有価証券報告書-第98期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績
当連結会計年度の当社グループは、2021年3月に策定した「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」に基づき、ガバナンス確立とコンプライアンス推進を事業運営の大前提とし、当社グループの一大改革(KX: Kanden Transformation)の完遂に向け、取組みの3本柱である「ゼロカーボンへの挑戦(EX: Energy Transformation)」、「サービス・プロバイダーへの転換(VX: Value Transformation)」、「強靭な企業体質への改革(BX: Business Transformation)」に基づく諸施策について、総力を結集し推進してきた。
当連結会計年度の小売販売電力量は、競争の影響などにより、1,006億6千万kWhと前連結会計年度に比べて1.6%減少した。その内訳を見ると、「電灯」については、323億3千万kWhと前連結会計年度を5.0%下回った。また、「電力」については、683億3千万kWhと前連結会計年度並みとなった。
収入面では、エネルギー事業における他社販売電力料は増加したものの、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことなどから、売上高は2,851,894百万円と、前連結会計年度に比べて240,503百万円の減収(△7.8%)となった。
支出面では、エネルギー事業において、原子力利用率は上昇したものの為替・燃料価格の影響などにより火力燃料費が増加した一方、徹底した経営効率化に努めたことや、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことなどから、営業費用は2,752,569百万円と、前連結会計年度に比べて194,082百万円の減少(△6.6%)となった。
また、送配電事業において、2021年1月に生じた一般送配電事業者のインバランス収支の取扱いについて、将来の託送料金から毎月定額を差し引く形で調整を行うこととする経済産業大臣の特例認可を受けたことに伴い、インバランス収支調整額10,773百万円を特別損失に計上した。
この結果、当連結会計年度の営業利益は99,325百万円と、前連結会計年度に比べて46,421百万円の減益(△31.9%)、経常利益は135,955百万円と、前連結会計年度に比べて17,895百万円の減益(△11.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は85,835百万円と、前連結会計年度に比べて23,142百万円の減益(△21.2%)となった。
セグメントの経営成績(相殺消去前)は、次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分等を変更している。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等」の注記「セグメント情報等 セグメント情報 2.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりであり、以下の前連結会計年度との比較については、変更後の報告セグメントに基づいている。
(注)1 本表の金額には、消費税等を含まない。
2 各セグメント利益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適
用しており、当連結会計年度の実績については、当該会計基準等を適用した後の数値となっている。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要は、次のとおりである。
生産、受注及び販売の状況
当社および連結子会社における生産、受注及び販売の実績については、その大半を占めるエネルギー事業のうち当社にかかる実績を記載している。
(1)需給実績
(注)1 自社の発電電力量については、送電端電力量を記載している。
2 火力発電電力量は、汽力発電電力量と内燃力発電電力量の合計である。
3 新エネルギー発電電力量は、汽力発電設備におけるバイオマスと新エネルギー等発電設備における太陽光による発電電力量である。
4 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
5 2020年度出水率は、1989年度から2018年度までの30カ年平均に対する比である。
2021年度出水率は、1990年度から2019年度までの30カ年平均に対する比である。
6 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
(2)販売実績
① 総販売電力量
(注) 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
② 料金収入
(注)1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2021年度実績については、当該会計基準等を適用した後の数値となっている。
2 本表の金額には、消費税等を含まない。
(3)生産能力
自社発電認可最大出力
(4)資材の状況
主要燃料の受払状況
(注)四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要がある。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載している。
(2)経営成績
① 経常損益(セグメントの経営成績)
[エネルギー事業]
燃料の柔軟かつ安定的な調達や、多様な電源をバランスよく組み合わせた発電により、お客さまに電気を安定してお届けするとともに、新たなライフスタイルや、ゼロカーボン化、レジリエンス向上等、多様化するお客さまニーズを踏まえ、新たな価値を提供している。
収入面では、他社販売電力料は増加したものの、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことなどから、外部顧客への売上高は2,092,810百万円と、前連結会計年度に比べて265,834百万円の減収(△11.3%)となり、内部売上高を含めた売上高は2,377,879百万円と、前連結会計年度に比べて169,818百万円の減収(△6.7%)となった。
支出面では、原子力利用率は上昇したものの為替・燃料価格の影響などにより火力燃料費が増加した一方、徹底した経営効率化に努めたことや、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことなどから、経常費用は減少した。
