有価証券報告書-第200期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月23日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社は、「東武グループ中期経営計画2017~2020」において、2020年度の目標経営指標を連結営業利益は68,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を40,000百万円といたしました。
同計画の3年目となる2019年度における連結業績は、以下のとおりであります。
① 営業収益
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い訪日外国人観光客の減少や外出自粛等の影響があったものの、前連結会計年度に完全子会社化した㈱東武ストアが通期で寄与したことなどにより増収となり、営業収益は653,874百万円(前期比5.9%増)となりました。
② 営業利益
新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛や一部レジャー施設の臨時休業等の影響により、営業利益は62,653百万円(前期比6.9%減)となりました。
③ 経常利益
営業外収益については、㈱東武ストアの完全子会社化に伴い、前連結会計年度に計上した持分法による投資利益が損失に転じたことなどにより、4,103百万円(前期比4.2%減)となりました。
営業外費用については、元本減や利率の低下による支払利息の減少等により8,343百万円(前期比3.1%減)となり、経常利益は58,414百万円(前期比7.2%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益については、投資有価証券売却益等が減少したことなどにより、4,296百万円(前期比32.4%減)となりました。
特別損失については、前連結会計年度に子会社の事業再編に伴い保有する土地等の固定資産に係る減損損失を計上したことなどにより、8,552百万円(前期比69.1%減)となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益を54,157百万円(前期比30.1%増)計上し、法人税等を控除した当期純利益は35,966百万円(前期比26.2%増)となりました。また、ここから非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は35,530百万円(前期比26.8%増)となりました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響は以下のとおりであります。また、2020年度の連結業績においても影響を受けるものの、2020年度の一定期間にかけて回復していくものと考えております。
セグメント情報の業績を示すと、次のとおりであります。
なお、各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。また、各セグメントの営業成績のうち「調整額」は内部取引消去額を表しております。
(運輸事業)
鉄道業におきまして、当社では、安全・安心で暮らしやすく、そして選ばれる沿線を目指して、様々な取組みを進めております。
安全面では、竹ノ塚駅付近、清水公園~梅郷間及びとうきょうスカイツリー駅付近の高架化工事を推進するとともに、春日部駅付近の高架化について埼玉県と施行協定を締結いたしました。さらに、ホーム上の安全対策として、池袋駅4番ホーム、朝霞駅1・2番ホーム及び志木駅3・4番ホームにおいてホームドアの使用を開始するとともに、北千住駅、新越谷駅及び北越谷駅においてもホームドア設置に向けた準備工事を推進いたしました。また、台風19号による設備の被災状況を踏まえ、さらなる安全・安定運行を目的に、河川増水に備えた橋梁や変電施設の改修工事を推進いたしました。さらに、テロ事案発生時における対処方法の確認及び関係機関との連携強化等を目的に、警察や消防等と合同で対応訓練を実施するとともに、車内のセキュリティ向上とテロ防止を目的として、東京メトロ線直通車両等への車内防犯カメラの設置に着手いたしました。
営業面では、東武アーバンパークラインにおいて、速達性・利便性・快適性向上を目的にダイヤ改正を行い、新たに運河~船橋間で急行運転を開始しました。また、平日の最終列車の繰り下げや、特急「アーバンパークライナー」の運転区間を拡充しました。日光・鬼怒川エリアでは、冬季における誘客を目的に、同エリアの鉄道路線やバス路線、さらに東武グループの施設を無料でご利用いただけるイベント「東武グループ日光フリーデー」を実施したほか、歴史テーマパーク「江戸ワンダーランド日光江戸村」とコラボレーションした「SL大樹」を運行するなど沿線地域と連携した施策を実施し、同エリアのさらなる活性化をはかりました。また、外国人観光客が安心して鉄道をご利用いただける環境を整備するため、東武線全駅の全駅係員及び全乗務員にAI通訳機を配備し、対話形式の案内の充実をはかりました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、従業員については時差通勤の実施やテレワークの促進等の対策を講じるとともに、お客様の感染防止対策として駅構内の設備や列車車内の定期的な除菌清掃、係員による列車の窓開け、当社ホームページや駅構内・車内放送等による咳エチケットや手洗い、オフピーク通勤の呼びかけ等を実施いたしました。
