四半期報告書-第111期第3四半期(令和3年9月1日-令和3年11月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の状況
a.連結経営成績に関する説明
当社は、経営理念の実現とさらなる事業成長を遂げるため、長期ビジョンである2026年2月期(2025年度)にめざす姿を定め、社会価値・環境価値・経済価値の創出を通じて、地域社会とともに持続的な成長の実現に向けて取り組んでいます。
2021年2月期(2020年度)を初年度とする中期経営計画(2020~2022年度)では、「海外における高い利益成長の実現」「国内における安定的成長の実現」「成長を支えるファイナンスミックスの推進とガバナンス体制強化」「ESG経営の推進」を成長施策として掲げています。
成長施策の推進においては「海外事業の利益成長の実現と新規出店の加速」「CX(カスタマーエクスペリエンス)の創造によるリアルモールの魅力の最大化」「次世代モールの構築と都市型SC事業の推進」「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」「中期戦略の推進とESG視点に基づく改革の加速」を経営課題およびめざす姿として定めております。これらの取り組みを通じて地域・社会の課題に対してソリューションを提供し続けることで、地域コミュニティにおける中核施設として社会インフラ機能のポジションを確立していきます。
お客さまおよび従業員の健康と生活を守り、お客さまとともに地域社会の安全・安心な生活を守ることを目的としたイオングループ制定による防疫対策等の基準「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」に基づき、感染防止対策を徹底したモール館内の環境改善やオペレーション体制による管理・運営を行っています。また、新常態(ニューノーマル)における新たなモールコンセプトやサービス機能の提供等、従来のビジネスモデルからの変革を進めていく好機と捉え、国内外において、社会変化に対応したモール創りに取り組んでいます。
当第3四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症の感染状況は国、エリアにより違いはあるものの、依然として収束には至らず、国内外の当社モールでは一部営業時間の短縮や臨時休業を実施しました。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、営業収益は2,332億8千6百万円(対前年同期比115.1%)、営業利益は283億4千6百万円(同123.1%)、経常利益は237億5千5百万円(同125.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は164億5千7百万円(前第3四半期連結累計期間は45億9千9百万円の損失)と増収増益となりました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない2020年2月期第3四半期連結累計期間との比較(以下、「一昨年対比」という。)では、営業収益は97.0%、営業利益は67.1%、経常利益は64.6%、親会社株主に帰属する四半期純利益は70.0%となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における一時休業期間中の固定費等は、新型コロナウイルス感染症による損失として36億6千3百万円を特別損失に計上しました。
◆連結経営成績 (単位:百万円)
[ご参考]2020年2月期第3四半期連結累計期間対比 (単位:百万円)
b.セグメント別事業概況に関する説明
◆セグメント別経営成績 (単位:百万円)
[ご参考]2020年2月期第3四半期連結累計期間対比 (単位:百万円)
①海外
営業収益は417億1千1百万円(対前年同期比137.5%)、営業利益は64億9百万円(同320.1%)と増収増益となりました。当第3四半期連結会計期間(7月~9月)にベトナムを中心としたアセアンにおいて新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う臨時休業実施等による影響を大きく受けましたが、中国では当第3四半期連結累計期間の専門店売上は伸長し、海外事業としては新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない一昨年対比においても、営業収益は115.8%、営業利益は104.6%と増収増益を確保しました。
中国では北京・天津・山東、江蘇・浙江、湖北、広東の4エリア、アセアンではベトナム、カンボジア、インドネシアの3国を中心にドミナント出店を進めています。当社モールのブランド力向上により集客力が高まることで、優良専門店の誘致や有利なリーシング条件での契約が可能となる等、ブランディングメリットの享受が進んでいます。
また、当社モールでは、日本で培った管理・運営ノウハウを活かし、消費を喚起するセールやイベントの開催による集客力の向上や、日本のモール環境と同等のクリンリネス(清潔、安全、快適な状態)の徹底および計画的な専門店入替を中心としたリニューアルを実施しています。
今後の成長戦略として、2025年に海外50モール体制の実現に向けた新規出店を加速していきます。2025年度末時点では、物件のパイプラインとして70モール体制となる仕込みを完了させるべく、中国・アセアンとも高い成長力が見込まれるエリアにおいて探索・確保を進めていきます。
なお、海外現地法人の決算期は12月末のため、当第3四半期連結累計期間の業績は1月~9月となります。
(中国)
[当第3四半期連結累計期間(1月~9月)]
営業収益は314億2千8百万円(対前年同期比145.4%)、営業利益は52億4千7百万円(同733.8%)と増収増益となりました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない一昨年対比でも、営業収益は118.6%、営業利益は127.8%と増収増益となりました。
当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は前期比147.2%(対象21モール)、一昨年対比105.7%(対象19モール)と伸長しました。7月下旬に中国全土で新型コロナウイルス感染症の新規感染者が発生し、8月には湖北省の一部モールを臨時休業しました。8月度の既存モール専門店売上は前期比85.8%、一昨年対比83.8%と一時的に影響を受けましたが、9月度は前期比106.2%、一昨年対比103.5%と早期に持ち直しました。
当第3四半期連結累計期間において、新規モールでは、5月に広東省4号店となるイオンモール広州新塘(広東省広州市)をオープンしました。既存モールでは、湖北省においてイオンモール武漢経開(湖北省武漢市)、イオンモール武漢金橋(湖北省武漢市)、イオンモール武漢金銀潭(湖北省武漢市)の3モール、広東省においてイオンモール広州番禺広場(広東省広州市)、イオンモール佛山大瀝(広東省佛山市)、イオンモール広州金沙(広東省広州市)の3モール、江蘇省においてイオンモール蘇州園区湖東(江蘇省蘇州市)でリニューアルを実施しました。
<当第3四半期連結累計期間における中国新規モール>
(注)1.2021年度中に順次オープン。
[第4四半期連結会計期間(10月~12月)]
10月の国慶節に伴う大型連休期間において、新型コロナウイルス感染症の懸念から長距離旅行などは敬遠され、エリア内での消費需要が高まったことから、10月度の既存モール専門店売上は一昨年対比116.0%と伸長しました。しかし、11月度、12月度には内陸部において発生した新型コロナウイルス感染症が各地に広がりつつあったことから、各地方政府において厳格なウイルス封じ込めに伴う活動制限やシネマ等の一部業種における入場制限措置等の影響もあり、第4四半期連結会計期間(10月~12月)の既存モール専門店売上は一昨年対比104.0%(速報ベース)となりました。
中国では、新型コロナウイルス感染症は局地的に発生事例があるものの、政府主導で厳格なウイルス封じ込め対策が取られることから短期間で収束する傾向にあり、当社モールの専門店売上に与える影響は限定的です。また、海外への移動制限が継続され、中国国内での消費需要が高まっていることから、当社モールの専門店売上はコロナ前の成長トレンドに回復しています。引き続き、中国国内の感染状況を注視しながら、積極的な営業施策を推し進めていきます。
(アセアン)
[当第3四半期連結累計期間(1月~9月)]
営業収益は102億8千2百万円(対前年同期比118.0%)、営業利益は11億6千2百万円(同90.3%)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない一昨年対比では、営業収益は107.7%、営業利益は57.6%となりました。前期比、一昨年対比とも、新規モールオープンの効果により増収となったものの、ベトナム、カンボジア、インドネシアでの新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、営業利益は減益となりました。
ベトナムでは、当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は前期比73.5%(対象5モール)、一昨年対比62.6%(対象4モール)となりました。5月にベトナム南部で拡大した新型コロナウイルス感染症は、7月以降ベトナム全土に拡大し、当社モールの出店エリアでは厳格な都市封鎖が実施され、当第3四半期連結会計期間(7月~9月)では専門店を臨時休業しました。こうした政府指示による社会隔離措置は9月末まで継続され、当第3四半期連結会計期間(7月~9月)の既存モール専門店売上は前期比9.7%、一昨年対比6.7%と大きな影響を受けました。
カンボジアでは、当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は前期比61.3%(2モール)、一昨年対比47.4%(2モール)となりました。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、ワクチン接種率向上に伴い7月をピークに減少基調にあるものの、シネマ、アミューズメント等一部業種の休業は継続し、売上トレンドの回復には至っていません。
インドネシアでは、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数減少に伴い、5月度に既存モール専門店売上は一昨年対比8割程度(対象2モール)まで回復しましたが、6月以降再び感染が拡大し、営業時間短縮やアミューズメント業種で休業等の規制が実施され、当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は一昨年対比4割程度と厳しいトレンドで推移しました。
[第4四半期連結会計期間(10月~12月)]
ベトナムでは、10月より政府指示による社会隔離措置が解除され、当社モール専門店の営業を再開しました。売上トレンドは改善基調であるものの、ワクチン未接種の専門店従業員は店頭での接客対応ができないといった営業上の規制も残っており、第4四半期連結会計期間(10月~12月)の既存モール専門店売上は一昨年対比70.9%(速報ベース)に留まりましたが、足元の12月度は84.8%(速報ベース)まで回復しています。
アセアン各国では、依然として営業時間短縮や一部業種の休業等を余儀なくされていますが、ワクチン接種率向上に伴い新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は減少基調です。引き続き、安全・安心を第一に防疫対策の強化を図りながら、集客および売上の早期回復に向けた施策を推進していきます。
新規モールでは、インドネシアにおいて、11月に4号店イオンモール タンジュン バラット(南ジャカルタ区)を一部先行オープンしました。デジタライゼーションの取り組みとして、中国発ECプラットフォーム企業「JD.ID(ジンドン・インドネシア)」と協業し、同社サイト内におけるバーチャルイオンモールの提案、ライブ動画配信用プラットフォームの共有など、ネットとリアルの融合により、お客さまに新たな利便性を提供しています。
