四半期報告書-第151期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
(億円未満四捨五入)
当第1四半期連結累計期間(2018年4月1日から2018年6月30日まで)(以下、「当累計期間」と表示する)における世界経済は、米朝会談の実施や米国によるイランへの経済制裁再開など外交を巡る動きがありながらも、おおむね堅調に推移しました。しかしながら米国による鉄鋼・アルミニウム関連品への追加関税賦課を発端として、中国及びEUの報復措置の決定など、経済成長に失速懸念を残す形となりました。米国経済は、良好な所得・雇用環境による好調な個人消費、また好調な企業活動による堅調な設備投資に支えられ底堅く拡大しました。欧州経済は、減速傾向にあった輸出や投資が改善傾向を示しており、良好な所得・雇用環境に支えられ個人消費も堅調に推移しており、全体としては緩やかに景気が拡大しました。中国経済は住宅や、自動車・スマートフォン等の個人の耐久消費財で伸び悩みが見えましたが、企業の輸出入は政策支援の下支えもあり堅調に推移し、全体では底堅く拡大しました。新興国ではアルゼンチンやトルコの通貨安が継続している一方で、インドやASEANでの内需が好調に推移したことによりおおむね堅調な経済状況となりました。
国内経済は、所得・雇用環境が緩やかに回復しており、個人消費が持ち直し、企業の収益も人手不足を背景としたコスト増があるものの底堅く推移し、総じて緩やかに回復しました。
海運業を取りまく事業環境は、ドライバルクセグメントにおいては、一時的な市況の上下はあったものの、荷動き回復と新造船供給圧力の緩和による船腹需給ギャップ改善により、全体としては回復傾向で推移しました。エネルギー資源セグメントにおいては、船腹需給ギャップの改善が見られたLNG船のスポット船市況で回復傾向が見られた一方で、油槽船やオフショア支援船では市況は軟調に推移しました。当社グループでは、継続したコスト削減の実施、配船効率化や運航費用の見直しなど、収支改善に向けた着実な取組みを行っていますが、燃料油価格の高騰やコンテナ船事業統合の移管時期に発生した一過性の費用の増加などにより、前年同期比で減収となり業績は悪化しました。また4月から開業した当社持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS社(以下ONE社)は立ち上がり時の一時的な積高減少と燃料油価格の上昇の影響で、期首予算比で業績は悪化しました。
以上の結果、当累計期間の売上高は2,121億77百万円(前年同期比751億98百万円の減少)、営業損失は133億70百万円(前年同期は38億78百万円の営業利益)、経常損失は170億95百万円(前年同期は59億70百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は192億72百万円(前年同期は85億23百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントごとの業績概況は次のとおりです。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第1四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。
(億円未満四捨五入)
①ドライバルクセグメント
[ドライバルク事業]
大型船市況は、年初に悪天候や設備故障等の影響を受けて停滞していたブラジル出し鉄鉱石の荷動きが回復したことで、主要5航路平均レートが日額2万米ドル台に浮上する場面も見られました。中・小型船市況は、4月に入っても南米出し穀物の動き出しが鈍く大西洋で市況が押し下げられた結果、太平洋との水域格差が広がる場面も見られましたが、足元は大西洋が復調して東西市況が拮抗する水準まで回復し、主要航路平均レートも1万米ドル台を維持しました。船舶の解撤量は引き続き前年同期比で減少しているものの、新造船の竣工による船腹供給圧力が限定的であったことから、市況は総じて堅調に推移しました。ドライバルク事業においては、運航コストの削減、配船の効率化に努めました。
以上の結果、ドライバルクセグメント全体では前年同期比で増収となり、黒字に転換しました。
②エネルギー資源セグメント
[エネルギー資源輸送事業(液化天然ガス輸送船事業・油槽船事業・電力炭船事業)]
LNG船、大型原油船、LPG船、電力炭船ともに、中長期の期間傭船契約のもとで順調に稼働しましたが、油槽船の一部の契約において軟調なマーケットの影響を受け、エネルギー資源輸送事業全体では、前年同期比で増収減益となりました。
[海洋資源開発事業(エネルギー関連開発事業・オフショア支援船事業)]
ドリルシップ(海洋掘削船)は順調に稼働し、長期安定収益の確保に貢献しましたが、オフショア支援船事業においては、海洋資源開発の停滞により軟調な市況が継続しました。海洋資源開発事業全体では、前年同期比で増収となりましたが、為替の影響もあり損失は拡大しました。
以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では、前年同期比で増収減益となりました。
③製品物流セグメント
[自動車船事業]
