸借対照表計上額は、「資産の部」につきましては、前期末に比べ2,138億円減少して8兆2,257億円となりました。
主な内訳は、現金預け金が144億円減少の7,632億円、コールローンが1,016億円減少の396億円、有価証券が2,259億円減少の2兆3,949億円、貸出金が1,326億円増加の4兆8,087億円となっております。
「負債の部」につきましては、前期末に比べ2,140億円減少して7兆7,021億円となりました。
主な内訳は、預金が2,163億円増加の6兆6,399億円、譲渡性預金が441億円減少の1,783億円、債券貸借取引受入担保金が3,700億円減少の3,772億円、売現先勘定が535億円増加の1,250億円となっております。
「純資産の部」につきましては、株主資本合計では前期末に比べ96億円増加して4,387億円となりました。利益剰余金は、利益の積み上げから115億円増加し4,266億円となっております。
また、評価・換算差額等合計は、株価の下落などにより、前期比94億円減少して845億円となりました。以上から、純資産合計では前期比1億円増加の5,235億円となりました。
主要科目の状況は次のとおりであります。
貸出金は、期間10年の経営計画で掲げる長期ビジョン「地域・お客さま・従業員と分かち合える豊かな未来の共創」の実現に向け、地域金融機関として本業を通じた地域応援活動を推進した結果、事業性資金に関しては、地元を中心に順調に増加し、3月末残高は前年同期比1,023億円(年率3.3%)増加の3兆1,588億円となりました。また、個人ローンにつきましても、商品の充実と利便性の向上により前年同期比416億円(同3.7%)増加し、3月末残高は1兆1,394億円となりました。以上から貸出金全体では1,326億円(同2.8%)増加し、3月末残高は4兆8,087億円となりました。
有価証券は、前述のとおり、金利動向を勘案し、金利リスク面への一層の配意から有価証券運用残高を抑制した結果、前年同期比2,259億円減少し、3月末残高は2兆3,949億円となりました。
外貨調達に関しましては、外貨調達コスト削減のため調達手段の多様化を図ったことから、売現先勘定、コマーシャル・ペーパーなどが増加しましたが、外貨建有価証券の運用残高抑制に伴い、外貨調達額全体では前年同期比減少しております。
預金、譲渡性預金に関しては、2018年7月の豪雨災害に係る保険金の流入を主因として個人預金を中心に残高が増加し、前年同期比1,722億円増加の3月末残高6兆8,182億円となりました。
預り資産の状況
預り資産全体としては、前年同期比1,712億円増加の3月末残高7兆2,500億円となっておりますが、これは前述のとおり、個人預金の増加が主因であります。
3 リスク管理債権の状況(単体)
リスク管理債権額につきましては、再生支援活動を通じたランクアップや直接償却並びに債権売却によるオフバランス化を実施する等減少に努めました結果、前年同期比24億円減少し、3月末残高は688億円になりました。
また、リスク管理債権比率(貸出金残高に占める比率)は、前年同期比0.09ポイント低下し、3月末1.43%となりました。
なお、当行は部分直接償却を実施しておりませんが、仮に部分直接償却を実施した場合のリスク管理債権比率は前年同期比0.08ポイント低下の1.16%となります。
※ 表中の計数は、全て四捨五入しております。
また、当行は部分直接償却を実施しておりませんが、参考として仮に部分直接償却した場合の計数を「(部分直接償却後)」として掲載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、将来に関する事項については当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積もりを必要としております。当行グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りを行なっております。しかしながら、これらの見積もりは不確実性を伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
②経営成績に重要な影響を与える主な要因
当行グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因としては、下記のものが考えられます。
・本邦の景気動向
本邦の景気動向は、当行グループの融資先の経営状況にも影響が大きく、これに起因し当行グループの貸出金残高の増減、貸出金利息や与信関係費用が増減する可能性があります。株式配当金の変動は、有価証券利息配当金にも影響を与える可能性があります。
・株式市況の動向
当行グループが銀行勘定として保有している株式の評価損益、株式等売却損益などの有価証券関連損益に影響を与える可能性があります。そのため、銘柄選定能力を高め、中長期視点から将来含み益が見込まれる銘柄への投資を行なっております。
また、株式市況の動向は、お客さまの投資マインドも大きく左右することから、投資信託などの預り資産業務や金融商品仲介業務での商品販売額にも大きな影響があり、役務収益が増減する可能性があります。
・国内金利動向
日本銀行によるマイナス金利政策が導入されて以降、現在、国内金利は超低水準で推移を続けており、邦貨貸出金利回りは低下傾向にあります。この貸出金利回りの低下は貸出金利息収入の減少要因となります。そのため、地域金融機関の本業として地域応援活動の推進による資金需要の発掘・取り込みを図り、地元事業性資金の増加を図るとともに、収益性も勘案し、利回りの低い都市部向け貸出金の残高を抑制するとともに非日系貸出金やストラクチャードファイナンスなどの利回りの高い分野への積み増しを図り、市場の影響を受けにくい資産ポートフォリオの再構築を行っております。
上記資産ポートフォリオの再構築と併せ、事業性評価・地域応援活動をさらに深化させ、ソリューション営業体制を強化することで、お客さまとの強固な関係性を構築し、金利競争に過度に依存しない適正収益の確保に結びつけることで貸出金利回りの改善を図る方針です。
また、金利水準の動向は、国内債券の利回りや債券時価にも影響を与えることから、有価証券利息配当金や国債等債券売却損益も増減する可能性があります。これらの金利リスクが過大とならないよう残高をコントロールするとともに、国債の償還見合い資金を国債よりも利回りの高い地方債へ再投資するなど、資金利益の積上げを図ります。
・海外金利動向
米国金利の上昇局面においては、保有する外債が逆ザヤとなるリスクが生じるため、運用残高を抑制するとともに、変動債の保有比率を高めるなど、ポートフォリオ改善の為の入替売買を行っております。また、外貨建運用に見合う調達に関しても、金利上昇によりコスト増加となるため、売現先勘定取引やコマーシャル・ペーパー取引など調達手段の多様化を図り、外貨調達コストの削減に取組んでおります。
③財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (主要な項目の具体的な分析)」に記載のとおりであります。
④経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (主要な項目の具体的な分析)」に記載のとおりであります。
⑤セグメントごとの経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。
⑥資本的支出の財源及び資金の流動性
当行グループの重要な資本的支出の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当行グループでは、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、店舗の新築等の設備投資を計画しております。なお、これらの設備投資資金につきましては、原則、自己資金でまかなうことを前提としております。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) 1 業績」に記載のとおりであります。
⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当行では、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を定めております。
これら指標の達成・進捗状況につきましては、下記のとおりであります。
○「地域応援プロジェクト」総合ポイント
本指標のポイント算出の基となる地域応援活動や事業性評価につきましては、着実に営業店に浸透してきており、企業のライフステージに応じた支援やソリューションの提供が行われております。今後は、お取引先とのリレーションの構築、事業内容や成長性の理解というステージから、ニーズ発掘、ソリューション提供というステージへ移行し、お取引先の企業価値向上に向け、経営課題に焦点を当てた提案活動の高度化に取り組みます。
○「ライフプランサポート活動」総合ポイント
本指標のポイント算出の基となるライフプランサポート活動は、セミナー開催やお客さま情報の収集など、全体として順調に推移しております。今後は、お客さまと接点拡大を目的とした施策に注力し、お客さまへの「提案機会の拡大」と「提案内容の質の向上」を図るとともに、お客さまのことをより理解し、最適な提案を提供することで、引き続きお客さまとのWin-Winを追求するための活動に注力します。
○お客さま満足度調査
法人・個人のお客さまにアンケートを実施し、一定の満足度を得ている一方で、法人のお客さまからニーズの高かった「情報提供」「経営課題の理解やアドバイス」への対応として本部内に法人コンサルティンググループを設置し、事業性評価の深掘りによるお客さまの経営課題への対応拡充など、お客さまの満足度向上に資する施策を実施しております。併せて、CSが優良な個人に対する表彰制度を新設するなど、従業員のCS向上に対するインセンティブの面からも対応しております。今後も、引き続き、お客さま目線でのCS向上に取り組みます。
○親会社株主に帰属する当期純利益・連結自己資本比率
長期ビジョン並びに中期経営計画のフレームワークである「提供するサービスの質の向上」「サービスを提供する機会の拡大」「サービスを提供するための体力の強化」「一人ひとりの心の変革と組織風土改革」の各種施策に取り組んでおりますが、中期経営計画策定時に想定した市場環境と異なる環境が継続したことから、現中期経営計画最終年度である2020年3月期の当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益については、当初目標160億円に対し、138億円を計画しております。なお、連結自己資本比率については、中期経営計画に照らし順調な進捗となっております。
(業績等の概要)
1 業績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における我が国の経済は、上半期は、堅調な海外経済を背景として、輸出や生産の持ち直しが続くとともに、個人消費や民間設備投資に改善が見られ、緩やかな回復基調が続きました。下半期にさしかかって、米中の経済摩擦などの政治リスクや中国経済の減速感が国内経済にも影響してきており、景気の不透明感は増しています。今後につきましても、オリンピック関連の設備投資が徐々にピークアウトすることや、消費税の引上げの影響が見込まれることから経済動向には注視が必要な状況であります。
地元経済につきましては、2018年7月に西日本地方が記録的な豪雨に見舞われ、多くの被害が各地で発生する大災害となり、当行の営業エリアも甚大な被害を受けました。一時的に生産停止を余儀なくされるお取引先もありましたが、その後、生産活動も徐々に改善しつつあり、災害復旧工事も本格化してきています。引き続き、当行グループの総力をあげて、一人ひとりのお客さまに寄り添い、災害復興支援に取組んでまいります。
このような事業環境の中、当行では2017年度からスタートした期間10年の経営計画『Vision2027「未来共創プラン」』で策定した各施策を着実に実施してまいりました。
2018年度における主な活動成果は次のとおりです。
連結経常収益は、有価証券利息配当金の減少や貸倒引当金戻入益の減少を主因に前年同期比38億24百万円(2.8%)減収の1,286億21百万円となりました。連結経常費用は、有価証券売却損や営業経費は減少したものの、与信コストや外貨調達コスト増加の影響が大きく、前年同期比34億3百万円(3.3%)増加の1,049億25百万円となりました。
連結経常利益については、上記連結経常収益の減少と連結経常費用の増加により、前年同期比72億26百万円(23.3%)減益の236億96百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比50億59百万円(23.7%)減益の161億99百万円となりました。
セグメントごとの業績は下記のとおりです。
[銀行業]
金利動向を踏まえた有価証券運用残高の圧縮に伴う有価証券利息配当金の減少や貸倒引当金戻入益の減少を主因に、経常収益は前年同期比30億38百万円(2.6%)減収の1,134億61百万円となりました。また、経常利益は、営業経費の減少などの増益要因もありましたが、上記経常収益の減少に加え、貸倒引当金が繰入に転じ、与信コストが大幅に増加したことなどにより、前年同期比60億12百万円(21.5%)減益の219億19百万円となりました。
[リース業]
経常収益は、貸倒引当金戻入益の増加などにより、前年同期比67百万円(0.5%)増収の113億12百万円、経常利益も前年同期比50百万円(6.0%)増益の8億73百万円となりました。
[証券業]
期中の株式市況の低迷を受け、前期好調であった仕組債の販売が大幅に落ち込み、経常収益は、前年同期比15億72百万円(36.5%)減収の27億31百万円となり、経常損益は前年同期比8億37百万円悪化し、経常損失1億円となりました。
[その他]
経常収益は、クレジットカード業務や信用保証業務における受取保証料が増加したことなどから、前年同期比92百万円(1.7%)増収の54億25百万円となりましたが、経常利益につきましては、信用保証業務における与信コストの増加の影響が大きく、前年同期比1億7百万円(5.5%)減益の18億15百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況は下記のとおりです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、有価証券運用において償還資金を原資とする再投資を抑制したこと、豪雨災害に伴う保険金の流入により預金残高が増加したこと等の増加要因により一部相殺されたものの、有価証券運用残高の抑制に伴い債券貸付担保金取引が減少したこと、地元事業性を中心とした貸出金残高の増強に注力したことなどから、前年同期比111億円減少し7,493億円となりました。
○営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べて1,395億円減少し、マイナス2,407億円となりました。これは、主に有価証券運用残高の減少に伴い、債券貸付担保金取引の減少幅が大きくなったこと等によるものであります。
○投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べて1,626億円増加し、2,357億円となりました。これは、金利動向を踏まえた有価証券運用残高の抑制のため、償還資金による再投資としての有価証券の取得が減少したことによるものであります。
○財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べて6億円増加し、マイナス60億円となりました。これは、株主還元方針に基づいた自己株式の取得額が前年同期に比べ減少したことによるものであります。