バス・タクシー業におきまして、新たな技術の活用によるさらなる利益拡大に向けた取組みとして、東武バスイースト㈱では、柏市内において、また、関越交通㈱では、群馬県内において、自動運転技術の実証実験への協力を実施いたしました。
運輸事業全体としては、新型コロナウイルス感染拡大防止による外出自粛等の影響により、営業収益は215,427百万円(前期比0.8%減)、営業利益は37,659百万円(前期比8.4%減)となりました。
(営業成績)
(提出会社の鉄道業成績)
(注) 1 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)÷(客車走行キロ×平均定員)×100
乗車効率とは、客車走行車両定員に対する旅客輸送量を見るためのものであります。
2 定期外旅客収入は、特急料金、着席整理料金及び座席指定料金を含んでおります。

(レジャー事業)
スカイツリー業におきまして、「東京スカイツリー®」では、事前購入いただく日時指定券について、優先入場の利点を残したまま当日券よりも安い料金設定にするとともに、当社グループの進める子育て支援の一環として当日券及び日時指定券ともに幼児料金を無料にするなど、ご利用しやすい料金体系の整備を実施いたしました。また、通常ライティングのデザインについて、照明機器を増設しさらなる輝きと躍動感あふれる多彩な演出や動きを新たに加えることで、より印象的で注目を集めるデザインへとリニューアルいたしました。
ホテル業におきまして、「コートヤード・マリオット銀座東武ホテル」や「成田東武ホテルエアポート」等では、ラグビーワールドカップでの外国人観光客を確実に獲得するなど宿泊部門を中心に増収に努めました。
遊園地・観光業におきまして、「東武動物公園」では、人気アニメとのコラボレーション企画や、人気ヴォーカリストとコラボレーションした光と音楽のショー「ウインターイルミネーション」を開催したほか、「東武ワールドスクウェア」では、タイ王国の寺院「ワット・アルン」のミニチュアの展示を開始するとともに園内展示物等をライトアップさせた「イルミネーションin東武ワールドスクウェア」を開催し、それぞれ誘客に努めました。
また、東武興業㈱では、中禅寺湖遊覧船の「大使館別荘記念公園桟橋」を新設するとともに、「一周フリー乗船券」を新たに販売することで、奥日光エリアの周遊性を高め増収に努めました。
レジャー事業全体としては、一部の施設において新型コロナウイルスの感染拡大防止のため臨時休業を行ったこと等により、営業収益は72,072百万円(前期比7.5%減)、営業利益は3,116百万円(前期比48.7%減)となりました。
(営業成績)
(不動産事業)
スカイツリータウン業におきまして、「東京ソラマチ®」では、東京スカイツリーとともに、新元号「令和」を記念したイベントや季節に応じた各種イベントを開催し誘客に努めました。
不動産賃貸業におきまして、当社では、駅ナカ商業施設「EQUiA(エキア)曳舟」及び「EQUiAときわ台」をオープンさせたほか、駅ナカの手軽さとゆったりとご利用いただける駅ビルの特徴を併せ持つ、和光市駅直結の複合商業施設「EQUiA PREMIE(エキア プレミエ)和光」において、駅ナカエリアの先行オープンに続き駅ビルエリアに19店舗を新たに開業し、駅利用者と近隣にお住いの方の利便性向上とさらなる収益確保をはかりました。さらに、子育て世代が住みやすい環境を整備するため、南桜井駅及び新船橋駅近くに保育所を開設し、沿線の価値向上をはかりました。
不動産分譲業におきまして、当社では、沿線価値向上と沿線定住人口増加を目的として、「ソライエ流山おおたかの森」(流山市おおたかの森北)等の分譲マンションや分譲戸建住宅「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」(野田市清水公園東)を販売いたしました。
不動産事業全体としては、営業収益は67,912百万円(前期比9.6%増)、営業利益は14,468百万円(前期比2.7%増)となりました。
(営業成績)
(流通事業)
百貨店業におきまして、㈱東武百貨店では、池袋店において「初夏の大北海道展」等の催事をはじめ各種営業施策を積極的に展開し誘客と収益確保に努めました。また、消費税増税以降の「中食」ニーズの高まりに応えるため、船橋店において地下1階惣菜売場をリニューアルしたほか、㈱東武宇都宮百貨店では、宇都宮店において地下1階食品売場をリニューアルし、それぞれ誘客に努めました。
ストア業におきまして、㈱東武ストアでは、都市型ミニスーパーマーケット第1号店の「Tobu store Fresh & Quick(トウブストア フレッシュ&クイック)曳舟店」をはじめ計3店舗をオープンさせ、増収に努めました。
流通事業全体としては、営業収益は266,418百万円(前期比16.8%増)、営業利益は3,364百万円(前期比64.2%増)となりました。
(営業成績)
(その他事業)
建設業におきまして、東武建設㈱では、足利市において物流センターの建築工事を、東武谷内田建設㈱では、墨田区において橋梁の架け替え工事を、東武緑地㈱では、杉並区において公園整備工事を、それぞれ完了させました。
そのほか、東武ビルマネジメント㈱では、新座市においてマンションの清掃業務を受注するなど増収に努めました。
その他事業全体としては、営業収益は110,513百万円(前期比7.3%増)、営業利益は5,375百万円(前期比6.0%増)となりました。
(営業成績)
なお、当社グループのサービス、生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種のサービス、製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金の増加等により1,656,092百万円となり、前連結会計年度末と比べ12,901百万円(前期比0.8%増)の増加となりました。
