四半期報告書-第154期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/06 10:21
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものです。
なお、当第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しています。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりです。
(1) 経営成績の状況
(億円未満四捨五入)
前第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
当第1四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
増減額 (増減率)
売上高(億円)1,5221,747226(14.8%)
営業損益(億円)△662490( - )
経常損益(億円)△10884895( - )
親会社株主に帰属する
四半期純損益(億円)
△101,0201,029( - )

為替レート(¥/US$)(3ヶ月平均)¥107.74¥109.80¥2.06(1.9%)
燃料油価格(US$/MT)(3ヶ月平均)US$377US$479US$102(27.0%)

当第1四半期連結累計期間(2021年4月1日から2021年6月30日まで)の売上高は1,747億43百万円(前年同期比225億57百万円の増加)、営業利益は24億0百万円(前年同期は65億81百万円の営業損失)、経常利益は884億41百万円(前年同期は10億8百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,019億87百万円(前年同期は9億55百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
なお、当社の持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(以下、「ONE社」という。)の業績好調などにより、持分法による投資利益として888億9百万円を計上しました。うち、ONE社からの持分法による投資利益計上額は当第1四半期連結会計期間においては876億54百万円となります。
セグメントごとの業績概況は次のとおりです。
(億円未満四捨五入)
前第1四半期連結累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年6月30日)
当第1四半期連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
増減額 (増減率)
ドライバルク売上高(億円)452597145(32.0%)
セグメント損益(億円)△44953( - )
エネルギー
資源
売上高(億円)19220412(6.1%)
セグメント損益(億円)169△8(△47.3%)
製品物流売上高(億円)814919105(12.8%)
セグメント損益(億円)30888858(2,861.9%)
その他売上高(億円)6328△35(△56.2%)
セグメント損益(億円)2△1△3( - )
調整額セグメント損益(億円)△14△21△7( - )
合計売上高(億円)1,5221,747226(14.8%)
セグメント損益(億円)△10884895( - )