① 国内・海外別収支
資金運用収支 :国内は前連結会計年度に比べ3,493百万円減の62,051百万円、海外は同4百万円減の382百万円、合計で同3,497百万円減の62,434百万円となりました。
役務取引等収支:国内は前連結会計年度に比べ860百万円増の13,686百万円、海外は前連結会計年度に比べ16百万円増の31百万円、合計で前連結会計年度に比べ877百万円増の13,718百万円となりました。
その他業務収支:国内は前連結会計年度に比べ2,580百万円増の7,499百万円、海外は同34百万円改善の△39百万円、合計で同2,615百万円増の7,460百万円となりました。
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 相殺消去額 (△) | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
資金運用収支 | 前連結会計年度 | 65,544 | 386 | - | 65,931 |
当連結会計年度 | 62,051 | 382 | - | 62,434 | |
うち資金運用収益 | 前連結会計年度 | 78,745 | 1,049 | 83 | 79,711 |
当連結会計年度 | 78,439 | 1,798 | 583 | 79,654 | |
うち資金調達費用 | 前連結会計年度 | 13,200 | 663 | 83 | 13,780 |
当連結会計年度 | 16,388 | 1,415 | 583 | 17,219 | |
信託報酬 | 前連結会計年度 | 1 | - | - | 1 |
当連結会計年度 | 1 | - | - | 1 | |
役務取引等収支 | 前連結会計年度 | 12,826 | 15 | - | 12,841 |
当連結会計年度 | 13,686 | 31 | - | 13,718 | |
うち役務取引等収益 | 前連結会計年度 | 17,120 | 22 | - | 17,143 |
当連結会計年度 | 17,967 | 38 | - | 18,006 | |
うち役務取引等費用 | 前連結会計年度 | 4,294 | 7 | - | 4,301 |
当連結会計年度 | 4,280 | 7 | - | 4,288 | |
その他業務収支 | 前連結会計年度 | 4,919 | △73 | - | 4,845 |
当連結会計年度 | 7,499 | △39 | - | 7,460 | |
うちその他業務収益 | 前連結会計年度 | 22,775 | 3 | - | 22,778 |
当連結会計年度 | 22,230 | 1 | - | 22,232 | |
うちその他業務費用 | 前連結会計年度 | 17,856 | 76 | - | 17,933 |
当連結会計年度 | 14,730 | 41 | - | 14,772 |
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する連結子会社(以下「国内連結子会社」という。)であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度10百万円、当連結会計年度9百万円)を控除して表示しております。
4 本支店勘定利息を相殺消去しております。
② 国内・海外別資金運用/調達の状況
資金運用勘定:平均残高は合計で前連結会計年度に比べ38,855百万円増の7,720,207百万円となり、利息は国内で同306百万円減の78,439百万円、海外で同749百万円増の1,798百万円、合計で同57百万円減の79,654百万円となりました。
資金調達勘定:平均残高は合計で前連結会計年度に比べ38,830百万円増の7,582,723百万円となり、利息は国内で同3,188百万円増の16,388百万円、海外で同752百万円増の1,415百万円、合計で同3,439百万円増の17,219百万円となりました。
○ 国内
種類 | 期別 | 平均残高 | 利息 | 利回り |
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | 7,642,513 | 78,745 | 1.03 |
当連結会計年度 | 7,684,616 | 78,439 | 1.02 | |
うち貸出金 | 前連結会計年度 | 4,531,461 | 46,721 | 1.03 |
当連結会計年度 | 4,707,297 | 50,773 | 1.07 | |
うち商品有価証券 | 前連結会計年度 | 1,922 | 19 | 0.99 |
当連結会計年度 | 2,172 | 15 | 0.70 | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 2,500,910 | 30,449 | 1.21 |
当連結会計年度 | 2,304,526 | 25,883 | 1.12 | |
うちコールローン | 前連結会計年度 | 182,224 | 813 | 0.44 |
当連結会計年度 | 229,259 | 521 | 0.22 | |
うち預け金 | 前連結会計年度 | 373,523 | 374 | 0.10 |
当連結会計年度 | 371,874 | 382 | 0.10 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | 7,505,077 | 13,200 | 0.17 |
当連結会計年度 | 7,547,926 | 16,388 | 0.21 | |
うち預金 | 前連結会計年度 | 6,122,334 | 1,351 | 0.02 |
当連結会計年度 | 6,319,845 | 1,554 | 0.02 | |
うち譲渡性預金 | 前連結会計年度 | 283,447 | 58 | 0.02 |
当連結会計年度 | 346,491 | 40 | 0.01 | |
うちコールマネー | 前連結会計年度 | 99,608 | 1,371 | 1.37 |
当連結会計年度 | 48,665 | 816 | 1.67 | |
うち売現先勘定 | 前連結会計年度 | 101,104 | 1,584 | 1.56 |
当連結会計年度 | 97,882 | 2,397 | 2.44 | |
うちコマーシャル・ペーパー | 前連結会計年度 | 49,854 | 779 | 1.56 |
当連結会計年度 | 44,567 | 1,100 | 2.46 | |
うち債券貸借取引受入担保金 | 前連結会計年度 | 673,907 | 1,474 | 0.21 |
当連結会計年度 | 536,550 | 594 | 0.11 | |
うち借用金 | 前連結会計年度 | 197,043 | 1,270 | 0.64 |
当連結会計年度 | 174,708 | 2,530 | 1.44 |
(注)1 当行の平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、国内連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
3 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度24,784百万円、当連結会計年度24,879百万円)及び利息(前連結会計年度10百万円、当連結会計年度9百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
○ 海外
種類 | 期別 | 平均残高 | 利息 | 利回り |
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | 45,810 | 1,049 | 2.29 |
当連結会計年度 | 59,380 | 1,798 | 3.02 | |
うち貸出金 | 前連結会計年度 | 16,788 | 334 | 1.99 |
