有価証券報告書-第79期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、国内において滋賀県長浜市、熊本県菊陽町及び三重県いなべ市、海外においてタイ国及びメキシコ国に倉庫を新設するなど、業容の拡大に向け積極的な設備投資と営業活動を推進してまいりました。一方、第4四半期に入り国内外において新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、その度合いは限定的でありました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,995億12百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益208億90百万円(同4.3%増)、経常利益225億25百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益167億21百万円(同13.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
運送事業
貨物取扱量の増加により、売上高は前年同期比0.4%増の936億47百万円となりました。営業利益は、人員増に伴う人件費や減価償却費の増加などにより、前年同期比4.9%減の52億円となりました。
倉庫事業
保管能力の拡大に伴う貨物量の増加により、売上高は前年同期比8.2%増の310億56百万円となりました。営業利益は、人件費や減価償却費の増加はありましたが、増収効果や保管効率の向上などにより前年同期比21.0%増の77億51百万円となりました。
梱包事業
主に自動車関連の業務量の減少により、売上高は前年同期比0.6%減の468億82百万円となりました。営業利益は、減収の影響などにより前年同期比7.4%減の37億5百万円となりました。
テスト事業
業務量が前年並みとなったことから、売上高は前年同期比3百万円減少の222億9百万円となりました。営業利益は、業務の効率化などにより前年同期比2.5%増の40億1百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は308億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ55億88百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は259億1百万円となり、前連結会計年度に比べ5億64百万円増加しました。これは主に、増加要因として税金等調整前当期純利益が26億71百万円、売上債権の増減によるキャッシュ・フローが15億83百万円それぞれ増加した一方、減少要因としてその他の負債の増減によるキャッシュ・フローが20億33百万円、投資有価証券売却損益によるキャッシュ・フローが10億33百万円、固定資産売却損益によるキャッシュ・フローが8億39百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は198億67百万円となり、前連結会計年度に比べ29億75百万円増加しました。これは主に、増加要因として有形固定資産の取得による支出が44億30百万円増加した一方、減少要因として投資有価証券の売却による収入が16億17百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は5億84百万円となり、前連結会計年度に比べ110億75百万円減少しました。これは主に、資金の増加要因として社債の償還による支出が100億円、自己株式の取得による支出が15億91百万円それぞれ減少した一方、資金の減少要因として、配当金の支払額が3億12百万円増加したことによるものであります。
③販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は734億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億63百万円増加しました。これは主に現金及び預金が145億62百万円増加した一方、有価証券が93億79百万円減少したことによるものであります。固定資産は2,240億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億87百万円減少しました。これは主に投資有価証券が60億58百万円減少した一方、有形固定資産が54億3百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は2,974億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億76百万円増加しました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は544億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億16百万円増加しました。これは主に1年内償還予定の社債が100億円増加した一方、営業外電子記録債務が72億23百万円減少したことによるものであります。固定負債は497億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億35百万円減少しました。これは主に長期借入金が38億69百万円、繰延税金負債が13億65百万円、退職給付に係る負債が4億80百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,041億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億19百万円減少しました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は1,932億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億95百万円増加しました。これは主に利益剰余金が118億81百万円増加した一方、減少要因として自己株式が14億19百万円増加、その他有価証券評価差額金が33億43百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は64.8%(前連結会計年度末は63.3%)となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前年同期比0.9%増の1,995億12百万円となりました。当社グループの主要顧客である自動車関連の貨物量は、顧客の減産による影響で減少しましたが、住宅関連や農業機械など自動車関連以外の貨物量が増加しました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前年同期比4.3%増の208億90百万円となりました。これは主に、倉庫セグメントにおける増収効果や保管効率の向上などが寄与したものであります。セグメント別の営業利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前年同期比4.5%減の23億24百万円となりました。これは主に、土地収用に伴う受取補償金が減少したことによるものであります。営業外費用は前年同期比55.8%増の6億90百万円となりました。これは主に、円高の進行に伴う外貨建資産に係る為替差損によるものであります。
この結果、経常利益は前年同期比2.3%増の225億25百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は19億31百万円となり、前年同期に比べ18億33百万円増加しました。これは主に、事業用地の一部売却に伴い固定資産売却益が、取引先の株式一部売却に伴い投資有価証券売却益がそれぞれ増加したことによるものであります。特別損失は54百万円となり、前年同期に比べ3億32百万円減少しました。これは主に、前連結会計年度で発生した倉庫建替えのための取り壊し工事費用である固定資産除却損が減少したことによります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比13.2%増の167億21百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における資金需要としては、事業を行うための費用や一般管理費などの営業費用としての運転資金と主に倉庫、作業所及び事業用車両等の固定資産購入のための設備資金があります。