また、2020年10月に一部先行オープンしていたイオンモール セントゥールシティ(西ジャワ区)を2021年10月にグランドオープンしました。
<第4四半期連結会計期間以降のアセアン新規モール>
(注)1.一部先行オープンで、2022年にグランドオープンを予定。
②日本
[当第3四半期連結累計期間(3月~11月)]
営業収益は1,915億7千5百万円(対前年同期比111.2%)、営業利益は219億1千7百万円(同104.3%)と増収増益となりました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない一昨年対比では、営業収益は93.7%、営業利益は60.7%となりました。
当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は前期比110.7%(対象84モール)、一昨年対比80.4%(対象83モール)となりました。
国内では、4月25日に発令された緊急事態宣言により、当社グループのモールおよび都市型ショッピングセンター30施設を5月11日まで臨時休業しました。その後も新型コロナウイルス感染症が拡大し続ける中、営業制限は緩和されたものの緊急事態宣言は対象エリアを拡大しながら9月30日まで断続的に実施されました。
9月度の既存モール専門店売上は前期比91.5%、一昨年対比69.1%でしたが、緊急事態宣言が解除された10月以降、お客さまの消費行動は外出自粛が続いた反動から改善傾向にあり、10月度は前期比95.2%、一昨年対比98.3%、11月度は前期比99.0%、一昨年対比92.8%、12月度は前期比106.3%、一昨年対比94.6%(12月度はいずれも速報ベース)とコロナ前の水準に戻りつつあります。
コロナ禍で取り組みを推進した「イオンモールアプリ」は2021年11月末時点でダウンロード会員数が約612万人まで拡大しました。10月にはアプリ会員向けのロイヤリティ企画を実施する等、さらなる認知度向上に向けたイベント実施や機能強化に伴う利便性向上により、お客さまのロイヤリティを向上し来店頻度向上を図っていきます。
当第3四半期連結累計期間においては、4モールを新規オープン、1モールを増床リニューアルオープンしました。新規モールでは、3月にイオンモール新利府 南館(宮城県)、6月にイオンモール川口(埼玉県)、7月にイオンモール白山(石川県)、10月にイオンモールNagoya Noritake Garden(愛知県)をオープンしました。既存モールでは、11月にTHE OUTLETS HIROSHIMA(広島県)を増床オープンしました。
<当第3四半期連結累計期間における国内新規モール>
<当第3四半期連結累計期間におけるリニューアルモール>
(注)1.イオンリテール株式会社からPM受託物件として管理・運営を行っているイオンレイクタウンmoriを含め、3館全体でのリニューアルを実施。
2.イオンリテール株式会社からのPM受託物件として管理・運営を行っていましたが、2021年2月28日付で当社が取得。2021年1月末をもって一時休業し、ハード・ソフト両面で大規模リニューアルを実施し再オープン。
3.専門店数は230店舗(+30店舗)、総賃貸面積は59,000㎡(+6,000㎡)に拡大する増床リニューアル。
c.成長施策および新たな取り組み
①海外事業の利益成長の実現と新規出店の加速
(中国)
当第3四半期連結会計期間末時点において、中国は22モール体制まで拡大し、2025年度末時点において29モール体制の実現をめざしています。
新規出店では、成長性の高い内陸部を重点出店エリアに定め、湖北省に加えて湖南省を新たな出店エリアと位置づけ、両省を内陸部の核として出店を拡大していきます。2023年に(仮称)イオンモール武漢江夏(湖北省武漢市)、2024年に(仮称)イオンモール杭州銭塘新区(浙江省杭州市)、(仮称)イオンモール長沙茶塘(湖南省長沙市)の3モールの出店を決定しました。
既存モールでは、リニューアルやローカライズ企画の実施を通じて、急速に変化するお客さまのライフスタイルに対応した専門店や施設の展開、地域の魅力を提案する取り組み等を推進することで、ハード・ソフト両面での進化を図っていきます。イオンモール天津中北(天津市)では、駐車場として利用していた3階フロアを店舗化する増床リニューアルが決定し、2022年秋のオープンに向けて準備を進めています。
(アセアン)
当第3四半期連結会計期間末時点において、アセアンは11モール体制まで拡大し、2025年度末時点において23モール体制の実現をめざしています。
最重点出店エリアであるベトナムでは、現在出店している南部、北部に加えて、中部エリアの周辺都市においてもドミナント出店を加速していきます。新規出店用地の確保に向けては、地方政府との連携強化を図ることで、相互にモール開発を推進する協力体制を構築しています。2月にはトゥア・ティエン・フエ省、3月にはバクニン省、5月
にはドンナイ省、さらに11月25日に日本で開催された日越投資カンファレンスにおいて、新たにタインホア省との間で「ショッピングモール開発に関する投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結しました。
今後、さらなるベトナム事業の基盤確立をめざし、地方都市への展開を推進していくことで、近年、急激な経済成長を遂げるベトナムの持続的な発展とまちづくりに貢献し、事業拡大を図っていきます。
カンボジアでは、モール事業に続く今後の成長戦略として、海外物流のプラットフォームとなる同国初の多機能物流センター事業を展開することを決定し、AEON MALL (CAMBODIA) LOGI PLUS.CO.,LTD.を新たに設立します。同国政府は、持続可能な経済成長に向けた施策として同国最大貨物取引量を有し、開発の進むシアヌークビル港と、後背地に位置する経済特区の一部を、自由貿易港(フリーポート)として一体的に運用する構想を日本政府、JICA(独立行政法人国際協力機構)の技術協力を受けるシアヌークビル港湾公社と連携し検討を進めております。当社は同構想の実現に向けた最初のパイロット事業者として、シアヌークビル港隣接の経済特区エリアに保税機能を含む越境EC事業者に必要なライセンス、および通関代行やフルフィルメントセンター機能を備えた多機能物流センターを設置、運営します。これらの取り組みを通じて、同国における物流課題を解決するとともに、お客さまの利便性向上と当社を含む多種多様な事業者への事業機会やサービスを提供し、同国の更なる発展に貢献していきます。
既存モールでは、1号店イオンモール プノンペン(プノンペン都)において、都会的なラグジュアリーモールへの進化を図るべく、2014年の開業以来初となる増床リニューアルを決定、2023年度のオープンに向けた準備を進めています。エンターテインメント機能を拡充した2号店イオンモール センソックシティ(プノンペン都)に加え、2022年度には3号店イオンモール ミエンチェイ(プノンペン都)の新規オープンも予定しており、それぞれが立地特性を活かしたMD展開を行うことで、プノンペンにおいて更なるエリアドミナンス強化を図っていきます。
新たな出店国としてミャンマーでは、1号店(仮称)イオンモール ダゴンセイカン(ヤンゴン管区)のオープンを2023年に計画していましたが、2021年2月にミャンマー国軍によるクーデターが発生し、同国内は非常事態宣言下にあることから、日本からの駐在員を一時的に帰国させ、現地の状況を継続的にモニタリングしています。また、着工時期についても見直しておりますが、現地パートナー企業であるSHWE TAUNG(シュエタン) REAL ESTATE CO.,LTD.とは連携を継続しており、決定次第、速やかに公表します。
②CX(カスタマーエクスペリエンス)の創造によるリアルモールの魅力の最大化
お客さまの消費行動や購買習慣の変容が加速する中、リアルモールを展開する当社では、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値)を新たに創造しリアルモールの魅力を最大化していくことで、継続的な集客力向上を図っています。
具体的には、リアルの場でしか体験・体感できない価値提案を強化しており、イオンモール白山では、開放的な大空間で地元金沢の人気料理を楽しめるフードゾーンと、日本を代表するシェフのプロデュースによるレストランゾーンの2つのコンセプト飲食ゾーンを導入し、上質な食の体験を提供しています。イオンモール新利府 南館では、楽しみながらアクティビティ体験が可能な次世代型エンターテインメント施設を導入しました。
集客力向上に向けた来店動機創出および来店頻度増加に向けた取り組みも強化しており、イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、最新医療設備を取り揃えた大型クリニックを導入し、健康をテーマに様々な機能を持つ店舗を集約したヘルス&ウエルネスゾーンを形成しており、お客さまだけでなくオフィスワーカーにも健康的な生活習慣を提案することで来店動機創出を図っています。イオンモール川口では、生鮮三品やスイーツ、グロッサリー等、幅広い品揃えで展開する食物販ゾーンを充実させることで、来店頻度向上を図っています。
開放的で居心地の良い外部ゾーンに対するお客さまのニーズが高まる中、お客さまにとって憩いの場となる施設環境づくりを推進しています。イオンモール白山では、メインモール中央部に街路樹が立ち並ぶ空間を演出し、緑豊かな環境でくつろげる室内空間を提供しています。イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、1階から3階までの食のゾーン全てを緑豊かな屋外に面する配置とし、屋外席やテラス席を設け、自然環境と四季を感じられる憩いの空間を提供しています。
③次世代モールの構築と都市型SC事業の推進
今後のモール開発の方向性は、様々な視点でのマーケット分析に基づき、出店エリアの立地特性に応じた多様な開発パターンによる次世代モールの構築を推し進めることで、新たな価値提案を図っていきます。
イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、オフィス複合型商業施設として当社のオフィスブランド「BIZrium(ビズリウム)」を展開しています。「Work Life Blend Office」をコンセプトとし、一人ひとりが自分の意志で働き方も暮らし方も選べる柔軟性を兼ね備え、場所も時間もフル活用したくなるライフスタイル提案型オフィスとして、オフィスワーカーに新たな付加価値を提供しています。
高齢化・労働者不足・買い物難民・子育て支援・災害対策といった日本社会の構造的課題の解決に向けて、東京都八王子市において、イオンネクスト準備株式会社が展開する顧客フルフィルメントセンター(CFC)を有する次世代型複合商業施設の出店を決定しました。オンラインとオフラインが融合する新たなライフスタイル施設として、宅配機能だけでなく、CFCに実店舗を併設した次世代スーパーの展開、シネマコンプレックス、障がい者スポーツ対応施設、道の駅と連携した飲食施設等の構成を計画しています。
④DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
外部パートナーとの共創による取り組みとして、多様な企業と連携し、革新的なビジネスやサービスを生み出す事を目的に「イオンモール共創プログラム」を実施しました。地域社会の課題や消費環境の大きな変化を視野に入れ、当社の経営資源と社外の技術やネットワークを掛け合わせて「新たな暮らしの未来」をともに事業創造するスタートアップ企業を募集するもので、123件の応募の中から採択企業3社を決定しました。今後、各社と実証準備を行い、効果検証を見据えながら新事業の検討を進めていきます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進においては、お客さまのライフステージに応じた新たな価値創造のための事業開拓、デジタル技術やデータを活用した地域やパートナーとの共創による新たなビジネスモデルの創出、次世代に対応するオペレーションシステムの確立に向け、今後も取り組みを推し進めていきます。