当連結会計年度 | 21,824 | 653 | 2.99 | |
うち商品有価証券 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 28,654 | 713 | 2.48 |
当連結会計年度 | 37,207 | 1,142 | 3.07 | |
うちコールローン | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち預け金 | 前連結会計年度 | 8 | 0 | 0.39 |
当連結会計年度 | 20 | 0 | 1.09 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | 45,788 | 663 | 1.44 |
当連結会計年度 | 58,587 | 1,415 | 2.41 | |
うち預金 | 前連結会計年度 | 38,520 | 576 | 1.49 |
当連結会計年度 | 32,896 | 778 | 2.36 | |
うち譲渡性預金 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うちコールマネー | 前連結会計年度 | 295 | 3 | 1.12 |
当連結会計年度 | 1,900 | 52 | 2.77 | |
うち売現先勘定 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うちコマーシャル・ペーパー | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち債券貸借取引受入担保金 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち借用金 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - |
(注) 「海外」とは、当行の海外店であります。
○ 合計
種類 | 期別 | 平均残高(百万円) | 利息(百万円) | 利回り (%) | ||||
小計 | 本支店勘定 の相殺 消去額 (△) | 合計 | 小計 | 本支店勘定 の相殺 消去額 (△) | 合計 | |||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | 7,688,324 | 6,972 | 7,681,352 | 79,795 | 83 | 79,711 | 1.03 |
当連結会計年度 | 7,743,997 | 23,789 | 7,720,207 | 80,238 | 583 | 79,654 | 1.03 | |
うち貸出金 | 前連結会計年度 | 4,548,250 | - | 4,548,250 | 47,055 | - | 47,055 | 1.03 |
当連結会計年度 | 4,729,121 | - | 4,729,121 | 51,427 | - | 51,427 | 1.08 | |
うち商品有価証券 | 前連結会計年度 | 1,922 | - | 1,922 | 19 | - | 19 | 0.99 |
当連結会計年度 | 2,172 | - | 2,172 | 15 | - | 15 | 0.70 | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 2,529,565 | - | 2,529,565 | 31,162 | - | 31,162 | 1.23 |
当連結会計年度 | 2,341,733 | - | 2,341,733 | 27,026 | - | 27,026 | 1.15 | |
うちコールローン | 前連結会計年度 | 182,224 | - | 182,224 | 813 | - | 813 | 0.44 |
当連結会計年度 | 229,259 | - | 229,259 | 521 | - | 521 | 0.22 | |
うち預け金 | 前連結会計年度 | 373,531 | - | 373,531 | 375 | - | 375 | 0.10 |
当連結会計年度 | 371,894 | - | 371,894 | 383 | - | 383 | 0.10 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | 7,550,865 | 6,972 | 7,543,893 | 13,863 | 83 | 13,780 | 0.18 |
当連結会計年度 | 7,606,513 | 23,789 | 7,582,723 | 17,803 | 583 | 17,219 | 0.22 | |
うち預金 | 前連結会計年度 | 6,160,855 | - | 6,160,855 | 1,927 | - | 1,927 | 0.03 |
当連結会計年度 | 6,352,742 | - | 6,352,742 | 2,333 | - | 2,333 | 0.03 | |
うち譲渡性預金 | 前連結会計年度 | 283,447 | - | 283,447 | 58 | - | 58 | 0.02 |
当連結会計年度 | 346,491 | - | 346,491 | 40 | - | 40 | 0.01 | |
うちコールマネー | 前連結会計年度 | 99,903 | - | 99,903 | 1,374 | - | 1,374 | 1.37 |
当連結会計年度 | 50,566 | - | 50,566 | 869 | - | 869 | 1.71 | |
うち売現先勘定 | 前連結会計年度 | 101,104 | - | 101,104 | 1,584 | - | 1,584 | 1.56 |
当連結会計年度 | 97,882 | - | 97,882 | 2,397 | - | 2,397 | 2.44 | |
うちコマーシャル・ペーパー | 前連結会計年度 | 49,854 | - | 49,854 | 779 | - | 779 | 1.56 |
当連結会計年度 | 44,567 | - | 44,567 | 1,100 | - | 1,100 | 2.46 | |
うち債券貸借取引受入担保金 | 前連結会計年度 | 673,907 | - | 673,907 | 1,474 | - | 1,474 | 0.21 |
当連結会計年度 | 536,550 | - | 536,550 | 594 | - | 594 | 0.11 | |
うち借用金 | 前連結会計年度 | 197,043 | - | 197,043 | 1,270 | - | 1,270 | 0.64 |
当連結会計年度 | 174,708 | - | 174,708 | 2,530 | - | 2,530 | 1.44 |
(注) 資金調達勘定は、金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度24,784百万円、当連結会計年度24,879百万円)及び利息(前連結会計年度10百万円、当連結会計年度9百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
③ 国内・海外別役務取引の状況
役務取引等収益:国内は前連結会計年度に比べ847百万円増の17,967百万円、海外は同16百万円増の38百万円、合計で同863百万円増の18,006百万円となりました。
役務取引等費用:国内は前連結会計年度に比べ14百万円減の4,280百万円、海外は同0百万円増の7百万円、合計では同13百万円減の4,288百万円となりました。
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
役務取引等収益 | 前連結会計年度 | 17,120 | 22 | 17,143 |
当連結会計年度 | 17,967 | 38 | 18,006 | |
