有価証券報告書-第110期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要、並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
a.連結経営成績に関する説明
当社は、経営理念の実現とさらなる事業成長を遂げるため、長期ビジョンである2026年2月期(2025年度)にめざす姿を定め、ESG視点に基づく経営による社会価値・環境価値・経済価値の創出を通して、地域社会とともに持続的な成長の実現に向けて取り組んでいます。
2021年2月期(2020年度)を初年度とする中期経営計画(2020~2022年度)では、「海外における高い利益成長の実現」「国内における安定的成長の実現」「成長を支えるファイナンスミックスとガバナンス体制構築」「ESG経営の推進」を成長施策として掲げています。
当連結会計年度は、第1四半期連結会計期間に新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大し、当社が出店している中国、アセアン、日本において、行政による要請や感染拡大防止への配慮からモールの営業時間短縮や臨時休業を実施しました。重要な事業パートナーである専門店企業に対しては、モール営業上の制約が出ていることを踏まえ、賃料の減免等の支援を実施する一方で、休業期間におけるモールの管理・運営コストの見直しを図り、コスト圧縮に努めました。
当連結会計年度における業績は、営業収益は2,806億8千8百万円(前期比86.6%)、営業利益は343億9千4百万円(同56.6%)、経常利益は284億3千7百万円(同50.7%)、親会社株主に帰属する当期純損失は18億6千4百万円(前連結会計年度は342億3千9百万円の利益)となりました。
なお、当連結会計年度における一時休業期間中の固定費等は、新型コロナウイルス感染症による損失として165億7千2百万円を特別損失に計上しました。
◆連結経営成績 (単位:百万円)
b.セグメント別事業概況に関する説明
◆セグメント別業績 (単位:百万円)
<海外>営業収益は435億9千4百万円(前期比88.7%)、営業利益は37億7千1百万円(同45.4%)となりました。
中国・アセアン各国における消費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時的に落ち込みましたが、営業再開後は、出店国、出店エリアごとで回復状況に濃淡はあるものの海外全体で見れば改善が進んでおり、引き続き高い成長の実現をめざしていきます。
2025年に海外70モール体制を計画していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、新規物件地の交渉や街づくりに遅れが生じたことから出店計画を変更し、2025年に50モール体制の実現に向けた出店準備を進めていきます。2025年度末時点では、物件のパイプラインとして70モール体制となる仕込みを完了させるべく、中国・アセアンとも高い成長力が見込まれるエリアにおいて探索・確保を進めていきます。
なお、海外現地法人の決算期は12月末のため、当連結会計年度の業績は1月~12月となります。
(中国)
営業収益は313億5千3百万円(前期比87.5%)、営業利益は22億9千6百万円(同40.9%)となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大による武漢市封鎖に伴い2020年1月24日より同市3モールにて専門店を臨時休業、以降2020年2月中旬にかけて、中国全土への感染拡大に伴い、中国で展開する全21モール中、最大11モールを臨時休業しました。2020年2月22日から3月にかけて段階的に営業を再開し、2020年4月1日には全21モールの専門店営業を再開しました。政府指示により休業を継続していたシネマについても、7月20日より順次営業を再開し、8月初旬には全モールで営業を再開しました。
安全・安心を第一に、当社モール主導でライブコマースのプラットフォームを立ち上げ、専門店におけるライブコマースの実施や飲食専門店に対するデリバリーキャンペーンの実施、大型平面駐車場を活用した夜市開催等、消費行動の変容や政府による景気刺激策に対応した施策を推し進めました。
11月には、ダブル11(毎年11月11日に開催される中国最大の電子商取引イベント)を皮切りに年末年始に向けた特別キャンペーン「ALIVE WINTER PLAN」を開催しました。各種イベントやセールを実施する他、オンライン販売サイトにおいて、ダブル11セールやデジタルお買物券企画、中国で人気の専門店約30店舗によるライブコマース開催等、最新デジタルプロモーションを展開しました。
既存モールでは、イオンモール武漢金橋(湖北省武漢市)において、6月に食物販ゾーンのリニューアル、イオンモール武漢金銀潭(湖北省武漢市)において、7月に増床リニューアルを実施しました。イオンモール武漢金銀潭では、本棟4階の駐車場を店舗化し、世界各国の飲食専門店を集結させたレストラン街に加え、フードコートとアミューズメントを新設する等、48店舗を導入しました。
当連結会計年度の中国既存19モールの専門店売上は、第1四半期連結会計期間における休業の影響もあり、前期比79.8%となりました。営業再開以降、上記の取り組みの効果等もあり、第4四半期連結会計期間(3ヶ月)では前期比102.9%と前年を上回るトレンドに回復しました。
(アセアン)
営業収益は122億4千1百万円(前期比92.1%)、営業利益は14億7千4百万円(同54.9%)となりました。
ベトナムでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の規制により、2020年3月28日から4モールの専門店営業を臨時休業しましたが、2020年4月24日に営業を再開し、全5モールでの営業体制となりました。7月下旬に新型コロナウイルス感染者が拡大したことから一時的に各モールの来店客数、売上は落ち込みましたが、同国の厳格なウイルス封じ込め対策により客足の戻りが早く、第4四半期連結会計期間(3ヶ月)のベトナム既存4モールの専門店売上は前期比101.4%と前年を上回るトレンドに回復しました。
カンボジアでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、既存2モールの営業時間を短縮していましたが、6月に通常の営業時間に戻し、8月には休業していたシネマも営業再開しました。新型コロナウイルス感染症の影響は軽微でしたが、同国内に居住する外国人等が帰国した影響があり、当連結会計年度の既存2モールの専門店売上は前期比75.1%となりました。
インドネシアでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府による大規模社会制限の実施により、2020年3月31日から既存2モールの専門店営業を臨時休業しましたが、6月15日に営業を再開しました。インドネシア国内では、新型コロナウイルス感染者の増加が止まらず、既存2モールの来店客数は前年比で半減という厳しい状況が続いていますが、地元企業と連携したフードデリバリー割引キャンペーンを実施する等、売上確保に努めました。
当連結会計年度における新規モールとして、10月にインドネシア3号店となるイオンモール セントゥールシティ(西ジャワ区)、12月にベトナム6号店となるイオンモール ハイフォンレチャン(ハイフォン市)の計2モールをオープンしました。
イオンモール セントゥールシティは、ジャカルタ中心部から車で約1時間の西ジャワ州ボゴール県内の開発エリア内に立地しています。同エリアでは既に住宅、オフィス、ホテル、学校等の開発が行われ、今後高い成長が期待されるとともに、ジャカルタ中心部とボゴールを結ぶ次世代型交通システムが将来計画されており、広域集客も期待できる立地です。なお、10月のオープンは一部先行オープンで、2021年にグランドオープンを予定しています。
イオンモール ハイフォンレチャンは、ベトナム第三の中央直轄市であるハイフォン市に立地し、北部最大の港湾都市として大規模なインフラ整備が進み、経済成長と商業発展が期待されるエリアです。当モールでは、ショッピング、食事、エンターテインメント等、地域ニーズに対応したMDに取り組みました。また、モール外壁に大型デジタルスクリーン、館内にタッチパネル方式の情報検索用サイネージ等、100台以上のデジタルサイネージを導入し、館内マップ検索や新型コロナウイルス感染症対策サイン表示に活用する等、最新のデジタル体験を提供しています。
ベトナムでは、10月にホーチミン市政府との間で「ホーチミン市におけるショッピングモール開発に関する投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結しました。本覚書に基づき、ホーチミン市での大型ショッピングモール事業の更なる展開に向けた相互協力体制を強化し、地域の活性化やお客さまへの新たなサービス創出に取り組んでいきます。
カンボジアでは、イオンモール プノンペン(プノンペン都)において、10月にカンボジア初となるラグジュアリーブランド「COACH」を導入しました。当モールでは、2021年にラグジュアリーモールへと生まれ変わる大型リニューアルを計画しています。
インドネシアでは、イオンモール ジャカルタガーデンシティ(ジャカルタ市)において、11月にジャカルタ特別州の行政機能であるSAMSAT(ワンストップ統合行政システム)をオープンしました。来店ついでに車やバイクの車両登録や自動車税の納税等の行政手続きを行える環境を提供し利便性を高めました。同施設では、今後運転免許更新センターのオープンも予定しており、さらなる集客拡大を図っていきます。