<イオンモール共創プログラム採択企業3社>
⑤中期戦略の推進とESG視点に基づく改革の加速
当社は、環境、社会、ガバナンスへの配慮に係る取り組みを推進し、ローカライゼーションの視点に基づいたエリアごとに個性あるモールづくりを国内外で推し進めることにより、人々のライフスタイルの向上と地域社会の発展に貢献することを指針としています。また、長期ビジョンである「2025年にめざす姿」を実現するため、ESG視点での重要課題として「地域・社会インフラ開発」「地域とのつながり」「環境」「ダイバーシティ・働き方改革」「責任あるビジネスの推進」からなるマテリアリティを定めました。当社の全社員が個人目標の中にマテリアリティに関する項目を組み込む等、社内における意識向上を図りながら、ESG経営実現に向けた施策を推進しています。
イオングループでは、持続可能な社会の発展に向けたグループ全体の方針である「イオンサステナビリティ基本方針」のもと、環境面では、「脱炭素社会の実現」、「生物多様性の保全」、「資源循環の促進」、社会面では、「社会の期待に応える商品・店舗づくり」、「人権を尊重した公正な事業活動の実践」、「コミュニティとの協働」を重点課題に設定し、各課題への対応を進めることで、サステナブル経営を推進しています。当社においても、ESG視点に基づく経営を推進し、収益と企業価値の拡大を通じて経営基盤を強化し、さらなる発展をめざします。
(環境課題の解決に向けて)
・脱炭素社会の実現に向けた取り組み
当社は「イオン脱炭素ビジョン2050」に基づく脱炭素への取り組みとして、2040年までに国内で排出するCO2等を総量でゼロにすることをめざします。これまでの取り組みとして、2010年度対比で2020年度エネルギー使用量50%削減を目標に、空調運転の合理化、高効率および省エネ機器の導入、店舗屋上などの太陽光システム設置、LED照明の導入等を進め、2020年実績で2010年度対比エネルギー使用量55.1%削減(床面積原単位)を達成しました。引き続きこれらの削減策に加え、新たにオフサイトでの再エネ発電からの調達、各地域での再エネ直接契約の推進等により、新たな目標として2025年度に国内の約160モールを実質的にCO2フリー電力で運営することを目標としました。CO2発生源の大部分が電気使用であることから、国内のCO2総排出量は2013年対比で2025年80%の削減となります。また、今後は脱炭素社会の実現に向けて、海外を含め取り組みを推進し、全ての事業活動で排出するCO2等を総量でゼロにすることをめざし、取り組みを加速いたします。
イオンモール川口は、国内の大規模商業施設として初めて、CO2排出量ゼロの電気・ガスを使用する施設として運用しています。当モールでは省エネルギーの取り組みを行うことに加え、東京電力エナジーパートナー株式会社の「非FIT非化石証書付電力メニュー(注1)」により実質的にCO2排出量ゼロとなる電気を調達しています。都市ガスは東京ガス株式会社から「カーボンニュートラル都市ガス(注2)」の供給を受け使用しています。同様に、イオンモールNagoya Noritake Gardenにおいても、中部電力ミライズ株式会社の「非FIT非化石証書付電力メニュー(注3)」による調達、都市ガスは東邦ガス株式会社から「カーボンニュートラル都市ガス」の供給を受け使用しており、実質的にCO2排出量ゼロの電気・ガスを使用する施設として運用しています。
・地域とともに地産地消の再生可能エネルギーを創出
当社は、地域においてお客さまとともに地産地消の再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)を創出し、施設内で使用する電力は入店する専門店分も含めCO2を排出しない電力(以下、「CO2フリー電力」)とすることをめざします。
2025年までに当社が管理・運営する国内の約160モールで使用する電力を再エネに転換するという目標において、各地域での再エネ直接契約による実質CO2フリー電力調達から、順次地産地消の再エネ(PPA手法(注4)含む)へ切り替え、2040年度には当社直営モールにおいて100%地産地消の再エネ(約20億kwh/年)での運営へ引き上げていきます。2022年度より太陽光発電から着手し、段階的に風力発電等の他の発電手法や、水素エネルギー、蓄電池等を活用していきます。
また、従来のV2H(車(Vehicle)から家(Home))から進化させたV2AEON MALL(車からイオンモール)を推進します。お客さま参加型の再エネ循環プラットフォームを整え、家庭で発電した電力(余剰電力)をEV(電気自動車)でモールに放電し、放電量に応じて環境貢献指数の見える化やポイントなど進呈します。アプリからアクションレコードを管理し、EVによる再エネの放電だけでなく、植樹活動や廃プラ回収、食品ロス対策協力等の環境貢献活動に対しても数値化を行い、活動する意味を見える化することで、お客さまとともに取り組みを推進していきます。
当社は、お客さま自身の「環境意識」を「行動」に繋げるサポートを行うことで、海外も含めた全ての地域の脱炭素社会をお客さまとともに築き上げていきます。
・衣料品回収「幸服リレー」の開催
当社では、循環型社会形成に向けて、Reduce(削減する)・Reuse(再利用する)・Recycle(再生する)の3Rに、Rethink(考え直す)・Repair(修理する)・Returnable(回収可能な)の3要素を加えた6Rの推進を掲げ、サーキュラーモールの実現に向けた取り組みを推し進めています。
その一環として、お客さまが使用しなくなった衣料品回収を行う「幸服リレー」を11月12日から11月30日にかけて全国のモールで開催しました。回収された衣料品は、再生資源にリサイクルされ、新たな衣料品として生まれ変わらせることで、衣類ロスとCO2排出量の削減に貢献していきます。また「幸服リレー!ワールド」として、国内7モールでお客さまからお預かりした衣料品の一部を、カンボジアのモールを通じて現地の子どもたちへ寄贈する取り組みを実施しました。
・eco検定アワード2021「エコユニット部門優秀賞」を受賞
東京商工会議所が主催する「eco検定アワード2021」において、eco検定で身に付けた知識を活かして環境活動に取り組んでいる企業として、2020年に引き続き「エコユニット部門優秀賞」を受賞しました。これは、脱炭素の取り組みや全国モールでの環境啓蒙イベントの展開等、当社が2020年度に推進した環境活動への取り組みが評価されたものです。なお、当社では、環境保護に対する意識の向上および取り組みの推進をめざしeco検定の取得を奨励しており、国内では約85%にあたる1,473名(2021年11月末時点)が検定を取得しています。
(社会課題の解決に向けて)
・責任あるビジネスの推進(人権)
当社はイオンの人権基本方針に基づき、人権を尊重し、性別や国籍に関わりなく企業の発展に参画できる組織、またすべての従業員の能力が最大限に発揮できる職場の実現をめざしています。全従業員が年1回人権研修を受講しており、さらに、社内外の相談窓口を記載した小冊子を全従業員に配布するとともに、就業規則に人権尊重、差別禁止等の事項を明記しています。
人権侵害となるような事案発生を未然に防ぎ、持続可能なバリューチェーンを構築するため、イオンの人権基本方針およびイオンサプライヤー取引行動規範に基づき、当社独自に「持続可能な取引のためのガイドライン」を新たに策定しました。12月には、建設関係のお取引先さまを対象に同ガイドラインの理解促進および普及を目的とした説明会を実施しました。当社のお取引先さまと価値観を共有し、社会的責任を果たすための手引きとして遵守するとともに、実施状況の把握に努めながらサプライチェーン上の人権リスクの管理と低減をめざしていきます。
また、イオンの人権基本方針では人権デュー・ディリジェンスの実施を明記しており、当社においても2020年より取り組みを開始しております。人権保障の担い手としての役割を担うべく、当社でも持続可能なバリューチェーンを構築するための取り組みを継続していきます。
・防疫対策の取り組み
イオンモール上尾(埼玉県)、イオンモール新利府 南館、イオンモール川口、イオンモール白山、イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、世界的な新型コロナウイルス感染症対策への評価である「WELL Health-Safety Rating(注5)」を取得しました。施設内での飛沫感染、接触感染防止対策をはじめ、各出入口での安全対策や施設内の清掃管理体制などを徹底し、お客さまや従業員が安全・安心にご利用いただける施設として管理・運営を行っています。
・国内外における新型コロナウイルスワクチン接種の推進支援
当社では、各自治体と連携し、モール内のホールや駐車場等の施設を新型コロナウイルスワクチン接種会場として活用いただく取り組みを推進しています。イオンモール広島府中(広島県)、イオンモール春日部(埼玉県)、イオンモール旭川駅前(北海道)など、全国で約30のモールが新型コロナウイルスワクチン接種会場として使用され、約49万人の方々にワクチン接種を実施しました。当社モールを最大限活用していただくことで、地域の皆さまの安全・安心で快適な暮らしの実現に努めていきます。海外においても、ベトナムのイオンモール ビンズオンキャナリー(ビンズオン省)では、モール内に大規模接種会場を提供し、市内の工場や商業施設で働く約3,300人を対象に、1日約650回のワクチン接種を実施しました。地域コミュニティにおける感染拡大を防ぐため、今後も地域の皆さまの安全・安心の確保に積極的に協力していきます。
また、イオングループでは、地域全体の接種率を引き上げるため、全国のグループ従業員に対して新型コロナウイルスワクチンの職域接種を推進しており、イオンモール幕張新都心(千葉県)、イオンレイクタウン(埼玉県)等の当社モールが接種会場として使用されています。当社では接種対象枠を当社従業員だけでなく、専門店従業員の方々にも拡大することで、安心して働ける職場環境づくりに努めています。
・産学連携協力の取り組み
新型コロナウイルス感染症の影響により、学生にとって学問や文化活動の発表の場が制限されている中、当社モールを活動発表の場として活用していただく取り組みを推進しています。
イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、4月に学校法人三幸学園との間で「産学連携協力に関する連携覚書」を締結しました。この覚書に基づき、11月27日から12月25日にかけて、名古屋こども専門学校や名古屋ビューティーアート専門学校等の生徒たちと一緒に、クリスマスツリー装飾を制作するワークショップやメイク体験、エクササイズ体験等、「私らしいクリスマス、見つけよう」と題したイベントを実施しました。
6月には国立大学法人東北大学災害科学国際研究所、公益財団法人イオン環境財団、当社との三者間で「産学連携協力」に関する協定を締結しました。三者は、安全・安心なレジリエント・コミュニティの創生をめざし、「イオン防災環境都市推進(仮称)研究部門」を東北大学災害科学国際研究所内に立ち上げ、「防災・減災」「杜のデザイン」「感染症対策」の3項目を中心に、地域の皆さまにも参画いただくワークショップ等の実施を計画しています。特に、当社が東北大学雨宮キャンパス跡地に計画する施設づくりにおいて、地域の防災拠点として、地域の皆さまが安心して利用できるよう専門的な視点から検証・実施を進めていきます。
イオンモール白山では、「かがやき、あつまるプロジェクト」として、エリアに所在する学校との産学連携を推進しており、これまでに学校法人国際ビジネス学院、学校法人金城学園、石川県立翠星高校との間で「産学連携協力」に関する覚書を締結しました。モールが学校側に発表場所を提供し、学校側は研究発表やイベントに活用する等、各校との連携を深めて、継続的に地域の活性化と発展に貢献していきます。
・選挙投票所の開設