うち預金・貸出業務 | 前連結会計年度 | 5,840 | 10 | 5,851 |
当連結会計年度 | 6,023 | 26 | 6,049 | |
うち為替業務 | 前連結会計年度 | 5,568 | 8 | 5,576 |
当連結会計年度 | 5,547 | 8 | 5,555 | |
うち証券関連業務 | 前連結会計年度 | 2,157 | - | 2,157 |
当連結会計年度 | 1,872 | - | 1,872 | |
うち代理業務 | 前連結会計年度 | 1,511 | - | 1,511 |
当連結会計年度 | 2,261 | - | 2,261 | |
うち保護預り・貸金庫業務 | 前連結会計年度 | 173 | - | 173 |
当連結会計年度 | 168 | - | 168 | |
うち保証業務 | 前連結会計年度 | 437 | 3 | 441 |
当連結会計年度 | 462 | 4 | 466 | |
役務取引等費用 | 前連結会計年度 | 4,294 | 7 | 4,301 |
当連結会計年度 | 4,280 | 7 | 4,288 | |
うち為替業務 | 前連結会計年度 | 919 | 0 | 919 |
当連結会計年度 | 932 | 0 | 932 |
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
④ 国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
預金合計 | 前連結会計年度 | 6,378,124 | 36,231 | 6,414,356 |
当連結会計年度 | 6,593,513 | 36,664 | 6,630,177 | |
うち流動性預金 | 前連結会計年度 | 4,303,131 | 674 | 4,303,805 |
当連結会計年度 | 4,583,032 | 586 | 4,583,619 | |
うち定期性預金 | 前連結会計年度 | 1,929,099 | 35,557 | 1,964,656 |
当連結会計年度 | 1,877,703 | 36,077 | 1,913,780 | |
うちその他 | 前連結会計年度 | 145,893 | - | 145,893 |
当連結会計年度 | 132,778 | - | 132,778 | |
譲渡性預金 | 前連結会計年度 | 216,725 | - | 216,725 |
当連結会計年度 | 170,112 | - | 170,112 | |
総合計 | 前連結会計年度 | 6,594,850 | 36,231 | 6,631,082 |
当連結会計年度 | 6,763,626 | 36,664 | 6,800,290 |
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
4 定期性預金=定期預金
⑤ 国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
国内(除く特別国際金融取引勘定分) | 4,651,988 | 100.00 | 4,779,942 | 100.00 |
製造業 | 700,374 | 15.06 | 675,721 | 14.14 |
農業,林業 | 6,031 | 0.13 | 7,126 | 0.15 |
漁業 | 4,521 | 0.10 | 3,288 | 0.07 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 2,109 | 0.05 | 2,157 | 0.05 |
建設業 | 129,604 | 2.79 | 130,424 | 2.73 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 186,083 | 4.00 | 208,747 | 4.37 |
情報通信業 | 23,263 | 0.50 | 20,211 | 0.42 |
運輸業,郵便業 | 203,600 | 4.38 | 217,122 | 4.54 |
卸売業,小売業 | 512,481 | 11.02 | 525,969 | 11.00 |
金融業,保険業 | 381,091 | 8.19 | 385,630 | 8.07 |
不動産業,物品賃貸業 | 632,616 | 13.60 | 658,835 | 13.78 |
各種のサービス業 | 320,022 | 6.86 | 319,686 | 6.68 |
地方公共団体 | 497,935 | 10.70 | 486,017 | 10.17 |
その他 | 1,052,250 | 22.62 | 1,139,001 | 23.83 |
海外及び特別国際金融取引勘定分 | 20,013 | 100.00 | 22,242 | 100.00 |
政府等 | - | - | - | - |
金融機関 | 6,167 | 30.82 | 11,875 | 53.39 |
その他 | 13,845 | 69.18 | 10,366 | 46.61 |
合計 | 4,672,001 | - | 4,802,184 | - |
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
○ 外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑥ 国内・海外別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
国債 | 前連結会計年度 | 856,972 | - | 856,972 |
当連結会計年度 | 651,393 | - | 651,393 | |
地方債 | 前連結会計年度 | 678,176 | - | 678,176 |
当連結会計年度 | 723,472 | - | 723,472 | |
社債 | 前連結会計年度 | 361,753 | - | 361,753 |
当連結会計年度 | 376,203 | - | 376,203 | |
株式 | 前連結会計年度 | 176,195 | - | 176,195 |
当連結会計年度 | 145,270 | - | 145,270 | |
その他の証券 | 前連結会計年度 | 515,428 | 29,921 | 545,350 |
当連結会計年度 | 445,988 | 47,182 | 493,171 | |
合計 | 前連結会計年度 | 2,588,526 | 29,921 | 2,618,448 |
当連結会計年度 | 2,342,328 | 47,182 | 2,389,510 |
(注)1 「国内」とは当行(海外店を除く)及び国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、当行の海外店であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
⑦ 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社であります。
○ 信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表)
資産 | ||||
科目 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
有価証券 | 18 | 0.42 | 18 | 0.33 |
有形固定資産 | 2,805 | 62.74 | 2,805 | 49.61 |
その他債権 | 1 | 0.04 | 1 | 0.03 |
銀行勘定貸 | 1,575 | 35.22 | 2,760 | 48.80 |
現金預け金 | 70 | 1.58 | 69 | 1.23 |
合計 | 4,472 | 100.00 | 5,656 | 100.00 |