完成車の総荷動きは中近東向けを除き全体としては漸増傾向が継続し、当社グループの輸送台数も一部新規貨物の獲得もあり増加しましたが、燃料費の上昇や運航効率の悪化などがあり、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。
[物流事業]
国内物流においては、荷動きは引き続き堅調であり、昨年度関西地区や北海道にて営業を開始した新倉庫も順調な滑り出しを見せています。顧客工場内の機械据付事業については、新たな案件を獲得し収益性が向上しています。
国際物流では、国際航空貨物輸送において昨年度後半から増加が顕著となった半導体関連の荷動きが依然として好調を維持しており、収益に貢献しています。同様に、タイやインドネシアなど各国に根付いた地域物流事業についても、新たな投資を継続して行うなど事業拡大に努めています。一方で、コンテナ船事業統合後、グローバルネットワーク再編、組織改革、ITシステム投資等を鋭意進めています。
以上の結果、物流事業では前年同期比で増収減益となりました。
[近海・内航事業]
近海・内航事業では、堅調な荷動きや内航船の大型化効果により安定した輸送量を確保しました。一方で燃料油価格の上昇や、大型船の竣工、新規航路開設に伴う費用の増加もあり、前年同期比で増収となりましたが、損失を計上しました。
[コンテナ船事業]
当社持分法適用会社であるONE社の業績は、立ち上がり時のサービス面での混乱により想定を下回る積高だったことに加え、費用面でも燃料油価格の高騰もあり、税引後損益は期首想定より悪化しました。当社に残るコンテナ船事業でも、事業移管に伴う一過性費用が想定以上であったこともあり、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。
以上の結果、製品物流セグメント全体では、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。
④その他
その他には、船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業等が含まれており、当累計期間の業績は前年同期比で減収減益となりました。
(2) 財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間の資産の部は、現金及び預金の減少などにより前連結会計年度に比べ121億16百万円減少し、1兆247億70百万円となりました。
負債の部は、支払手形及び営業未払金の減少などにより前連結会計年度に比べ493億68百万円減少し、7,444億24百万円となりました。
純資産の部は、非支配株主持分の増加などにより前連結会計年度に比べ372億51百万円増加し、2,803億45百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、236億71百万円減少して、1,344億0百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失が169億52百万円となったこと等から、398億87百万円のマイナス(前第1四半期連結累計期間は、89億48百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資有価証券の取得による支出等により329億7百万円のマイナス(前第1四半期連結累計期間は、61億80百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主からの払込みによる収入等により480億24百万円のプラス(前第1四半期連結累計期間は、105億12百万円のマイナス)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は4百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、従業員数合計が1,094人減少していますが、主としてコンテナ船事業の統合によるものです。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
第2四半期以降の世界経済は、貿易摩擦、米国によるイラン制裁再開等の政治リスクの高まり等、懸念点はあるものの、全体としては好調を維持し、緩やかなペースでの拡大を継続することが見込まれます。
ドライバルク事業では、貿易摩擦等の進捗次第では荷動きや市況への影響が懸念されますが、船腹供給圧力は限定的なことから、需給バランスは引き続き改善に向かう見通しです。このように、不確実性を抱えるなか、引き続き運航効率の改善とコスト削減等の収支改善策に取り組むとともに、強みである高い輸送品質を生かした営業活動を積極的に行い、中長期契約の上積みによる安定収益拡充に努めます。
エネルギー資源輸送事業においては、LNG船、大型原油船、LPG船、電力炭船ともに、中長期の傭船契約のもとで安定収益の確保に努めます。
海洋資源開発事業においては、市況回復には今しばらく時間を要する見込みですが、引き続きコスト削減等により収支の改善に努めます。