10月に実施された第49回衆議院議員総選挙において、全国55箇所の当社モールに投票所を開設しました。お子さま連れのご家族や学生の方にも来場しやすく、かつ快適な施設環境で投票していただくとともに、モールに勤務する従業員にとっても、投票しやすい環境を提供することを目的に投票所の設置を進めており、利便性の高さから利用率や投票率向上に寄与しました。
・全国学生クリスマス献血キャンペーン
日本赤十字社と当社は、全国のイオンモール計30箇所で「全国学生クリスマス献血キャンペーン」を開催しました。日本赤十字社の学生献血推進ボランティアが主体となり、モールに来店されたお客さまに献血の呼びかけを行うことで、若年層を中心に各年代層への献血の理解と協力を促す企画で、2017年より実施し今回で5回目の開催となります。なお、これまで2021年度に当社モールで実施した献血活動の実績は、日本赤十字社が全国で実施した献血協力者の約4.4%に相当します。
(注)1.東京電力が調達した環境価値を、系統電気と一緒にお客さまの需要場所に送るメニューで、実質的にCO2フリー電気を使っているとみなせるものです。
2.天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)し、燃焼させても地球規模ではCO2が発生しないとみなされるものです。なお、対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減効果をCO2クレジットとして認証したものです。
3.中部電力ミライズのグループ会社が所有する非FIT水力電源から、電気と非化石証書を調達することで、CO2フリー化した電力です。
4.電力小売事業者との契約により、資産を所有せず当社の専用発電所から電力供給を受ける手法。
5.同認証は、来訪者や従業員などの健康と安全に配慮し、施設を管理・運営していることを第三者検証機関により審査するグローバル基準の評価です。
(サステナビリティファイナンスの取り組み)
当社は、社会課題の解決と環境配慮を目的に、当社初となるサステナビリティ・リンク・ボンド(以下、「本社債」という。)(注1)を11月に200億円発行しました。昨年9月には、サステナビリティボンド発行により300億円の資金調達を行い、新型コロナウイルス感染症対策や東日本大震災復興支援等に充当しました。本社債は、脱炭素社会の実現に向けたサステナビリティファイナンスへの取り組みとして、あらかじめ定めたサステナビリティ目標を達成するか否かで変化する条件での発行としており、今後もESGの取り組みをさらに拡充していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(注)1.あらかじめ定められたサステナビリティ目標を達成するか否かによって条件が変化する債券のことを指す。調達資金が必ずしも特定の資金使途に限定される必要はなく、発行体があらかじめ定めた重要な評価指標(KPI)とSPTによって評価される。KPIに関して達成すべき目標数値としてSPTが設定され、KPIがSPTを達成したかどうかによって、債券の条件が変化することで、発行体にSPT達成に向けた動機付けを与える債券。
2.サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット。サステナビリティ・リンク・ボンドの発行条件を決定する発行体の経営戦略に基づく目標。
3.公益財団法人イオン環境財団(https://www.aeon.info/ef/)は、助成・支援、植樹、顕彰、環境教育を柱とした公益事業を営む。イオンの基本理念「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」のもと、岡田卓也氏(イオン株式会社名誉会長相談役・公益財団法人イオン環境財団理事長)他2名からの寄付を基本財産として1990年12月設立。1991年に特定公益増進法人の認可を受けた後、2009年に公益財団法人に移行。
4.サステナビリティ・リンク・ボンドの商品設計およびセカンドオピニオン等外部の第三者評価取得に関する助言等を通じて、サステナビリティファイナンスの実行支援を行う者。
(2)財政状態の状況
(資産)
総資産は、前連結会計年度末と比較して766億3千3百万円増加し、1兆4,708億3千2百万円となりました。これは、現金及び預金が270億2千3百万円減少した一方で、減価償却費472億3千5百万円を上回る新店の開業や既存店の活性化、将来の開発用地の先行取得等922億1千2百万円を行ったことで有形固定資産が707億3千3百万円増加したこと、また、為替換算の影響による増加も大きく生じたこと等によるものです。
(負債)
負債は、前連結会計年度末と比較して505億9千8百万円増加し、1兆573億1千1百万円となりました。これは、社債(「1年内償還予定の社債」を含む。)が350億円、リース債務(流動負債の「リース債務」を含む。)が83億8千万円、長期預り保証金が77億6千2百万円、長期借入金(「1年以内返済予定の長期借入金」を含む。)が44億9千2百万円増加した一方で、未払法人税等が40億2千2百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して260億3千4百万円増加し、4,135億2千1百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益164億5千7百万円の計上や配当金102億3千9百万円の支払等により利益剰余金が62億1千8百万円増加、為替換算調整勘定が196億5千8百万円増加したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して251億9千9百万円減少し、988億8千1百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況等については、次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、459億2千5百万円(前第3四半期連結累計期間180億2千9百万円)となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益が201億4千2百万円(同税金等調整前四半期純損失16億8千7百万円)、減価償却費が472億3千5百万円(同435億7千2百万円)となる一方で、専門店預り金の減少額が9億8千万円(同104億6千1百万円)、法人税等の支払額が106億6千9百万円(同111億5千万円)となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、932億2千5百万円(同478億8千1百万円)となりました。主な要因は、前連結会計年度に増床活性化したイオンモール高知(高知県)や同年度にてオープンしたイオンモール上尾等の設備代金の支払、イオンモール セントゥールシティの資産の取得、当第3四半期連結累計期間における開発用地の先行取得等により有形固定資産の取得による支出が867億1千7百万円(同443億4千4百万円)生じたこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、149億1千万円(同303億4千1百万円)となりました。主な要因は、社債の発行による収入が650億円(同600億円)、長期借入れによる収入が232億8千7百万円(同200億2千2百万円)となる一方で、社債の償還による支出が300億円(同150億円)、長期借入金の返済による支出が203億8千万円(同165億7百万円)、リース債務の返済による支出が122億2千5百万円(同84億5千1百万円)、配当金の支払額が102億3千9百万円(同91億円)となったこと等によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財政上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(1)経営成績の状況
a.連結経営成績に関する説明
当社は、経営理念の実現とさらなる事業成長を遂げるため、長期ビジョンである2026年2月期(2025年度)にめざす姿を定め、社会価値・環境価値・経済価値の創出を通じて、地域社会とともに持続的な成長の実現に向けて取り組んでいます。
2021年2月期(2020年度)を初年度とする中期経営計画(2020~2022年度)では、「海外における高い利益成長の実現」「国内における安定的成長の実現」「成長を支えるファイナンスミックスの推進とガバナンス体制強化」「ESG経営の推進」を成長施策として掲げています。
成長施策の推進においては「海外事業の利益成長の実現と新規出店の加速」「CX(カスタマーエクスペリエンス)の創造によるリアルモールの魅力の最大化」「次世代モールの構築と都市型SC事業の推進」「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」「中期戦略の推進とESG視点に基づく改革の加速」を経営課題およびめざす姿として定めております。これらの取り組みを通じて地域・社会の課題に対してソリューションを提供し続けることで、地域コミュニティにおける中核施設として社会インフラ機能のポジションを確立していきます。
お客さまおよび従業員の健康と生活を守り、お客さまとともに地域社会の安全・安心な生活を守ることを目的としたイオングループ制定による防疫対策等の基準「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」に基づき、感染防止対策を徹底したモール館内の環境改善やオペレーション体制による管理・運営を行っています。また、新常態(ニューノーマル)における新たなモールコンセプトやサービス機能の提供等、従来のビジネスモデルからの変革を進めていく好機と捉え、国内外において、社会変化に対応したモール創りに取り組んでいます。
当第3四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症の感染状況は国、エリアにより違いはあるものの、依然として収束には至らず、国内外の当社モールでは一部営業時間の短縮や臨時休業を実施しました。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、営業収益は2,332億8千6百万円(対前年同期比115.1%)、営業利益は283億4千6百万円(同123.1%)、経常利益は237億5千5百万円(同125.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は164億5千7百万円(前第3四半期連結累計期間は45億9千9百万円の損失)と増収増益となりました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない2020年2月期第3四半期連結累計期間との比較(以下、「一昨年対比」という。)では、営業収益は97.0%、営業利益は67.1%、経常利益は64.6%、親会社株主に帰属する四半期純利益は70.0%となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における一時休業期間中の固定費等は、新型コロナウイルス感染症による損失として36億6千3百万円を特別損失に計上しました。
◆連結経営成績 (単位:百万円)
| 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 (対前年同期比) | |
| 営業収益 | 202,683 | 233,286 | +30,603 (115.1%) |
| 営業利益 | 23,034 | 28,346 | +5,312 (123.1%) |
| 経常利益 | 18,909 | 23,755 | +4,845 (125.6%) |
| 親会社株主に帰属する 四半期純利益又は四半期純損失(△) | △4,599 | 16,457 | +21,057 (-) |
[ご参考]2020年2月期第3四半期連結累計期間対比 (単位:百万円)
