四半期報告書-第84期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/12 9:05
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済はまだら模様となりました。欧米を中心に経済活動再開の動きが広がったことから輸出額はコロナ前の水準を上回りましたが、半導体不足が生産に影を落としました。6月調査の日銀短観では大企業・製造業の業況判断は大きく改善した一方で、一部地域で再発令された緊急事態宣言の影響もあり、非製造業の改善は小幅にとどまりました。また、原油価格など商品価格が上昇したことで世界的にインフレ圧力が強まったものの、日本の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年比ゼロ%近辺での動きとなり、日銀も金融緩和姿勢を継続しました。
こうした環境のなか日経平均株価は、欧米市場の株価上昇を受けて4月初旬に一時3万円台を回復しました。しかし、国内における新型コロナワクチン接種開始の遅れが意識されたことに加え、米国でインフレ懸念が高まったことから、日経平均株価は軟調に推移し、5月半ばには27,000円台前半まで下落する場面も見られました。6月に入ると米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ前倒しの見通しが示され、米国株は一時下落しましたが、米長期金利が落ち着いて推移したため、NYダウなどの主要株価指数は急速に値を戻す展開となりました。日経平均株価もFOMCを受けて一時は下落したものの、海外市場の反発や投資家の押し目買いで幾分持ち直し、28,791円53銭で6月の取引を終えました。
為替市場では、米長期金利低下による日米金利差の縮小から、ドル円相場は1ドル=110円台から4月下旬には107円台半ばまで円高ドル安が進みました。ただ、その後は米国で経済活動再開の動きが一段と広がったことに加え、6月には米国で利上げ前倒しの見通しを受けて円安ドル高が進み、1ドル=111円台を付けて6月の取引を終えました。
このような状況のもと当社グループ各社においては、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、引き続きお客さま並びに社員の健康・安全を確保しつつ営業活動を行いました。中核子会社の岡三証券株式会社においては、マーケティングを軸としたお客さま本位のサービス提供を一層推進する体制への組織改革を行ったほか、お客さまとの接点拡充のための店舗戦略に基づき、首都圏における店舗配置の最適化を本格的に開始しました。また、2022年1月に経営統合予定の岡三オンライン証券株式会社とともに、次世代の投資家層の長期的な資産形成への支援を目的として、25歳以下のお客さまの一部商品の取引手数料を実質無料化する取り組みを開始しました。岡三アセットマネジメント株式会社においては、経済環境分析やリサーチ強化で運用パフォーマンス向上を図るとともに、販売用資料やWEB動画を活用し、お客さまへ分かりやすくタイムリーな情報提供を行い、運用資産の拡大に努めました。商品としては、「次世代モビリティオープン」、「ワールド・リート・セレクション(アジア)」や「PIMCOダイナミック・マルチアセット戦略ファンド」などの公募投信において純資産残高が増加しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は175億53百万円(前年同期比115.0%)、純営業収益は172億68百万円(同115.2%)となりました。販売費・一般管理費は165億1百万円(同112.5%)となり、経常利益は9億55百万円(同173.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億33百万円(同82.3%)となりました。

当第1四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,841億82百万円減少し5,992億58百万円となりました。これは主に、有価証券担保貸付金が1,233億80百万円、トレーディング商品が682億22百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ1,803億52百万円減少し4,127億83百万円となりました。これは主に、預り金が104億11百万円増加した一方で、約定見返勘定が926億76百万円、トレーディング商品が578億47百万円、短期借入金が268億3百万円、有価証券担保借入金が113億47百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ38億29百万円減少し1,864億74百万円となりました。これは主に、利益剰余金が25億31百万円減少したことによるものであります。
2)経営成績
当第1四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は175億53百万円(前年同期比115.0%)、純営業収益は172億68百万円(同115.2%)となりました。販売費・一般管理費は165億1百万円(同112.5%)となり、経常利益は9億55百万円(同173.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億33百万円(同82.3%)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間より、株式会社証券ジャパンについて損益計算書を連結しております。
受入手数料
受入手数料の合計は111億53百万円(前年同期比105.1%)となりました。主な内訳は次のとおりです。
前第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
(百万円)
当第1四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
(百万円)
委託手数料5,6694,686
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料45108
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料1,7162,543
その他の受入手数料3,1793,815
合計10,61011,153

委託手数料
当第1四半期連結累計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は16億44百万株(前年同期比80.0%)、売買代金は3兆1,471億円(同104.3%)となりましたが、取引が急増した前年同期と比較して、個人のお客さまを中心に委託売買代金は減少しました。
これらの結果、株式委託手数料は45億62百万円(同84.9%)となりました。また、債券委託手数料は0百万円(同180.0%)、その他の委託手数料は1億23百万円(同41.9%)となり、委託手数料の合計は46億86百万円(同82.7%)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当第1四半期連結累計期間における株式の引受けは、新規公開株式の引受件数の増加により、前年同期比で引受金額が増加しました。また、債券の引受けも、地方債や事業債に加えて、ソーシャルボンドにおいて複数案件で主幹事を務めた財投機関債の引受金額が増加しました。
これらの結果、株式の手数料は21百万円(前年同期比159.1%)、債券の手数料は86百万円(同270.7%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は1億8百万円(同238.1%)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当第1四半期連結累計期間における公募投資信託の販売額は、海外を中心に新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済の先行き不透明感が和らいだことなどから、成長期待の高い医療系やテクノロジー系に投資するファンドを中心に増加しました。
これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は25億43百万円(前年同期比148.2%)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により38億15百万円(同120.0%)となりました。
トレーディング損益
前第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
(百万円)
当第1四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
(百万円)
株券等トレーディング損益1,9243,522
債券等トレーディング損益2,2292,122
その他のトレーディング損益△73△34
合計4,0815,610

株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当第1四半期連結累計期間においては、外国株式は米国株式を中心に国内店頭取引の売買が前年同期比で増加した一方、外国債券の販売は法人向けを中心に減少しました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は35億22百万円(前年同期比183.0%)、債券等トレーディング損益は21億22百万円(同95.2%)となり、その他のトレーディング損益34百万円の損失(前年同期は73百万円の損失)を含めたトレーディング損益の合計は56億10百万円(前年同期比137.5%)となりました。
金融収支
金融収益は5億31百万円(前年同期比145.7%)、金融費用は2億85百万円(同102.4%)となり、差引の金融収支は2億46百万円(同285.9%)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、2億58百万円(前年同期比121.9%)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、人件費や取引関係費の増加等により、165億1百万円(前年同期比112.5%)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は2億23百万円、営業外費用は35百万円となりました。また、特別利益は7百万円、特別損失は投資有価証券評価損の計上等により2億89百万円となりました。
b.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
証券ビジネス
証券ビジネスにおいては、株式委託手数料等が減少した一方、株式等トレーディング損益や投資信託にかかる収益が増加し、当第1四半期連結累計期間における証券ビジネスの営業収益は157億54百万円(前年同期比114.3%)、セグメント利益は5億78百万円(同224.1%)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、運用資産平均残高の増加により、当第1四半期連結累計期間におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は24億21百万円(前年同期比114.7%)、セグメント利益は98百万円(同604.9%)となりました。
サポートビジネス
当第1四半期連結累計期間におけるサポートビジネスの営業収益は33億43百万円(前年同期比108.0%)、セグメント利益は3億25百万円(同142.6%)となりました。
なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。