自動車船事業では、資源国、新興国及び中東を主とした産油国経済の先行きに不透明感は依然としてあるものの、完成車の全世界海上輸送需要は世界の自動車販売の増加と歩調を合わせる形で中長期的には堅調に推移するものと予想します。他方、「地産地消」「適地量産」「適地適産」の流れに「EV化」の動きが加わるなか、自動車メーカー各社の生産拠点は多様化しつつあります。トレード構造の変化や複雑化に今後タイムリーかつ柔軟に対応して船隊整備を適切に進めることが重要であり、今年度も新規にメキシコ-中南米サービスを開始するなど航路ネットワークを拡充し、事業基盤の強化に取り組んでいます。重建機類・鉄道車両などの積載能力が高く省燃費性能を備えた次世代大型船を最大限に活用して、収益基盤の拡充に努めます。運航効率の更なる改善とともに船舶経費・運航経費の低減にも引き続き鋭意取り組みます。
物流事業においては、国内における物流需要は堅調さを維持し、売上及び収益は安定的に推移すると見込んでいます。今年3月にデイリー配船を開始した清水・大分間ROROサービスを利用した海陸一貫輸送では、集荷力を高め、取扱高の一層の増加を目指します。国際物流においては、昨年後半から活況を呈した航空機部品及び半導体等を中心とした航空貨物量は通常レベルに落ち着く見込みですが、引き継いだコンテナ船のネットワークも有効に利用して、新規顧客・貨物を獲得し収益確保を目指します。高付加価値物流サービスを提供するために、拠点やサービスメニューの充実など一層の体制拡充を図ります。
近海・内航事業においては、燃料油価格の上昇に加え、当期については新造船の竣工や新航路の開設に係る初期費用が発生していますが、近海船における市況の緩やかな回復と国内の堅調な荷動きを下支えに、収支の改善に取り組みます。
コンテナ船事業では、ONE社は第2四半期以降は積高も回復し、燃料油価格の上昇によるマイナス影響もありますが、シナジー効果の前倒しなどにより、期首公表想定の収益を確保する見込みです。
(1) 経営成績の状況
(億円未満四捨五入)
前第1四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) | 増減額 (増減率) | ||
売上高(億円) | 2,874 | 2,122 | △752 | (△26.2%) |
営業損益(億円) | 39 | △134 | △172 | ( - ) |
経常損益(億円) | 60 | △171 | △231 | ( - ) |
親会社株主に帰属する 四半期純損益(億円) | 85 | △193 | △278 | ( - ) |
為替レート(¥/US$)(3ヶ月平均) | ¥111.48 | ¥108.10 | △¥3.38 | (△3.0%) |
燃料油価格(US$/MT)(3ヶ月平均) | US$326 | US$414 | US$88 | (27.2%) |
当第1四半期連結累計期間(2018年4月1日から2018年6月30日まで)(以下、「当累計期間」と表示する)における世界経済は、米朝会談の実施や米国によるイランへの経済制裁再開など外交を巡る動きがありながらも、おおむね堅調に推移しました。しかしながら米国による鉄鋼・アルミニウム関連品への追加関税賦課を発端として、中国及びEUの報復措置の決定など、経済成長に失速懸念を残す形となりました。米国経済は、良好な所得・雇用環境による好調な個人消費、また好調な企業活動による堅調な設備投資に支えられ底堅く拡大しました。欧州経済は、減速傾向にあった輸出や投資が改善傾向を示しており、良好な所得・雇用環境に支えられ個人消費も堅調に推移しており、全体としては緩やかに景気が拡大しました。中国経済は住宅や、自動車・スマートフォン等の個人の耐久消費財で伸び悩みが見えましたが、企業の輸出入は政策支援の下支えもあり堅調に推移し、全体では底堅く拡大しました。新興国ではアルゼンチンやトルコの通貨安が継続している一方で、インドやASEANでの内需が好調に推移したことによりおおむね堅調な経済状況となりました。
国内経済は、所得・雇用環境が緩やかに回復しており、個人消費が持ち直し、企業の収益も人手不足を背景としたコスト増があるものの底堅く推移し、総じて緩やかに回復しました。
海運業を取りまく事業環境は、ドライバルクセグメントにおいては、一時的な市況の上下はあったものの、荷動き回復と新造船供給圧力の緩和による船腹需給ギャップ改善により、全体としては回復傾向で推移しました。エネルギー資源セグメントにおいては、船腹需給ギャップの改善が見られたLNG船のスポット船市況で回復傾向が見られた一方で、油槽船やオフショア支援船では市況は軟調に推移しました。当社グループでは、継続したコスト削減の実施、配船効率化や運航費用の見直しなど、収支改善に向けた着実な取組みを行っていますが、燃料油価格の高騰やコンテナ船事業統合の移管時期に発生した一過性の費用の増加などにより、前年同期比で減収となり業績は悪化しました。また4月から開業した当社持分法適用会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS社(以下ONE社)は立ち上がり時の一時的な積高減少と燃料油価格の上昇の影響で、期首予算比で業績は悪化しました。
