訂正有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績
当連結会計年度の当社グループは、「関西電力グループ中期経営計画(2019-2021)」に掲げた諸施策に、グループの総力を結集して取り組んできた。
当連結会計年度の小売販売電力量は、競争激化や新型コロナウイルス感染症の影響などにより、1,023億3千万kWhと前連結会計年度に比べて9.4%減少した。その内訳を見ると、「電灯」については、340億1千万kWhと前連結会計年度を2.3%下回った。また、「電力」については、683億2千万kWhと前連結会計年度を12.6%下回った。
収入面では、今冬の電力需給ひっ迫の影響により、送配電事業における託送収益やガス・その他エネルギー事業の売上が増加したものの、競争激化や新型コロナウイルス感染症の影響などを受けて、発電・販売事業において、小売販売電力量の減少により電灯電力料収入が減少したことなどから、売上高は3,092,398百万円と、前連結会計年度に比べて91,861百万円の減収(△2.9%)となった。
一方、支出面では、送配電事業における需給調整に伴う費用やガス・その他エネルギー事業における売上増加に伴う費用が増加したものの、徹底した経営効率化に努めたことに加え、発電・販売事業において、原子力利用率は低下したものの、小売販売電力量の減少や為替・燃料価格の変動により火力燃料費が減少したことなどから、営業費用は2,946,652百万円と、前連結会計年度に比べて30,651百万円の減少(△1.0%)となった。
この結果、当連結会計年度の営業利益は145,746百万円と、前連結会計年度に比べて61,209百万円の減益(△29.6%)、経常利益は153,850百万円と、前連結会計年度に比べて57,691百万円の減益(△27.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は108,978百万円と、前連結会計年度に比べて21,024百万円の減益(△16.2%)となった。
セグメントの経営成績(相殺消去前)は、次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更している。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等」の注記「セグメント情報等 セグメント情報 2.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりであり、以下の前連結会計年度との比較については、変更後の報告セグメントに基づいている。
(注)本表の金額には、消費税等を含まない。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要は、次のとおりである。
生産、受注及び販売の状況
当社及び連結子会社における生産、受注及び販売の実績については、その大半を占める発電・販売事業のみを記載している。
(1)需給実績
(注)1 2019年度実績については、送配電事業の分社化影響補正後の数値である。
2 自社の発電電力量については、送電端電力量を記載している。
3 火力は汽力と内燃力の合計である。
4 新エネルギー発電電力量は、汽力発電設備におけるバイオマスと新エネルギー等発電設備における太陽光による発電電力量である。
5 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
6 2019年度出水率は、1988年度から2017年度までの30カ年平均に対する比である。2020年度出水率は、1989年度から2018年度までの30カ年平均に対する比である。
7 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
(2)販売実績
① 総販売電力量
(注)1 2019年度実績については、送配電事業の分社化影響補正後の数値である。
2 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
② 料金収入
(注)1 2019年度実績については、送配電事業の分社化影響補正後の数値である。
2 本表には、消費税等を含まない。
(3)生産能力
自社発電認可最大出力
(4)資材の状況
主要燃料の受払状況
(注)四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要がある。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載している。
(2)経営成績
① 経常損益(セグメントの経営成績)
[発電・販売事業]
燃料の柔軟かつ安定的な調達や、多様な電源をバランスよく組み合わせた発電により、お客さまに電気を安定してお届けするとともに、暮らしに役立つサービスなどを提供している。
収入面では、競争激化や新型コロナウイルス感染症の影響などを受けて、小売販売電力量の減少により電灯電力料収入が減少したことなどから、外部顧客への売上高は2,034,494百万円と、前連結会計年度に比べて252,610百万円の減収(△11.0%)となり、内部売上高を含めた売上高は2,202,805百万円と、前連結会計年度に比べて233,672百万円の減収(△9.6%)となった。
一方、支出面では、原子力利用率は低下したものの、小売販売電力量の減少や為替・燃料価格の変動に伴い火力燃料費が減少したことなどから、経常費用は減少した。
この結果、経常利益は31,403百万円と、前連結会計年度に比べて27,620百万円の減益(△46.8%)となった。
[送配電事業]
送配電事業の一層の中立性の確保を図るため、電気事業法が改正され、2020年4月に当社から関西電力送配電株式会社へ一般送配電事業を承継し、関西一円を中心に、生活や産業の基盤を支える電力を供給している。
収入面では、新型コロナウイルス感染症の影響などを受けてエリア需要は減少したものの、今冬の電力需給ひっ迫の影響により、インバランス料金が増加したことなどから、外部顧客への売上高は386,423百万円と、前連結会計年度に比べて137,634百万円の増収(+55.3%)となり、内部売上高を含めた売上高は1,003,004百万円と、前連結会計年度に比べて134,744百万円の増収(+15.5%)となった。