負債は、前受金の増加等により1,182,122百万円となり、前連結会計年度末と比べ8,208百万円(前期比0.7%増)の増加となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により473,969百万円となり、前連結会計年度末と比べ4,692百万円(前期比1.0%増)の増加となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,927百万円増加し31,407百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、税金等調整前当期純利益54,157百万円に減価償却費55,442百万円等を加減算した結果、101,136百万円となり、前連結会計年度と比べて12,944百万円の資金流入の増加となりました。これは、主にたな卸資産の増減額の減少等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は75,621百万円となり、前連結会計年度と比べて473百万円の資金流出の減少となりました。これは、主に連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は22,577百万円となり、前連結会計年度と比べて13,978百万円の資金流出の増加となりました。これは、主に社債の発行による収入が増加した一方、自己株式を取得したことなどによるものです。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、営業取引に係る運転資金、設備投資等に係る資金、有利子負債の返済並びに配当等の資金を主としております。
設備投資につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
(資金調達及び資金の流動性)
短期的な運転資金は、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、取引銀行5行との総額900億円の貸出コミットメント契約並びに、当社グループではキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)によりグループ内の余剰資金を有効に活用しております。
また、運輸事業や流通事業を中心に日々の収入金があり、必要な流動性は確保しているとともに、十分な水準の資金を保有しております。
設備投資等の長期的な必要資金については、営業活動で得た資金に加え、主力事業である鉄道事業の特性を鑑み、長期安定的な資金調達を行うために、借入金のほか、社債の発行及びシンジケート・ローンの組成、リース等の多様な選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。
同時に、年度別償還額の集中を避けることで、将来の借り換えリスクの低減に努めているとともに、金利上昇リスクに備え、固定金利と変動金利のそれぞれの負債残高のバランスを考慮しております。
また、今般の新型コロナウイルス影響下の資金繰りにおいては、コミットメントラインとキャッシュ・マネジメント・システムを活用することで、その影響を最小限に抑えるとともに、㈱日本政策投資銀行からの借入によって調達するなど、十分な資金を保有すべく努めてまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にもとづき作成されております。その作成にあたり経営者は、資産・負債及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わねばなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
① 株式等の投資
当社グループが保有する株式等の有価証券及びのれんについては、将来の株式市況の悪化または投資対象会社の業績不振等により時価の著しい下落が生じた際には、損失の計上が必要となる場合があります。
② 不動産の保有
当社グループが保有する販売用不動産については、地価の下落や市況悪化等により時価の下落が生じた場合には、損失の計上が必要になります。また、事業用不動産については、当初見込んだ収益が得られなかった場合、または将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に変更があった場合には、減損損失の計上が必要になります。
③ 退職給付費用及び債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率にもとづいて算出されております。したがって、前提条件または制度に変化や変更が生じた場合には、退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の計画にもとづき慎重にかつ実現(回収)可能な範囲において繰延税金資産を計上しておりますが、将来において既に計上している繰延税金資産の全部または一部を実現(回収)できないと判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できないと判断した繰延税金資産を取崩すとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額に加算し、当期純利益を減少させる場合があります。