四半期報告書-第83期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/13 9:24
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【項目】
29項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、人の移動が制限されるなど世界的に経済活動が縮小し、わが国経済も大きく落ち込みました。国内では、4月の緊急事態宣言発令に伴い、感染拡大防止策として人の移動が抑制されたことなどから経済活動が急速に縮小しました。また、海外との人の往来も制限され、訪日外国人旅行者数が大きく減少したほか、輸出も減少しました。
国内景気の落ち込みに加えて原油価格が大きく下落したことで、消費者物価指数(生鮮食品を除く)は4月以降、前年同月比でマイナス圏に落ち込みました。また、日本銀行が長期国債の買い入れの上限を撤廃するなど金融緩和政策を強化したこともあり、10年国債利回りはゼロ%近辺で推移しました。
こうした環境のなか日経平均株価は、世界各国の政府による財政出動や主要中央銀行による金融緩和策を受けた景気回復期待から底堅く推移しました。国内の新型コロナウイルス感染者数急増による先行き不安から、日経平均株価は4月上旬に一時17,000円台を付けたものの、米連邦準備理事会(FRB)による資産購入の拡大や、日本銀行による社債買い入れ増額など、主要中央銀行による信用不安への対応を好感し、4月末には20,000円の大台を回復しました。また5月以降も、海外では米国や中国でいち早く経済活動が再開されたことに加え、国内においても政府の新型コロナ対策を主とした第2次補正予算策定や、緊急事態宣言の全面解除を受けて経済再開への期待が高まったことから、日経平均株価は引き続き堅調に推移し、6月上旬には一時23,000円台を付けました。しかしその後は、米国や中国において新型コロナウイルス感染者数が再度増加に転じたことや、「香港国家安全維持法」をめぐる米中対立の激化懸念などが相場の重しとなりました。日経平均株価は22,000円台前半で一進一退の動きとなり、22,288円14銭で6月の取引を終えました。
一方、外国為替市場では、ドル円相場は概ね106~108円のレンジでの推移となりました。6月上旬には、米国の経済活動再開への動きを好感したドル買いが優勢となり、一時1ドル=109円台後半まで円安ドル高が進む場面がありました。しかしその後は、米国での新型コロナウイルス感染再拡大や米中関係の悪化懸念などからレンジ内の推移に戻り、1ドル=107円台後半で6月の取引を終えました。
このような状況のもと、グループ各社においてお客さま並びに社員の健康・安全の確保を最優先に営業活動を行いました。中核子会社の岡三証券株式会社においては、社員による訪問等の自粛やお客さまに対する来店自粛の要請、在宅勤務の実施などの措置を執る一方、投資情報の無料開放やマーケット解説セミナー動画の配信を増加させるなど、お客さまに対する投資情報の提供を強化しました。インターネット取引を主体とする岡三オンライン証券株式会社においては、取引所FX・CFDのサポートコース本格稼働とともに、投資情報の無料開放やネット取引の有用性アピールなどにより、新規口座の開設、営業収益の拡大に努めました。また、岡三アセットマネジメント株式会社においては、経済環境分析やファンドの運用分析強化で運用パフォーマンス向上を図るとともに、販売会社やホームページを通じてお客さまへ分かりやすくタイムリーな情報提供を行い、運用資産の拡大に努めました。商品としては、「ワールド・リート・セレクション(アジア)」や「ワールド・リート・セレクション(米国)(愛称:十二絵巻)」などの公募投信において純資産残高が増加しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は152億69百万円(前年同期比97.1%)、純営業収益は149億90百万円(同96.7%)となりました。販売費・一般管理費は146億73百万円(同94.6%)となり、経常利益は5億49百万円(同248.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億26百万円(前年同期は1億37百万円の損失)となりました。
当第1四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ615億23百万円増加し5,019億76百万円となりました。これは主に、有価証券担保貸付金が840億88百万円、投資有価証券が60億52百万円増加した一方で、預託金が142億円、トレーディング商品が128億54百万円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ585億56百万円増加し3,345億62百万円となりました。これは主に、有価証券担保借入金が248億19百万円、トレーディング商品が197億2百万円、約定見返勘定が141億62百万円、預り金が134億83百万円増加した一方で、短期借入金が106億16百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ29億66百万円増加し1,674億14百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が38億59百万円増加した一方で、利益剰余金が14億49百万円減少したことによるものであります。
2)経営成績
当第1四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は152億69百万円(前年同期比97.1%)、純営業収益は149億90百万円(同96.7%)となりました。販売費・一般管理費は146億73百万円(同94.6%)となり、経常利益は5億49百万円(同248.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億26百万円(前年同期は1億37百万円の損失)となりました。
受入手数料
受入手数料の合計は106億10百万円(前年同期比113.5%)となりました。主な内訳は次のとおりです。