負債 | ||||
科目 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
金銭信託 | 1,603 | 35.86 | 2,785 | 49.25 |
土地及びその定着物の信託 | 2,803 | 62.69 | 2,807 | 49.64 |
包括信託 | 65 | 1.45 | 63 | 1.11 |
合計 | 4,472 | 100.00 | 5,656 | 100.00 |
(注) 共同信託他社管理財産はありません。
○ 元本補填契約のある信託財産の運用/受入状況(末残)
資産 | ||||
科目 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
銀行勘定貸 | 1,477 | 100.00 | 2,630 | 100.00 |
合計 | 1,477 | 100.00 | 2,630 | 100.00 |
負債 | ||||
科目 | 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
元本 | 1,477 | 100.00 | 2,630 | 100.00 |
合計 | 1,477 | 100.00 | 2,630 | 100.00 |
2 自己資本比率等の状況
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第11号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
(単位:億円 %) | ||
2018年3月31日 | 2019年3月31日 | |
1.連結総自己資本比率(4/7) | 13.22 | 12.88 |
2.連結Tier1比率(5/7) | 13.22 | 12.88 |
3.連結普通株式等Tier1比率(6/7) | 13.22 | 12.88 |
4.連結における総自己資本の額 | 5,250 | 5,267 |
5.連結におけるTier1資本の額 | 5,247 | 5,265 |
6.連結における普通株式等Tier1資本の額 | 5,247 | 5,265 |
7.リスク・アセットの額 | 39,691 | 40,867 |
8.連結総所要自己資本額 | 3,175 | 3,269 |
連結レバレッジ比率(国際統一基準) (単位:%)
2018年3月31日 | 2019年3月31日 | |
連結レバレッジ比率 | 6.03 | 6.20 |
(単位:億円 %) | ||
2018年3月31日 | 2019年3月31日 | |
1.単体総自己資本比率(4/7) | 12.87 | 12.56 |
2.単体Tier1比率(5/7) | 12.87 | 12.56 |
3.単体普通株式等Tier1比率(6/7) | 12.87 | 12.56 |
4.単体における総自己資本の額 | 5,078 | 5,104 |
5.単体におけるTier1資本の額 | 5,078 | 5,104 |
6.単体における普通株式等Tier1資本の額 | 5,078 | 5,104 |
7.リスク・アセットの額 | 39,449 | 40,609 |
8.単体総所要自己資本額 | 3,155 | 3,248 |
単体レバレッジ比率(国際統一基準) (単位:%)
2018年3月31日 | 2019年3月31日 | |
単体レバレッジ比率 | ― | 6.03 |
3 資産の査定
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
① 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
② 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
③ 要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
④ 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記①から③までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
債権の区分 | 2018年3月31日 | 2019年3月31日 |
金額(億円) | 金額(億円) | |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 209 | 213 |
危険債権 | 347 | 280 |
要管理債権 | 163 | 201 |
正常債権 | 47,343 | 48,692 |
(生産、受注及び販売の状況)
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(主要な項目の具体的な分析)
当連結会計年度における主な項目の具体的な分析は、以下のとおりです。
1 経営成績の分析(単体)
損益状況(単体)
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
業務粗利益(除く債券関係損益) | 79,598 | 77,031 | △2,567 |
経費(除く臨時処理分) | 55,666 | 54,211 | △1,455 |
コア業務純益(※) | 23,932 | 22,820 | △1,112 |
一般貸倒引当金繰入 | - | 2,972 | 2,972 |
債券関係損益 | △2,481 | 1,117 | 3,598 |
業務純益 | 21,451 | 20,965 | △486 |
臨時損益 | 6,480 | 954 | △5,526 |
株式等関係損益 | 4,437 | 1,495 | △2,942 |
不良債権処理損失 | 8 | 1,227 | 1,219 |
貸倒引当金戻入益 | 1,778 | - | △1,778 |
その他臨時損益 | 272 | 686 | 414 |
経常利益 | 27,931 | 21,919 | △6,012 |
特別損益 | △195 | △274 | △79 |
税引前当期純利益 | 27,736 | 21,645 | △6,091 |
法人税、住民税及び事業税 | 7,218 | 6,758 | △460 |
法人税等調整額 | 1,107 | △451 | △1,558 |
当期純利益 | 19,409 | 15,338 | △4,071 |
※ コア業務純益=業務純益-債券関係損益+一般貸倒引当金繰入
① コア業務純益
本業のもうけを表すコア業務純益につきましては、貸出金利息は増加しましたが、有価証券利息配当金の減少による資金利益減益の影響が大きく、前期比11億円減益の228億円となりました。
貸出金に関しましては、マイナス金利政策導入以降邦貨建貸出金利回りの低下が続く中、地域金融機関として本業を通じた地域応援活動に注力し、地元を中心に事業性資金平残の積み増しに努めるとともに、収益性の観点から利回りの低い都市部での貸出金を抑制し、非日系向け貸出金やストラクチャードファイナンスでの貸出金平残の積み上げを図り、貸出金利息全体では前期比増加となりました。
一方で、有価証券運用に関しては、金利動向を勘案し、金利リスクへの配慮から有価証券運用残高を抑制した影響から、有価証券平均残高が減少し、有価証券利息配当金は前期比減少となりました。
なお、営業経費に関しましては、前事業年度でのホストシステム更改に伴い増加した税金が減少したこと、また働き方改革施策により人件費が減少したことなどから、営業経費は前期比減少しましたが、資金利益減益の影響が大きく、コア業務純益は前期比減益となっております。
② 一般貸倒引当金繰入
一般貸倒引当金につきましては、引当率の上昇を主因に29億円の繰入(前期は17億円の戻入)となりました。
③ 債券関係損益
債券関係損益につきましては、外貨建債券を中心に売却損が減少したこと、また、金利低下局面で邦貨建債券の売却を進め、売却益が増加した結果、ネット損益は前期比35億円改善し、11億円の利益となりました。
