四半期報告書-第81期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末(前事業年度末)の数値で比較を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、自然災害による影響を受けつつも、引き続き緩やかな拡大基調を維持し、景気拡大期は戦後最長に迫りました。生産や設備投資も緩やかに増加し、輸出は貿易摩擦懸念が残るなかでも比較的堅調に推移しました。また、雇用情勢の改善が続くなかで所得も緩やかに向上し、個人消費の一部では持ち直しの動きも見られた一方、消費者物価は依然として日本銀行が目標とする2%には届かない状況が続きました。
為替市場では、堅調な経済を背景とした米国の金利上昇を受けてドル高基調となり、10月には一時1ドル=114円台半ばまで円安ドル高が進みました。しかしその後は、世界的な株価の大幅下落に伴うリスク回避の動きや米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ打ち止め観測などから円高ドル安が進行し、1ドル=109円台半ばで年内の取引を終了しました。他方、欧州では政治情勢や財政問題が不安視された一方、欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化の動きがユーロ円相場を下支えし、概ね1ユーロ=125~133円のレンジで推移しました。年末にかけては、株価下落に伴うリスク回避の動きから円高ユーロ安が進み、1ユーロ=125円台後半で年内の取引を終えました。
株式市場では、日経平均株価は22,000~23,000円を中心としたレンジでの推移が続いたものの、9月に入ると世界的な通商問題への懸念が和らいだほか、自民党総裁選を前に政策期待が膨らんだことも支えとなり、一時24,448円07銭の年初来高値を付けました。しかし10月以降、日経平均株価は米国ハイテク株の急落をきっかけに下落に転じ、さらに12月には世界的な景気減速への懸念から下げ幅を広げ、一時19,000円台を割り込む水準まで下落しました。年末にかけては2万円の攻防戦が続き、20,014円77銭と2万円の大台を維持して年内の取引を終えました。
債券市場では、日本銀行が7月の金融政策決定会合で10年国債利回りの変動幅拡大を容認したことから、10年国債利回りは10月に一時0.155%まで上昇しました。ただ、年末にかけて世界経済の減速懸念から株式相場が世界的に下落し、国債に対する安全資産としての需要が強まったため、主要国の長期国債利回りは低下基調となりました。日本銀行は低金利政策長期化の副作用を警戒し、国債買入れ額の減額を進めたものの利回りの低下は進み、10年国債利回りはマイナス0.01%と、2017年9月以来のマイナス利回りを付けて年内の取引を終えました。
このような状況のもと、中核子会社の岡三証券株式会社においては、店舗の移転リニューアルなど営業機能の強化による地域密着型の営業活動を展開したほか、ウェブサイトで投資セミナーの動画配信を開始するなど市況に即した投資情報の迅速な提供に努めました。一方、インターネット取引専業の岡三オンライン証券株式会社においては、商品ごとに発信していたお客さま向け投資情報サイトを集約し、情報鮮度と使いやすさを重視した「投資情報局」としてリニューアルするなど、お客さま向けサービスの向上を通じた営業基盤の拡大に努めました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組む一方、「北米リート・セレクトファンド」、「中国人民元ソブリンオープン」などの公募投信の展開や機関投資家向けに私募投信、投資一任の提案を行い運用資産の拡大に努めました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は520億25百万円(前年同期比84.2%)、純営業収益は511億92百万円(同84.1%)となりました。販売費・一般管理費は491億32百万円(同94.9%)となり、経常利益は26億64百万円(同27.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億79百万円(同23.0%)となりました。
当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ464億60百万円減少し4,287億2百万円となりました。これは主に、現金・預金が57億98百万円増加した一方で、信用取引資産が199億9百万円、約定見返勘定が96億88百万円、トレーディング商品が96億47百万円、預託金が87億47百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ402億53百万円減少し2,548億60百万円となりました。これは主に、預り金が67億14百万円増加した一方で、短期借入金が221億59百万円、トレーディング商品が105億38百万円、信用取引負債が46億11百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ62億7百万円減少し1,738億41百万円となりました。これは主に、非支配株主持分が3億52百万円増加した一方で、利益剰余金が39億32百万円、その他有価証券評価差額金が28億98百万円減少したことによるものであります。
2)経営成績
当第3四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は520億25百万円(前年同期比84.2%)、純営業収益は511億92百万円(同84.1%)となりました。販売費・一般管理費は491億32百万円(同94.9%)となり、経常利益は26億64百万円(同27.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億79百万円(同23.0%)となりました。