| 2020年2月期第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 (対一昨年同期比) | |
| 営業収益 | 240,573 | 233,286 | △7,286 (97.0%) |
| 営業利益 | 42,265 | 28,346 | △13,919 (67.1%) |
| 経常利益 | 36,783 | 23,755 | △13,027 (64.6%) |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 23,503 | 16,457 | △7,046 (70.0%) |
b.セグメント別事業概況に関する説明
◆セグメント別経営成績 (単位:百万円)
| 営業収益 | セグメント利益 | ||||||
| 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 (対前年同期比) | 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 (対前年同期比) | ||
| 日本 | 172,345 | 191,575 | +19,229 (111.2%) | 21,012 | 21,917 | +904 (104.3%) | |
| 中国 | 21,621 | 31,428 | +9,807 (145.4%) | 715 | 5,247 | +4,532 (733.8%) | |
| アセアン | 8,716 | 10,282 | +1,566 (118.0%) | 1,287 | 1,162 | △124 (90.3%) | |
| 海外 | 30,337 | 41,711 | +11,373 (137.5%) | 2,002 | 6,409 | +4,407 (320.1%) | |
| 調整額 | - | - | - (-) | 18 | 18 | - (100.0%) | |
| 合計 | 202,683 | 233,286 | +30,603 (115.1%) | 23,034 | 28,346 | +5,312 (123.1%) | |
[ご参考]2020年2月期第3四半期連結累計期間対比 (単位:百万円)
| 営業収益 | セグメント利益 | ||||||
| 2020年2月期 第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 (対一昨年同期比) | 2020年2月期 第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減 (対一昨年同期比) | ||
| 日本 | 204,538 | 191,575 | △12,963 (93.7%) | 36,120 | 21,917 | △14,202 (60.7%) | |
| 中国 | 26,489 | 31,428 | +4,939 (118.6%) | 4,107 | 5,247 | +1,139 (127.8%) | |
| アセアン | 9,545 | 10,282 | +737 (107.7%) | 2,019 | 1,162 | △856 (57.6%) | |
| 海外 | 36,034 | 41,711 | +5,676 (115.8%) | 6,126 | 6,409 | +283 (104.6%) | |
| 調整額 | - | - | - (-) | 18 | 18 | - (100.0%) | |
| 合計 | 240,573 | 233,286 | △7,286 (97.0%) | 42,265 | 28,346 | △13,919 (67.1%) | |
①海外
営業収益は417億1千1百万円(対前年同期比137.5%)、営業利益は64億9百万円(同320.1%)と増収増益となりました。当第3四半期連結会計期間(7月~9月)にベトナムを中心としたアセアンにおいて新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う臨時休業実施等による影響を大きく受けましたが、中国では当第3四半期連結累計期間の専門店売上は伸長し、海外事業としては新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない一昨年対比においても、営業収益は115.8%、営業利益は104.6%と増収増益を確保しました。
中国では北京・天津・山東、江蘇・浙江、湖北、広東の4エリア、アセアンではベトナム、カンボジア、インドネシアの3国を中心にドミナント出店を進めています。当社モールのブランド力向上により集客力が高まることで、優良専門店の誘致や有利なリーシング条件での契約が可能となる等、ブランディングメリットの享受が進んでいます。
また、当社モールでは、日本で培った管理・運営ノウハウを活かし、消費を喚起するセールやイベントの開催による集客力の向上や、日本のモール環境と同等のクリンリネス(清潔、安全、快適な状態)の徹底および計画的な専門店入替を中心としたリニューアルを実施しています。
今後の成長戦略として、2025年に海外50モール体制の実現に向けた新規出店を加速していきます。2025年度末時点では、物件のパイプラインとして70モール体制となる仕込みを完了させるべく、中国・アセアンとも高い成長力が見込まれるエリアにおいて探索・確保を進めていきます。
なお、海外現地法人の決算期は12月末のため、当第3四半期連結累計期間の業績は1月~9月となります。
(中国)
[当第3四半期連結累計期間(1月~9月)]
営業収益は314億2千8百万円(対前年同期比145.4%)、営業利益は52億4千7百万円(同733.8%)と増収増益となりました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない一昨年対比でも、営業収益は118.6%、営業利益は127.8%と増収増益となりました。
当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は前期比147.2%(対象21モール)、一昨年対比105.7%(対象19モール)と伸長しました。7月下旬に中国全土で新型コロナウイルス感染症の新規感染者が発生し、8月には湖北省の一部モールを臨時休業しました。8月度の既存モール専門店売上は前期比85.8%、一昨年対比83.8%と一時的に影響を受けましたが、9月度は前期比106.2%、一昨年対比103.5%と早期に持ち直しました。
当第3四半期連結累計期間において、新規モールでは、5月に広東省4号店となるイオンモール広州新塘(広東省広州市)をオープンしました。既存モールでは、湖北省においてイオンモール武漢経開(湖北省武漢市)、イオンモール武漢金橋(湖北省武漢市)、イオンモール武漢金銀潭(湖北省武漢市)の3モール、広東省においてイオンモール広州番禺広場(広東省広州市)、イオンモール佛山大瀝(広東省佛山市)、イオンモール広州金沙(広東省広州市)の3モール、江蘇省においてイオンモール蘇州園区湖東(江蘇省蘇州市)でリニューアルを実施しました。
<当第3四半期連結累計期間における中国新規モール>
| 名称 | 所在 | オープン | 専門店数 | 総賃貸面積 |
| イオンモール広州新塘 | 広東省広州市 | 2021年5月29日 | 220(注1) | 76,000㎡ |
(注)1.2021年度中に順次オープン。
[第4四半期連結会計期間(10月~12月)]
10月の国慶節に伴う大型連休期間において、新型コロナウイルス感染症の懸念から長距離旅行などは敬遠され、エリア内での消費需要が高まったことから、10月度の既存モール専門店売上は一昨年対比116.0%と伸長しました。しかし、11月度、12月度には内陸部において発生した新型コロナウイルス感染症が各地に広がりつつあったことから、各地方政府において厳格なウイルス封じ込めに伴う活動制限やシネマ等の一部業種における入場制限措置等の影響もあり、第4四半期連結会計期間(10月~12月)の既存モール専門店売上は一昨年対比104.0%(速報ベース)となりました。
中国では、新型コロナウイルス感染症は局地的に発生事例があるものの、政府主導で厳格なウイルス封じ込め対策が取られることから短期間で収束する傾向にあり、当社モールの専門店売上に与える影響は限定的です。また、海外への移動制限が継続され、中国国内での消費需要が高まっていることから、当社モールの専門店売上はコロナ前の成長トレンドに回復しています。引き続き、中国国内の感染状況を注視しながら、積極的な営業施策を推し進めていきます。
(アセアン)
[当第3四半期連結累計期間(1月~9月)]
営業収益は102億8千2百万円(対前年同期比118.0%)、営業利益は11億6千2百万円(同90.3%)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない一昨年対比では、営業収益は107.7%、営業利益は57.6%となりました。前期比、一昨年対比とも、新規モールオープンの効果により増収となったものの、ベトナム、カンボジア、インドネシアでの新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、営業利益は減益となりました。
ベトナムでは、当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は前期比73.5%(対象5モール)、一昨年対比62.6%(対象4モール)となりました。5月にベトナム南部で拡大した新型コロナウイルス感染症は、7月以降ベトナム全土に拡大し、当社モールの出店エリアでは厳格な都市封鎖が実施され、当第3四半期連結会計期間(7月~9月)では専門店を臨時休業しました。こうした政府指示による社会隔離措置は9月末まで継続され、当第3四半期連結会計期間(7月~9月)の既存モール専門店売上は前期比9.7%、一昨年対比6.7%と大きな影響を受けました。
カンボジアでは、当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は前期比61.3%(2モール)、一昨年対比47.4%(2モール)となりました。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、ワクチン接種率向上に伴い7月をピークに減少基調にあるものの、シネマ、アミューズメント等一部業種の休業は継続し、売上トレンドの回復には至っていません。
インドネシアでは、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数減少に伴い、5月度に既存モール専門店売上は一昨年対比8割程度(対象2モール)まで回復しましたが、6月以降再び感染が拡大し、営業時間短縮やアミューズメント業種で休業等の規制が実施され、当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は一昨年対比4割程度と厳しいトレンドで推移しました。
[第4四半期連結会計期間(10月~12月)]
ベトナムでは、10月より政府指示による社会隔離措置が解除され、当社モール専門店の営業を再開しました。売上トレンドは改善基調であるものの、ワクチン未接種の専門店従業員は店頭での接客対応ができないといった営業上の規制も残っており、第4四半期連結会計期間(10月~12月)の既存モール専門店売上は一昨年対比70.9%(速報ベース)に留まりましたが、足元の12月度は84.8%(速報ベース)まで回復しています。
アセアン各国では、依然として営業時間短縮や一部業種の休業等を余儀なくされていますが、ワクチン接種率向上に伴い新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は減少基調です。引き続き、安全・安心を第一に防疫対策の強化を図りながら、集客および売上の早期回復に向けた施策を推進していきます。
新規モールでは、インドネシアにおいて、11月に4号店イオンモール タンジュン バラット(南ジャカルタ区)を一部先行オープンしました。デジタライゼーションの取り組みとして、中国発ECプラットフォーム企業「JD.ID(ジンドン・インドネシア)」と協業し、同社サイト内におけるバーチャルイオンモールの提案、ライブ動画配信用プラットフォームの共有など、ネットとリアルの融合により、お客さまに新たな利便性を提供しています。