イオンモール セントゥールシティにおいて、所在するボゴール県との間で「地域活性化に関する連携協定書」を締結しました。本協定は、ボゴール県にお住まいの地域の方々の利便性向上や地域の情報発信、コミュニティの拠点となることを目的としたもので、双方の資源を有効に活用、連携することで地域の活性化を推進していきます。
新たな出店国として、ミャンマーのヤンゴン郊外(ヤンゴン管区ダゴンセイカンタウンシップ)に、2023年に1号店出店を計画しています。当社とミャンマー最大の不動産ディベロッパーであるSHWETAUNG(シュエタン) REAL ESTATE CO.,LTD.と合弁会社を設立し、今後、合弁会社がミャンマーにおける多店舗展開に向けた物件開発を推し進めていきます。イオングループではこれまで、ミャンマーにおける学校建設支援事業や植樹活動等の社会貢献活動を実施し、交流を深めてまいりましたが、モール事業を通して新たなライフスタイルの提案、経済活性化に寄与してまいります。
なお、2021年2月にミャンマー国軍によるクーデターが発生し、同国内は非常事態宣言下にあることから、現地の状況を踏まえて従業員の安全を最優先しながら対応してまいります。
<当連結会計年度における海外新規モール>
(注)1.イオンモール セントゥールシティは一部先行オープンで、2021年にグランドオープンを予定しています。
2.イオンモール タンジュンバラット(インドネシア南ジャカルタ区)は、建築工事スケジュールの変更に伴い、オープン予定時期を2021年度に変更しました。
<日本>営業収益は2,370億9千3百万円(前期比86.2%)、営業利益は305億9千7百万円(同58.3%)となりました。
国内では、2020年4月7日に緊急事態宣言が発令されたことを受け、2020年4月8日から当社グループが管理・運営するモールの専門店および都市型ショッピングセンターを段階的に臨時休業し、2020年4月18日からは全国164施設全てを臨時休業しました。その後、緊急事態宣言の段階的解除を受け、5月13日より順次営業を再開し、5月28日には全施設の営業を再開しました。
営業再開にあたって、出入口へのAIによる検温器設置、売場・後方における飛沫感染防止対策としてのアクリル板の設置、来店客管理システムのデータに基づく入館制限基準の策定、外気取り込み量増加によるモール館内の換気機能強化等、感染拡大防止と安全・安心のための対策を実施しました。
新しい生活様式に合致したエンターテインメントとして、全国のイオンモール屋外駐車場にてドライブインシアターやドライブインパブリックビューイング等を開催しました。
ユーザビリティを向上し、よりストレスフリーなショッピング環境の提供を目的として、6月にイオンモールアプリを全面リニューアルしました。同アプリを活用し、来店時間のピーク分散やアイドルタイムでの飲食店利用など、お客さまの行動変容にあわせたクーポン発行、ポイント還元などのサービス提供を行い、専門店事業をサポートしました。同アプリは、アプリ分析プラットフォームを手がけるフラー株式会社が主催する日本最大級のアプリの祭典「App Ape Award 2020」において、2020年に本質的な成長を遂げたアプリとして、アプリ オブ・ザ・イヤー優秀賞を受賞しました。今後更なる機能拡充により利便性向上を図っていくことで、デジタル化を通じたお客さまの購買体験の高度化を推し進めていきます。
11月に開催した「イオンモール ブラックフライデー」では、お客さまの来店分散化を図るため、開催期間を前年の5日間から10日間に拡大しました。例年のセール企画に加え、ライブコマースやイオンモールアプリで参加いただける抽選会等、コロナ禍でもお買い物を楽しんでいただける、リアル・オンラインの両チャネルを活用した新企画を実施しました。
地域におけるワンストップソリューションの提供に向けたモール機能強化として、12月にイオンモール宇城(熊本県)に、宇城市小川支所新庁舎が外部棟に開所しました。モールへの支所移転は全国初であり、就労支援を目的とした障がい者施設の運営によるカフェや、子育て世代を対象に広い空間を利用した憩いスペースの設置など、利用者の利便性向上を図りました。
ヘルス&ウエルネスの取り組みとして、ミズノ株式会社と共同で、リアルとデジタル双方でのスポーツ体験を通じたスポーツ実施者の増加方策事業を推進しています。本事業では、スポーツへの意欲向上や実施回数の拡大、スポーツ体験を通じた健康サポートの実現をめざし、11月から12月にかけて全国6モールでスポーツ体験イベントの開催、および両社のWEBサイトやアプリ等を通じたデジタルコンテンツの配信を実施しました。当プロジェクトによる取り組みは、スポーツ庁の公募事業「令和2年度Sport in Life推進プロジェクト」に採択されました。
当連結会計年度における新規モールとして、12月にイオンモール上尾(埼玉県)をオープンしました。当モールは、コロナ禍における新規オープン1号店として、館内全ての吹き抜けへのサーキュレーター設置や吹き抜け上部のハイサイドライト窓の開放等、換気機能の強化を図りました。当モールにおける防疫対策の取り組みは、来訪者や従業員の健康と安全に配慮した施設としての評価を受け、国内商業施設で初めて「WELL Health-Safety Rating」を取得しました。また、ニューノーマルなモールづくりとして、上尾市との地域連携協定締結により地域密着に注力した取り組みとともに、案内ロボットの導入、「お客さまの声」のデジタル化、外壁の320インチ大型サイネージによる情報発信等、デジタルを活用した取り組みを推し進めました。
既存モールでは、8モールのリニューアルに加え、イオンモール高崎(群馬県)、イオンモール高知(高知県)の増床リニューアルを実施しました。
イオンモール高崎において、6月に既存棟と合わせて全体の約50%となる106店舗をリニューアルしました。増床棟では大型ファストファッションや書籍、家電、ペット用品等のライフスタイル型専門店を導入し、3階フードコートは12店舗・700席から16店舗・1,000席のフードコートに拡大しました。
イオンモール高知において、9月に既存棟と合わせて全体の58%となる92店舗をリニューアルしました。増床棟では、2階に国内外の大型ファストファッション専門店を導入し、既存棟から移転した3階フードコートは10店舗・650席から14店舗・1,000席の大型フードコートに拡大しました。また、館内の換気機能をより促進するために、換気扇の増設や高性能フィルターを使用した空気清浄機をフードコートに新設する等、防疫対策の取り組みを強化しました。
当連結会計年度の国内既存83モールの専門店売上は前期比76.0%となりました。第3四半期連結会計期間(3ヶ月)では、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」のメガヒットによるシネマの集客効果等もあり、前期比91.8%まで回復しましたが、11月下旬より新型コロナウイルス感染症が再び拡大し、11都府県を対象に緊急事態宣言が再発令された影響もあり、第4四半期連結会計期間(3ヶ月)では前期比85.9%となりました。
都市型ショッピングセンター事業を手掛ける株式会社OPA(以下、「旧OPA」)は、2021年3月1日に、旧OPAが新設する100%子会社(以下、「新OPA」)を承継会社として会社分割(新設分割)し、分割会社(旧OPA)を当社が吸収合併しました。
新OPAはターミナル立地中心の都市型施設の管理・運営に特化し、経営リソースを集中することにより、新たな価値創造を図っていきます。旧OPAが保有するコミュニティ型施設および都市型施設の一部は当社が吸収し、デイリーニーズを満たす施設への変革や、物件によっては再開発実施により、物件価値の向上に取り組んでいきます。
<当連結会計年度におけるリニューアルモール>
(注)1.イオンモール座間、イオンモール三光はシネマ棟の増床。
2.イオンモール高崎は増床リニューアル。専門店数は210店舗(+40店舗)、総賃貸面積は76,000㎡
(+17,000㎡)に拡大。
3.イオンモール高知は増床リニューアル。専門店数は160店舗(+20店舗)、総賃貸面積は69,000㎡
(+12,000㎡)に拡大。
<当連結会計年度における国内新規モール>
(注)イオンモール新利府 南館(宮城県)は、建築工事スケジュールの変更に伴い、オープンを2021年3月5日に変更しました。
(2)財政状態の状況
(資産)
総資産は、前連結会計年度末と比較して129億8千1百万円増加し、1兆3,941億9千9百万円となりました。これは、関係会社預け金が634億円減少したこと等により現金及び預金が731億5千9百万円増加したこと、既存店の活性化や将来の開発用地の先行取得等が792億1千2百万円なされた一方で、585億8千6百万円の減価償却があったこと等によるものです。
(負債)
負債は、前連結会計年度末と比較して300億1千7百万円増加し、1兆67億1千2百万円となりました。これは、社債(「1年内償還予定の社債」を含む。)が450億円、リース債務(流動負債の「リース債務」を含む。)が112億5千4百万円増加した一方で、長期借入金(「1年内返済予定の長期借入金」を含む。)が126億7千1百万円、専門店預り金が52億3百万円、設備に関する未払金等が34億9千万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して170億3千5百万円減少し、3,874億8千6百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失18億6千4百万円の計上や配当金91億円の支払い等による利益剰余金の減少、為替換算調整勘定が60億3千6百万円減少したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して97億1千1百万円増加し、1,240億8千万円となりました。