受入手数料
受入手数料の合計は323億84百万円(前年同期比81.1%)となりました。主な内訳は次のとおりです。
委託手数料
当第3四半期連結累計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は19億5百万株(前年同期比80.8%)、売買代金は3兆1,162億円(同101.2%)となりました。こうしたなか、株式委託手数料は107億55百万円(同73.2%)となりました。また、債券委託手数料は2百万円(同89.8%)、その他の委託手数料は3億32百万円(同132.3%)となり、委託手数料の合計は110億89百万円(同74.2%)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当第3四半期連結累計期間における株式の引受けは、新規上場および市場変更にかかる主幹事案件や大型の新規上場案件が手数料の増加に寄与しました。一方、債券の引受けは、地方債および事業債の主幹事を務めるなど実績を重ね、引受件数・引受金額は増加したものの、手数料は減少しました。
これらの結果、株式の手数料は5億50百万円(前年同期比115.8%)、債券の手数料は91百万円(同92.0%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は6億41百万円(同111.7%)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当第3四半期連結累計期間においては、長期的な成長が期待される、世界のeコマース関連企業に投資するファンドや強いリーダーシップを発揮する国内の創業経営者企業に投資するファンドの販売が比較的堅調だったほか、市場の先行き不透明感の高まった年度後半には、複数の資産に分散投資するバランス型のファンドにも注目が集まりました。また、インフラ関連や次世代移動手段(モビリティ)関連など今後の市場拡大が期待される企業に投資するファンドや、存在感を増す中国の人民元建て債券に投資するファンドを導入するなど、品揃えの拡充を図りました。しかし、投資信託販売額は前年同期で減少となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は83億2百万円(前年同期比72.1%)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により123億50百万円(同95.9%)となりました。
トレーディング損益
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当第3四半期連結累計期間においては、資金流出の懸念が高まった一部の新興国通貨を中心に変動率が上昇するなど、不安定な相場環境となりました。特に年度後半にかけては、米国経済の減速懸念などの要因も加わり、比較的堅調に推移していた米国株式相場も大きく下落し、年初来の安値を更新しました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は104億92百万円(前年同期比76.5%)、債券等トレーディング損益は71億27百万円(同111.1%)となり、その他のトレーディング損益52百万円(前年同期は1億97百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は176億72百万円(前年同期比88.7%)となりました。
金融収支
金融収益は13億18百万円(前年同期比98.9%)、金融費用は8億33百万円(同92.4%)となり、差引の金融収支は4億85百万円(同112.4%)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、6億48百万円(前年同期比107.5%)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、事務費や取引関係費の減少等により、491億32百万円(前年同期比94.9%)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は6億90百万円、営業外費用は85百万円となりました。また、特別利益は1億37百万円、特別損失は94百万円となりました。
b.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
証券ビジネス
証券ビジネスにおいては、株式委託手数料や投資信託販売にかかる手数料の減少等が影響し、当第3四半期連結累計期間における証券ビジネスの営業収益は459億86百万円(前年同期比83.5%)、セグメント利益は10億58百万円(同11.0%)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため、投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組みました。また、「北米リート・セレクトファンド」、「中国人民元ソブリンオープン」などの公募投信の展開や機関投資家向けに私募投信、投資一任の提案を行い、運用資産の拡大に努めました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は83億98百万円(前年同期比89.7%)、セグメント利益は7億41百万円(同71.8%)となりました。
サポートビジネス
当第3四半期連結累計期間におけるサポートビジネスの営業収益は92億59百万円(前年同期比101.5%)、セグメント利益は8億23百万円(前年同期は9億26百万円の損失)となりました。
なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
② 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
基本方針の内容の概要
当社は、上場企業である以上、本来、当社株券等の大規模買付行為は自由であり、誰が当社を支配するかは、最終的には当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきもので、当社の経営方針とそれにより実現される企業価値をご理解いただいた上で、当社株主の皆さまに、適切に判断いただくべきものであると考えます。また、当社株券等に対する大規模な買付行為が行われた場合には、その大規模買付行為の内容、大規模買付行為が当社及び当社グループに与える影響、大規模買付者が考える当社及び当社グループの経営方針や事業計画の内容、お客さま、従業員等の当社及び当社グループを取り巻く多くの利害関係者に対する影響、そして、大規模買付行為以外の代替案の有無等について、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、かつ提供された情報を十分に検討するための期間と機会が確保されることが必要だと考えます。
そのためには、大規模買付行為に際して、a.大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならず、b.当社取締役会が当該情報を検討するために必要な一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるという「大規模買付ルール」を設けるとともに、当該ルールが有効に機能するために必要な方策を整え、明らかに当社の企業価値及び当社株主の皆さまの共同の利益を害するような濫用的買収に対して、会社として対抗策をとることができなければならないと考えております。
基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
当社は、上記基本方針実現のための取組みとして、次に掲げる内容の「大規模買付行為への対応方針」を導入し、2016年6月29日開催の当社第78期定時株主総会において承認決議されております。
a.大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合は、以下の「大規模買付ルール」に従わなければならないこと。
(ア)大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならないこと。
(イ)必要な情報提供を受けた後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「評価期間」といいます。)として、60日間又は90日間が与えられること。
(ウ)大規模買付行為は、評価期間経過後にのみ開始されるべきこと。
b.大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対しては、新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
c.大規模買付ルールが遵守されても、大規模買付者による会社の支配が会社に回復しがたい損害をもたらすとき等には、当社は新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
d.当社取締役会は、対抗策の発動については社外取締役又は社外有識者等により構成される独立委員会の勧告に原則として従うこと。
具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
a.当該取組みが基本方針に沿うものであること
(ア)大規模買付ルールが遵守される限り、原則として対抗策はとらないこととなっており、誰が会社を支配するかは当社株主の皆さまにおいて決める仕組みとなっております。
(イ)大規模買付者に十分な情報の提供を求めるとともに、情報の提供をしない大規模買付者には対抗策を発動することを警告することによって、情報提供のインセンティブを与えております。
(ウ)濫用的買収に対しては、会社は対抗策をとりうる制度設計となっております。
b.当該取組みが株主共同の利益を損なうものではないこと
対抗策をとりうるのは、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないか、会社に回復しがたい損害をもたらすなどの濫用的買収の場合に限定されており、対抗策は基本的には情報提供のインセンティブを与えるものであります。
c.当該取組みが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
対抗策をとりうる場合が厳しく限定されており、しかも、当社取締役会は独立委員会の勧告に原則として従わなければならないため、当社取締役会の恣意的判断が排除される仕組みとなっております。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末(前事業年度末)の数値で比較を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、自然災害による影響を受けつつも、引き続き緩やかな拡大基調を維持し、景気拡大期は戦後最長に迫りました。生産や設備投資も緩やかに増加し、輸出は貿易摩擦懸念が残るなかでも比較的堅調に推移しました。また、雇用情勢の改善が続くなかで所得も緩やかに向上し、個人消費の一部では持ち直しの動きも見られた一方、消費者物価は依然として日本銀行が目標とする2%には届かない状況が続きました。