この結果、セグメント利益は70,624百万円と、前連結会計年度に比べて36,474百万円の増益(+106.8%)となった。
[送配電事業]
送配電事業の一層の中立性を確保しつつ、関西一円を中心に、生活や産業の基盤を支える電力を供給している。
収入面では、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことや、2021年1月の電力需給ひっ迫の影響により増大したインバランス収入の反動減があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の落込みの回復などにより、エリア需要が増加したことや、他の一般送配電事業者などへの販売電力料が増加したことなどから、外部顧客への売上高は398,977百万円と、前連結会計年度に比べて12,554百万円の増収(+3.2%)となった。一方、当社グループ向けの電力工事関係の売上が減少したことなどから、内部売上高を含めた売上高は997,810百万円と、前連結会計年度に比べて5,193百万円の減収(△0.5%)となった。
支出面では、燃料価格の高騰などの影響により、需給調整に伴う費用が大幅に増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は6,064百万円と、前連結会計年度に比べて62,254百万円の減益(△91.1%)となった。
[情報通信事業]
FTTHを利用した光インターネット、光電話、光テレビの3つのサービスをeo光ブランドで関西一円に展開しているほか、全国をターゲットにモバイル事業「mineo(マイネオ)」および、法人ソリューション事業を展開している。
収入面では、FTTHの回線数増加、eo電気における加入者数の増加や燃料費調整額の増加があったものの、収益認識に関する会計基準等の適用による影響や、モバイル事業の新プラン投入による料金改定などから、外部顧客への売上高は210,696百万円と、前連結会計年度に比べて8,699百万円の減収(△4.0%)となり、内部売上高を含めた売上高は279,369百万円と、前連結会計年度に比べて14,412百万円の減収(△4.9%)となった。
支出面では、徹底したコスト削減に努めたことなどから、経常費用は減少した。
この結果、セグメント利益は40,050百万円と、前連結会計年度に比べて1,356百万円の増益(+3.5%)となった。
[生活・ビジネスソリューション事業]
不動産賃貸・分譲・管理、レジャーなどの総合不動産事業に加え、リース、コールセンター運営、人材派遣、メディカル・ヘルスケア、ホームセキュリティなど、お客さまの安心・快適・便利な生活やビジネスを実現するサービスを展開している。
収入面では、不動産分野において、賃貸事業における物件売却や新型コロナウイルス感染症の影響による賃料収入の減少等があったものの、新規賃貸物件の取得により賃料収入が増えたことや、都市部を中心に住宅需要が堅調に推移したことにより住宅販売が増加したことから、外部顧客への売上高は149,410百万円と、前連結会計年度に比べて21,476百万円の増収(+16.8%)となり、内部売上高を含めた売上高は192,516百万円と、前連結会計年度に比べて16,325百万円の増収(+9.3%)となった。
支出面では、コスト削減に努めたものの、住宅分譲事業における販売関連費用が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は19,658百万円と、前連結会計年度に比べて3,107百万円の増益(+18.8%)となった。
② 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、渇水準備引当金134百万円の取崩しがあったものの、送配電事業におけるインバランス収支調整額10,773百万円を特別損失に計上したことから125,316百万円となった。ここから法人税等合計と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引きした親会社株主に帰属する当期純利益は85,835百万円となり、前連結会計年度に比べて23,142百万円の減益(△21.2%)となった。
(3)財政状態
① 資産・負債の状況
資産は、設備投資額が減価償却費を上回ったことなどから、前連結会計年度末に比べて580,675百万円増加(+7.2%)し、8,656,430百万円となった。
負債は、設備投資や成長投資などに対応するために有利子負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて600,675百万円増加(+9.5%)し、6,950,873百万円となった。
② 純資産の状況
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益(85,835百万円)を計上したものの、その他の包括利益累計額が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べて20,000百万円減少(△1.2%)し、1,705,557百万円となった。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて1.7%低下し、19.2%となった。
また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて26円62銭減少し、1,859円50銭となった。
(4)資本の財源及び資金の流動性
① 資金調達
当社グループは、電気事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、コマーシャル・ペーパー等により短期的な運転資金を調達することにより、流動性を確保している。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、売上債権が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が41,100百万円増加(+11.1%)し、410,315百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が128,124百万円減少(△19.4%)し、532,630百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、有利子負債の増加額が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が6,873百万円減少(△2.1%)し、318,769百万円の収入となった。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて199,225百万円増加(+68.4%)し、490,491百万円となった。