また、2020年10月に一部先行オープンしていたイオンモール セントゥールシティ(西ジャワ区)を2021年10月にグランドオープンしました。
<第4四半期連結会計期間以降のアセアン新規モール>
| 国名 | 名称 | 所在 | オープン | 専門店数 | 総賃貸面積 |
| インドネシア | イオンモール タンジュン バラット | 南ジャカルタ区 | 2021年11月18日 | 180(注1) | 40,000㎡ |
(注)1.一部先行オープンで、2022年にグランドオープンを予定。
②日本
[当第3四半期連結累計期間(3月~11月)]
営業収益は1,915億7千5百万円(対前年同期比111.2%)、営業利益は219億1千7百万円(同104.3%)と増収増益となりました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていない一昨年対比では、営業収益は93.7%、営業利益は60.7%となりました。
当第3四半期連結累計期間の既存モール専門店売上は前期比110.7%(対象84モール)、一昨年対比80.4%(対象83モール)となりました。
国内では、4月25日に発令された緊急事態宣言により、当社グループのモールおよび都市型ショッピングセンター30施設を5月11日まで臨時休業しました。その後も新型コロナウイルス感染症が拡大し続ける中、営業制限は緩和されたものの緊急事態宣言は対象エリアを拡大しながら9月30日まで断続的に実施されました。
9月度の既存モール専門店売上は前期比91.5%、一昨年対比69.1%でしたが、緊急事態宣言が解除された10月以降、お客さまの消費行動は外出自粛が続いた反動から改善傾向にあり、10月度は前期比95.2%、一昨年対比98.3%、11月度は前期比99.0%、一昨年対比92.8%、12月度は前期比106.3%、一昨年対比94.6%(12月度はいずれも速報ベース)とコロナ前の水準に戻りつつあります。
コロナ禍で取り組みを推進した「イオンモールアプリ」は2021年11月末時点でダウンロード会員数が約612万人まで拡大しました。10月にはアプリ会員向けのロイヤリティ企画を実施する等、さらなる認知度向上に向けたイベント実施や機能強化に伴う利便性向上により、お客さまのロイヤリティを向上し来店頻度向上を図っていきます。
当第3四半期連結累計期間においては、4モールを新規オープン、1モールを増床リニューアルオープンしました。新規モールでは、3月にイオンモール新利府 南館(宮城県)、6月にイオンモール川口(埼玉県)、7月にイオンモール白山(石川県)、10月にイオンモールNagoya Noritake Garden(愛知県)をオープンしました。既存モールでは、11月にTHE OUTLETS HIROSHIMA(広島県)を増床オープンしました。
<当第3四半期連結累計期間における国内新規モール>
| 名称 | 所在 | オープン | 専門店数 | 総賃貸面積 |
| イオンモール新利府 南館 | 宮城県 | 2021年3月5日 | 170 | 69,000㎡ |
| イオンモール川口 | 埼玉県 | 2021年6月8日 | 150 | 59,000㎡ |
| イオンモール白山 | 石川県 | 2021年7月19日 | 200 | 74,000㎡ |
| イオンモールNagoya Noritake Garden | 愛知県 | 2021年10月27日 | 150 | (商業) 37,000㎡ (オフィス)22,000㎡ |
<当第3四半期連結累計期間におけるリニューアルモール>
| 名称 | 所在 | リニューアル オープン日 | 専門店数 | リニューアル 専門店数 |
| イオンモール岡山 | 岡山県 | 2021年3月12日 | 350 | 36 |
| 2021年10月8日 | 11 | |||
| イオンモール草津 | 滋賀県 | 2021年3月19日 | 200 | 13 |
| イオンモール岡崎 | 愛知県 | 2021年4月16日 | 180 | 30 |
| 2021年9月17日 | 24 | |||
| イオンモール京都桂川 | 京都府 | 2021年4月23日 | 220 | 29 |
| イオンレイクタウンkaze(注1) | 埼玉県 | 2021年4月29日 | 230 | 13 |
| 2021年7月15日 | 3 | |||
| イオンレイクタウンアウトレット(注1) | 埼玉県 | 2021年4月29日 | 120 | 9 |
| 2021年7月15日 | 2 | |||
| イオンモール新利府 北館(注2) | 宮城県 | 2021年7月2日 | 80 | 80 |
| イオンモール川口前川 | 埼玉県 | 2021年10月8日 | 170 | 29 |
| イオンモール鈴鹿 | 三重県 | 2021年11月5日 | 180 | 22 |
| THE OUTLETS HIROSHIMA(注3) | 広島県 | 2021年11月26日 | 230 | 33 |
(注)1.イオンリテール株式会社からPM受託物件として管理・運営を行っているイオンレイクタウンmoriを含め、3館全体でのリニューアルを実施。
2.イオンリテール株式会社からのPM受託物件として管理・運営を行っていましたが、2021年2月28日付で当社が取得。2021年1月末をもって一時休業し、ハード・ソフト両面で大規模リニューアルを実施し再オープン。
3.専門店数は230店舗(+30店舗)、総賃貸面積は59,000㎡(+6,000㎡)に拡大する増床リニューアル。
c.成長施策および新たな取り組み
①海外事業の利益成長の実現と新規出店の加速
(中国)
当第3四半期連結会計期間末時点において、中国は22モール体制まで拡大し、2025年度末時点において29モール体制の実現をめざしています。
新規出店では、成長性の高い内陸部を重点出店エリアに定め、湖北省に加えて湖南省を新たな出店エリアと位置づけ、両省を内陸部の核として出店を拡大していきます。2023年に(仮称)イオンモール武漢江夏(湖北省武漢市)、2024年に(仮称)イオンモール杭州銭塘新区(浙江省杭州市)、(仮称)イオンモール長沙茶塘(湖南省長沙市)の3モールの出店を決定しました。
既存モールでは、リニューアルやローカライズ企画の実施を通じて、急速に変化するお客さまのライフスタイルに対応した専門店や施設の展開、地域の魅力を提案する取り組み等を推進することで、ハード・ソフト両面での進化を図っていきます。イオンモール天津中北(天津市)では、駐車場として利用していた3階フロアを店舗化する増床リニューアルが決定し、2022年秋のオープンに向けて準備を進めています。
(アセアン)
当第3四半期連結会計期間末時点において、アセアンは11モール体制まで拡大し、2025年度末時点において23モール体制の実現をめざしています。
最重点出店エリアであるベトナムでは、現在出店している南部、北部に加えて、中部エリアの周辺都市においてもドミナント出店を加速していきます。新規出店用地の確保に向けては、地方政府との連携強化を図ることで、相互にモール開発を推進する協力体制を構築しています。2月にはトゥア・ティエン・フエ省、3月にはバクニン省、5月
にはドンナイ省、さらに11月25日に日本で開催された日越投資カンファレンスにおいて、新たにタインホア省との間で「ショッピングモール開発に関する投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結しました。
今後、さらなるベトナム事業の基盤確立をめざし、地方都市への展開を推進していくことで、近年、急激な経済成長を遂げるベトナムの持続的な発展とまちづくりに貢献し、事業拡大を図っていきます。
カンボジアでは、モール事業に続く今後の成長戦略として、海外物流のプラットフォームとなる同国初の多機能物流センター事業を展開することを決定し、AEON MALL (CAMBODIA) LOGI PLUS.CO.,LTD.を新たに設立します。同国政府は、持続可能な経済成長に向けた施策として同国最大貨物取引量を有し、開発の進むシアヌークビル港と、後背地に位置する経済特区の一部を、自由貿易港(フリーポート)として一体的に運用する構想を日本政府、JICA(独立行政法人国際協力機構)の技術協力を受けるシアヌークビル港湾公社と連携し検討を進めております。当社は同構想の実現に向けた最初のパイロット事業者として、シアヌークビル港隣接の経済特区エリアに保税機能を含む越境EC事業者に必要なライセンス、および通関代行やフルフィルメントセンター機能を備えた多機能物流センターを設置、運営します。これらの取り組みを通じて、同国における物流課題を解決するとともに、お客さまの利便性向上と当社を含む多種多様な事業者への事業機会やサービスを提供し、同国の更なる発展に貢献していきます。
既存モールでは、1号店イオンモール プノンペン(プノンペン都)において、都会的なラグジュアリーモールへの進化を図るべく、2014年の開業以来初となる増床リニューアルを決定、2023年度のオープンに向けた準備を進めています。エンターテインメント機能を拡充した2号店イオンモール センソックシティ(プノンペン都)に加え、2022年度には3号店イオンモール ミエンチェイ(プノンペン都)の新規オープンも予定しており、それぞれが立地特性を活かしたMD展開を行うことで、プノンペンにおいて更なるエリアドミナンス強化を図っていきます。
新たな出店国としてミャンマーでは、1号店(仮称)イオンモール ダゴンセイカン(ヤンゴン管区)のオープンを2023年に計画していましたが、2021年2月にミャンマー国軍によるクーデターが発生し、同国内は非常事態宣言下にあることから、日本からの駐在員を一時的に帰国させ、現地の状況を継続的にモニタリングしています。また、着工時期についても見直しておりますが、現地パートナー企業であるSHWE TAUNG(シュエタン) REAL ESTATE CO.,LTD.とは連携を継続しており、決定次第、速やかに公表します。
②CX(カスタマーエクスペリエンス)の創造によるリアルモールの魅力の最大化
お客さまの消費行動や購買習慣の変容が加速する中、リアルモールを展開する当社では、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値)を新たに創造しリアルモールの魅力を最大化していくことで、継続的な集客力向上を図っています。
具体的には、リアルの場でしか体験・体感できない価値提案を強化しており、イオンモール白山では、開放的な大空間で地元金沢の人気料理を楽しめるフードゾーンと、日本を代表するシェフのプロデュースによるレストランゾーンの2つのコンセプト飲食ゾーンを導入し、上質な食の体験を提供しています。イオンモール新利府 南館では、楽しみながらアクティビティ体験が可能な次世代型エンターテインメント施設を導入しました。
集客力向上に向けた来店動機創出および来店頻度増加に向けた取り組みも強化しており、イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、最新医療設備を取り揃えた大型クリニックを導入し、健康をテーマに様々な機能を持つ店舗を集約したヘルス&ウエルネスゾーンを形成しており、お客さまだけでなくオフィスワーカーにも健康的な生活習慣を提案することで来店動機創出を図っています。イオンモール川口では、生鮮三品やスイーツ、グロッサリー等、幅広い品揃えで展開する食物販ゾーンを充実させることで、来店頻度向上を図っています。
開放的で居心地の良い外部ゾーンに対するお客さまのニーズが高まる中、お客さまにとって憩いの場となる施設環境づくりを推進しています。イオンモール白山では、メインモール中央部に街路樹が立ち並ぶ空間を演出し、緑豊かな環境でくつろげる室内空間を提供しています。イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、1階から3階までの食のゾーン全てを緑豊かな屋外に面する配置とし、屋外席やテラス席を設け、自然環境と四季を感じられる憩いの空間を提供しています。