為替市場では、堅調な経済を背景とした米国の金利上昇を受けてドル高基調となり、10月には一時1ドル=114円台半ばまで円安ドル高が進みました。しかしその後は、世界的な株価の大幅下落に伴うリスク回避の動きや米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ打ち止め観測などから円高ドル安が進行し、1ドル=109円台半ばで年内の取引を終了しました。他方、欧州では政治情勢や財政問題が不安視された一方、欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化の動きがユーロ円相場を下支えし、概ね1ユーロ=125~133円のレンジで推移しました。年末にかけては、株価下落に伴うリスク回避の動きから円高ユーロ安が進み、1ユーロ=125円台後半で年内の取引を終えました。
株式市場では、日経平均株価は22,000~23,000円を中心としたレンジでの推移が続いたものの、9月に入ると世界的な通商問題への懸念が和らいだほか、自民党総裁選を前に政策期待が膨らんだことも支えとなり、一時24,448円07銭の年初来高値を付けました。しかし10月以降、日経平均株価は米国ハイテク株の急落をきっかけに下落に転じ、さらに12月には世界的な景気減速への懸念から下げ幅を広げ、一時19,000円台を割り込む水準まで下落しました。年末にかけては2万円の攻防戦が続き、20,014円77銭と2万円の大台を維持して年内の取引を終えました。
債券市場では、日本銀行が7月の金融政策決定会合で10年国債利回りの変動幅拡大を容認したことから、10年国債利回りは10月に一時0.155%まで上昇しました。ただ、年末にかけて世界経済の減速懸念から株式相場が世界的に下落し、国債に対する安全資産としての需要が強まったため、主要国の長期国債利回りは低下基調となりました。日本銀行は低金利政策長期化の副作用を警戒し、国債買入れ額の減額を進めたものの利回りの低下は進み、10年国債利回りはマイナス0.01%と、2017年9月以来のマイナス利回りを付けて年内の取引を終えました。
このような状況のもと、中核子会社の岡三証券株式会社においては、店舗の移転リニューアルなど営業機能の強化による地域密着型の営業活動を展開したほか、ウェブサイトで投資セミナーの動画配信を開始するなど市況に即した投資情報の迅速な提供に努めました。一方、インターネット取引専業の岡三オンライン証券株式会社においては、商品ごとに発信していたお客さま向け投資情報サイトを集約し、情報鮮度と使いやすさを重視した「投資情報局」としてリニューアルするなど、お客さま向けサービスの向上を通じた営業基盤の拡大に努めました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組む一方、「北米リート・セレクトファンド」、「中国人民元ソブリンオープン」などの公募投信の展開や機関投資家向けに私募投信、投資一任の提案を行い運用資産の拡大に努めました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は520億25百万円(前年同期比84.2%)、純営業収益は511億92百万円(同84.1%)となりました。販売費・一般管理費は491億32百万円(同94.9%)となり、経常利益は26億64百万円(同27.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億79百万円(同23.0%)となりました。
当第3四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ464億60百万円減少し4,287億2百万円となりました。これは主に、現金・預金が57億98百万円増加した一方で、信用取引資産が199億9百万円、約定見返勘定が96億88百万円、トレーディング商品が96億47百万円、預託金が87億47百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ402億53百万円減少し2,548億60百万円となりました。これは主に、預り金が67億14百万円増加した一方で、短期借入金が221億59百万円、トレーディング商品が105億38百万円、信用取引負債が46億11百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ62億7百万円減少し1,738億41百万円となりました。これは主に、非支配株主持分が3億52百万円増加した一方で、利益剰余金が39億32百万円、その他有価証券評価差額金が28億98百万円減少したことによるものであります。
2)経営成績
当第3四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は520億25百万円(前年同期比84.2%)、純営業収益は511億92百万円(同84.1%)となりました。販売費・一般管理費は491億32百万円(同94.9%)となり、経常利益は26億64百万円(同27.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億79百万円(同23.0%)となりました。
受入手数料
受入手数料の合計は323億84百万円(前年同期比81.1%)となりました。主な内訳は次のとおりです。
前第3四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年12月31日) (百万円) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年12月31日) (百万円) | |
委託手数料 | 14,951 | 11,089 |