(1)経営成績
当連結会計年度の当社グループは、2021年3月に策定した「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」に基づき、ガバナンス確立とコンプライアンス推進を事業運営の大前提とし、当社グループの一大改革(KX: Kanden Transformation)の完遂に向け、取組みの3本柱である「ゼロカーボンへの挑戦(EX: Energy Transformation)」、「サービス・プロバイダーへの転換(VX: Value Transformation)」、「強靭な企業体質への改革(BX: Business Transformation)」に基づく諸施策について、総力を結集し推進してきた。
当連結会計年度の小売販売電力量は、競争の影響などにより、1,006億6千万kWhと前連結会計年度に比べて1.6%減少した。その内訳を見ると、「電灯」については、323億3千万kWhと前連結会計年度を5.0%下回った。また、「電力」については、683億3千万kWhと前連結会計年度並みとなった。
収入面では、エネルギー事業における他社販売電力料は増加したものの、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことなどから、売上高は2,851,894百万円と、前連結会計年度に比べて240,503百万円の減収(△7.8%)となった。
支出面では、エネルギー事業において、原子力利用率は上昇したものの為替・燃料価格の影響などにより火力燃料費が増加した一方、徹底した経営効率化に努めたことや、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことなどから、営業費用は2,752,569百万円と、前連結会計年度に比べて194,082百万円の減少(△6.6%)となった。
また、送配電事業において、2021年1月に生じた一般送配電事業者のインバランス収支の取扱いについて、将来の託送料金から毎月定額を差し引く形で調整を行うこととする経済産業大臣の特例認可を受けたことに伴い、インバランス収支調整額10,773百万円を特別損失に計上した。
この結果、当連結会計年度の営業利益は99,325百万円と、前連結会計年度に比べて46,421百万円の減益(△31.9%)、経常利益は135,955百万円と、前連結会計年度に比べて17,895百万円の減益(△11.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は85,835百万円と、前連結会計年度に比べて23,142百万円の減益(△21.2%)となった。
セグメントの経営成績(相殺消去前)は、次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分等を変更している。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等」の注記「セグメント情報等 セグメント情報 2.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりであり、以下の前連結会計年度との比較については、変更後の報告セグメントに基づいている。
セグメント | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 比較増減 | ||
金額(百万円) | 金額(百万円) | 増減金額 (百万円) | 増減率 (%) | ||
エネルギー事業 | 売上高 | 2,547,698 | 2,377,879 | △169,818 | △6.7 |
経常費用 | 2,567,162 | 2,380,290 | △186,872 | △7.3 | |
セグメント利益 | 34,149 | 70,624 | 36,474 | 106.8 | |
送配電事業 | 売上高 | 1,003,004 | 997,810 | △5,193 | △0.5 |
経常費用 | 940,300 | 1,000,738 | 60,437 | 6.4 | |
セグメント利益 | 68,318 | 6,064 | △62,254 | △91.1 | |
情報通信事業 | 売上高 | 293,781 | 279,369 | △14,412 | △4.9 |
経常費用 | 255,492 | 239,635 | △15,857 | △6.2 | |
セグメント利益 | 38,693 | 40,050 | 1,356 | 3.5 | |
生活・ビジネスソリューション事業 | 売上高 | 176,191 | 192,516 | 16,325 | 9.3 |
経常費用 | 162,491 | 176,243 | 13,752 | 8.5 | |
セグメント利益 | 16,550 | 19,658 | 3,107 | 18.8 |
(注)1 本表の金額には、消費税等を含まない。
2 各セグメント利益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適
用しており、当連結会計年度の実績については、当該会計基準等を適用した後の数値となっている。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要は、次のとおりである。
科目 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 比較増減 | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 増減金額 (百万円) | 増減率 (%) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 369,215 | 410,315 | 41,100 | 11.1 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △660,755 | △532,630 | 128,124 | △19.4 |
(フリー・キャッシュ・フロー) | (△291,539) | (△122,314) | (169,225) | (△58.0) |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 325,643 | 318,769 | △6,873 | △2.1 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 291,266 | 490,491 | 199,225 | 68.4 |