以上の結果、当累計期間の売上高は2,121億77百万円(前年同期比751億98百万円の減少)、営業損失は133億70百万円(前年同期は38億78百万円の営業利益)、経常損失は170億95百万円(前年同期は59億70百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は192億72百万円(前年同期は85億23百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントごとの業績概況は次のとおりです。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第1四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。
(億円未満四捨五入)
前第1四半期連結累計期間 (自 2017年4月1日 至 2017年6月30日) | 当第1四半期連結累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) | 増減額 (増減率) | |||
ドライバルク | 売上高(億円) | 576 | 646 | 70 | (12.1%) |
セグメント損益(億円) | △14 | 4 | 18 | ( - ) | |
エネルギー 資源 | 売上高(億円) | 196 | 202 | 6 | (3.0%) |
セグメント損益(億円) | 5 | 3 | △2 | (△42.8%) | |
製品物流 | 売上高(億円) | 1,972 | 1,191 | △781 | (△39.6%) |
セグメント損益(億円) | 72 | △168 | △240 | ( - ) | |
その他 | 売上高(億円) | 130 | 83 | △47 | (△36.0%) |
セグメント損益(億円) | 11 | 4 | △7 | (△60.0%) | |
調整額 | セグメント損益(億円) | △14 | △14 | △0 | ( - ) |
合計 | 売上高(億円) | 2,874 | 2,122 | △752 | (△26.2%) |
セグメント損益(億円) | 60 | △171 | △231 | ( - ) |
①ドライバルクセグメント
[ドライバルク事業]
大型船市況は、年初に悪天候や設備故障等の影響を受けて停滞していたブラジル出し鉄鉱石の荷動きが回復したことで、主要5航路平均レートが日額2万米ドル台に浮上する場面も見られました。中・小型船市況は、4月に入っても南米出し穀物の動き出しが鈍く大西洋で市況が押し下げられた結果、太平洋との水域格差が広がる場面も見られましたが、足元は大西洋が復調して東西市況が拮抗する水準まで回復し、主要航路平均レートも1万米ドル台を維持しました。船舶の解撤量は引き続き前年同期比で減少しているものの、新造船の竣工による船腹供給圧力が限定的であったことから、市況は総じて堅調に推移しました。ドライバルク事業においては、運航コストの削減、配船の効率化に努めました。
以上の結果、ドライバルクセグメント全体では前年同期比で増収となり、黒字に転換しました。
②エネルギー資源セグメント
[エネルギー資源輸送事業(液化天然ガス輸送船事業・油槽船事業・電力炭船事業)]
LNG船、大型原油船、LPG船、電力炭船ともに、中長期の期間傭船契約のもとで順調に稼働しましたが、油槽船の一部の契約において軟調なマーケットの影響を受け、エネルギー資源輸送事業全体では、前年同期比で増収減益となりました。
[海洋資源開発事業(エネルギー関連開発事業・オフショア支援船事業)]
ドリルシップ(海洋掘削船)は順調に稼働し、長期安定収益の確保に貢献しましたが、オフショア支援船事業においては、海洋資源開発の停滞により軟調な市況が継続しました。海洋資源開発事業全体では、前年同期比で増収となりましたが、為替の影響もあり損失は拡大しました。
以上の結果、エネルギー資源セグメント全体では、前年同期比で増収減益となりました。
③製品物流セグメント
[自動車船事業]
完成車の総荷動きは中近東向けを除き全体としては漸増傾向が継続し、当社グループの輸送台数も一部新規貨物の獲得もあり増加しましたが、燃料費の上昇や運航効率の悪化などがあり、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。
[物流事業]
国内物流においては、荷動きは引き続き堅調であり、昨年度関西地区や北海道にて営業を開始した新倉庫も順調な滑り出しを見せています。顧客工場内の機械据付事業については、新たな案件を獲得し収益性が向上しています。
国際物流では、国際航空貨物輸送において昨年度後半から増加が顕著となった半導体関連の荷動きが依然として好調を維持しており、収益に貢献しています。同様に、タイやインドネシアなど各国に根付いた地域物流事業についても、新たな投資を継続して行うなど事業拡大に努めています。一方で、コンテナ船事業統合後、グローバルネットワーク再編、組織改革、ITシステム投資等を鋭意進めています。
以上の結果、物流事業では前年同期比で増収減益となりました。
[近海・内航事業]
近海・内航事業では、堅調な荷動きや内航船の大型化効果により安定した輸送量を確保しました。一方で燃料油価格の上昇や、大型船の竣工、新規航路開設に伴う費用の増加もあり、前年同期比で増収となりましたが、損失を計上しました。
[コンテナ船事業]
当社持分法適用会社であるONE社の業績は、立ち上がり時のサービス面での混乱により想定を下回る積高だったことに加え、費用面でも燃料油価格の高騰もあり、税引後損益は期首想定より悪化しました。当社に残るコンテナ船事業でも、事業移管に伴う一過性費用が想定以上であったこともあり、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。
