有価証券報告書-第201期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 13:33
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【項目】
166項目
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、一時的に持ち直しの動きが見られたものの、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益や個人消費等が落ち込み、景気は依然として厳しい状況で推移いたしました。
当社グループにおきましても、外出自粛やテレワークの増加、また、インバウンド需要の消滅等、過去に経験したことのない厳しい状況となりましたが、お客様の暮らしに密着した事業を通じて沿線地域の発展に貢献する企業集団として、新型コロナウイルス対策を講じ、お客様に安心してご利用いただけるよう最大限留意のうえ各事業を推進いたしました。特に、運輸事業では、お客様が大きく減少するなかでも、社会の要請に応えるべく、一部運休を除き概ね通常の運行を継続いたしました。また、減収が続く状況を踏まえ、様々なコスト削減策を実施いたしました。安全投資については引き続き推進しつつも緊急性の低い支出を先送りしたほか、業務委託内容を見直すなど継続的なコスト抑制にも積極的に取組みました。
2020年度の連結業績は、以下のとおりであります。
① 営業収益
ストア業において外出自粛に伴う内食需要増による増収があったものの、自治体等からの休業要請による一部 のレジャー施設・商業施設における臨時休業に加えて、2度の緊急事態宣言及びその後の感染拡大等による出控えや在宅勤務の継続等により、鉄道業・ホテル業・百貨店業を中心にストア業を除くすべてのセグメントで減収となり、営業収益は496,326百万円(前期比24.1%減)となりました。
② 営業利益
ストア業における増収による増益があったものの、その他すべてのセグメントにおける営業収益の減により営業損失は13,577百万円(前期は62,653百万円の営業利益)となりました。
③ 経常利益
営業外収益については、雇用調整助成金等の助成金収入を計上したこと等により、11,929百万円(前期比190.7%増)となりました。
営業外費用については、利率の低下による支払利息の減少等により、8,244百万円(前期比1.2%減)となり、経常損失は9,892百万円(前期は58,414百万円の経常利益)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益については、工事負担金等受入額が増加したこと等により、5,012百万円(前期比16.7%増)となりました。
特別損失については、業績不振や不採算施設の撤退に伴う減損損失及び旅行業に係るのれんの一時償却、臨時休業による損失を計上したこと等により、17,399百万円(前期比103.4%増)となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純損失は22,279百万円(前期は54,157百万円の税金等調整前当期純利益)を計上し、法人税等を控除した当期純損失は25,149百万円(前期は35,966百万円の当期純利益)となりました。また、ここから非支配株主に帰属する当期純損失を控除した親会社株主に帰属する当期純損失は24,965百万円(前期は35,530百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメント情報の業績を示すと、次のとおりであります。
なお、各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。また、各セグメントの営業成績のうち「調整額」は内部取引消去額を表しております。
(運輸事業)
鉄道業におきまして、当社では、安全・安心で暮らしやすく、そして選ばれる沿線を目指して、様々な取組みを進めております。
安全面では、竹ノ塚駅付近、とうきょうスカイツリー駅付近及び春日部駅付近の高架化事業を推進いたしました。また、清水公園~梅郷間において、高架区間の使用を開始し11か所の踏切を廃止するとともに、愛宕駅において新駅舎の使用を開始いたしました。さらに、ホーム上の安全対策として、新越谷駅及び北越谷駅の全ホーム、北千住駅5~7番ホーム並びに志木駅1・2番ホームにおいてホームドアの使用を開始いたしました。また、テロ等非常事態発生時に駅防犯カメラ映像を警察に伝送する「非常時映像伝送システム」について、前期の埼玉県警察本部に引き続き、当期は警視庁と協力し、連携体制を構築いたしました。さらに、沿線の警察及び消防と連携したテロ対応訓練や避難誘導訓練を実施いたしました。
営業面では、東武線・東京メトロ日比谷線相互直通の座席指定制列車「THライナー」の運行を開始し利便性向上に努めました。また、新しい生活様式を踏まえ、東武スカイツリーライン・東上線等における最終列車時刻繰り上げ、東上線上り「TJライナー」の増発を含むダイヤ改正を実施いたしました。さらに、本田技研工業㈱と連携のうえ東武竹沢駅~男衾駅間に新駅「みなみ寄居<ホンダ寄居前>」を開業し、同社工場へのアクセス向上をはかるとともに、周辺の円滑な交通環境の維持や環境負荷軽減にも寄与いたしました。また、東松山市の農産物を池袋駅まで鉄道輸送して販売する「TABETE(タベテ) レスキュー直売所」の実証実験を行い、旅客輸送だけに留まらない新たな輸送サービスを検討するとともに、沿線の魅力発信に努めました。日光・鬼怒川エリアでは、2機目の「SL大樹」の運行を開始し、SL2機体制による下今市駅~鬼怒川温泉駅間の4往復運転を実施し、お客様により多くの乗車機会を提供するとともに、地域活性化に努めました。
バス・タクシー業におきまして、東武バスウエスト㈱では、「鶴瀬駅東口~ららぽーと富士見」間の路線において、走行時に二酸化炭素や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能と高い安全性を備えた燃料電池バスの営業運行を開始いたしました。
貨物運送業におきまして、東武運輸㈱では、さらなる業務拡大のため、荷主から加工や保管等の請負を含めた一体的な物流業務を行うべく、館林市において既存の物流センターを新設移転するとともに、越谷市において新たに物流センターを開設し、増収に努めました。
運輸事業全体としては、2度の緊急事態宣言や感染拡大に伴う出控えやテレワークによる定期・定期外収入の大幅な減少等により営業収益は159,122百万円(前期比26.1%減)となり、工事計画の見直しをはじめ様々な支出削減に努めたものの、営業損失は5,224百万円(前期は37,659百万円の営業利益)となりました。
(営業成績)
業種別当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
営業収益(百万円)前期比(%)
鉄道業117,459△28.0
バス・タクシー業21,478△30.6
貨物運送業20,625△6.0
小計159,563△26.1
調整額△440
営業収益計159,122△26.1