一方、支出面では、電力需給ひっ迫時の調整力確保に伴い購入電力料が増加したことに加え、貸倒引当や減価償却費が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、経常利益は68,381百万円と、前連結会計年度に比べて3,416百万円の減益(△4.8%)となった。
[ガス・その他エネルギー事業]
ガスなどのエネルギー販売やユーティリティサービスなどを提案し、お客さまにとって最適なエネルギー・ソリューションを提供している。
収入面では、新電力事業において、今冬の電力需給ひっ迫の影響による販売価格の上昇などに伴い販売電力料が増加したことや、ガス事業において、ガス販売量が増加したことなどから、外部顧客への売上高は324,150百万円と、前連結会計年度に比べて20,837百万円の増収(+6.9%)となり、内部売上高を含めた売上高は546,690百万円と、前連結会計年度に比べて49,658百万円の増収(+10.0%)となった。
一方、支出面では、新電力事業の売上が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、経常利益は52,935百万円と、前連結会計年度に比べて15,858百万円の増益(+42.8%)となった。
[情報通信事業]
FTTHを利用した光インターネット、光電話、光テレビの3つのサービスをeo光ブランドで関西一円に展開しているほか、全国をターゲットにモバイル事業「mineo(マイネオ)」および、法人ソリューション事業を展開している。
収入面では、コンシューマサービスの加入者増加による売上の増加があったものの、前連結会計年度において子会社の連結除外を行った影響などから、外部顧客への売上高は219,396百万円と、前連結会計年度に比べて951百万円の減収(△0.4%)となった。一方、当社グループ向けのシステム構築が増加したことなどから、内部売上高を含めた売上高は293,781百万円と、前連結会計年度に比べて3,095百万円の増収(+1.1%)となった。
支出面では、徹底したコスト削減に努めたことや減価償却費が減少したことなどから、経常費用が減少した。
この結果、経常利益は38,694百万円と、前連結会計年度に比べて4,552百万円の増益(+13.3%)となった。
[生活・ビジネスソリューション事業]
不動産賃貸・分譲・管理、レジャーなどの総合不動産事業に加え、リース、コールセンター運営、人材派遣、メディカル・ヘルスケア、ホームセキュリティなど、お客さまの安心・快適・便利な生活やビジネスを実現するサービスを展開している。
収入面では、ホテル事業において、新型コロナウイルス感染症の影響による稼働率の低下などがあったものの、不動産分野において、住宅事業における売上が増加したことなどから、外部顧客への売上高は127,933百万円と、前連結会計年度に比べて3,229百万円の増収(+2.6%)となり、内部売上高を含めた売上高は176,191百万円と、前連結会計年度に比べて2,836百万円の増収(+1.6%)となった。
一方、支出面では、住宅事業における販売コストや開発コストの増加に伴い経常費用が増加した。
この結果、経常利益は17,349百万円と、前連結会計年度に比べて3,225百万円の減益(△15.7%)となった。
② 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、渇水準備引当金を1,446百万円取り崩したことから、155,296百万円となった。ここから法人税等合計と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引きした親会社株主に帰属する当期純利益は108,978百万円となり、前連結会計年度に比べて21,024百万円の減益(△16.2%)となった。
(3)財政状態
① 資産・負債の状況
資産は、設備投資額が減価償却費を上回ったことなどから、前連結会計年度末に比べて463,026百万円増加(+6.1%)し、8,075,755百万円となった。
負債は、設備投資や成長投資などに対応するために有利子負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて379,222百万円増加(+6.4%)し、6,350,197百万円となった。
② 純資産の状況
純資産は、配当金の支払いなどによる減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益(108,978百万円)を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べて83,803百万円増加(+5.1%)し、1,725,557百万円となった。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて0.1%低下し、20.9%となった。
また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて93円81銭増加し、1,886円12銭となった。
(4)資本の財源及び資金の流動性
① 資金調達
当社グループは、電気事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、コマーシャル・ペーパー等により短期的な運転資金を調達することにより、流動性を確保している。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が94,193百万円減少(△20.3%)し、369,215百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が83,384百万円増加(+14.4%)し、660,755百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、長期借入れによる収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が114,420百万円増加(+54.2%)し、325,643百万円の収入となった。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて35,807百万円増加(+14.0%)し、291,266百万円となった。
(1)経営成績