生産、受注及び販売の状況
当社および連結子会社における生産、受注及び販売の実績については、その大半を占めるエネルギー事業のうち当社にかかる実績を記載している。
(1)需給実績
種別 | 2020年度 (2020年4月~ 2021年3月) (百万kWh) | 2021年度 (2021年4月~ 2022年3月) (百万kWh) | 前年度比 (%) | ||
発受電電力量 | 自社 | 水力発電電力量 | 12,775 | 13,531 | 105.9 |
火力発電電力量 | 61,437 | 46,961 | 76.4 | ||
原子力発電電力量 | 15,335 | 33,553 | 218.8 | ||
新エネルギー発電電力量 | 28 | 26 | 91.2 | ||
他社送受電電力量 | 19,626 | 13,299 | 67.8 | ||
揚水発電所の揚水用電力量 | △2,216 | △1,915 | 86.4 | ||
合計 | 106,986 | 105,456 | 98.6 | ||
小売販売電力量 | 102,331 | 100,657 | 98.4 | ||
出水率(%) | 96.5 | 100.7 | - |
(注)1 自社の発電電力量については、送電端電力量を記載している。
2 火力発電電力量は、汽力発電電力量と内燃力発電電力量の合計である。
3 新エネルギー発電電力量は、汽力発電設備におけるバイオマスと新エネルギー等発電設備における太陽光による発電電力量である。
4 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
5 2020年度出水率は、1989年度から2018年度までの30カ年平均に対する比である。
2021年度出水率は、1990年度から2019年度までの30カ年平均に対する比である。
6 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
(2)販売実績
① 総販売電力量
2020年度 (2020年4月~ 2021年3月) (百万kWh) | 2021年度 (2021年4月~ 2022年3月) (百万kWh) | 前年度比(%) | |||
総販売電力量(小売、他社 計) | 117,733 | 121,463 | 103.2 | ||
小売販売電力量 | 102,331 | 100,657 | 98.4 | ||
電灯 | 34,014 | 32,326 | 95.0 | ||
電力 | 68,317 | 68,331 | 100.0 | ||
他社販売電力量 | 15,402 | 20,806 | 135.1 |
(注) 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
② 料金収入
2020年度 (2020年4月~ 2021年3月) (百万円) | 2021年度 (2021年4月~ 2022年3月) (百万円) | 前年度比(%) | ||
電灯料・電力料 | 1,827,163 | 1,613,715 | 88.3 | |
電灯料 | 760,180 | 669,859 | 88.1 | |
電力料 | 1,066,983 | 943,855 | 88.5 | |
他社販売電力料 | 163,059 | 336,405 | 206.3 |
(注)1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2021年度実績については、当該会計基準等を適用した後の数値となっている。
2 本表の金額には、消費税等を含まない。
(3)生産能力
自社発電認可最大出力
区分 | 水力 (kW) | 火力 (kW) | 原子力 (kW) | 新エネルギー (kW) | 合計 (kW) |
2021年3月31日現在 | 8,235,375 | 14,566,400 | 6,578,000 | 11,000 | 29,390,775 |
2022年3月31日現在 | 8,247,575 | 14,566,400 | 6,578,000 | 11,000 | 29,402,975 |
(4)資材の状況
主要燃料の受払状況
区分 | 重油(kl) | 原油(kl) | LNG(t) | 石炭(t) | |
2020年3月末在庫量 | 173,872 | 115,036 | 407,249 | 281,820 | |
2020年度 | 受入量 | 109,090 | 185,626 | 7,951,243 | 3,486,879 |
払出量 | 218,503 | 218,400 | 7,963,664 | 3,443,521 | |
2021年3月末在庫量 | 64,460 | 82,263 | 394,827 | 325,179 | |
2021年度 | 受入量 | 756,738 | 128,832 | 5,425,456 | 3,833,938 |
払出量 | 689,879 | 176,353 | 5,532,591 | 3,844,050 | |
2022年3月末在庫量 | 131,319 | 34,742 | 287,693 | 315,067 |
(注)四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要がある。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載している。
(2)経営成績
① 経常損益(セグメントの経営成績)
[エネルギー事業]
燃料の柔軟かつ安定的な調達や、多様な電源をバランスよく組み合わせた発電により、お客さまに電気を安定してお届けするとともに、新たなライフスタイルや、ゼロカーボン化、レジリエンス向上等、多様化するお客さまニーズを踏まえ、新たな価値を提供している。
収入面では、他社販売電力料は増加したものの、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことなどから、外部顧客への売上高は2,092,810百万円と、前連結会計年度に比べて265,834百万円の減収(△11.3%)となり、内部売上高を含めた売上高は2,377,879百万円と、前連結会計年度に比べて169,818百万円の減収(△6.7%)となった。
支出面では、原子力利用率は上昇したものの為替・燃料価格の影響などにより火力燃料費が増加した一方、徹底した経営効率化に努めたことや、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことなどから、経常費用は減少した。
この結果、セグメント利益は70,624百万円と、前連結会計年度に比べて36,474百万円の増益(+106.8%)となった。
[送配電事業]