(提出会社の鉄道業成績)
種別単位第200期第201期
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
営業日数366365
営業キロキロ463.3463.3
客車走行キロ千キロ275,030277,822
定期千人605,670459,292
輸送人員定期外315,305217,754
920,975677,046
定期百万円67,10951,893
旅客収入定期外79,13049,851
146,238101,743
運輸雑収15,07214,144
収入合計161,311115,887
1日平均収入440317
乗車効率%32.421.1

(注) 1 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)÷(客車走行キロ×平均定員)×100
乗車効率とは、客車走行車両定員に対する旅客輸送量を見るためのものであります。
2 定期外旅客収入は、特急料金及び座席指定料金を含んでおります。


(レジャー事業)
スカイツリー業におきまして、「東京スカイツリー®」では、期間限定で展望台入場料金を半額とするキャンペーンを実施したほか、人気アニメの劇場公開にあわせたコラボレーションイベントを開催し、誘客に努めました。
ホテル業におきまして、当社及び㈱東武ホテルマネジメントでは、栃木県内初のラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン日光」、国内初進出のブランド「ACホテル・バイ・マリオット東京銀座」並びに和光市、川越市及び浅草において宿泊主体型ホテルを、それぞれ開業いたしました。また、「日光金谷ホテル」及び「中禅寺金谷ホテル」では、ワークルームを新設し新しいライフスタイルを提案する「ワーケーションプラン」の販売を開始いたしました。
遊園地・観光業におきまして、「東武動物公園」では、人気アニメとのコラボレーションイベントの開催やオリジナルグッズの販売等により増収に努めたほか、男性声優とコラボレーションした光と音楽のショー「ウインターイルミネーション」を開催いたしました。また、「東武ワールドスクウェア」では、園内展示物等をライトアップさせた「ライトアップ&イルミネーション」を開催し、それぞれ誘客に努めました。
レジャー事業全体としては、感染症対策を講じつつ誘客に努めたものの、1度目の緊急事態宣言による休業のほか、出控えによる国内旅行客の大幅な減少や入国制限による外国人観光客の急減等により、営業収益は39,055百万円(前期比45.8%減)、営業損失は18,484百万円(前期は3,116百万円の営業利益)となりました。
(営業成績)
業種別当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
営業収益(百万円)前期比(%)
遊園地・観光業3,679△28.2
スポーツ業7,046△25.7
旅行業12,460△40.3
ホテル業7,205△58.4
飲食業4,917△36.6
スカイツリー業4,814△62.5
小計40,124△45.3
調整額△1,069
営業収益計39,055△45.8