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない項目について、将来においてその全部または一部を実現(回収)できると判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できると判断した金額を繰延税金資産として計上するとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額から控除し、当期純利益を増加させる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の考え方については、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月23日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社は、「東武グループ中期経営計画2017~2020」において、2020年度の目標経営指標を連結営業利益は68,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を40,000百万円といたしました。
同計画の3年目となる2019年度における連結業績は、以下のとおりであります。
① 営業収益
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い訪日外国人観光客の減少や外出自粛等の影響があったものの、前連結会計年度に完全子会社化した㈱東武ストアが通期で寄与したことなどにより増収となり、営業収益は653,874百万円(前期比5.9%増)となりました。
② 営業利益
新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛や一部レジャー施設の臨時休業等の影響により、営業利益は62,653百万円(前期比6.9%減)となりました。
③ 経常利益
営業外収益については、㈱東武ストアの完全子会社化に伴い、前連結会計年度に計上した持分法による投資利益が損失に転じたことなどにより、4,103百万円(前期比4.2%減)となりました。
営業外費用については、元本減や利率の低下による支払利息の減少等により8,343百万円(前期比3.1%減)となり、経常利益は58,414百万円(前期比7.2%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益については、投資有価証券売却益等が減少したことなどにより、4,296百万円(前期比32.4%減)となりました。
特別損失については、前連結会計年度に子会社の事業再編に伴い保有する土地等の固定資産に係る減損損失を計上したことなどにより、8,552百万円(前期比69.1%減)となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益を54,157百万円(前期比30.1%増)計上し、法人税等を控除した当期純利益は35,966百万円(前期比26.2%増)となりました。また、ここから非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は35,530百万円(前期比26.8%増)となりました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響は以下のとおりであります。また、2020年度の連結業績においても影響を受けるものの、2020年度の一定期間にかけて回復していくものと考えております。
| セグメント | 営業収益 | 営業利益 | 主な要因 |
| 運輸事業 | △40億円 | △37億円 | 外出自粛要請や外国人観光客の減少に伴う鉄道業及びバス・タクシー業における輸送人員減等 |
| レジャー事業 | △35億円 | △19億円 | 外出自粛要請や外国人観光客の減少に伴うホテル業における稼働率減やレジャー施設の臨時休業に伴う遊園地・観光業及びスカイツリー業における来場者減等 |
| 不動産事業 | △5億円 | △2億円 | 外出自粛要請や商業施設の営業時間短縮及び臨時休業に伴う不動産賃貸業及びスカイツリータウン業における売上減等 |
| 流通事業 | △11億円 | △2億円 | 外出自粛要請や外国人観光客の減少に伴う百貨店業における売上減等 |
| その他事業 | △0億円 | △0億円 | イベント中止に伴うその他業における売上減等 |
| 合計 | △91億円 | △60億円 |
セグメント情報の業績を示すと、次のとおりであります。
なお、各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。また、各セグメントの営業成績のうち「調整額」は内部取引消去額を表しております。
(運輸事業)
鉄道業におきまして、当社では、安全・安心で暮らしやすく、そして選ばれる沿線を目指して、様々な取組みを進めております。
安全面では、竹ノ塚駅付近、清水公園~梅郷間及びとうきょうスカイツリー駅付近の高架化工事を推進するとともに、春日部駅付近の高架化について埼玉県と施行協定を締結いたしました。さらに、ホーム上の安全対策として、池袋駅4番ホーム、朝霞駅1・2番ホーム及び志木駅3・4番ホームにおいてホームドアの使用を開始するとともに、北千住駅、新越谷駅及び北越谷駅においてもホームドア設置に向けた準備工事を推進いたしました。また、台風19号による設備の被災状況を踏まえ、さらなる安全・安定運行を目的に、河川増水に備えた橋梁や変電施設の改修工事を推進いたしました。さらに、テロ事案発生時における対処方法の確認及び関係機関との連携強化等を目的に、警察や消防等と合同で対応訓練を実施するとともに、車内のセキュリティ向上とテロ防止を目的として、東京メトロ線直通車両等への車内防犯カメラの設置に着手いたしました。