キャッシュ・フローの状況等については、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、616億2千1百万円(前連結会計年度1,336億4千5百万円)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が42億6千8百万円(同540億1千9百万円)、減価償却費が585億8千6百万円(同568億5千8百万円)となる一方で、法人税等の支払額が115億2千8百万円(同157億1百万円)、専門店預り金が51億8千4百万円の減少(同230億7千4百万円の増加)となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、644億4千4百万円(同957億8千3百万円)となりました。主な要因は、前連結会計年度に増床を実施したイオンモール高岡(富山県)や、同年度にてオープンしたイオン藤井寺ショッピングセンター(大阪府)等の設備代金の支払により、有形固定資産の取得による支出が575億3千5百万円(同971億9千2百万円)生じたこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、122億4千4百万円(同228億8百万円)となりました。主な要因は、社債の発行による収入が600億円(同800億円)、長期借入れによる収入が237億3千4百万円(同85億円)となる一方で、長期借入金の返済による支出が357億7千4百万円(同240億1千5百万円)、社債の償還による支出が150億円(同150億円)、配当金の支払額が91億円(同88億7千2百万円)となったこと等によるものです。
なお、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した資金及び金融機関からの借入れ、社債の発行等により調達した資金を、運転資金、設備投資資金、並びに配当金の支払等に投入しております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、リース債務(流動負債)、社債、長期借入金及びリース債務(固定負債)を対象としています。
3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いています。
(4)目標とする経営指標の状況
2020年2月期(2019年度)より在外連結子会社においてIFRS第16号が適用となったこと、また、将来にわたるキャッシュ・フローの最大化および企業価値向上を目的として、EPS成長率7%(2019年度~2025年度までの年率成長率)、純有利子負債EBITDA倍率4.5倍以内、投下資本利益率(ROIC)5%以上を目標とする経営指標(2025年度目標)としています。
2021年2月期の各種指標の実績は、以下の通りです。なお、EPS成長率は、当連結会計年度の1株当たり当期純利益が損失であるため、算出しておりません。
純有利子負債EBITDA倍率:6.2倍、投下資本利益率:2.2%
(注)EPS:親会社株主に帰属する当期純利益/期中平均株式数
純有利子負債EBITDA倍率:(有利子負債-現金及び現金同等物の期末残高)/(営業利益+キャッ
シュ・フロー計算書上の減価償却費)
投下資本利益率:営業利益×(1-実効税率)/(期首・期末平均自己資本+期首・期末平均有利子負債)
(5)環境保全・社会貢献活動
当社は、「社会」「環境」「倫理」の側面から企業活動の方針を定め、これを推進する「イオンモールCSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)会議」を毎月開催し、ESGへの取り組みの進捗管理および課題解決に向けての迅速な意思決定を行っています。
<環境課題の解決に向けて>・脱炭素社会の実現に向けた取り組み
イオングループは脱炭素社会の実現をめざし、2018年3月に「店舗で排出するCO2等を2050年までに総量でゼロにする」「事業の過程で発生するCO2等をゼロにする努力を続ける」「すべてのお客さまとともに脱炭素社会の実現に努める」という3つの視点で取り組む「イオン脱炭素ビジョン2050」を策定しました。当社ではこの目標達成に向けて、太陽光発電設備およびEV充電器の設置等による省エネルギー活動を推進しています。
これまでにCO2フリー電力の活用を行ったイオン藤井寺ショッピングセンター(大阪府)、イオンモール名古屋茶屋(愛知県)、イオンモール長久手(愛知県)、イオンモール岡崎(愛知県)に加え、新たに2020年度は、イオンモール上尾(埼玉県)、イオンモール松本(長野県)、イオンモール津南(三重県)においてCO2フリー電力の活用を開始しました。イオンモール上尾ではテナントを含めたモール全体が完全にCO2フリーの電力で運営しており、本年度に導入した3モールの6月から12月までの7か月間で合計約268トンのCO2を削減しました。
また、当社は2017年に日本企業として初めてEV100(注1)へ参加し、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッドカー)でも安心してご来店いただける環境整備を進めています。当連結会計年度末時点で、国内外156モール(注2)に2,422基のEV充電器を設置しています。日本政府が2030年代半ばまでに国内のガソリン車の販売をなくすことが発表され、今後EV、PHVがさらに普及することが見込まれます。それに伴い、当社では短時間で充電が可能な急速充電器のさらなる拡充を予定しております。同時に、お客さまへの告知強化等により、既設の充電器利用率の増加をめざします。
・脱プラスチックの取り組み
使い捨てプラスチックの削減に向け2020年3月より、飲食店でのプラスチック製ストローの提供終了または紙ストローへの代替を実施しました。今後、脱プラスチック、プラスチックの資源循環へ向けたアクションプランを策定し推進していきます。
・植樹活動
イオングループでは、イオンの基本理念を具現化する活動として、1991年から継続して植樹活動を実施しており、地域の自然環境に最も適した、その土地に自生する樹木をお客さまとともに植えています。2019年度末現在、イオングループ全体での累計植樹本数は約1,212万本に達しています。当社では、2020年度には国内外の新規オープンした4モールで約54,000本の植樹を行いました。
・従業員のエコ検定取得
環境保護に対する意識の向上および取り組みの推進を目的として、国内の従業員にエコ検定の取得を推進しており、対象となる正社員1,729名のうち85.2%にあたる1,473名がエコ検定を取得しました。
<社会課題の解決に向けて>・認知症サポーター養成講座の受講
今後増加が見込まれる認知症の方への対応を学び、地域の様々なステークホルダーと連携して認知症の方を支える体制構築を目標に、2020年度より全社を挙げて取り組みを開始しました。2020年度下期はWEB講座を実施し、各モールでの独自開催分を含め累計407名が受講しました。
・イオンゆめみらい保育園
子育てをしながら働く従業員の活躍支援を目的として、事業所内保育施設「イオンゆめみらい保育園」の設置を進めており、当連結会計年度末において31園(注3)となりました。今後もモール専門店の従業員やグループ企業の従業員をはじめ、より多くの方々の仕事と育児の両立支援、待機児童解消の一助となる取り組みを進めていきます。
・地域コミュニティ機能の強化
ローカライゼーションの視点に基づいた地域のコミュニティセンターとしてのモールづくりに取り組んでおり、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟の協力による全国防災キャラバンの実施や、期日前投票所の設置等の取り組みを進めています。また、お客さまの利便性向上の観点から、モール館内に郵便局、市役所出張所、図書館、クリニックモール、フィナンシャルモール等の地域インフラ機能の拡充を進めています。
・献血活動
日本赤十字社と共に推進している献血活動について、2020年度は4月16日に発令された緊急事態宣言により、企業や学校、商業施設での献血機会の減少に伴い献血量の減少が懸念されたことを受け、当社では5月より営業再開したモールで順次受け入れをし、献血活動を強化しました。5月、6月の累計で、122モールにおいて合計832回の献血を実施しました。45,123名の方(うち、献血実施は39,224名)にご協力いただき、14,905ℓの採血量が集まり、前年よりも多くの方にご参加いただくことができました。
・イオン心をつなぐプロジェクト
東日本大震災復興支援活動である「イオン心をつなぐプロジェクト」では、被災地の復興に向け、植樹活動やボランティア活動に当社従業員が参加する等、支援活動を続けてきました。2021年度は10年間にわたる被災地でのすべての活動を総括し、その知見と学びを全国各地の社会課題解決に向けた支援へ繋げていきます。
・公益財団法人イオンワンパーセントクラブ
イオングループの主要各社が税引前利益の1%を拠出し、社会貢献活動を行う公益財団法人イオンワンパーセントクラブの取り組みに協賛し寄付を行うとともに、伝統的な文化・工芸・技術の普及啓蒙事業協力事業者、全国募金協力事業者として継続的に社会貢献活動を行っています。