(不動産事業)
スカイツリータウン業におきまして、「東京ソラマチ®」では、東京スカイツリーとともに季節に応じた各種イベントを開催したほか、コロナ禍において遠方への外出が困難であることや屋外レジャー需要が高まるなど環境の変化を踏まえ、各地の名店等やアウトドアファッションの店舗を誘致するなど、大型リニューアルを実施し、誘客に努めました。
不動産賃貸業におきまして、当社では、浅草~東京スカイツリーエリアにおいて、鉄道高架下複合商業施設「東京ミズマチ®」を開業するとともに、隅田川橋梁に歩道橋「すみだリバーウォーク」を新設いたしました。すみだリバーウォークでは通行者100万人を達成するなど、エリアの回遊性向上と賑わいを創出いたしました。また、ワークスペース付き賃貸マンション「ソライエアイル草加」及び「ソライエアイル新河岸」の入居を開始するとともに、職住近接を実現するサテライトオフィス「Solaie +Work(ソライエプラスワーク)」を4施設開設し、自宅近くにおけるワークスペースの増加に寄与し、沿線のお客様の利便性向上をはかり、より暮らしやすい街づくりを推進いたしました。
不動産分譲業におきまして、当社では、テレワークの定着等に伴い生活利便性が高い郊外の駅に近い大規模物件の評価が高まったこと等により、分譲マンション「ソライエシティ ザ・パーク/ザ・ガーデン」(草加市)や分譲戸建住宅「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」(野田市)の販売が好調に推移いたしました。
不動産事業全体としては、分譲住宅の販売は好調に推移したものの、商業施設における休業や賃料減免等により、営業収益は54,228百万円(前期比20.1%減)、営業利益は13,702百万円(前期比5.3%減)となりました。
(営業成績)
業種別当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
営業収益(百万円)前期比(%)
不動産賃貸業38,416△1.5
不動産分譲業6,391△62.6
スカイツリータウン業9,687△20.3
小計54,496△20.2
調整額△267
営業収益計54,228△20.1

(流通事業)
百貨店業におきまして、㈱東武百貨店では、物産展においてオンラインショッピングを導入するなど、新しい生活様式に合わせた販売施策を実施いたしました。また、㈱東武宇都宮百貨店では、在宅時間充実に向けた需要の高まりをとらえ手芸用品店「ユザワヤ」を誘致し新規顧客の獲得に努めるとともに、お得意様向けの施設を「ロイヤルサロン」としてリニューアルし外商部門の強化をはかりました。
ストア業におきまして、㈱東武ストアでは、「葛西駅前店」、「北千住店」の新規2店舗をオープンさせ、増収に努めました。また、デリバリー注文サービスや各種キャッシュレス決済の導入により、生活ニーズの多様化に応えるサービスを展開し、販路の拡大や利便性の向上をはかりました。
流通事業全体としては、内食需要の増加や新規店舗の開業によりストア業は増収増益となったものの、百貨店業における緊急事態宣言による休業や出控えの影響等により、営業収益は216,253百万円(前期比18.8%減)、営業損失は5,384百万円(前期は3,364百万円の営業利益)となりました。
(営業成績)
業種別当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
営業収益(百万円)前期比(%)
百貨店業119,288△29.0
ストア業83,1153.7
その他業17,456△22.0
小計219,860△18.8
調整額△3,607
営業収益計216,253△18.8