当連結会計年度の当社グループは、「関西電力グループ中期経営計画(2019-2021)」に掲げた諸施策に、グループの総力を結集して取り組んできた。
当連結会計年度の小売販売電力量は、競争激化や新型コロナウイルス感染症の影響などにより、1,023億3千万kWhと前連結会計年度に比べて9.4%減少した。その内訳を見ると、「電灯」については、340億1千万kWhと前連結会計年度を2.3%下回った。また、「電力」については、683億2千万kWhと前連結会計年度を12.6%下回った。
収入面では、今冬の電力需給ひっ迫の影響により、送配電事業における託送収益やガス・その他エネルギー事業の売上が増加したものの、競争激化や新型コロナウイルス感染症の影響などを受けて、発電・販売事業において、小売販売電力量の減少により電灯電力料収入が減少したことなどから、売上高は3,092,398百万円と、前連結会計年度に比べて91,861百万円の減収(△2.9%)となった。
一方、支出面では、送配電事業における需給調整に伴う費用やガス・その他エネルギー事業における売上増加に伴う費用が増加したものの、徹底した経営効率化に努めたことに加え、発電・販売事業において、原子力利用率は低下したものの、小売販売電力量の減少や為替・燃料価格の変動により火力燃料費が減少したことなどから、営業費用は2,946,652百万円と、前連結会計年度に比べて30,651百万円の減少(△1.0%)となった。
この結果、当連結会計年度の営業利益は145,746百万円と、前連結会計年度に比べて61,209百万円の減益(△29.6%)、経常利益は153,850百万円と、前連結会計年度に比べて57,691百万円の減益(△27.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は108,978百万円と、前連結会計年度に比べて21,024百万円の減益(△16.2%)となった。
セグメントの経営成績(相殺消去前)は、次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更している。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等」の注記「セグメント情報等 セグメント情報 2.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりであり、以下の前連結会計年度との比較については、変更後の報告セグメントに基づいている。
セグメント | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 比較増減 | ||
金額(百万円) | 金額(百万円) | 増減金額 (百万円) | 増減率 (%) | ||
発電・販売事業 | 売上高 | 2,436,477 | 2,202,805 | △233,672 | △9.6 |
経常費用 | 2,410,933 | 2,239,709 | △171,224 | △7.1 | |
経常利益 | 59,023 | 31,403 | △27,620 | △46.8 | |
送配電事業 | 売上高 | 868,260 | 1,003,004 | 134,744 | 15.5 |
経常費用 | 802,193 | 940,300 | 138,107 | 17.2 | |
経常利益 | 71,798 | 68,381 | △3,416 | △4.8 | |
ガス・その他 エネルギー事業 | 売上高 | 497,032 | 546,690 | 49,658 | 10.0 |
経常費用 | 487,455 | 521,866 | 34,410 | 7.1 | |
経常利益 | 37,076 | 52,935 | 15,858 | 42.8 | |
情報通信事業 | 売上高 | 290,686 | 293,781 | 3,095 | 1.1 |
経常費用 | 257,055 | 255,492 | △1,562 | △0.6 | |
経常利益 | 34,142 | 38,694 | 4,552 | 13.3 | |
生活・ビジネス ソリューション事業 | 売上高 | 173,354 | 176,191 | 2,836 | 1.6 |
経常費用 | 155,425 | 162,491 | 7,065 | 4.5 | |
経常利益 | 20,574 | 17,349 | △3,225 | △15.7 |
(注)本表の金額には、消費税等を含まない。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要は、次のとおりである。
科目 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 比較増減 | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 増減金額 (百万円) | 増減率 (%) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 463,408 | 369,215 | △94,193 | △20.3 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △577,370 | △660,755 | △83,384 | 14.4 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 211,222 | 325,643 | 114,420 | 54.2 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 255,458 | 291,266 | 35,807 | 14.0 |
生産、受注及び販売の状況
当社及び連結子会社における生産、受注及び販売の実績については、その大半を占める発電・販売事業のみを記載している。
(1)需給実績
種別 | 2019年度 (2019年4月~ 2020年3月) (百万kWh) | 2020年度 (2020年4月~ 2021年3月) (百万kWh) | 前年度比 (%) | ||
発受電電力量 | 自社 | 水力発電電力量 | 13,523 | 12,775 | 94.5 |
火力発電電力量 | 57,916 | 61,437 | 106.1 | ||
原子力発電電力量 | 26,717 | 15,335 | 57.4 | ||