引受け・売出し・特定投資家向け 売付け勧誘等の手数料 | 574 | 641 |
募集・売出し・特定投資家向け 売付け勧誘等の取扱手数料 | 11,513 | 8,302 |
その他の受入手数料 | 12,875 | 12,350 |
合計 | 39,914 | 32,384 |
委託手数料
当第3四半期連結累計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は19億5百万株(前年同期比80.8%)、売買代金は3兆1,162億円(同101.2%)となりました。こうしたなか、株式委託手数料は107億55百万円(同73.2%)となりました。また、債券委託手数料は2百万円(同89.8%)、その他の委託手数料は3億32百万円(同132.3%)となり、委託手数料の合計は110億89百万円(同74.2%)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当第3四半期連結累計期間における株式の引受けは、新規上場および市場変更にかかる主幹事案件や大型の新規上場案件が手数料の増加に寄与しました。一方、債券の引受けは、地方債および事業債の主幹事を務めるなど実績を重ね、引受件数・引受金額は増加したものの、手数料は減少しました。
これらの結果、株式の手数料は5億50百万円(前年同期比115.8%)、債券の手数料は91百万円(同92.0%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は6億41百万円(同111.7%)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当第3四半期連結累計期間においては、長期的な成長が期待される、世界のeコマース関連企業に投資するファンドや強いリーダーシップを発揮する国内の創業経営者企業に投資するファンドの販売が比較的堅調だったほか、市場の先行き不透明感の高まった年度後半には、複数の資産に分散投資するバランス型のファンドにも注目が集まりました。また、インフラ関連や次世代移動手段(モビリティ)関連など今後の市場拡大が期待される企業に投資するファンドや、存在感を増す中国の人民元建て債券に投資するファンドを導入するなど、品揃えの拡充を図りました。しかし、投資信託販売額は前年同期で減少となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は83億2百万円(前年同期比72.1%)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により123億50百万円(同95.9%)となりました。
トレーディング損益
前第3四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年12月31日) (百万円) | 当第3四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年12月31日) (百万円) | |
株券等トレーディング損益 | 13,718 | 10,492 |
債券等トレーディング損益 | 6,414 | 7,127 |
その他のトレーディング損益 | △197 | 52 |
合計 | 19,934 | 17,672 |
株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当第3四半期連結累計期間においては、資金流出の懸念が高まった一部の新興国通貨を中心に変動率が上昇するなど、不安定な相場環境となりました。特に年度後半にかけては、米国経済の減速懸念などの要因も加わり、比較的堅調に推移していた米国株式相場も大きく下落し、年初来の安値を更新しました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は104億92百万円(前年同期比76.5%)、債券等トレーディング損益は71億27百万円(同111.1%)となり、その他のトレーディング損益52百万円(前年同期は1億97百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は176億72百万円(前年同期比88.7%)となりました。
金融収支
金融収益は13億18百万円(前年同期比98.9%)、金融費用は8億33百万円(同92.4%)となり、差引の金融収支は4億85百万円(同112.4%)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、6億48百万円(前年同期比107.5%)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、事務費や取引関係費の減少等により、491億32百万円(前年同期比94.9%)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は6億90百万円、営業外費用は85百万円となりました。また、特別利益は1億37百万円、特別損失は94百万円となりました。
b.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
証券ビジネス
証券ビジネスにおいては、株式委託手数料や投資信託販売にかかる手数料の減少等が影響し、当第3四半期連結累計期間における証券ビジネスの営業収益は459億86百万円(前年同期比83.5%)、セグメント利益は10億58百万円(同11.0%)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、運用パフォーマンス向上のため、経済環境分析や企業調査等に注力したほか、投資先企業の企業価値向上に資するため、投資先との対話(エンゲージメント)や議決権行使に取り組みました。また、「北米リート・セレクトファンド」、「中国人民元ソブリンオープン」などの公募投信の展開や機関投資家向けに私募投信、投資一任の提案を行い、運用資産の拡大に努めました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は83億98百万円(前年同期比89.7%)、セグメント利益は7億41百万円(同71.8%)となりました。