営業面では、東武アーバンパークラインにおいて、速達性・利便性・快適性向上を目的にダイヤ改正を行い、新たに運河~船橋間で急行運転を開始しました。また、平日の最終列車の繰り下げや、特急「アーバンパークライナー」の運転区間を拡充しました。日光・鬼怒川エリアでは、冬季における誘客を目的に、同エリアの鉄道路線やバス路線、さらに東武グループの施設を無料でご利用いただけるイベント「東武グループ日光フリーデー」を実施したほか、歴史テーマパーク「江戸ワンダーランド日光江戸村」とコラボレーションした「SL大樹」を運行するなど沿線地域と連携した施策を実施し、同エリアのさらなる活性化をはかりました。また、外国人観光客が安心して鉄道をご利用いただける環境を整備するため、東武線全駅の全駅係員及び全乗務員にAI通訳機を配備し、対話形式の案内の充実をはかりました。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、従業員については時差通勤の実施やテレワークの促進等の対策を講じるとともに、お客様の感染防止対策として駅構内の設備や列車車内の定期的な除菌清掃、係員による列車の窓開け、当社ホームページや駅構内・車内放送等による咳エチケットや手洗い、オフピーク通勤の呼びかけ等を実施いたしました。
バス・タクシー業におきまして、新たな技術の活用によるさらなる利益拡大に向けた取組みとして、東武バスイースト㈱では、柏市内において、また、関越交通㈱では、群馬県内において、自動運転技術の実証実験への協力を実施いたしました。
運輸事業全体としては、新型コロナウイルス感染拡大防止による外出自粛等の影響により、営業収益は215,427百万円(前期比0.8%減)、営業利益は37,659百万円(前期比8.4%減)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 鉄道業 | 163,033 | △1.6 |
| バス・タクシー業 | 30,941 | △0.7 |
| 貨物運送業 | 21,937 | 5.7 |
| 小計 | 215,911 | △0.8 |
| 調整額 | △484 | ― |
| 営業収益計 | 215,427 | △0.8 |
(提出会社の鉄道業成績)
| 種別 | 単位 | 第199期 | 第200期 | |
| (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 営業日数 | 日 | 365 | 366 | |
| 営業キロ | キロ | 463.3 | 463.3 | |
| 客車走行キロ | 千キロ | 274,200 | 275,030 | |
| 定期 | 千人 | 603,535 | 605,670 | |
| 輸送人員 | 定期外 | 〃 | 322,903 | 315,305 |
| 計 | 〃 | 926,438 | 920,975 | |
| 定期 | 百万円 | 67,035 | 67,109 | |
| 旅客収入 | 定期外 | 〃 | 81,811 | 79,130 |
| 計 | 〃 | 148,846 | 146,238 | |
| 運輸雑収 | 〃 | 15,101 | 15,072 | |
| 収入合計 | 〃 | 163,947 | 161,311 | |
| 1日平均収入 | 〃 | 449 | 440 | |
| 乗車効率 | % | 32.4 | 32.4 | |
(注) 1 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)÷(客車走行キロ×平均定員)×100
乗車効率とは、客車走行車両定員に対する旅客輸送量を見るためのものであります。
2 定期外旅客収入は、特急料金、着席整理料金及び座席指定料金を含んでおります。

(レジャー事業)
スカイツリー業におきまして、「東京スカイツリー®」では、事前購入いただく日時指定券について、優先入場の利点を残したまま当日券よりも安い料金設定にするとともに、当社グループの進める子育て支援の一環として当日券及び日時指定券ともに幼児料金を無料にするなど、ご利用しやすい料金体系の整備を実施いたしました。また、通常ライティングのデザインについて、照明機器を増設しさらなる輝きと躍動感あふれる多彩な演出や動きを新たに加えることで、より印象的で注目を集めるデザインへとリニューアルいたしました。
ホテル業におきまして、「コートヤード・マリオット銀座東武ホテル」や「成田東武ホテルエアポート」等では、ラグビーワールドカップでの外国人観光客を確実に獲得するなど宿泊部門を中心に増収に努めました。
遊園地・観光業におきまして、「東武動物公園」では、人気アニメとのコラボレーション企画や、人気ヴォーカリストとコラボレーションした光と音楽のショー「ウインターイルミネーション」を開催したほか、「東武ワールドスクウェア」では、タイ王国の寺院「ワット・アルン」のミニチュアの展示を開始するとともに園内展示物等をライトアップさせた「イルミネーションin東武ワールドスクウェア」を開催し、それぞれ誘客に努めました。
また、東武興業㈱では、中禅寺湖遊覧船の「大使館別荘記念公園桟橋」を新設するとともに、「一周フリー乗船券」を新たに販売することで、奥日光エリアの周遊性を高め増収に努めました。
レジャー事業全体としては、一部の施設において新型コロナウイルスの感染拡大防止のため臨時休業を行ったこと等により、営業収益は72,072百万円(前期比7.5%減)、営業利益は3,116百万円(前期比48.7%減)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 遊園地・観光業 | 5,122 | △7.2 |