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
債券関係損益 | △2,481 | 1,117 | 3,598 |
売却益 | 3,827 | 4,865 | 1,038 |
売却損 | 6,308 | 3,622 | △2,686 |
償却 | - | 125 | 125 |
④ 不良債権処理コスト
個別貸倒引当金は10億円の繰入(前期は25百万円の戻入)となり、一般貸倒引当金も29億円の繰入に転じたことから、与信コスト合計では前期比59億円増加の41億円となりました。
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
貸出金償却 | - | 65 | 65 |
個別貸倒引当金繰入額 | - | 1,088 | 1,088 |
その他の債権売却損 | 8 | 74 | 66 |
不良債権処理コスト ① | 8 | 1,227 | 1,219 |
(参考)一般貸倒引当金繰入額 ② | - | 2,972 | 2,972 |
(参考)貸倒引当金戻入益 ③ | 1,778 | - | △1,778 |
(参考)与信コスト合計(①+②-③) | △1,769 | 4,199 | 5,968 |
⑤ 株式関係損益
株式ポートフォリオの入替に伴う売却損の増加などにより、前期比29億円減少し14億円の利益となりました。
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
株式関係損益 | 4,437 | 1,495 | △2,942 |
株式等売却益 | 6,888 | 5,574 | △1,314 |
株式等売却損 | 2,450 | 4,075 | 1,625 |
株式等償却 | - | 3 | 3 |
⑥ 経常利益
以上から、経常利益は前期に比べ60億円減益の219億円となりました。
⑦ 特別損益
減損損失の増加等により1億円悪化し、ネット2億円の損失となりました。
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
特別損益 | △195 | △274 | △79 |
特別利益 | 14 | 15 | 1 |
固定資産処分益 | 14 | 15 | 1 |
特別損失 | 209 | 289 | 80 |
固定資産処分損 | 61 | 67 | 6 |
減損損失 | 148 | 222 | 74 |
⑧ 当期純利益
以上から、当期純利益は前期に比べ41億円減益の153億円となりました。
⑨ 連結子会社の状況等
当連結会計年度の連結子会社の状況は、概ね良好な結果となり、連結利益に貢献しております。
提出会社 (百万円)(A) | 連結 (百万円)(B) | 差異(百万円) (B)-(A) | |
経常収益 | 113,461 | 128,621 | 15,160 |
経常利益 | 21,919 | 23,696 | 1,777 |
当期純利益 (親会社株主に帰属する当期純利益) | 15,338 | 16,199 | 861 |
2 財政状態の分析(単体)
当事業年度末の貸借対照表計上額は、「資産の部」につきましては、前期末に比べ2,138億円減少して8兆2,257億円となりました。
主な内訳は、現金預け金が144億円減少の7,632億円、コールローンが1,016億円減少の396億円、有価証券が2,259億円減少の2兆3,949億円、貸出金が1,326億円増加の4兆8,087億円となっております。
「負債の部」につきましては、前期末に比べ2,140億円減少して7兆7,021億円となりました。
主な内訳は、預金が2,163億円増加の6兆6,399億円、譲渡性預金が441億円減少の1,783億円、債券貸借取引受入担保金が3,700億円減少の3,772億円、売現先勘定が535億円増加の1,250億円となっております。
「純資産の部」につきましては、株主資本合計では前期末に比べ96億円増加して4,387億円となりました。利益剰余金は、利益の積み上げから115億円増加し4,266億円となっております。
また、評価・換算差額等合計は、株価の下落などにより、前期比94億円減少して845億円となりました。以上から、純資産合計では前期比1億円増加の5,235億円となりました。
主要科目の状況は次のとおりであります。
貸出金は、期間10年の経営計画で掲げる長期ビジョン「地域・お客さま・従業員と分かち合える豊かな未来の共創」の実現に向け、地域金融機関として本業を通じた地域応援活動を推進した結果、事業性資金に関しては、地元を中心に順調に増加し、3月末残高は前年同期比1,023億円(年率3.3%)増加の3兆1,588億円となりました。また、個人ローンにつきましても、商品の充実と利便性の向上により前年同期比416億円(同3.7%)増加し、3月末残高は1兆1,394億円となりました。以上から貸出金全体では1,326億円(同2.8%)増加し、3月末残高は4兆8,087億円となりました。
有価証券は、前述のとおり、金利動向を勘案し、金利リスク面への一層の配意から有価証券運用残高を抑制した結果、前年同期比2,259億円減少し、3月末残高は2兆3,949億円となりました。
外貨調達に関しましては、外貨調達コスト削減のため調達手段の多様化を図ったことから、売現先勘定、コマーシャル・ペーパーなどが増加しましたが、外貨建有価証券の運用残高抑制に伴い、外貨調達額全体では前年同期比減少しております。
預金、譲渡性預金に関しては、2018年7月の豪雨災害に係る保険金の流入を主因として個人預金を中心に残高が増加し、前年同期比1,722億円増加の3月末残高6兆8,182億円となりました。
預り資産の状況
2018年3月末(A) (億円) | 2019年3月末(B) (億円) | 増減(B)-(A) (億円) | |
預り資産合計 | 70,788 | 72,500 | 1,712 |
預金 | 64,236 | 66,399 | 2,163 |
譲渡性預金 | 2,224 | 1,783 | △441 |
公共債 | 2,916 | 2,915 | △1 |
投資信託 | 1,410 | 1,402 | △8 |
預り資産全体としては、前年同期比1,712億円増加の3月末残高7兆2,500億円となっておりますが、これは前述のとおり、個人預金の増加が主因であります。
3 リスク管理債権の状況(単体)
リスク管理債権額につきましては、再生支援活動を通じたランクアップや直接償却並びに債権売却によるオフバランス化を実施する等減少に努めました結果、前年同期比24億円減少し、3月末残高は688億円になりました。
また、リスク管理債権比率(貸出金残高に占める比率)は、前年同期比0.09ポイント低下し、3月末1.43%となりました。
なお、当行は部分直接償却を実施しておりませんが、仮に部分直接償却を実施した場合のリスク管理債権比率は前年同期比0.08ポイント低下の1.16%となります。
2018年3月末(A) (億円) | 2019年3月末(B) (億円) | 増減(B)-(A) (億円) | ||
リスク管理債権 | 破綻先債権 | 39 | 36 | △3 |
延滞債権 | 510 | 452 | △58 | |
3ヵ月以上延滞債権 | 15 | 9 | △6 | |
貸出条件緩和債権 | 148 | 192 | 44 | |
リスク管理債権 合計 | 712 | 688 | △24 | |
(部分直接償却後) | (581) | (557) | (△24) |
貸出金残高(末残) | 46,761 | 48,087 | 1,326 | |
(部分直接償却後) | (46,630) | (47,956) | (1,326) |
貸出金残高比 (%) | 破綻先債権 | 0.08 | 0.07 | △0.01 |
延滞債権 | 1.09 | 0.94 | △0.15 | |