送配電事業の一層の中立性を確保しつつ、関西一円を中心に、生活や産業の基盤を支える電力を供給している。
収入面では、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い再エネ関係の会計処理を変更したことや、2021年1月の電力需給ひっ迫の影響により増大したインバランス収入の反動減があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の落込みの回復などにより、エリア需要が増加したことや、他の一般送配電事業者などへの販売電力料が増加したことなどから、外部顧客への売上高は398,977百万円と、前連結会計年度に比べて12,554百万円の増収(+3.2%)となった。一方、当社グループ向けの電力工事関係の売上が減少したことなどから、内部売上高を含めた売上高は997,810百万円と、前連結会計年度に比べて5,193百万円の減収(△0.5%)となった。
支出面では、燃料価格の高騰などの影響により、需給調整に伴う費用が大幅に増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は6,064百万円と、前連結会計年度に比べて62,254百万円の減益(△91.1%)となった。
[情報通信事業]
FTTHを利用した光インターネット、光電話、光テレビの3つのサービスをeo光ブランドで関西一円に展開しているほか、全国をターゲットにモバイル事業「mineo(マイネオ)」および、法人ソリューション事業を展開している。
収入面では、FTTHの回線数増加、eo電気における加入者数の増加や燃料費調整額の増加があったものの、収益認識に関する会計基準等の適用による影響や、モバイル事業の新プラン投入による料金改定などから、外部顧客への売上高は210,696百万円と、前連結会計年度に比べて8,699百万円の減収(△4.0%)となり、内部売上高を含めた売上高は279,369百万円と、前連結会計年度に比べて14,412百万円の減収(△4.9%)となった。
支出面では、徹底したコスト削減に努めたことなどから、経常費用は減少した。
この結果、セグメント利益は40,050百万円と、前連結会計年度に比べて1,356百万円の増益(+3.5%)となった。
[生活・ビジネスソリューション事業]
不動産賃貸・分譲・管理、レジャーなどの総合不動産事業に加え、リース、コールセンター運営、人材派遣、メディカル・ヘルスケア、ホームセキュリティなど、お客さまの安心・快適・便利な生活やビジネスを実現するサービスを展開している。
収入面では、不動産分野において、賃貸事業における物件売却や新型コロナウイルス感染症の影響による賃料収入の減少等があったものの、新規賃貸物件の取得により賃料収入が増えたことや、都市部を中心に住宅需要が堅調に推移したことにより住宅販売が増加したことから、外部顧客への売上高は149,410百万円と、前連結会計年度に比べて21,476百万円の増収(+16.8%)となり、内部売上高を含めた売上高は192,516百万円と、前連結会計年度に比べて16,325百万円の増収(+9.3%)となった。
支出面では、コスト削減に努めたものの、住宅分譲事業における販売関連費用が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は19,658百万円と、前連結会計年度に比べて3,107百万円の増益(+18.8%)となった。
② 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、渇水準備引当金134百万円の取崩しがあったものの、送配電事業におけるインバランス収支調整額10,773百万円を特別損失に計上したことから125,316百万円となった。ここから法人税等合計と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引きした親会社株主に帰属する当期純利益は85,835百万円となり、前連結会計年度に比べて23,142百万円の減益(△21.2%)となった。
(3)財政状態
① 資産・負債の状況
資産は、設備投資額が減価償却費を上回ったことなどから、前連結会計年度末に比べて580,675百万円増加(+7.2%)し、8,656,430百万円となった。
負債は、設備投資や成長投資などに対応するために有利子負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて600,675百万円増加(+9.5%)し、6,950,873百万円となった。
② 純資産の状況
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益(85,835百万円)を計上したものの、その他の包括利益累計額が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べて20,000百万円減少(△1.2%)し、1,705,557百万円となった。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて1.7%低下し、19.2%となった。
また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて26円62銭減少し、1,859円50銭となった。
(4)資本の財源及び資金の流動性
① 資金調達
当社グループは、電気事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、コマーシャル・ペーパー等により短期的な運転資金を調達することにより、流動性を確保している。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、売上債権が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が41,100百万円増加(+11.1%)し、410,315百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が128,124百万円減少(△19.4%)し、532,630百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、有利子負債の増加額が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が6,873百万円減少(△2.1%)し、318,769百万円の収入となった。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて199,225百万円増加(+68.4%)し、490,491百万円となった。