| スポーツ業 | 9,486 | △13.0 |
| 旅行業 | 20,859 | △1.8 |
| ホテル業 | 17,305 | △8.3 |
| 飲食業 | 7,759 | △6.3 |
| スカイツリー業 | 12,825 | △13.0 |
| 小計 | 73,357 | △7.8 |
| 調整額 | △1,285 | ― |
| 営業収益計 | 72,072 | △7.5 |
(不動産事業)
スカイツリータウン業におきまして、「東京ソラマチ®」では、東京スカイツリーとともに、新元号「令和」を記念したイベントや季節に応じた各種イベントを開催し誘客に努めました。
不動産賃貸業におきまして、当社では、駅ナカ商業施設「EQUiA(エキア)曳舟」及び「EQUiAときわ台」をオープンさせたほか、駅ナカの手軽さとゆったりとご利用いただける駅ビルの特徴を併せ持つ、和光市駅直結の複合商業施設「EQUiA PREMIE(エキア プレミエ)和光」において、駅ナカエリアの先行オープンに続き駅ビルエリアに19店舗を新たに開業し、駅利用者と近隣にお住いの方の利便性向上とさらなる収益確保をはかりました。さらに、子育て世代が住みやすい環境を整備するため、南桜井駅及び新船橋駅近くに保育所を開設し、沿線の価値向上をはかりました。
不動産分譲業におきまして、当社では、沿線価値向上と沿線定住人口増加を目的として、「ソライエ流山おおたかの森」(流山市おおたかの森北)等の分譲マンションや分譲戸建住宅「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」(野田市清水公園東)を販売いたしました。
不動産事業全体としては、営業収益は67,912百万円(前期比9.6%増)、営業利益は14,468百万円(前期比2.7%増)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 不動産賃貸業 | 39,009 | 6.5 |
| 不動産分譲業 | 17,090 | 31.3 |
| スカイツリータウン業 | 12,160 | △3.1 |
| 小計 | 68,260 | 9.8 |
| 調整額 | △347 | ― |
| 営業収益計 | 67,912 | 9.6 |
(流通事業)
百貨店業におきまして、㈱東武百貨店では、池袋店において「初夏の大北海道展」等の催事をはじめ各種営業施策を積極的に展開し誘客と収益確保に努めました。また、消費税増税以降の「中食」ニーズの高まりに応えるため、船橋店において地下1階惣菜売場をリニューアルしたほか、㈱東武宇都宮百貨店では、宇都宮店において地下1階食品売場をリニューアルし、それぞれ誘客に努めました。
ストア業におきまして、㈱東武ストアでは、都市型ミニスーパーマーケット第1号店の「Tobu store Fresh & Quick(トウブストア フレッシュ&クイック)曳舟店」をはじめ計3店舗をオープンさせ、増収に努めました。
流通事業全体としては、営業収益は266,418百万円(前期比16.8%増)、営業利益は3,364百万円(前期比64.2%増)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 百貨店業 | 168,117 | △1.3 |
| ストア業 | 80,123 | 101.8 |
| その他業 | 22,377 | △0.5 |
| 小計 | 270,617 | 16.4 |
| 調整額 | △4,199 | ― |
| 営業収益計 | 266,418 | 16.8 |
(その他事業)
建設業におきまして、東武建設㈱では、足利市において物流センターの建築工事を、東武谷内田建設㈱では、墨田区において橋梁の架け替え工事を、東武緑地㈱では、杉並区において公園整備工事を、それぞれ完了させました。
そのほか、東武ビルマネジメント㈱では、新座市においてマンションの清掃業務を受注するなど増収に努めました。
その他事業全体としては、営業収益は110,513百万円(前期比7.3%増)、営業利益は5,375百万円(前期比6.0%増)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 建設業 | 67,048 | 10.2 |
| その他業 | 44,100 | 3.0 |
| 小計 | 111,148 | 7.2 |
| 調整額 | △635 | ― |
| 営業収益計 | 110,513 | 7.3 |
なお、当社グループのサービス、生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種のサービス、製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金の増加等により1,656,092百万円となり、前連結会計年度末と比べ12,901百万円(前期比0.8%増)の増加となりました。