当社グループでは、運転資金につきましては内部資金のほか必要に応じてコマーシャルペーパーや金融機関からの借入金で賄い、設備資金につきましては内部資金のほか必要に応じて固定金利の普通社債及び金融機関からの借入金で賄うことを基本としております。当連結会計年度末における普通社債の残高は300億円、借入金の残高は226億16百万円であります。
2013年12月に発行した普通社債100億円の償還を今年12月に迎えますが、その資金は普通社債で調達することとし、今年5月27日に200億円を上限とする社債の発行登録書を関東財務局に提出し、同年6月4日にその効力が発生しております。なお、当社は格付機関である株式会社格付投資情報センターから
「A」の格付を取得しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により生ずるグループ会社の資金繰り懸念に備え、今年5月に30億円の借入枠を取引金融機関に設定いたしました。
e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2017年4月1日から3か年の中期経営計画「第11次中期経営計画(Challenge11)」をスタートさせ、その最終年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、2019年11月8日公表の計画に比べ54億87百万円(2.7%)の未達成となりました。営業利益につきましては、計画に比べ6億9百万円(2.8%)未達成でしたが、これは主に売上高が計画に及ばなかったことによるものであります。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、計画外の投資有価証券売却益の計上により、計画を1億21百万円(0.7%)上回ることとなりました。
自己資本当期純利益率(ROE)につきましては、固定資産売却益(894百万円)及び投資有価証券売却益(1,036百万円)の発生などにより8.8%となり、目標の8.0%を上回ることとなりました。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
退職給付債務及び退職給付費用の算定において、主要な仮定の変化が当連結会計年度末の退職給付債務及び退職給付費用に与える感応度は以下のとおりであります。マイナス(△)は退職給付債務の減少を、プラスは退職給付債務の増加を表しております。感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。
当連結会計年度末(2020年3月31日)
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
b.減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている予算などの内部の情報に基づき、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定又は逓減する成長率の仮定をおいて見積っております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、足元の状況が一定期間継続した後、長期化せずに収束するとの仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、国内において滋賀県長浜市、熊本県菊陽町及び三重県いなべ市、海外においてタイ国及びメキシコ国に倉庫を新設するなど、業容の拡大に向け積極的な設備投資と営業活動を推進してまいりました。一方、第4四半期に入り国内外において新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、その度合いは限定的でありました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,995億12百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益208億90百万円(同4.3%増)、経常利益225億25百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益167億21百万円(同13.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
運送事業
貨物取扱量の増加により、売上高は前年同期比0.4%増の936億47百万円となりました。営業利益は、人員増に伴う人件費や減価償却費の増加などにより、前年同期比4.9%減の52億円となりました。
倉庫事業
保管能力の拡大に伴う貨物量の増加により、売上高は前年同期比8.2%増の310億56百万円となりました。営業利益は、人件費や減価償却費の増加はありましたが、増収効果や保管効率の向上などにより前年同期比21.0%増の77億51百万円となりました。
梱包事業
主に自動車関連の業務量の減少により、売上高は前年同期比0.6%減の468億82百万円となりました。営業利益は、減収の影響などにより前年同期比7.4%減の37億5百万円となりました。
テスト事業
業務量が前年並みとなったことから、売上高は前年同期比3百万円減少の222億9百万円となりました。営業利益は、業務の効率化などにより前年同期比2.5%増の40億1百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は308億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ55億88百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は259億1百万円となり、前連結会計年度に比べ5億64百万円増加しました。これは主に、増加要因として税金等調整前当期純利益が26億71百万円、売上債権の増減によるキャッシュ・フローが15億83百万円それぞれ増加した一方、減少要因としてその他の負債の増減によるキャッシュ・フローが20億33百万円、投資有価証券売却損益によるキャッシュ・フローが10億33百万円、固定資産売却損益によるキャッシュ・フローが8億39百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は198億67百万円となり、前連結会計年度に比べ29億75百万円増加しました。これは主に、増加要因として有形固定資産の取得による支出が44億30百万円増加した一方、減少要因として投資有価証券の売却による収入が16億17百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は5億84百万円となり、前連結会計年度に比べ110億75百万円減少しました。これは主に、資金の増加要因として社債の償還による支出が100億円、自己株式の取得による支出が15億91百万円それぞれ減少した一方、資金の減少要因として、配当金の支払額が3億12百万円増加したことによるものであります。
③販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) | |
運送事業 | 93,647 | 46.9 | 100.4 |
倉庫事業 | 31,056 | 15.6 | 108.2 |
梱包事業 | 46,882 | 23.5 | 99.4 |
テスト事業 | 22,209 | 11.1 | 100.0 |
その他事業 | 5,716 | 2.9 | 90.4 |
合計 | 199,512 | 100.0 | 100.9 |
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