<外部からの評価>・WELL Health-Safety Rating
イオンモール上尾(埼玉県)は、世界的な新型コロナウイルス対策への評価「WELL Health-Safety Rating」を国内の商業施設で初めて取得しました。当モールは、お客さまや従業員が安全・安心にご利用いただける施設をめざし、2020年6月に制定した「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」に基づき、施設内での飛沫感染、接触感染防止対策をはじめ、各出入口での安全対策や施設の清掃管理などを徹底した管理・運営を行っています。同評価については、2021年3月にオープンしたイオンモール新利府 南館(宮城県)においても取得しております。
・GRESBリアルエステイト評価
2020年GRESB(注4)リアルエステイト評価において、当社は、総合スコアのグローバル順位により5段階で格付されるGRESBレーティングで最高位の「5スター」を取得しました。また、ESG推進のための方針や組織体制などを評価する「マネジメント・コンポーネント」と保有物件での環境パフォーマンスやテナントとの取り組み等を評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者であることを示す「グリーンスター」の評価を6年連続で獲得しました。
・CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)
気候変動に対する取り組みおよび情報開示が評価され、CDP(注5)より8段階の評価のうち2番目に位置するスコアA-を取得しました。サプライチェーンを通した気候変動対策に取り組み、温室効果ガス排出量の削減活動を実施していることを評価され、最高位である「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード」に初めて認定されました。
・なでしこ銘柄
女性が活躍して働き続けるための環境整備を進めており、女性人材の活用を積極的に進めている上場企業として「なでしこ銘柄」(注6)に5年連続で選出されました。2020年度は昨年度に引き続き、男性従業員の育児休職取得促進に取り組み、独自の育児休業扶助金制度の周知に加え、育児休職取得計画シートを導入しました。出産予定日がわかった段階から家族、部署そして人事部と育児休職の取得計画を立てることでより取得しやすい環境を整備しました。
・健康経営優良法人2021 (大規模法人部門)
当社が健康と福祉を重要なマテリアリティと定義し、従業員教育、労働時間適正化、運動機会の提供等、心と身体の健康づくりに向けた具体的施策を行っていることが評価され、経済産業省と日本健康会議が主催する健康経営優良法人制度により、「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」に2年連続で認定されました。
・事業者排出量削減計画書制度 特別優良事業者(京都市)
京都市地球温暖化対策条例に基づき、特定事業者が提出する排出量削減計画書及び報告書を総合的に評価する制度を運用しています。当社は、他の模範となる極めて優れた削減実績があるとして、特別優良事業者に選定されました。
・令和2年「海の日」開示関係功労者大臣表彰を受賞
2020年7月、イオンモール富津(千葉県)は、1998年から年2回おこなっている布引海岸での清掃活動が評価され、国土交通省が主催する「海の日」開示関係功労者大臣表彰を受賞しました。
(注)1.電気自動車推進イニシアチブ。温室効果ガス排出量の削減に取り組む国際環境NGOのクライメイトグループにより、2017年9月18日から24日にニューヨーク市で開催された気候週間で発足を発表。EV100とは、企業による電気自動車の使用や環境整備促進をめざす国際的なビジネスイニシアチブ。当社は2017年11月10日より正式参加しました。
2.イオンリテール株式会社より管理・運営業務を受託している57モールを含んだ数値で記載しています。また、海外モール数について、海外現地法人の決算期は12月末ですが、日本の会計年度における数値を記載しています。
3.当社が管理・運営する施設以外で、イオングループに設置している10施設を含みます。
4.GRESB (グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)は、欧州の年金基金のグループを中心に創設されたGRESB財団が行うアンケート調査に基づき、不動産会社・不動産運用機関のサステナビリティ・パフォーマンスを測るベンチマークです。
5.CDPとは運用総資産106兆米ドルを超える515以上の機関投資家等の要請により、温室効果ガス排出削減活動や気候変動緩和などの環境問題に関する企業の戦略及び対応を調査し、その結果を公表している非営利団体です。今回の調査では、約9,600以上の企業がCDPを通じて環境問題に関する戦略及び対応について情報を開示しました。
6.経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を選定し、発表しているもので、「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じ、企業への投資を促進し、各社の取り組みを加速化していくことを狙いとしています。
当社は更なるESGの取り組みを拡充し、持続可能な社会の実現に貢献していくため、新型コロナウイルス感染症対策、東日本大震災復興支援および国内外モールのグリーンビルディング推進等の資金調達として、国際資本市場協会(ICMA)のガイドラインに基づき「サステナビリティボンド・フレームワーク」を策定し、同ガイドラインのソーシャルボンド原則及びグリーンボンド原則等との適合性に対する外部評価(セカンドオピニオン)を株式会社格付投資情報センター(R&I)より取得、2020年9月24日にサステナビリティボンド300億円を発行し、当連結会計年度は対象事業に130億円充当いたしました。
<当連結会計年度の資金充当状況>(単位:百万円)
(6)生産、受注及び販売の実績
①生産実績、受注実績
生産及び受注の状況については、当社グループは生産を行っておらず、また受注の形態を取っていないため該当事項はありません。
②販売実績
当連結会計年度における営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の営業収益実績及び当該営業収益実績に対する割合は次のとおりであります。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
a.連結経営成績に関する説明
当社は、経営理念の実現とさらなる事業成長を遂げるため、長期ビジョンである2026年2月期(2025年度)にめざす姿を定め、ESG視点に基づく経営による社会価値・環境価値・経済価値の創出を通して、地域社会とともに持続的な成長の実現に向けて取り組んでいます。
2021年2月期(2020年度)を初年度とする中期経営計画(2020~2022年度)では、「海外における高い利益成長の実現」「国内における安定的成長の実現」「成長を支えるファイナンスミックスとガバナンス体制構築」「ESG経営の推進」を成長施策として掲げています。
当連結会計年度は、第1四半期連結会計期間に新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大し、当社が出店している中国、アセアン、日本において、行政による要請や感染拡大防止への配慮からモールの営業時間短縮や臨時休業を実施しました。重要な事業パートナーである専門店企業に対しては、モール営業上の制約が出ていることを踏まえ、賃料の減免等の支援を実施する一方で、休業期間におけるモールの管理・運営コストの見直しを図り、コスト圧縮に努めました。
当連結会計年度における業績は、営業収益は2,806億8千8百万円(前期比86.6%)、営業利益は343億9千4百万円(同56.6%)、経常利益は284億3千7百万円(同50.7%)、親会社株主に帰属する当期純損失は18億6千4百万円(前連結会計年度は342億3千9百万円の利益)となりました。
なお、当連結会計年度における一時休業期間中の固定費等は、新型コロナウイルス感染症による損失として165億7千2百万円を特別損失に計上しました。
◆連結経営成績 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (前期比) | |
| 営業収益 | 324,138 | 280,688 | △43,450 (86.6%) |
| 営業利益 | 60,794 | 34,394 | △26,400 (56.6%) |
| 経常利益 | 56,117 | 28,437 | △27,679 (50.7%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 34,239 | △1,864 | △36,103 (-) |
b.セグメント別事業概況に関する説明
◆セグメント別業績 (単位:百万円)
| 営業収益 | セグメント利益 | ||||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (前期比) | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 (前期比) | ||