(その他事業)
建設業におきまして、東武建設㈱では、川口市において福祉施設の建設工事を、東武谷内田建設㈱では、墨田区において公共施設の大規模改修工事を、東武緑地㈱では、江東区において公園の整備工事を、それぞれ完了させました。
そのほか、東武ビルマネジメント㈱では、中央区においてホテルの清掃業務を受注するなど増収に努めました。
その他事業全体としては、営業収益は88,863百万円(前期比19.6%減)、営業利益は2,876百万円(前期比46.5%減)となりました。
(営業成績)
業種別当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
営業収益(百万円)前期比(%)
建設業50,974△24.0
その他業38,392△12.9
小計89,366△19.6
調整額△503
営業収益計88,863△19.6


なお、当社グループのサービス、生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種のサービス、製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計期年度末の総資産は、現金及び預金や投資有価証券が増加したこと等により1,682,497百万円となり、前連結会計年度末と比べ26,405百万円(前期比1.6%増)の増加となりました。
負債は、支払手形及び買掛金が減少したものの、有利子負債が増加したこと等により1,229,393百万円となり、前連結会計年度末と比べ47,270百万円(前期比4.0%増)の増加となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により453,103百万円となり、前連結会計年度末と比べ20,865百万円(前期比4.4%減)の減少となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、44,947百万円となり、前連結会計年度末に比べて13,540百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失22,279百万円に、減価償却費56,664百万円等を加減算した結果、39,504百万円の資金収入となりました。前連結会計年度末に比べて新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に減収となったこと等により61,632百万円の資金収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、66,283百万円の資金支出となりました。前連結会計年度末に比べて固定資産の取得による支出が減少したこと等により9,337百万円の資金支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、40,362百万円の資金収入となりました。前連結会計年度末に比べて短期借入金及び長期借入金が増加したこと等により62,939百万円の資金収入の増加となりました。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、営業取引に係る運転資金、設備投資等に係る資金、有利子負債の返済並びに配当等の資金を主としております。
設備投資につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
(資金調達及び資金の流動性)
短期的な運転資金は、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、取引銀行との総額150,000百万円の貸出コミットメント契約並びに、当社グループではキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)によりグループ内の余剰資金を有効に活用しております。
また、運輸事業や流通事業を中心に日々の収入金があり、必要な流動性は確保しているとともに、十分な水準の現金及び現金同等物を保有しております。
設備投資等の長期的な必要資金については、営業活動で得た資金に加え、主力事業である鉄道事業の特性を鑑み、長期安定的な資金調達を行うために、借入金のほか、社債の発行及びシンジケート・ローンの組成、リース等の多様な選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。
同時に、年度別償還額の集中を避けることで、将来の借り換えリスクの低減に努めているとともに、金利上昇リスクに備え、固定金利と変動金利のそれぞれの負債残高のバランスを考慮しております。
また、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、急激に資金繰りが悪化した場合にも、コミットメントラインやキャッシュ・マネジメント・システムを活用することに加えて、新たにコマーシャル・ペーパーの発行限度枠100,000百万円を整備するなど、十分な資金調達体制を構築しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にもとづき作成されております。その作成にあたり経営者は、資産・負債及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わねばなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
① 株式等の投資
当社グループが保有する株式等の有価証券及びのれんについては、将来の株式市況の悪化または投資対象会社の業績不振等により時価の著しい下落が生じた際には、損失の計上が必要となる場合があります。
② 販売用不動産の評価
当社グループが保有する販売用不動産については、地価の下落や市況悪化等により時価の下落が生じた場合には、損失の計上が必要となる場合があります。
③ 固定資産の減損
当社グループが保有する固定資産のうち、減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、経営環境に変化が生じ当初想定した収益が見込めないなど、将来キャッシュ・フローの見積りに用いた仮定に変更があった場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。
④ 退職給付費用及び債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率にもとづいて算出されております。したがって、前提条件または制度に変化や変更が生じた場合には、退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の計画にもとづき慎重にかつ実現(回収)可能な範囲において繰延税金資産を計上しておりますが、将来において既に計上している繰延税金資産の全部または一部を実現(回収)できないと判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できないと判断した繰延税金資産を取崩すとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額に加算し、当期純利益を減少させる場合があります。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない項目について、将来においてその全部または一部を実現(回収)できると判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できると判断した金額を繰延税金資産として計上するとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額から控除し、当期純利益を増加させる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の考え方については、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。