サポートビジネス
当第3四半期連結累計期間におけるサポートビジネスの営業収益は92億59百万円(前年同期比101.5%)、セグメント利益は8億23百万円(前年同期は9億26百万円の損失)となりました。
なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
② 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
基本方針の内容の概要
当社は、上場企業である以上、本来、当社株券等の大規模買付行為は自由であり、誰が当社を支配するかは、最終的には当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきもので、当社の経営方針とそれにより実現される企業価値をご理解いただいた上で、当社株主の皆さまに、適切に判断いただくべきものであると考えます。また、当社株券等に対する大規模な買付行為が行われた場合には、その大規模買付行為の内容、大規模買付行為が当社及び当社グループに与える影響、大規模買付者が考える当社及び当社グループの経営方針や事業計画の内容、お客さま、従業員等の当社及び当社グループを取り巻く多くの利害関係者に対する影響、そして、大規模買付行為以外の代替案の有無等について、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供され、かつ提供された情報を十分に検討するための期間と機会が確保されることが必要だと考えます。
そのためには、大規模買付行為に際して、a.大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならず、b.当社取締役会が当該情報を検討するために必要な一定の評価期間が経過した後にのみ、大規模買付者は大規模買付行為を開始することができるという「大規模買付ルール」を設けるとともに、当該ルールが有効に機能するために必要な方策を整え、明らかに当社の企業価値及び当社株主の皆さまの共同の利益を害するような濫用的買収に対して、会社として対抗策をとることができなければならないと考えております。
基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
当社は、上記基本方針実現のための取組みとして、次に掲げる内容の「大規模買付行為への対応方針」を導入し、2016年6月29日開催の当社第78期定時株主総会において承認決議されております。
a.大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合は、以下の「大規模買付ルール」に従わなければならないこと。
(ア)大規模買付者は当社取締役会に対して大規模買付行為に先立ち必要かつ十分な情報を提供しなければならないこと。
(イ)必要な情報提供を受けた後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下、「評価期間」といいます。)として、60日間又は90日間が与えられること。
(ウ)大規模買付行為は、評価期間経過後にのみ開始されるべきこと。
b.大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に対しては、新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
c.大規模買付ルールが遵守されても、大規模買付者による会社の支配が会社に回復しがたい損害をもたらすとき等には、当社は新株予約権の無償割当を内容とする対抗策をとりうること。
d.当社取締役会は、対抗策の発動については社外取締役又は社外有識者等により構成される独立委員会の勧告に原則として従うこと。
具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
a.当該取組みが基本方針に沿うものであること
(ア)大規模買付ルールが遵守される限り、原則として対抗策はとらないこととなっており、誰が会社を支配するかは当社株主の皆さまにおいて決める仕組みとなっております。
(イ)大規模買付者に十分な情報の提供を求めるとともに、情報の提供をしない大規模買付者には対抗策を発動することを警告することによって、情報提供のインセンティブを与えております。
(ウ)濫用的買収に対しては、会社は対抗策をとりうる制度設計となっております。
b.当該取組みが株主共同の利益を損なうものではないこと
対抗策をとりうるのは、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないか、会社に回復しがたい損害をもたらすなどの濫用的買収の場合に限定されており、対抗策は基本的には情報提供のインセンティブを与えるものであります。
c.当該取組みが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
対抗策をとりうる場合が厳しく限定されており、しかも、当社取締役会は独立委員会の勧告に原則として従わなければならないため、当社取締役会の恣意的判断が排除される仕組みとなっております。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。