| 日本 | 274,999 | 237,093 | △37,906 (86.2%) | 52,460 | 30,597 | △21,862 (58.3%) | |
| 中国 | 35,850 | 31,353 | △4,496 (87.5%) | 5,622 | 2,296 | △3,325 (40.9%) | |
| アセアン | 13,288 | 12,241 | △1,047 (92.1%) | 2,686 | 1,474 | △1,211 (54.9%) | |
| 海外 | 49,138 | 43,594 | △5,543 (88.7%) | 8,308 | 3,771 | △4,537 (45.4%) | |
| 調整額 | - | - | - (-) | 25 | 25 | - (100.0%) | |
| 合計 | 324,138 | 280,688 | △43,450 (86.6%) | 60,794 | 34,394 | △26,400 (56.6%) | |
<海外>営業収益は435億9千4百万円(前期比88.7%)、営業利益は37億7千1百万円(同45.4%)となりました。
中国・アセアン各国における消費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時的に落ち込みましたが、営業再開後は、出店国、出店エリアごとで回復状況に濃淡はあるものの海外全体で見れば改善が進んでおり、引き続き高い成長の実現をめざしていきます。
2025年に海外70モール体制を計画していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、新規物件地の交渉や街づくりに遅れが生じたことから出店計画を変更し、2025年に50モール体制の実現に向けた出店準備を進めていきます。2025年度末時点では、物件のパイプラインとして70モール体制となる仕込みを完了させるべく、中国・アセアンとも高い成長力が見込まれるエリアにおいて探索・確保を進めていきます。
なお、海外現地法人の決算期は12月末のため、当連結会計年度の業績は1月~12月となります。
(中国)
営業収益は313億5千3百万円(前期比87.5%)、営業利益は22億9千6百万円(同40.9%)となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大による武漢市封鎖に伴い2020年1月24日より同市3モールにて専門店を臨時休業、以降2020年2月中旬にかけて、中国全土への感染拡大に伴い、中国で展開する全21モール中、最大11モールを臨時休業しました。2020年2月22日から3月にかけて段階的に営業を再開し、2020年4月1日には全21モールの専門店営業を再開しました。政府指示により休業を継続していたシネマについても、7月20日より順次営業を再開し、8月初旬には全モールで営業を再開しました。
安全・安心を第一に、当社モール主導でライブコマースのプラットフォームを立ち上げ、専門店におけるライブコマースの実施や飲食専門店に対するデリバリーキャンペーンの実施、大型平面駐車場を活用した夜市開催等、消費行動の変容や政府による景気刺激策に対応した施策を推し進めました。
11月には、ダブル11(毎年11月11日に開催される中国最大の電子商取引イベント)を皮切りに年末年始に向けた特別キャンペーン「ALIVE WINTER PLAN」を開催しました。各種イベントやセールを実施する他、オンライン販売サイトにおいて、ダブル11セールやデジタルお買物券企画、中国で人気の専門店約30店舗によるライブコマース開催等、最新デジタルプロモーションを展開しました。
既存モールでは、イオンモール武漢金橋(湖北省武漢市)において、6月に食物販ゾーンのリニューアル、イオンモール武漢金銀潭(湖北省武漢市)において、7月に増床リニューアルを実施しました。イオンモール武漢金銀潭では、本棟4階の駐車場を店舗化し、世界各国の飲食専門店を集結させたレストラン街に加え、フードコートとアミューズメントを新設する等、48店舗を導入しました。
当連結会計年度の中国既存19モールの専門店売上は、第1四半期連結会計期間における休業の影響もあり、前期比79.8%となりました。営業再開以降、上記の取り組みの効果等もあり、第4四半期連結会計期間(3ヶ月)では前期比102.9%と前年を上回るトレンドに回復しました。
(アセアン)
営業収益は122億4千1百万円(前期比92.1%)、営業利益は14億7千4百万円(同54.9%)となりました。
ベトナムでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の規制により、2020年3月28日から4モールの専門店営業を臨時休業しましたが、2020年4月24日に営業を再開し、全5モールでの営業体制となりました。7月下旬に新型コロナウイルス感染者が拡大したことから一時的に各モールの来店客数、売上は落ち込みましたが、同国の厳格なウイルス封じ込め対策により客足の戻りが早く、第4四半期連結会計期間(3ヶ月)のベトナム既存4モールの専門店売上は前期比101.4%と前年を上回るトレンドに回復しました。
カンボジアでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、既存2モールの営業時間を短縮していましたが、6月に通常の営業時間に戻し、8月には休業していたシネマも営業再開しました。新型コロナウイルス感染症の影響は軽微でしたが、同国内に居住する外国人等が帰国した影響があり、当連結会計年度の既存2モールの専門店売上は前期比75.1%となりました。
インドネシアでは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府による大規模社会制限の実施により、2020年3月31日から既存2モールの専門店営業を臨時休業しましたが、6月15日に営業を再開しました。インドネシア国内では、新型コロナウイルス感染者の増加が止まらず、既存2モールの来店客数は前年比で半減という厳しい状況が続いていますが、地元企業と連携したフードデリバリー割引キャンペーンを実施する等、売上確保に努めました。
当連結会計年度における新規モールとして、10月にインドネシア3号店となるイオンモール セントゥールシティ(西ジャワ区)、12月にベトナム6号店となるイオンモール ハイフォンレチャン(ハイフォン市)の計2モールをオープンしました。
イオンモール セントゥールシティは、ジャカルタ中心部から車で約1時間の西ジャワ州ボゴール県内の開発エリア内に立地しています。同エリアでは既に住宅、オフィス、ホテル、学校等の開発が行われ、今後高い成長が期待されるとともに、ジャカルタ中心部とボゴールを結ぶ次世代型交通システムが将来計画されており、広域集客も期待できる立地です。なお、10月のオープンは一部先行オープンで、2021年にグランドオープンを予定しています。
イオンモール ハイフォンレチャンは、ベトナム第三の中央直轄市であるハイフォン市に立地し、北部最大の港湾都市として大規模なインフラ整備が進み、経済成長と商業発展が期待されるエリアです。当モールでは、ショッピング、食事、エンターテインメント等、地域ニーズに対応したMDに取り組みました。また、モール外壁に大型デジタルスクリーン、館内にタッチパネル方式の情報検索用サイネージ等、100台以上のデジタルサイネージを導入し、館内マップ検索や新型コロナウイルス感染症対策サイン表示に活用する等、最新のデジタル体験を提供しています。
ベトナムでは、10月にホーチミン市政府との間で「ホーチミン市におけるショッピングモール開発に関する投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結しました。本覚書に基づき、ホーチミン市での大型ショッピングモール事業の更なる展開に向けた相互協力体制を強化し、地域の活性化やお客さまへの新たなサービス創出に取り組んでいきます。
カンボジアでは、イオンモール プノンペン(プノンペン都)において、10月にカンボジア初となるラグジュアリーブランド「COACH」を導入しました。当モールでは、2021年にラグジュアリーモールへと生まれ変わる大型リニューアルを計画しています。
インドネシアでは、イオンモール ジャカルタガーデンシティ(ジャカルタ市)において、11月にジャカルタ特別州の行政機能であるSAMSAT(ワンストップ統合行政システム)をオープンしました。来店ついでに車やバイクの車両登録や自動車税の納税等の行政手続きを行える環境を提供し利便性を高めました。同施設では、今後運転免許更新センターのオープンも予定しており、さらなる集客拡大を図っていきます。
イオンモール セントゥールシティにおいて、所在するボゴール県との間で「地域活性化に関する連携協定書」を締結しました。本協定は、ボゴール県にお住まいの地域の方々の利便性向上や地域の情報発信、コミュニティの拠点となることを目的としたもので、双方の資源を有効に活用、連携することで地域の活性化を推進していきます。
新たな出店国として、ミャンマーのヤンゴン郊外(ヤンゴン管区ダゴンセイカンタウンシップ)に、2023年に1号店出店を計画しています。当社とミャンマー最大の不動産ディベロッパーであるSHWETAUNG(シュエタン) REAL ESTATE CO.,LTD.と合弁会社を設立し、今後、合弁会社がミャンマーにおける多店舗展開に向けた物件開発を推し進めていきます。イオングループではこれまで、ミャンマーにおける学校建設支援事業や植樹活動等の社会貢献活動を実施し、交流を深めてまいりましたが、モール事業を通して新たなライフスタイルの提案、経済活性化に寄与してまいります。