③次世代モールの構築と都市型SC事業の推進
今後のモール開発の方向性は、様々な視点でのマーケット分析に基づき、出店エリアの立地特性に応じた多様な開発パターンによる次世代モールの構築を推し進めることで、新たな価値提案を図っていきます。
イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、オフィス複合型商業施設として当社のオフィスブランド「BIZrium(ビズリウム)」を展開しています。「Work Life Blend Office」をコンセプトとし、一人ひとりが自分の意志で働き方も暮らし方も選べる柔軟性を兼ね備え、場所も時間もフル活用したくなるライフスタイル提案型オフィスとして、オフィスワーカーに新たな付加価値を提供しています。
高齢化・労働者不足・買い物難民・子育て支援・災害対策といった日本社会の構造的課題の解決に向けて、東京都八王子市において、イオンネクスト準備株式会社が展開する顧客フルフィルメントセンター(CFC)を有する次世代型複合商業施設の出店を決定しました。オンラインとオフラインが融合する新たなライフスタイル施設として、宅配機能だけでなく、CFCに実店舗を併設した次世代スーパーの展開、シネマコンプレックス、障がい者スポーツ対応施設、道の駅と連携した飲食施設等の構成を計画しています。
④DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
外部パートナーとの共創による取り組みとして、多様な企業と連携し、革新的なビジネスやサービスを生み出す事を目的に「イオンモール共創プログラム」を実施しました。地域社会の課題や消費環境の大きな変化を視野に入れ、当社の経営資源と社外の技術やネットワークを掛け合わせて「新たな暮らしの未来」をともに事業創造するスタートアップ企業を募集するもので、123件の応募の中から採択企業3社を決定しました。今後、各社と実証準備を行い、効果検証を見据えながら新事業の検討を進めていきます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進においては、お客さまのライフステージに応じた新たな価値創造のための事業開拓、デジタル技術やデータを活用した地域やパートナーとの共創による新たなビジネスモデルの創出、次世代に対応するオペレーションシステムの確立に向け、今後も取り組みを推し進めていきます。
<イオンモール共創プログラム採択企業3社>
| 採択企業 | 事業内容 |
| 株式会社ニューロープ | ファッション特化AI“#CBK”を展開。SNSやECの画像解析に基づくトレンド分析や、AIによるオンライン接客支援等に取り組む。 |
| 株式会社souco | 日本全国の物流事業者、倉庫事業者をネットワーク化し、シェアリング型オンライン物流プラットフォームサービスを展開する企業。 |
| 株式会社Super Duper | 「食べること」を科学し、体験価値を向上する仕組みを開発。食べることを、ちょっとしたエンタメにするFoodTech企業。 |
⑤中期戦略の推進とESG視点に基づく改革の加速
当社は、環境、社会、ガバナンスへの配慮に係る取り組みを推進し、ローカライゼーションの視点に基づいたエリアごとに個性あるモールづくりを国内外で推し進めることにより、人々のライフスタイルの向上と地域社会の発展に貢献することを指針としています。また、長期ビジョンである「2025年にめざす姿」を実現するため、ESG視点での重要課題として「地域・社会インフラ開発」「地域とのつながり」「環境」「ダイバーシティ・働き方改革」「責任あるビジネスの推進」からなるマテリアリティを定めました。当社の全社員が個人目標の中にマテリアリティに関する項目を組み込む等、社内における意識向上を図りながら、ESG経営実現に向けた施策を推進しています。
イオングループでは、持続可能な社会の発展に向けたグループ全体の方針である「イオンサステナビリティ基本方針」のもと、環境面では、「脱炭素社会の実現」、「生物多様性の保全」、「資源循環の促進」、社会面では、「社会の期待に応える商品・店舗づくり」、「人権を尊重した公正な事業活動の実践」、「コミュニティとの協働」を重点課題に設定し、各課題への対応を進めることで、サステナブル経営を推進しています。当社においても、ESG視点に基づく経営を推進し、収益と企業価値の拡大を通じて経営基盤を強化し、さらなる発展をめざします。
(環境課題の解決に向けて)
・脱炭素社会の実現に向けた取り組み
当社は「イオン脱炭素ビジョン2050」に基づく脱炭素への取り組みとして、2040年までに国内で排出するCO2等を総量でゼロにすることをめざします。これまでの取り組みとして、2010年度対比で2020年度エネルギー使用量50%削減を目標に、空調運転の合理化、高効率および省エネ機器の導入、店舗屋上などの太陽光システム設置、LED照明の導入等を進め、2020年実績で2010年度対比エネルギー使用量55.1%削減(床面積原単位)を達成しました。引き続きこれらの削減策に加え、新たにオフサイトでの再エネ発電からの調達、各地域での再エネ直接契約の推進等により、新たな目標として2025年度に国内の約160モールを実質的にCO2フリー電力で運営することを目標としました。CO2発生源の大部分が電気使用であることから、国内のCO2総排出量は2013年対比で2025年80%の削減となります。また、今後は脱炭素社会の実現に向けて、海外を含め取り組みを推進し、全ての事業活動で排出するCO2等を総量でゼロにすることをめざし、取り組みを加速いたします。
イオンモール川口は、国内の大規模商業施設として初めて、CO2排出量ゼロの電気・ガスを使用する施設として運用しています。当モールでは省エネルギーの取り組みを行うことに加え、東京電力エナジーパートナー株式会社の「非FIT非化石証書付電力メニュー(注1)」により実質的にCO2排出量ゼロとなる電気を調達しています。都市ガスは東京ガス株式会社から「カーボンニュートラル都市ガス(注2)」の供給を受け使用しています。同様に、イオンモールNagoya Noritake Gardenにおいても、中部電力ミライズ株式会社の「非FIT非化石証書付電力メニュー(注3)」による調達、都市ガスは東邦ガス株式会社から「カーボンニュートラル都市ガス」の供給を受け使用しており、実質的にCO2排出量ゼロの電気・ガスを使用する施設として運用しています。
・地域とともに地産地消の再生可能エネルギーを創出
当社は、地域においてお客さまとともに地産地消の再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)を創出し、施設内で使用する電力は入店する専門店分も含めCO2を排出しない電力(以下、「CO2フリー電力」)とすることをめざします。
2025年までに当社が管理・運営する国内の約160モールで使用する電力を再エネに転換するという目標において、各地域での再エネ直接契約による実質CO2フリー電力調達から、順次地産地消の再エネ(PPA手法(注4)含む)へ切り替え、2040年度には当社直営モールにおいて100%地産地消の再エネ(約20億kwh/年)での運営へ引き上げていきます。2022年度より太陽光発電から着手し、段階的に風力発電等の他の発電手法や、水素エネルギー、蓄電池等を活用していきます。
また、従来のV2H(車(Vehicle)から家(Home))から進化させたV2AEON MALL(車からイオンモール)を推進します。お客さま参加型の再エネ循環プラットフォームを整え、家庭で発電した電力(余剰電力)をEV(電気自動車)でモールに放電し、放電量に応じて環境貢献指数の見える化やポイントなど進呈します。アプリからアクションレコードを管理し、EVによる再エネの放電だけでなく、植樹活動や廃プラ回収、食品ロス対策協力等の環境貢献活動に対しても数値化を行い、活動する意味を見える化することで、お客さまとともに取り組みを推進していきます。
当社は、お客さま自身の「環境意識」を「行動」に繋げるサポートを行うことで、海外も含めた全ての地域の脱炭素社会をお客さまとともに築き上げていきます。
・衣料品回収「幸服リレー」の開催
当社では、循環型社会形成に向けて、Reduce(削減する)・Reuse(再利用する)・Recycle(再生する)の3Rに、Rethink(考え直す)・Repair(修理する)・Returnable(回収可能な)の3要素を加えた6Rの推進を掲げ、サーキュラーモールの実現に向けた取り組みを推し進めています。
その一環として、お客さまが使用しなくなった衣料品回収を行う「幸服リレー」を11月12日から11月30日にかけて全国のモールで開催しました。回収された衣料品は、再生資源にリサイクルされ、新たな衣料品として生まれ変わらせることで、衣類ロスとCO2排出量の削減に貢献していきます。また「幸服リレー!ワールド」として、国内7モールでお客さまからお預かりした衣料品の一部を、カンボジアのモールを通じて現地の子どもたちへ寄贈する取り組みを実施しました。
・eco検定アワード2021「エコユニット部門優秀賞」を受賞
東京商工会議所が主催する「eco検定アワード2021」において、eco検定で身に付けた知識を活かして環境活動に取り組んでいる企業として、2020年に引き続き「エコユニット部門優秀賞」を受賞しました。これは、脱炭素の取り組みや全国モールでの環境啓蒙イベントの展開等、当社が2020年度に推進した環境活動への取り組みが評価されたものです。なお、当社では、環境保護に対する意識の向上および取り組みの推進をめざしeco検定の取得を奨励しており、国内では約85%にあたる1,473名(2021年11月末時点)が検定を取得しています。
(社会課題の解決に向けて)
・責任あるビジネスの推進(人権)
当社はイオンの人権基本方針に基づき、人権を尊重し、性別や国籍に関わりなく企業の発展に参画できる組織、またすべての従業員の能力が最大限に発揮できる職場の実現をめざしています。全従業員が年1回人権研修を受講しており、さらに、社内外の相談窓口を記載した小冊子を全従業員に配布するとともに、就業規則に人権尊重、差別禁止等の事項を明記しています。
人権侵害となるような事案発生を未然に防ぎ、持続可能なバリューチェーンを構築するため、イオンの人権基本方針およびイオンサプライヤー取引行動規範に基づき、当社独自に「持続可能な取引のためのガイドライン」を新たに策定しました。12月には、建設関係のお取引先さまを対象に同ガイドラインの理解促進および普及を目的とした説明会を実施しました。当社のお取引先さまと価値観を共有し、社会的責任を果たすための手引きとして遵守するとともに、実施状況の把握に努めながらサプライチェーン上の人権リスクの管理と低減をめざしていきます。
また、イオンの人権基本方針では人権デュー・ディリジェンスの実施を明記しており、当社においても2020年より取り組みを開始しております。人権保障の担い手としての役割を担うべく、当社でも持続可能なバリューチェーンを構築するための取り組みを継続していきます。
・防疫対策の取り組み
イオンモール上尾(埼玉県)、イオンモール新利府 南館、イオンモール川口、イオンモール白山、イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、世界的な新型コロナウイルス感染症対策への評価である「WELL Health-Safety Rating(注5)」を取得しました。施設内での飛沫感染、接触感染防止対策をはじめ、各出入口での安全対策や施設内の清掃管理体制などを徹底し、お客さまや従業員が安全・安心にご利用いただける施設として管理・運営を行っています。
・国内外における新型コロナウイルスワクチン接種の推進支援