新エネルギー発電電力量 | 13 | 28 | 227.4 | ||
他社送受電電力量 | 22,985 | 19,757 | 86.0 | ||
揚水発電所の揚水用電力量 | △2,570 | △2,216 | 86.2 | ||
合計 | 118,585 | 107,117 | 90.3 | ||
小売販売電力量 | 112,992 | 102,331 | 90.6 | ||
出水率(%) | 98.6 | 96.5 | - |
(注)1 2019年度実績については、送配電事業の分社化影響補正後の数値である。
2 自社の発電電力量については、送電端電力量を記載している。
3 火力は汽力と内燃力の合計である。
4 新エネルギー発電電力量は、汽力発電設備におけるバイオマスと新エネルギー等発電設備における太陽光による発電電力量である。
5 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
6 2019年度出水率は、1988年度から2017年度までの30カ年平均に対する比である。2020年度出水率は、1989年度から2018年度までの30カ年平均に対する比である。
7 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
(2)販売実績
① 総販売電力量
2019年度 (2019年4月~ 2020年3月) (百万kWh) | 2020年度 (2020年4月~ 2021年3月) (百万kWh) | 前年度比(%) | |||
総販売電力量(小売、他社 計) | 127,335 | 117,626 | 92.4 | ||
小売販売電力量 | 112,992 | 102,331 | 90.6 | ||
電灯 | 34,832 | 34,014 | 97.7 | ||
電力 | 78,159 | 68,317 | 87.4 | ||
他社販売電力量 | 14,343 | 15,295 | 106.6 |
(注)1 2019年度実績については、送配電事業の分社化影響補正後の数値である。
2 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
② 料金収入
2019年度 (2019年4月~ 2020年3月) (百万円) | 2020年度 (2020年4月~ 2021年3月) (百万円) | 前年度比(%) | ||
電灯料・電力料 | 2,089,392 | 1,827,163 | 87.4 | |
電灯料 | 816,921 | 760,180 | 93.1 | |
電力料 | 1,272,470 | 1,066,983 | 83.9 | |
他社販売電力料 | 134,491 | 163,059 | 121.2 |
(注)1 2019年度実績については、送配電事業の分社化影響補正後の数値である。
2 本表には、消費税等を含まない。
(3)生産能力
自社発電認可最大出力
区分 | 水力 (kW) | 火力 (kW) | 原子力 (kW) | 新エネルギー (kW) | 合計 (kW) |
2020年3月31日現在 | 8,234,375 | 15,766,400 | 6,578,000 | 11,000 | 30,589,775 |
2021年3月31日現在 | 8,235,375 | 14,566,400 | 6,578,000 | 11,000 | 29,390,775 |
(4)資材の状況
主要燃料の受払状況
区分 | 重油(kl) | 原油(kl) | LNG(t) | 石炭(t) | |
2019年3月末在庫量 | 142,240 | 140,367 | 350,020 | 282,349 | |
2019年度 | 受入量 | 88,961 | 5,003 | 7,546,608 | 3,539,714 |
払出量 | 57,328 | 30,333 | 7,489,379 | 3,540,242 | |
2020年3月末在庫量 | 173,872 | 115,036 | 407,249 | 281,820 | |
2020年度 | 受入量 | 109,090 | 185,626 | 7,951,243 | 3,486,879 |
払出量 | 218,503 | 218,400 | 7,963,664 | 3,443,521 | |
2021年3月末在庫量 | 64,460 | 82,263 | 394,827 | 325,179 |
(注)四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要がある。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載している。
(2)経営成績
① 経常損益(セグメントの経営成績)
[発電・販売事業]
燃料の柔軟かつ安定的な調達や、多様な電源をバランスよく組み合わせた発電により、お客さまに電気を安定してお届けするとともに、暮らしに役立つサービスなどを提供している。
収入面では、競争激化や新型コロナウイルス感染症の影響などを受けて、小売販売電力量の減少により電灯電力料収入が減少したことなどから、外部顧客への売上高は2,034,494百万円と、前連結会計年度に比べて252,610百万円の減収(△11.0%)となり、内部売上高を含めた売上高は2,202,805百万円と、前連結会計年度に比べて233,672百万円の減収(△9.6%)となった。
一方、支出面では、原子力利用率は低下したものの、小売販売電力量の減少や為替・燃料価格の変動に伴い火力燃料費が減少したことなどから、経常費用は減少した。
この結果、経常利益は31,403百万円と、前連結会計年度に比べて27,620百万円の減益(△46.8%)となった。
[送配電事業]
送配電事業の一層の中立性の確保を図るため、電気事業法が改正され、2020年4月に当社から関西電力送配電株式会社へ一般送配電事業を承継し、関西一円を中心に、生活や産業の基盤を支える電力を供給している。
収入面では、新型コロナウイルス感染症の影響などを受けてエリア需要は減少したものの、今冬の電力需給ひっ迫の影響により、インバランス料金が増加したことなどから、外部顧客への売上高は386,423百万円と、前連結会計年度に比べて137,634百万円の増収(+55.3%)となり、内部売上高を含めた売上高は1,003,004百万円と、前連結会計年度に比べて134,744百万円の増収(+15.5%)となった。