3ヵ月以上延滞債権 | 0.03 | 0.02 | △0.01 | |
貸出条件緩和債権 | 0.32 | 0.40 | 0.08 | |
リスク管理債権 合計 | 1.52 | 1.43 | △0.09 | |
(部分直接償却後) | (1.24) | (1.16) | (△0.08) |
※ 表中の計数は、全て四捨五入しております。
また、当行は部分直接償却を実施しておりませんが、参考として仮に部分直接償却した場合の計数を「(部分直接償却後)」として掲載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、将来に関する事項については当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積もりを必要としております。当行グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りを行なっております。しかしながら、これらの見積もりは不確実性を伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
②経営成績に重要な影響を与える主な要因
当行グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因としては、下記のものが考えられます。
・本邦の景気動向
本邦の景気動向は、当行グループの融資先の経営状況にも影響が大きく、これに起因し当行グループの貸出金残高の増減、貸出金利息や与信関係費用が増減する可能性があります。株式配当金の変動は、有価証券利息配当金にも影響を与える可能性があります。
・株式市況の動向
当行グループが銀行勘定として保有している株式の評価損益、株式等売却損益などの有価証券関連損益に影響を与える可能性があります。そのため、銘柄選定能力を高め、中長期視点から将来含み益が見込まれる銘柄への投資を行なっております。
また、株式市況の動向は、お客さまの投資マインドも大きく左右することから、投資信託などの預り資産業務や金融商品仲介業務での商品販売額にも大きな影響があり、役務収益が増減する可能性があります。
・国内金利動向
日本銀行によるマイナス金利政策が導入されて以降、現在、国内金利は超低水準で推移を続けており、邦貨貸出金利回りは低下傾向にあります。この貸出金利回りの低下は貸出金利息収入の減少要因となります。そのため、地域金融機関の本業として地域応援活動の推進による資金需要の発掘・取り込みを図り、地元事業性資金の増加を図るとともに、収益性も勘案し、利回りの低い都市部向け貸出金の残高を抑制するとともに非日系貸出金やストラクチャードファイナンスなどの利回りの高い分野への積み増しを図り、市場の影響を受けにくい資産ポートフォリオの再構築を行っております。
上記資産ポートフォリオの再構築と併せ、事業性評価・地域応援活動をさらに深化させ、ソリューション営業体制を強化することで、お客さまとの強固な関係性を構築し、金利競争に過度に依存しない適正収益の確保に結びつけることで貸出金利回りの改善を図る方針です。
また、金利水準の動向は、国内債券の利回りや債券時価にも影響を与えることから、有価証券利息配当金や国債等債券売却損益も増減する可能性があります。これらの金利リスクが過大とならないよう残高をコントロールするとともに、国債の償還見合い資金を国債よりも利回りの高い地方債へ再投資するなど、資金利益の積上げを図ります。
・海外金利動向
米国金利の上昇局面においては、保有する外債が逆ザヤとなるリスクが生じるため、運用残高を抑制するとともに、変動債の保有比率を高めるなど、ポートフォリオ改善の為の入替売買を行っております。また、外貨建運用に見合う調達に関しても、金利上昇によりコスト増加となるため、売現先勘定取引やコマーシャル・ペーパー取引など調達手段の多様化を図り、外貨調達コストの削減に取組んでおります。
③財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (主要な項目の具体的な分析)」に記載のとおりであります。
④経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (主要な項目の具体的な分析)」に記載のとおりであります。
⑤セグメントごとの経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績に関する主要な項目の認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。
⑥資本的支出の財源及び資金の流動性
当行グループの重要な資本的支出の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当行グループでは、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、店舗の新築等の設備投資を計画しております。なお、これらの設備投資資金につきましては、原則、自己資金でまかなうことを前提としております。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) 1 業績」に記載のとおりであります。
⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当行では、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を定めております。
これら指標の達成・進捗状況につきましては、下記のとおりであります。
○「地域応援プロジェクト」総合ポイント
本指標のポイント算出の基となる地域応援活動や事業性評価につきましては、着実に営業店に浸透してきており、企業のライフステージに応じた支援やソリューションの提供が行われております。今後は、お取引先とのリレーションの構築、事業内容や成長性の理解というステージから、ニーズ発掘、ソリューション提供というステージへ移行し、お取引先の企業価値向上に向け、経営課題に焦点を当てた提案活動の高度化に取り組みます。
○「ライフプランサポート活動」総合ポイント
本指標のポイント算出の基となるライフプランサポート活動は、セミナー開催やお客さま情報の収集など、全体として順調に推移しております。今後は、お客さまと接点拡大を目的とした施策に注力し、お客さまへの「提案機会の拡大」と「提案内容の質の向上」を図るとともに、お客さまのことをより理解し、最適な提案を提供することで、引き続きお客さまとのWin-Winを追求するための活動に注力します。
○お客さま満足度調査
法人・個人のお客さまにアンケートを実施し、一定の満足度を得ている一方で、法人のお客さまからニーズの高かった「情報提供」「経営課題の理解やアドバイス」への対応として本部内に法人コンサルティンググループを設置し、事業性評価の深掘りによるお客さまの経営課題への対応拡充など、お客さまの満足度向上に資する施策を実施しております。併せて、CSが優良な個人に対する表彰制度を新設するなど、従業員のCS向上に対するインセンティブの面からも対応しております。今後も、引き続き、お客さま目線でのCS向上に取り組みます。
○親会社株主に帰属する当期純利益・連結自己資本比率
長期ビジョン並びに中期経営計画のフレームワークである「提供するサービスの質の向上」「サービスを提供する機会の拡大」「サービスを提供するための体力の強化」「一人ひとりの心の変革と組織風土改革」の各種施策に取り組んでおりますが、中期経営計画策定時に想定した市場環境と異なる環境が継続したことから、現中期経営計画最終年度である2020年3月期の当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益については、当初目標160億円に対し、138億円を計画しております。なお、連結自己資本比率については、中期経営計画に照らし順調な進捗となっております。