本田技研工業㈱ | 17,265 | 8.7 | 17,117 | 8.6 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は734億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億63百万円増加しました。これは主に現金及び預金が145億62百万円増加した一方、有価証券が93億79百万円減少したことによるものであります。固定資産は2,240億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億87百万円減少しました。これは主に投資有価証券が60億58百万円減少した一方、有形固定資産が54億3百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は2,974億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億76百万円増加しました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は544億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億16百万円増加しました。これは主に1年内償還予定の社債が100億円増加した一方、営業外電子記録債務が72億23百万円減少したことによるものであります。固定負債は497億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億35百万円減少しました。これは主に長期借入金が38億69百万円、繰延税金負債が13億65百万円、退職給付に係る負債が4億80百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,041億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億19百万円減少しました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は1,932億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億95百万円増加しました。これは主に利益剰余金が118億81百万円増加した一方、減少要因として自己株式が14億19百万円増加、その他有価証券評価差額金が33億43百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は64.8%(前連結会計年度末は63.3%)となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前年同期比0.9%増の1,995億12百万円となりました。当社グループの主要顧客である自動車関連の貨物量は、顧客の減産による影響で減少しましたが、住宅関連や農業機械など自動車関連以外の貨物量が増加しました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前年同期比4.3%増の208億90百万円となりました。これは主に、倉庫セグメントにおける増収効果や保管効率の向上などが寄与したものであります。セグメント別の営業利益につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前年同期比4.5%減の23億24百万円となりました。これは主に、土地収用に伴う受取補償金が減少したことによるものであります。営業外費用は前年同期比55.8%増の6億90百万円となりました。これは主に、円高の進行に伴う外貨建資産に係る為替差損によるものであります。
この結果、経常利益は前年同期比2.3%増の225億25百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は19億31百万円となり、前年同期に比べ18億33百万円増加しました。これは主に、事業用地の一部売却に伴い固定資産売却益が、取引先の株式一部売却に伴い投資有価証券売却益がそれぞれ増加したことによるものであります。特別損失は54百万円となり、前年同期に比べ3億32百万円減少しました。これは主に、前連結会計年度で発生した倉庫建替えのための取り壊し工事費用である固定資産除却損が減少したことによります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比13.2%増の167億21百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における資金需要としては、事業を行うための費用や一般管理費などの営業費用としての運転資金と主に倉庫、作業所及び事業用車両等の固定資産購入のための設備資金があります。
当社グループでは、運転資金につきましては内部資金のほか必要に応じてコマーシャルペーパーや金融機関からの借入金で賄い、設備資金につきましては内部資金のほか必要に応じて固定金利の普通社債及び金融機関からの借入金で賄うことを基本としております。当連結会計年度末における普通社債の残高は300億円、借入金の残高は226億16百万円であります。
2013年12月に発行した普通社債100億円の償還を今年12月に迎えますが、その資金は普通社債で調達することとし、今年5月27日に200億円を上限とする社債の発行登録書を関東財務局に提出し、同年6月4日にその効力が発生しております。なお、当社は格付機関である株式会社格付投資情報センターから
「A」の格付を取得しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により生ずるグループ会社の資金繰り懸念に備え、今年5月に30億円の借入枠を取引金融機関に設定いたしました。
e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2017年4月1日から3か年の中期経営計画「第11次中期経営計画(Challenge11)」をスタートさせ、その最終年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、2019年11月8日公表の計画に比べ54億87百万円(2.7%)の未達成となりました。営業利益につきましては、計画に比べ6億9百万円(2.8%)未達成でしたが、これは主に売上高が計画に及ばなかったことによるものであります。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、計画外の投資有価証券売却益の計上により、計画を1億21百万円(0.7%)上回ることとなりました。
自己資本当期純利益率(ROE)につきましては、固定資産売却益(894百万円)及び投資有価証券売却益(1,036百万円)の発生などにより8.8%となり、目標の8.0%を上回ることとなりました。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
退職給付債務及び退職給付費用の算定において、主要な仮定の変化が当連結会計年度末の退職給付債務及び退職給付費用に与える感応度は以下のとおりであります。マイナス(△)は退職給付債務の減少を、プラスは退職給付債務の増加を表しております。感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。
当連結会計年度末(2020年3月31日)
数理計算上の仮定の変化 | 退職給付債務に与える影響(百万円) | |
割引率 | 0.5%の上昇 | △769 |
0.5%の低下 | 830 | |
数理計算上の仮定の変化 | 退職給付費用に与える影響(百万円) | |
期待運用収益率 | 0.5%の上昇 | △51 |
0.5%の低下 | 51 |
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
b.減損会計における将来キャッシュ・フロー
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている予算などの内部の情報に基づき、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定又は逓減する成長率の仮定をおいて見積っております。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は、足元の状況が一定期間継続した後、長期化せずに収束するとの仮定をおいて見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。