以上の結果、製品物流セグメント全体では、前年同期比で減収となり、損失を計上しました。
④その他
その他には、船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業等が含まれており、当累計期間の業績は前年同期比で減収減益となりました。
(2) 財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間の資産の部は、現金及び預金の減少などにより前連結会計年度に比べ121億16百万円減少し、1兆247億70百万円となりました。
負債の部は、支払手形及び営業未払金の減少などにより前連結会計年度に比べ493億68百万円減少し、7,444億24百万円となりました。
純資産の部は、非支配株主持分の増加などにより前連結会計年度に比べ372億51百万円増加し、2,803億45百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、236億71百万円減少して、1,344億0百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失が169億52百万円となったこと等から、398億87百万円のマイナス(前第1四半期連結累計期間は、89億48百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資有価証券の取得による支出等により329億7百万円のマイナス(前第1四半期連結累計期間は、61億80百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主からの払込みによる収入等により480億24百万円のプラス(前第1四半期連結累計期間は、105億12百万円のマイナス)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は4百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、従業員数合計が1,094人減少していますが、主としてコンテナ船事業の統合によるものです。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
第2四半期以降の世界経済は、貿易摩擦、米国によるイラン制裁再開等の政治リスクの高まり等、懸念点はあるものの、全体としては好調を維持し、緩やかなペースでの拡大を継続することが見込まれます。
ドライバルク事業では、貿易摩擦等の進捗次第では荷動きや市況への影響が懸念されますが、船腹供給圧力は限定的なことから、需給バランスは引き続き改善に向かう見通しです。このように、不確実性を抱えるなか、引き続き運航効率の改善とコスト削減等の収支改善策に取り組むとともに、強みである高い輸送品質を生かした営業活動を積極的に行い、中長期契約の上積みによる安定収益拡充に努めます。
エネルギー資源輸送事業においては、LNG船、大型原油船、LPG船、電力炭船ともに、中長期の傭船契約のもとで安定収益の確保に努めます。
海洋資源開発事業においては、市況回復には今しばらく時間を要する見込みですが、引き続きコスト削減等により収支の改善に努めます。
自動車船事業では、資源国、新興国及び中東を主とした産油国経済の先行きに不透明感は依然としてあるものの、完成車の全世界海上輸送需要は世界の自動車販売の増加と歩調を合わせる形で中長期的には堅調に推移するものと予想します。他方、「地産地消」「適地量産」「適地適産」の流れに「EV化」の動きが加わるなか、自動車メーカー各社の生産拠点は多様化しつつあります。トレード構造の変化や複雑化に今後タイムリーかつ柔軟に対応して船隊整備を適切に進めることが重要であり、今年度も新規にメキシコ-中南米サービスを開始するなど航路ネットワークを拡充し、事業基盤の強化に取り組んでいます。重建機類・鉄道車両などの積載能力が高く省燃費性能を備えた次世代大型船を最大限に活用して、収益基盤の拡充に努めます。運航効率の更なる改善とともに船舶経費・運航経費の低減にも引き続き鋭意取り組みます。
物流事業においては、国内における物流需要は堅調さを維持し、売上及び収益は安定的に推移すると見込んでいます。今年3月にデイリー配船を開始した清水・大分間ROROサービスを利用した海陸一貫輸送では、集荷力を高め、取扱高の一層の増加を目指します。国際物流においては、昨年後半から活況を呈した航空機部品及び半導体等を中心とした航空貨物量は通常レベルに落ち着く見込みですが、引き継いだコンテナ船のネットワークも有効に利用して、新規顧客・貨物を獲得し収益確保を目指します。高付加価値物流サービスを提供するために、拠点やサービスメニューの充実など一層の体制拡充を図ります。
近海・内航事業においては、燃料油価格の上昇に加え、当期については新造船の竣工や新航路の開設に係る初期費用が発生していますが、近海船における市況の緩やかな回復と国内の堅調な荷動きを下支えに、収支の改善に取り組みます。
コンテナ船事業では、ONE社は第2四半期以降は積高も回復し、燃料油価格の上昇によるマイナス影響もありますが、シナジー効果の前倒しなどにより、期首公表想定の収益を確保する見込みです。