負債は、前受金の増加等により1,182,122百万円となり、前連結会計年度末と比べ8,208百万円(前期比0.7%増)の増加となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により473,969百万円となり、前連結会計年度末と比べ4,692百万円(前期比1.0%増)の増加となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,927百万円増加し31,407百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、税金等調整前当期純利益54,157百万円に減価償却費55,442百万円等を加減算した結果、101,136百万円となり、前連結会計年度と比べて12,944百万円の資金流入の増加となりました。これは、主にたな卸資産の増減額の減少等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は75,621百万円となり、前連結会計年度と比べて473百万円の資金流出の減少となりました。これは、主に連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は22,577百万円となり、前連結会計年度と比べて13,978百万円の資金流出の増加となりました。これは、主に社債の発行による収入が増加した一方、自己株式を取得したことなどによるものです。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、営業取引に係る運転資金、設備投資等に係る資金、有利子負債の返済並びに配当等の資金を主としております。
設備投資につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
(資金調達及び資金の流動性)
短期的な運転資金は、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、取引銀行5行との総額900億円の貸出コミットメント契約並びに、当社グループではキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)によりグループ内の余剰資金を有効に活用しております。
また、運輸事業や流通事業を中心に日々の収入金があり、必要な流動性は確保しているとともに、十分な水準の資金を保有しております。
設備投資等の長期的な必要資金については、営業活動で得た資金に加え、主力事業である鉄道事業の特性を鑑み、長期安定的な資金調達を行うために、借入金のほか、社債の発行及びシンジケート・ローンの組成、リース等の多様な選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。
同時に、年度別償還額の集中を避けることで、将来の借り換えリスクの低減に努めているとともに、金利上昇リスクに備え、固定金利と変動金利のそれぞれの負債残高のバランスを考慮しております。
また、今般の新型コロナウイルス影響下の資金繰りにおいては、コミットメントラインとキャッシュ・マネジメント・システムを活用することで、その影響を最小限に抑えるとともに、㈱日本政策投資銀行からの借入によって調達するなど、十分な資金を保有すべく努めてまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にもとづき作成されております。その作成にあたり経営者は、資産・負債及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わねばなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
① 株式等の投資
当社グループが保有する株式等の有価証券及びのれんについては、将来の株式市況の悪化または投資対象会社の業績不振等により時価の著しい下落が生じた際には、損失の計上が必要となる場合があります。
② 不動産の保有
当社グループが保有する販売用不動産については、地価の下落や市況悪化等により時価の下落が生じた場合には、損失の計上が必要になります。また、事業用不動産については、当初見込んだ収益が得られなかった場合、または将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に変更があった場合には、減損損失の計上が必要になります。
③ 退職給付費用及び債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率にもとづいて算出されております。したがって、前提条件または制度に変化や変更が生じた場合には、退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の計画にもとづき慎重にかつ実現(回収)可能な範囲において繰延税金資産を計上しておりますが、将来において既に計上している繰延税金資産の全部または一部を実現(回収)できないと判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できないと判断した繰延税金資産を取崩すとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額に加算し、当期純利益を減少させる場合があります。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない項目について、将来においてその全部または一部を実現(回収)できると判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できると判断した金額を繰延税金資産として計上するとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額から控除し、当期純利益を増加させる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の考え方については、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。