前第1四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年6月30日)
(百万円)
当第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
(百万円)
委託手数料3,3355,669
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料7345
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料2,2101,716
その他の受入手数料3,7303,179
合計9,35010,610

委託手数料
当第1四半期連結累計期間における東証の1日平均売買高(内国普通株式)は20億54百万株(前年同期比129.3%)、売買代金は3兆163億円(同113.6%)となりました。こうしたなか、中核子会社である岡三証券株式会社においては、国内株式委託売買代金、外国株式委託売買代金ともに前年同期比で増加しました。
これらの結果、株式委託手数料は53億75百万円(同164.9%)となりました。また、債券委託手数料は0百万円(同295.0%)、その他の委託手数料は2億94百万円(同390.7%)となり、委託手数料の合計は56億69百万円(同170.0%)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
当第1四半期連結累計期間における株式の引受けは、主幹事案件があったものの引受件数は前年同期比で減少し、引受金額も減少しました。また債券の引受けも、財投機関債や地方債などの主幹事を務めましたが、個人投資家向け社債の引受けがあった前年同期と比較して事業債の引受金額が減少しました。
これらの結果、株式の手数料は13百万円(前年同期比79.3%)、債券の手数料は32百万円(同56.6%)となり、株式・債券を合わせた引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は45百万円(同61.7%)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料、その他の受入手数料につきましては、投資信託関連収益がその大半を占めています。
当第1四半期連結累計期間における公募投資信託の販売額は、新型コロナウイルス感染症拡大による経済の先行き不透明感から前年同期比で減少しました。米国の高利回り資産に投資するファンドや、リスクの抑制・分散が期待できるバランス型ファンドなどの販売額が増加した一方、新興国債券を主な投資対象とするファンドを中心に販売額が減少しました。
これらの結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は17億16百万円(前年同期比77.6%)となりました。また、その他の受入手数料については、主に投資信託の信託報酬等により31億79百万円(同85.2%)となりました。
トレーディング損益
前第1四半期連結累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年6月30日)
(百万円)
当第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
(百万円)
株券等トレーディング損益2,2671,924
債券等トレーディング損益3,5032,229
その他のトレーディング損益9△73
合計5,7794,081

株券等トレーディング損益は主に米国株式を中心とした外国株式の国内店頭取引、債券等トレーディング損益は外国債券の顧客向け取扱いに伴う収益がその大半を占めています。
当第1四半期連結累計期間においては、外国株式は国内店頭取引の売買が前年同期比で減少し、また外国債券も、個人向けESG債の販売が好調だった前年同期と比較して販売額は減少しました。
これらの結果、株券等トレーディング損益は19億24百万円(前年同期比84.9%)、債券等トレーディング損益は22億29百万円(同63.6%)となり、その他のトレーディング損益73百万円の損失(前年同期は9百万円の利益)を含めたトレーディング損益の合計は40億81百万円(前年同期比70.6%)となりました。
金融収支
金融収益は3億64百万円(前年同期比97.1%)、金融費用は2億78百万円(同126.4%)となり、差引の金融収支は86百万円(同55.4%)となりました。
その他の営業収益
金融商品取引業及び同付随業務に係るもの以外の営業収益は、2億12百万円(前年同期比94.7%)となりました。
販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費や人件費の減少等により、146億73百万円(前年同期比94.6%)となりました。
営業外損益及び特別損益
営業外収益は2億67百万円、営業外費用は34百万円となりました。また、特別利益は金融商品取引責任準備金戻入の計上等により2億28百万円、特別損失は69百万円となりました。
b.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
証券ビジネス
証券ビジネスにおいては、トレーディング損益や投資信託販売にかかる手数料等が減少した一方、株式委託手数料が増加し、当第1四半期連結累計期間における証券ビジネスの営業収益は137億85百万円(前年同期比100.3%)、セグメント利益は2億57百万円(前年同期は2億86百万円の損失)となりました。
アセットマネジメントビジネス
アセットマネジメントビジネスにおいては、運用資産平均残高の減少により、当第1四半期連結累計期間におけるアセットマネジメントビジネスの営業収益は21億11百万円(前年同期比77.5%)、セグメント利益は16百万円(同6.7%)となりました。
サポートビジネス
当第1四半期連結累計期間におけるサポートビジネスの営業収益は30億96百万円(前年同期比100.5%)、セグメント利益は2億28百万円(同78.4%)となりました。
なお、上記のセグメント別営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高が含まれております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。