一方、支出面では、電力需給ひっ迫時の調整力確保に伴い購入電力料が増加したことに加え、貸倒引当や減価償却費が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、経常利益は68,381百万円と、前連結会計年度に比べて3,416百万円の減益(△4.8%)となった。
[ガス・その他エネルギー事業]
ガスなどのエネルギー販売やユーティリティサービスなどを提案し、お客さまにとって最適なエネルギー・ソリューションを提供している。
収入面では、新電力事業において、今冬の電力需給ひっ迫の影響による販売価格の上昇などに伴い販売電力料が増加したことや、ガス事業において、ガス販売量が増加したことなどから、外部顧客への売上高は324,150百万円と、前連結会計年度に比べて20,837百万円の増収(+6.9%)となり、内部売上高を含めた売上高は546,690百万円と、前連結会計年度に比べて49,658百万円の増収(+10.0%)となった。
一方、支出面では、新電力事業の売上が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、経常利益は52,935百万円と、前連結会計年度に比べて15,858百万円の増益(+42.8%)となった。
[情報通信事業]
FTTHを利用した光インターネット、光電話、光テレビの3つのサービスをeo光ブランドで関西一円に展開しているほか、全国をターゲットにモバイル事業「mineo(マイネオ)」および、法人ソリューション事業を展開している。
収入面では、コンシューマサービスの加入者増加による売上の増加があったものの、前連結会計年度において子会社の連結除外を行った影響などから、外部顧客への売上高は219,396百万円と、前連結会計年度に比べて951百万円の減収(△0.4%)となった。一方、当社グループ向けのシステム構築が増加したことなどから、内部売上高を含めた売上高は293,781百万円と、前連結会計年度に比べて3,095百万円の増収(+1.1%)となった。
支出面では、徹底したコスト削減に努めたことや減価償却費が減少したことなどから、経常費用が減少した。
この結果、経常利益は38,694百万円と、前連結会計年度に比べて4,552百万円の増益(+13.3%)となった。
[生活・ビジネスソリューション事業]
不動産賃貸・分譲・管理、レジャーなどの総合不動産事業に加え、リース、コールセンター運営、人材派遣、メディカル・ヘルスケア、ホームセキュリティなど、お客さまの安心・快適・便利な生活やビジネスを実現するサービスを展開している。
収入面では、ホテル事業において、新型コロナウイルス感染症の影響による稼働率の低下などがあったものの、不動産分野において、住宅事業における売上が増加したことなどから、外部顧客への売上高は127,933百万円と、前連結会計年度に比べて3,229百万円の増収(+2.6%)となり、内部売上高を含めた売上高は176,191百万円と、前連結会計年度に比べて2,836百万円の増収(+1.6%)となった。
一方、支出面では、住宅事業における販売コストや開発コストの増加に伴い経常費用が増加した。
この結果、経常利益は17,349百万円と、前連結会計年度に比べて3,225百万円の減益(△15.7%)となった。
② 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、渇水準備引当金を1,446百万円取り崩したことから、155,296百万円となった。ここから法人税等合計と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引きした親会社株主に帰属する当期純利益は108,978百万円となり、前連結会計年度に比べて21,024百万円の減益(△16.2%)となった。
(3)財政状態
① 資産・負債の状況
資産は、設備投資額が減価償却費を上回ったことなどから、前連結会計年度末に比べて463,026百万円増加(+6.1%)し、8,075,755百万円となった。
負債は、設備投資や成長投資などに対応するために有利子負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて379,222百万円増加(+6.4%)し、6,350,197百万円となった。
② 純資産の状況
純資産は、配当金の支払いなどによる減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益(108,978百万円)を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べて83,803百万円増加(+5.1%)し、1,725,557百万円となった。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて0.1%低下し、20.9%となった。
また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて93円81銭増加し、1,886円12銭となった。
(4)資本の財源及び資金の流動性
① 資金調達
当社グループは、電気事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、コマーシャル・ペーパー等により短期的な運転資金を調達することにより、流動性を確保している。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が94,193百万円減少(△20.3%)し、369,215百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が83,384百万円増加(+14.4%)し、660,755百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、長期借入れによる収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が114,420百万円増加(+54.2%)し、325,643百万円の収入となった。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて35,807百万円増加(+14.0%)し、291,266百万円となった。