①ドライバルクセグメント
[ドライバルク事業]
大型船市況は、中国をはじめとした各国の堅調な鉄鋼需要が継続し、船腹需給バランスが改善するなか、大きな振れ幅を伴いながらも総じて好調に推移しました。中・小型船市況は、中国の旺盛な穀物輸入需要や各国の産業活動回復により石炭などの輸送需要が増加したことから上昇しました。
このような状況のなか、ドライバルクセグメント全体では、市況エクスポージャーを適切に管理すると同時に運航コストの削減や配船効率向上に努めたことにより、前年同期比で増収となり、黒字に転換しました。
②エネルギー資源セグメント
[油槽船事業・電力事業]
大型原油船、LPG船及び電力炭船は中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。
[液化天然ガス輸送船事業・海洋事業]
LNG船、ドリルシップ(海洋掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)は中長期の傭船契約のもとで順調に稼働し、安定的に収益に貢献しました。
オフショア支援船事業においては、油価は回復したものの、市況低迷が継続しました。
以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では、前年同期比で増収となるも減益となりました。
③製品物流セグメント
[自動車船事業]
世界自動車販売市場は、前年度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、「新型コロナウイルス感染症」という。)の影響からの回復基調が継続しました。半導体不足等による生産への影響が懸念されていたものの、輸送需要は堅調に回復しました。
[物流事業]
国内物流・港湾事業では、コンテナ海上輸送需要が引き続き増加しており、コンテナターミナル取扱量が増加しました。曳船事業では輸送需要の回復を受け、全体的に作業数は増加しました。倉庫事業は堅調に推移しました。国際物流事業では、フォワーディング事業において、コンテナ海上輸送の需給ひっ迫に伴い、航空に輸送手段が移ったことをはじめ、自動車産業関連の需要回復等により、航空貨物輸送量が増加しました。完成車向け陸送事業は活発な新車販売を背景に好調に推移しました。
[近海・内航事業]
近海事業では、鋼材・木材の需要は堅調に推移したものの、石炭は積み地における滞船の影響を受け前年同期を下回る輸送量となりました。内航事業では、食料品や建設関連の貨物等の取り込みにより、全体では前年同期を上回る輸送量となりました。フェリー事業は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置により、人の移動が引き続き制限されたものの、前年同期比では旅客と乗用車では乗船者数が回復し、トラックの輸送量は前年同期並みとなりました。
[コンテナ船事業]
当社持分法適用会社であるONE社の業績は、2020年度からの旺盛な荷動きが継続するなか、サプライチェーンの混乱及び輸送需給のひっ迫が続いており、全航路において運賃市況が高水準で推移したことで、前年同期比で大幅な改善となりました。
以上の結果、製品物流セグメント全体では、前年同期比で増収増益となりました。
④その他
その他には、船舶管理業、旅行代理店業及び不動産賃貸・管理業等が含まれており、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。
(2) 財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産の部は、投資有価証券の増加などにより前連結会計年度末に比べ1,118億99百万円増加し、1兆865億8百万円となりました。
負債の部は、短期借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べ84億80百万円増加し、6,669億26百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末に比べ1,034億18百万円増加し、4,195億81百万円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は11百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、従業員数合計が824人減少しています。これは主として製品物流セグメントに含まれていた連結子会社であるCENTURY DISTRIBUTION SYSTEMS, INC.の株式全てを譲渡し、連結の範囲から除外したことによるものです。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
ドライバルクセグメントでは、全世界で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進むなか、各国財政支援策、景気刺激策が継続している背景もあり、世界経済は順調に回復基調を続けています。それに伴い原材料を中心としたばら積み貨物の海上輸送需要も堅調に推移していくことが見込まれます。一方で新型コロナウイルス変異株の世界的な流行が、現在の輸送需要を牽引する中国をはじめ各国経済回復の鈍化をもたらすといった懸念材料もあり、それらがドライバルク市況に与える影響を注視しています。ドライバルクセグメントでは、運航効率の改善とコスト削減等の収支改善策に取り組むとともに、環境対応ニーズの強まるなか、高い輸送品質を生かした営業活動を積極的に行い、中長期契約の上積みによる安定収益拡充に努めます。
エネルギー資源セグメントでは、大型原油船、LPG船、電力炭船、LNG船、ドリルシップ(海洋掘削船)及びFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)において、中長期の傭船契約のもとで安定収益の確保に努めます。オフショア支援船事業においては、引き続きコスト削減などに取り組み、収支の改善に努めます。
製品物流セグメントでは、自動車船事業においては、世界自動車販売市場が、前年度の新型コロナウイルス感染症の影響からの回復基調を継続する見通しです。足元では半導体不足等による生産への影響が懸念されるものの、2020年度来取り組んできた船隊規模適正化、航路網再編の取組みなどによる運航効率の向上を継続し、2021年度は収益の確保を見込みます。物流事業においては、国内物流・港湾事業では、コンテナ海上輸送の需要増加が継続するとの見通しにより、コンテナターミナル取扱量は堅調に推移する見込みです。曳船事業は引き続き作業量増加を予想しています。国際物流事業では、フォワーディング事業において、コンテナ海上輸送需要のひっ迫に伴う航空貨物へのシフトは続き、荷動きは堅調に推移する見込みです。完成車向け陸送事業は第2四半期以降も旺盛な新車需要が継続する見通しで、引き続き好調が見込まれます。海外倉庫事業では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種拡大に伴い需要の回復を見込んでいます。コンテナ船事業においては、第2四半期も堅調な輸送需要は継続すると予想しており、ONE社では引き続きサプライチェーンの混乱回避を目的とした臨時船の投入やオペレーションの改善などの取組みを継続していきます。下半期は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が世界規模で進むにつれてサプライチェーンの混乱は解消に向かい、需給は徐々に平常化すると予想します。
以上のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大の今後の広がり方や収束時期については不確実性が高く、先行きの情勢を見極めることは困難な状況が続いていますが、各国財政支援・景気刺激策が継続している背景もあり世界経済は順調に回復基調であり、コンテナ船事業を中心とした堅調な輸送需要は継続しています。