なお、2021年2月にミャンマー国軍によるクーデターが発生し、同国内は非常事態宣言下にあることから、現地の状況を踏まえて従業員の安全を最優先しながら対応してまいります。
<当連結会計年度における海外新規モール>
| 名称 | 所在 | オープン | 専門店数 | 総賃貸面積 | |
| インドネシア | イオンモール セントゥールシティ | 西ジャワ区 | 2020年10月28日 | 270 | 70,000㎡ |
| ベトナム | イオンモール ハイフォンレチャン | ハイフォン市 | 2020年12月14日 | 190 | 70,000㎡ |
(注)1.イオンモール セントゥールシティは一部先行オープンで、2021年にグランドオープンを予定しています。
2.イオンモール タンジュンバラット(インドネシア南ジャカルタ区)は、建築工事スケジュールの変更に伴い、オープン予定時期を2021年度に変更しました。
<日本>営業収益は2,370億9千3百万円(前期比86.2%)、営業利益は305億9千7百万円(同58.3%)となりました。
国内では、2020年4月7日に緊急事態宣言が発令されたことを受け、2020年4月8日から当社グループが管理・運営するモールの専門店および都市型ショッピングセンターを段階的に臨時休業し、2020年4月18日からは全国164施設全てを臨時休業しました。その後、緊急事態宣言の段階的解除を受け、5月13日より順次営業を再開し、5月28日には全施設の営業を再開しました。
営業再開にあたって、出入口へのAIによる検温器設置、売場・後方における飛沫感染防止対策としてのアクリル板の設置、来店客管理システムのデータに基づく入館制限基準の策定、外気取り込み量増加によるモール館内の換気機能強化等、感染拡大防止と安全・安心のための対策を実施しました。
新しい生活様式に合致したエンターテインメントとして、全国のイオンモール屋外駐車場にてドライブインシアターやドライブインパブリックビューイング等を開催しました。
ユーザビリティを向上し、よりストレスフリーなショッピング環境の提供を目的として、6月にイオンモールアプリを全面リニューアルしました。同アプリを活用し、来店時間のピーク分散やアイドルタイムでの飲食店利用など、お客さまの行動変容にあわせたクーポン発行、ポイント還元などのサービス提供を行い、専門店事業をサポートしました。同アプリは、アプリ分析プラットフォームを手がけるフラー株式会社が主催する日本最大級のアプリの祭典「App Ape Award 2020」において、2020年に本質的な成長を遂げたアプリとして、アプリ オブ・ザ・イヤー優秀賞を受賞しました。今後更なる機能拡充により利便性向上を図っていくことで、デジタル化を通じたお客さまの購買体験の高度化を推し進めていきます。
11月に開催した「イオンモール ブラックフライデー」では、お客さまの来店分散化を図るため、開催期間を前年の5日間から10日間に拡大しました。例年のセール企画に加え、ライブコマースやイオンモールアプリで参加いただける抽選会等、コロナ禍でもお買い物を楽しんでいただける、リアル・オンラインの両チャネルを活用した新企画を実施しました。
地域におけるワンストップソリューションの提供に向けたモール機能強化として、12月にイオンモール宇城(熊本県)に、宇城市小川支所新庁舎が外部棟に開所しました。モールへの支所移転は全国初であり、就労支援を目的とした障がい者施設の運営によるカフェや、子育て世代を対象に広い空間を利用した憩いスペースの設置など、利用者の利便性向上を図りました。
ヘルス&ウエルネスの取り組みとして、ミズノ株式会社と共同で、リアルとデジタル双方でのスポーツ体験を通じたスポーツ実施者の増加方策事業を推進しています。本事業では、スポーツへの意欲向上や実施回数の拡大、スポーツ体験を通じた健康サポートの実現をめざし、11月から12月にかけて全国6モールでスポーツ体験イベントの開催、および両社のWEBサイトやアプリ等を通じたデジタルコンテンツの配信を実施しました。当プロジェクトによる取り組みは、スポーツ庁の公募事業「令和2年度Sport in Life推進プロジェクト」に採択されました。
当連結会計年度における新規モールとして、12月にイオンモール上尾(埼玉県)をオープンしました。当モールは、コロナ禍における新規オープン1号店として、館内全ての吹き抜けへのサーキュレーター設置や吹き抜け上部のハイサイドライト窓の開放等、換気機能の強化を図りました。当モールにおける防疫対策の取り組みは、来訪者や従業員の健康と安全に配慮した施設としての評価を受け、国内商業施設で初めて「WELL Health-Safety Rating」を取得しました。また、ニューノーマルなモールづくりとして、上尾市との地域連携協定締結により地域密着に注力した取り組みとともに、案内ロボットの導入、「お客さまの声」のデジタル化、外壁の320インチ大型サイネージによる情報発信等、デジタルを活用した取り組みを推し進めました。
既存モールでは、8モールのリニューアルに加え、イオンモール高崎(群馬県)、イオンモール高知(高知県)の増床リニューアルを実施しました。
イオンモール高崎において、6月に既存棟と合わせて全体の約50%となる106店舗をリニューアルしました。増床棟では大型ファストファッションや書籍、家電、ペット用品等のライフスタイル型専門店を導入し、3階フードコートは12店舗・700席から16店舗・1,000席のフードコートに拡大しました。
イオンモール高知において、9月に既存棟と合わせて全体の58%となる92店舗をリニューアルしました。増床棟では、2階に国内外の大型ファストファッション専門店を導入し、既存棟から移転した3階フードコートは10店舗・650席から14店舗・1,000席の大型フードコートに拡大しました。また、館内の換気機能をより促進するために、換気扇の増設や高性能フィルターを使用した空気清浄機をフードコートに新設する等、防疫対策の取り組みを強化しました。
当連結会計年度の国内既存83モールの専門店売上は前期比76.0%となりました。第3四半期連結会計期間(3ヶ月)では、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」のメガヒットによるシネマの集客効果等もあり、前期比91.8%まで回復しましたが、11月下旬より新型コロナウイルス感染症が再び拡大し、11都府県を対象に緊急事態宣言が再発令された影響もあり、第4四半期連結会計期間(3ヶ月)では前期比85.9%となりました。
都市型ショッピングセンター事業を手掛ける株式会社OPA(以下、「旧OPA」)は、2021年3月1日に、旧OPAが新設する100%子会社(以下、「新OPA」)を承継会社として会社分割(新設分割)し、分割会社(旧OPA)を当社が吸収合併しました。
新OPAはターミナル立地中心の都市型施設の管理・運営に特化し、経営リソースを集中することにより、新たな価値創造を図っていきます。旧OPAが保有するコミュニティ型施設および都市型施設の一部は当社が吸収し、デイリーニーズを満たす施設への変革や、物件によっては再開発実施により、物件価値の向上に取り組んでいきます。
<当連結会計年度におけるリニューアルモール>
| 名称 | 所在 | リニューアル オープン日 | 専門店数 | リニューアル 専門店数 |
| イオンモール座間(注1) | 神奈川県 | 3月6日 | 160 | 1 |
| イオンモール三光(注1) | 大分県 | 3月7日 | 70 | 1 |
| イオンモール四條畷 | 大阪府 | 3月13日 | 200 | 6 |
| イオンモール川口前川 | 埼玉県 | 3月19日 | 170 | 14 |
| イオンモール日の出 | 東京都 | 3月20日 | 160 | 21 |
| 9月18日 | 5 | |||
| イオンモール東員 | 三重県 | 3月20日 | 155 | 21 |
| イオンモール幕張新都心 | 千葉県 | 4月24日 | 360 | 33 |
| イオンモール高崎(注2) | 群馬県 | 6月26日 | 210 | 106 |
| イオンモール高知(注3) | 高知県 | 9月17日 | 160 | 92 |
| イオンモール岡崎 | 愛知県 | 10月16日 | 170 | 60 |
(注)1.イオンモール座間、イオンモール三光はシネマ棟の増床。
2.イオンモール高崎は増床リニューアル。専門店数は210店舗(+40店舗)、総賃貸面積は76,000㎡
(+17,000㎡)に拡大。
3.イオンモール高知は増床リニューアル。専門店数は160店舗(+20店舗)、総賃貸面積は69,000㎡
(+12,000㎡)に拡大。
<当連結会計年度における国内新規モール>
| 名称 | 所在 | オープン | 専門店数 | 総賃貸面積 |
| イオンモール上尾 | 埼玉県 | 2020年12月4日 | 120 | 34,000㎡ |
(注)イオンモール新利府 南館(宮城県)は、建築工事スケジュールの変更に伴い、オープンを2021年3月5日に変更しました。
(2)財政状態の状況
(資産)
総資産は、前連結会計年度末と比較して129億8千1百万円増加し、1兆3,941億9千9百万円となりました。これは、関係会社預け金が634億円減少したこと等により現金及び預金が731億5千9百万円増加したこと、既存店の活性化や将来の開発用地の先行取得等が792億1千2百万円なされた一方で、585億8千6百万円の減価償却があったこと等によるものです。
(負債)