当社では、各自治体と連携し、モール内のホールや駐車場等の施設を新型コロナウイルスワクチン接種会場として活用いただく取り組みを推進しています。イオンモール広島府中(広島県)、イオンモール春日部(埼玉県)、イオンモール旭川駅前(北海道)など、全国で約30のモールが新型コロナウイルスワクチン接種会場として使用され、約49万人の方々にワクチン接種を実施しました。当社モールを最大限活用していただくことで、地域の皆さまの安全・安心で快適な暮らしの実現に努めていきます。海外においても、ベトナムのイオンモール ビンズオンキャナリー(ビンズオン省)では、モール内に大規模接種会場を提供し、市内の工場や商業施設で働く約3,300人を対象に、1日約650回のワクチン接種を実施しました。地域コミュニティにおける感染拡大を防ぐため、今後も地域の皆さまの安全・安心の確保に積極的に協力していきます。
また、イオングループでは、地域全体の接種率を引き上げるため、全国のグループ従業員に対して新型コロナウイルスワクチンの職域接種を推進しており、イオンモール幕張新都心(千葉県)、イオンレイクタウン(埼玉県)等の当社モールが接種会場として使用されています。当社では接種対象枠を当社従業員だけでなく、専門店従業員の方々にも拡大することで、安心して働ける職場環境づくりに努めています。
・産学連携協力の取り組み
新型コロナウイルス感染症の影響により、学生にとって学問や文化活動の発表の場が制限されている中、当社モールを活動発表の場として活用していただく取り組みを推進しています。
イオンモールNagoya Noritake Gardenでは、4月に学校法人三幸学園との間で「産学連携協力に関する連携覚書」を締結しました。この覚書に基づき、11月27日から12月25日にかけて、名古屋こども専門学校や名古屋ビューティーアート専門学校等の生徒たちと一緒に、クリスマスツリー装飾を制作するワークショップやメイク体験、エクササイズ体験等、「私らしいクリスマス、見つけよう」と題したイベントを実施しました。
6月には国立大学法人東北大学災害科学国際研究所、公益財団法人イオン環境財団、当社との三者間で「産学連携協力」に関する協定を締結しました。三者は、安全・安心なレジリエント・コミュニティの創生をめざし、「イオン防災環境都市推進(仮称)研究部門」を東北大学災害科学国際研究所内に立ち上げ、「防災・減災」「杜のデザイン」「感染症対策」の3項目を中心に、地域の皆さまにも参画いただくワークショップ等の実施を計画しています。特に、当社が東北大学雨宮キャンパス跡地に計画する施設づくりにおいて、地域の防災拠点として、地域の皆さまが安心して利用できるよう専門的な視点から検証・実施を進めていきます。
イオンモール白山では、「かがやき、あつまるプロジェクト」として、エリアに所在する学校との産学連携を推進しており、これまでに学校法人国際ビジネス学院、学校法人金城学園、石川県立翠星高校との間で「産学連携協力」に関する覚書を締結しました。モールが学校側に発表場所を提供し、学校側は研究発表やイベントに活用する等、各校との連携を深めて、継続的に地域の活性化と発展に貢献していきます。
・選挙投票所の開設
10月に実施された第49回衆議院議員総選挙において、全国55箇所の当社モールに投票所を開設しました。お子さま連れのご家族や学生の方にも来場しやすく、かつ快適な施設環境で投票していただくとともに、モールに勤務する従業員にとっても、投票しやすい環境を提供することを目的に投票所の設置を進めており、利便性の高さから利用率や投票率向上に寄与しました。
・全国学生クリスマス献血キャンペーン
日本赤十字社と当社は、全国のイオンモール計30箇所で「全国学生クリスマス献血キャンペーン」を開催しました。日本赤十字社の学生献血推進ボランティアが主体となり、モールに来店されたお客さまに献血の呼びかけを行うことで、若年層を中心に各年代層への献血の理解と協力を促す企画で、2017年より実施し今回で5回目の開催となります。なお、これまで2021年度に当社モールで実施した献血活動の実績は、日本赤十字社が全国で実施した献血協力者の約4.4%に相当します。
(注)1.東京電力が調達した環境価値を、系統電気と一緒にお客さまの需要場所に送るメニューで、実質的にCO2フリー電気を使っているとみなせるものです。
2.天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)し、燃焼させても地球規模ではCO2が発生しないとみなされるものです。なお、対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減効果をCO2クレジットとして認証したものです。
3.中部電力ミライズのグループ会社が所有する非FIT水力電源から、電気と非化石証書を調達することで、CO2フリー化した電力です。
4.電力小売事業者との契約により、資産を所有せず当社の専用発電所から電力供給を受ける手法。
5.同認証は、来訪者や従業員などの健康と安全に配慮し、施設を管理・運営していることを第三者検証機関により審査するグローバル基準の評価です。
(サステナビリティファイナンスの取り組み)
当社は、社会課題の解決と環境配慮を目的に、当社初となるサステナビリティ・リンク・ボンド(以下、「本社債」という。)(注1)を11月に200億円発行しました。昨年9月には、サステナビリティボンド発行により300億円の資金調達を行い、新型コロナウイルス感染症対策や東日本大震災復興支援等に充当しました。本社債は、脱炭素社会の実現に向けたサステナビリティファイナンスへの取り組みとして、あらかじめ定めたサステナビリティ目標を達成するか否かで変化する条件での発行としており、今後もESGの取り組みをさらに拡充していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
| 名称 | イオンモール株式会社第 28 回無担保社債 (社債間限定同順位特約付)(サステナビリティ・リンク・ボンド) |
| 発行年限 | 5年 |
| 発行額 | 200億円 |
| 利率 | 0.160% |
| 条件決定日 | 2021年11月19日(金) |
| 発行日 | 2021年11月26日(金) |
| 償還日 | 2026年11月26日(木) |
| 取得格付 | A-(株式会社格付投資情報センター) |
| SPT(注2) | 2025年度末における国内の全イオンモールで使用する電力のCO2フリー化 |
| 判定後の債券特性 | 2025年度末の判定時にSPTの未達が確認された場合、2026年10月末までに本社債発行額の0.2%相当額の公益財団法人(イオン環境財団等(注3))への寄付を実施する。 |
| 主幹事 | みずほ証券株式会社(事務)、大和証券株式会社、野村證券株式会社 |
| Sustainability-Linked Bond Structuring Agent(注4) | みずほ証券株式会社 |
| 外部評価 | 本社債について、株式会社格付投資情報センター(R&I)より、国際資本市場協会(ICMA)の「サステナビリティ・リンク・ボンド原則」との適合性に対する外部評価(セカンドオピニオン)を取得しました。 |
(注)1.あらかじめ定められたサステナビリティ目標を達成するか否かによって条件が変化する債券のことを指す。調達資金が必ずしも特定の資金使途に限定される必要はなく、発行体があらかじめ定めた重要な評価指標(KPI)とSPTによって評価される。KPIに関して達成すべき目標数値としてSPTが設定され、KPIがSPTを達成したかどうかによって、債券の条件が変化することで、発行体にSPT達成に向けた動機付けを与える債券。
2.サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット。サステナビリティ・リンク・ボンドの発行条件を決定する発行体の経営戦略に基づく目標。
3.公益財団法人イオン環境財団(https://www.aeon.info/ef/)は、助成・支援、植樹、顕彰、環境教育を柱とした公益事業を営む。イオンの基本理念「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」のもと、岡田卓也氏(イオン株式会社名誉会長相談役・公益財団法人イオン環境財団理事長)他2名からの寄付を基本財産として1990年12月設立。1991年に特定公益増進法人の認可を受けた後、2009年に公益財団法人に移行。
4.サステナビリティ・リンク・ボンドの商品設計およびセカンドオピニオン等外部の第三者評価取得に関する助言等を通じて、サステナビリティファイナンスの実行支援を行う者。
(2)財政状態の状況
(資産)
総資産は、前連結会計年度末と比較して766億3千3百万円増加し、1兆4,708億3千2百万円となりました。これは、現金及び預金が270億2千3百万円減少した一方で、減価償却費472億3千5百万円を上回る新店の開業や既存店の活性化、将来の開発用地の先行取得等922億1千2百万円を行ったことで有形固定資産が707億3千3百万円増加したこと、また、為替換算の影響による増加も大きく生じたこと等によるものです。
(負債)
負債は、前連結会計年度末と比較して505億9千8百万円増加し、1兆573億1千1百万円となりました。これは、社債(「1年内償還予定の社債」を含む。)が350億円、リース債務(流動負債の「リース債務」を含む。)が83億8千万円、長期預り保証金が77億6千2百万円、長期借入金(「1年以内返済予定の長期借入金」を含む。)が44億9千2百万円増加した一方で、未払法人税等が40億2千2百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して260億3千4百万円増加し、4,135億2千1百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益164億5千7百万円の計上や配当金102億3千9百万円の支払等により利益剰余金が62億1千8百万円増加、為替換算調整勘定が196億5千8百万円増加したこと等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して251億9千9百万円減少し、988億8千1百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況等については、次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、459億2千5百万円(前第3四半期連結累計期間180億2千9百万円)となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益が201億4千2百万円(同税金等調整前四半期純損失16億8千7百万円)、減価償却費が472億3千5百万円(同435億7千2百万円)となる一方で、専門店預り金の減少額が9億8千万円(同104億6千1百万円)、法人税等の支払額が106億6千9百万円(同111億5千万円)となったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、932億2千5百万円(同478億8千1百万円)となりました。主な要因は、前連結会計年度に増床活性化したイオンモール高知(高知県)や同年度にてオープンしたイオンモール上尾等の設備代金の支払、イオンモール セントゥールシティの資産の取得、当第3四半期連結累計期間における開発用地の先行取得等により有形固定資産の取得による支出が867億1千7百万円(同443億4千4百万円)生じたこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、149億1千万円(同303億4千1百万円)となりました。主な要因は、社債の発行による収入が650億円(同600億円)、長期借入れによる収入が232億8千7百万円(同200億2千2百万円)となる一方で、社債の償還による支出が300億円(同150億円)、長期借入金の返済による支出が203億8千万円(同165億7百万円)、リース債務の返済による支出が122億2千5百万円(同84億5千1百万円)、配当金の支払額が102億3千9百万円(同91億円)となったこと等によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財政上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。