負債は、前連結会計年度末と比較して300億1千7百万円増加し、1兆67億1千2百万円となりました。これは、社債(「1年内償還予定の社債」を含む。)が450億円、リース債務(流動負債の「リース債務」を含む。)が112億5千4百万円増加した一方で、長期借入金(「1年内返済予定の長期借入金」を含む。)が126億7千1百万円、専門店預り金が52億3百万円、設備に関する未払金等が34億9千万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して170億3千5百万円減少し、3,874億8千6百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失18億6千4百万円の計上や配当金91億円の支払い等による利益剰余金の減少、為替換算調整勘定が60億3千6百万円減少したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して97億1千1百万円増加し、1,240億8千万円となりました。
キャッシュ・フローの状況等については、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、616億2千1百万円(前連結会計年度1,336億4千5百万円)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が42億6千8百万円(同540億1千9百万円)、減価償却費が585億8千6百万円(同568億5千8百万円)となる一方で、法人税等の支払額が115億2千8百万円(同157億1百万円)、専門店預り金が51億8千4百万円の減少(同230億7千4百万円の増加)となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、644億4千4百万円(同957億8千3百万円)となりました。主な要因は、前連結会計年度に増床を実施したイオンモール高岡(富山県)や、同年度にてオープンしたイオン藤井寺ショッピングセンター(大阪府)等の設備代金の支払により、有形固定資産の取得による支出が575億3千5百万円(同971億9千2百万円)生じたこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、122億4千4百万円(同228億8百万円)となりました。主な要因は、社債の発行による収入が600億円(同800億円)、長期借入れによる収入が237億3千4百万円(同85億円)となる一方で、長期借入金の返済による支出が357億7千4百万円(同240億1千5百万円)、社債の償還による支出が150億円(同150億円)、配当金の支払額が91億円(同88億7千2百万円)となったこと等によるものです。
なお、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した資金及び金融機関からの借入れ、社債の発行等により調達した資金を、運転資金、設備投資資金、並びに配当金の支払等に投入しております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2020年2月期 | 2021年2月期 | |
| 自己資本比率(%) | 28.5 | 27.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 25.2 | 29.2 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 5.0 | 11.5 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 13.7 | 6.3 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、リース債務(流動負債)、社債、長期借入金及びリース債務(固定負債)を対象としています。
3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いています。
(4)目標とする経営指標の状況
2020年2月期(2019年度)より在外連結子会社においてIFRS第16号が適用となったこと、また、将来にわたるキャッシュ・フローの最大化および企業価値向上を目的として、EPS成長率7%(2019年度~2025年度までの年率成長率)、純有利子負債EBITDA倍率4.5倍以内、投下資本利益率(ROIC)5%以上を目標とする経営指標(2025年度目標)としています。
2021年2月期の各種指標の実績は、以下の通りです。なお、EPS成長率は、当連結会計年度の1株当たり当期純利益が損失であるため、算出しておりません。
純有利子負債EBITDA倍率:6.2倍、投下資本利益率:2.2%
(注)EPS:親会社株主に帰属する当期純利益/期中平均株式数
純有利子負債EBITDA倍率:(有利子負債-現金及び現金同等物の期末残高)/(営業利益+キャッ
シュ・フロー計算書上の減価償却費)
投下資本利益率:営業利益×(1-実効税率)/(期首・期末平均自己資本+期首・期末平均有利子負債)
(5)環境保全・社会貢献活動
当社は、「社会」「環境」「倫理」の側面から企業活動の方針を定め、これを推進する「イオンモールCSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)会議」を毎月開催し、ESGへの取り組みの進捗管理および課題解決に向けての迅速な意思決定を行っています。
<環境課題の解決に向けて>・脱炭素社会の実現に向けた取り組み
イオングループは脱炭素社会の実現をめざし、2018年3月に「店舗で排出するCO2等を2050年までに総量でゼロにする」「事業の過程で発生するCO2等をゼロにする努力を続ける」「すべてのお客さまとともに脱炭素社会の実現に努める」という3つの視点で取り組む「イオン脱炭素ビジョン2050」を策定しました。当社ではこの目標達成に向けて、太陽光発電設備およびEV充電器の設置等による省エネルギー活動を推進しています。
これまでにCO2フリー電力の活用を行ったイオン藤井寺ショッピングセンター(大阪府)、イオンモール名古屋茶屋(愛知県)、イオンモール長久手(愛知県)、イオンモール岡崎(愛知県)に加え、新たに2020年度は、イオンモール上尾(埼玉県)、イオンモール松本(長野県)、イオンモール津南(三重県)においてCO2フリー電力の活用を開始しました。イオンモール上尾ではテナントを含めたモール全体が完全にCO2フリーの電力で運営しており、本年度に導入した3モールの6月から12月までの7か月間で合計約268トンのCO2を削減しました。
また、当社は2017年に日本企業として初めてEV100(注1)へ参加し、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリッドカー)でも安心してご来店いただける環境整備を進めています。当連結会計年度末時点で、国内外156モール(注2)に2,422基のEV充電器を設置しています。日本政府が2030年代半ばまでに国内のガソリン車の販売をなくすことが発表され、今後EV、PHVがさらに普及することが見込まれます。それに伴い、当社では短時間で充電が可能な急速充電器のさらなる拡充を予定しております。同時に、お客さまへの告知強化等により、既設の充電器利用率の増加をめざします。
・脱プラスチックの取り組み
使い捨てプラスチックの削減に向け2020年3月より、飲食店でのプラスチック製ストローの提供終了または紙ストローへの代替を実施しました。今後、脱プラスチック、プラスチックの資源循環へ向けたアクションプランを策定し推進していきます。
・植樹活動
イオングループでは、イオンの基本理念を具現化する活動として、1991年から継続して植樹活動を実施しており、地域の自然環境に最も適した、その土地に自生する樹木をお客さまとともに植えています。2019年度末現在、イオングループ全体での累計植樹本数は約1,212万本に達しています。当社では、2020年度には国内外の新規オープンした4モールで約54,000本の植樹を行いました。
・従業員のエコ検定取得
環境保護に対する意識の向上および取り組みの推進を目的として、国内の従業員にエコ検定の取得を推進しており、対象となる正社員1,729名のうち85.2%にあたる1,473名がエコ検定を取得しました。
<社会課題の解決に向けて>・認知症サポーター養成講座の受講
今後増加が見込まれる認知症の方への対応を学び、地域の様々なステークホルダーと連携して認知症の方を支える体制構築を目標に、2020年度より全社を挙げて取り組みを開始しました。2020年度下期はWEB講座を実施し、各モールでの独自開催分を含め累計407名が受講しました。
・イオンゆめみらい保育園
子育てをしながら働く従業員の活躍支援を目的として、事業所内保育施設「イオンゆめみらい保育園」の設置を進めており、当連結会計年度末において31園(注3)となりました。今後もモール専門店の従業員やグループ企業の従業員をはじめ、より多くの方々の仕事と育児の両立支援、待機児童解消の一助となる取り組みを進めていきます。
・地域コミュニティ機能の強化
ローカライゼーションの視点に基づいた地域のコミュニティセンターとしてのモールづくりに取り組んでおり、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟の協力による全国防災キャラバンの実施や、期日前投票所の設置等の取り組みを進めています。また、お客さまの利便性向上の観点から、モール館内に郵便局、市役所出張所、図書館、クリニックモール、フィナンシャルモール等の地域インフラ機能の拡充を進めています。
・献血活動
日本赤十字社と共に推進している献血活動について、2020年度は4月16日に発令された緊急事態宣言により、企業や学校、商業施設での献血機会の減少に伴い献血量の減少が懸念されたことを受け、当社では5月より営業再開したモールで順次受け入れをし、献血活動を強化しました。5月、6月の累計で、122モールにおいて合計832回の献血を実施しました。45,123名の方(うち、献血実施は39,224名)にご協力いただき、14,905ℓの採血量が集まり、前年よりも多くの方にご参加いただくことができました。
・イオン心をつなぐプロジェクト
東日本大震災復興支援活動である「イオン心をつなぐプロジェクト」では、被災地の復興に向け、植樹活動やボランティア活動に当社従業員が参加する等、支援活動を続けてきました。2021年度は10年間にわたる被災地でのすべての活動を総括し、その知見と学びを全国各地の社会課題解決に向けた支援へ繋げていきます。
・公益財団法人イオンワンパーセントクラブ
イオングループの主要各社が税引前利益の1%を拠出し、社会貢献活動を行う公益財団法人イオンワンパーセントクラブの取り組みに協賛し寄付を行うとともに、伝統的な文化・工芸・技術の普及啓蒙事業協力事業者、全国募金協力事業者として継続的に社会貢献活動を行っています。
<外部からの評価>・WELL Health-Safety Rating
イオンモール上尾(埼玉県)は、世界的な新型コロナウイルス対策への評価「WELL Health-Safety Rating」を国内の商業施設で初めて取得しました。当モールは、お客さまや従業員が安全・安心にご利用いただける施設をめざし、2020年6月に制定した「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」に基づき、施設内での飛沫感染、接触感染防止対策をはじめ、各出入口での安全対策や施設の清掃管理などを徹底した管理・運営を行っています。同評価については、2021年3月にオープンしたイオンモール新利府 南館(宮城県)においても取得しております。
・GRESBリアルエステイト評価
2020年GRESB(注4)リアルエステイト評価において、当社は、総合スコアのグローバル順位により5段階で格付されるGRESBレーティングで最高位の「5スター」を取得しました。また、ESG推進のための方針や組織体制などを評価する「マネジメント・コンポーネント」と保有物件での環境パフォーマンスやテナントとの取り組み等を評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者であることを示す「グリーンスター」の評価を6年連続で獲得しました。
・CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)
気候変動に対する取り組みおよび情報開示が評価され、CDP(注5)より8段階の評価のうち2番目に位置するスコアA-を取得しました。サプライチェーンを通した気候変動対策に取り組み、温室効果ガス排出量の削減活動を実施していることを評価され、最高位である「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード」に初めて認定されました。
・なでしこ銘柄
女性が活躍して働き続けるための環境整備を進めており、女性人材の活用を積極的に進めている上場企業として「なでしこ銘柄」(注6)に5年連続で選出されました。2020年度は昨年度に引き続き、男性従業員の育児休職取得促進に取り組み、独自の育児休業扶助金制度の周知に加え、育児休職取得計画シートを導入しました。出産予定日がわかった段階から家族、部署そして人事部と育児休職の取得計画を立てることでより取得しやすい環境を整備しました。
・健康経営優良法人2021 (大規模法人部門)
当社が健康と福祉を重要なマテリアリティと定義し、従業員教育、労働時間適正化、運動機会の提供等、心と身体の健康づくりに向けた具体的施策を行っていることが評価され、経済産業省と日本健康会議が主催する健康経営優良法人制度により、「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」に2年連続で認定されました。
・事業者排出量削減計画書制度 特別優良事業者(京都市)
京都市地球温暖化対策条例に基づき、特定事業者が提出する排出量削減計画書及び報告書を総合的に評価する制度を運用しています。当社は、他の模範となる極めて優れた削減実績があるとして、特別優良事業者に選定されました。
・令和2年「海の日」開示関係功労者大臣表彰を受賞
2020年7月、イオンモール富津(千葉県)は、1998年から年2回おこなっている布引海岸での清掃活動が評価され、国土交通省が主催する「海の日」開示関係功労者大臣表彰を受賞しました。
(注)1.電気自動車推進イニシアチブ。温室効果ガス排出量の削減に取り組む国際環境NGOのクライメイトグループにより、2017年9月18日から24日にニューヨーク市で開催された気候週間で発足を発表。EV100とは、企業による電気自動車の使用や環境整備促進をめざす国際的なビジネスイニシアチブ。当社は2017年11月10日より正式参加しました。
2.イオンリテール株式会社より管理・運営業務を受託している57モールを含んだ数値で記載しています。また、海外モール数について、海外現地法人の決算期は12月末ですが、日本の会計年度における数値を記載しています。
3.当社が管理・運営する施設以外で、イオングループに設置している10施設を含みます。
4.GRESB (グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)は、欧州の年金基金のグループを中心に創設されたGRESB財団が行うアンケート調査に基づき、不動産会社・不動産運用機関のサステナビリティ・パフォーマンスを測るベンチマークです。
5.CDPとは運用総資産106兆米ドルを超える515以上の機関投資家等の要請により、温室効果ガス排出削減活動や気候変動緩和などの環境問題に関する企業の戦略及び対応を調査し、その結果を公表している非営利団体です。今回の調査では、約9,600以上の企業がCDPを通じて環境問題に関する戦略及び対応について情報を開示しました。
6.経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を選定し、発表しているもので、「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じ、企業への投資を促進し、各社の取り組みを加速化していくことを狙いとしています。
<当連結会計年度の資金充当状況>(単位:百万円)
| 対象事業 (新規/リファイナンス) | 事業カテゴリー | 充当予定金額 | 充当実施金額 | ||
| グリーン | ソーシャル | ||||
| 新型コロナウイルス対策 | モールの検温機器導入費用 (新規・リファイナンス) |  ̄ | 社会経済的向上とエンパワーメント | 100 | 77 |
| 出店企業に対する事業継続支援(リファイナンス) |  ̄ | 社会経済的向上とエンパワーメント/中小企業向け資金供給およびマイクロファイナンスによる潜在的効果の活用を含めた雇用創出 | 3,000 | 3,000 | |
| マスク・消毒液・パーティション等の感染防止のための備品取得費用(リファイナンス) |  ̄ | 社会経済的向上とエンパワーメント | 400 | 400 | |
| 東日本大震災復興支援 | イオンモールいわき小名浜の建設(リファイナンス) |  ̄ | 社会経済的向上とエンパワーメント/必要不可欠なサービスへのアクセス | 6,500 | 0 |
| 海外モール | (仮称)イオンモール ホアンマイ(ベトナム)の建設(新規) | グリーンビルディング/再生可能エネルギー/エネルギー効率 |  ̄ | 5,000 | 980 |
| イオンモール ミエンチェイ(カンボジア)の建設(新規) | グリーンビルディング/再生可能エネルギー/エネルギー効率 |  ̄ | 5,000 | 2,380 | |
| 国内モール | イオンモール上尾の建設 (新規) | グリーンビルディング/エネルギー効率 |  ̄ | 5,000 | 1,166 |
| イオン藤井寺SCの建設 (リファイナンス) | グリーンビルディング/再生可能エネルギー/エネルギー効率 |  ̄ | 5,000 | 5,000 | |
| 合計 | 30,000 | 13,003 | |||
(6)生産、受注及び販売の実績
①生産実績、受注実績
生産及び受注の状況については、当社グループは生産を行っておらず、また受注の形態を取っていないため該当事項はありません。
②販売実績
当連結会計年度における営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 営業収益(百万円) | 前年同期比(%) |
| 日本 | 237,093 | 86.2 |
| 中国 | 31,353 | 87.5 |
| アセアン | 12,241 | 92.1 |
| 合計 | 280,688 | 86.6 |
(注)1.主な相手先別の営業収益実績及び当該営業収益実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| イオンリテール㈱ | 33,671 | 10.4 | 32,734 | 11.7 |
2.金額には、消費税等は含まれておりません。