訂正有価証券報告書-第154期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、天候不順や自然災害、消費税引き上げがあったものの、設備投資の増加や個人消費にも持ち直しの動きが見られる等、企業収益や雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調となりました。
映画業界は、興行収入が2,611億8,000万円(前年比117.4%)となり、興行収入での発表を始めた2000年以降、最高の成績となりました。また、入場人員は1億9,491万人(前年比115.2%)となりました。邦画・洋画の構成比は邦画が54.4%、洋画が45.6%となり、「天気の子」が興行収入100億円を超える等、依然として邦画の優勢な状況が続きました。全国のスクリーン数は前年より22スクリーン増えて3,583スクリーンとなりました。
演劇業界は、依然としてお客様が公演を厳しく選別している状況が続いています。その中で、お客様の嗜好に合致した公演・企画を実現させていくとともに、現状の観客動員を維持しながら、新たな販路を開拓していくことが課題となりました。
不動産業界は、賃貸オフィスビル市場にて、都心部および主要地方都市は企業の人材確保等によるオフィス需要の拡大に伴い、高稼働率や賃料水準の維持、上昇傾向が続いていることから堅調である一方、国際情勢や相次ぐ自然災害、消費税引き上げの影響にも留意が必要となりました。
このような状況下、当社グループはより一層の経営の効率化を図るとともに、積極的な営業活動を展開しました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高97,479百万円(前連結会計年度比7.3%増)、営業利益4,604百万円(同0.9%増)、経常利益4,462百万円(同10.0%増)となり、特別損失660百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は2,420百万円(同6.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像関連事業)
配給は、邦画16作品、洋画4作品、アニメ13作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマと、様々なジャンルの作品を公開しました。6月公開の「ザ・ファブル」は、幅広い層に支持され大ヒットとなりました。8月公開の「引っ越し大名!」は、シニア層に加え、出演者のファンの幅広い世代の女性層に支持をされました。12月公開の「午前0時、キスしに来てよ」は、若い世代を中心に支持をされ話題となり、「男はつらいよ お帰り 寅さん」は、第1作が公開されてから50年、シリーズ50作目の最新作として、全国に笑いと感動を届け、正月興行において大ヒットとなりました。
興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズにて、当社配給作品の他、「アラジン」「トイ・ストーリー4」「天気の子」等の春先から夏休みにかけての興行が大変盛況となり、秋から冬休みにかけては、「アナと雪の女王2」「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」等のヒット作が公開されました。また、ODS(邦画、洋画、アニメの他に、演劇・音楽等、映画ではないコンテンツを映画館で上映)を合わせて617本の作品を上映しました。最先端の映像技術「Dolby Vision™(ドルビービジョン)」、立体音響技術の「Dolby Atmos®(ドルビーアトモス)」と、最適化されたシアターデザインの技術が一体となった「Dolby Cinema™(ドルビーシネマ) 」を4月にMOVIXさいたま、10月に丸の内ピカデリーに導入し、他社との差別化を図り、高稼働いたしました。
テレビ制作は、地上波にて連続ドラマ「きのう何食べた?」、2時間ドラマ「嫉妬」、時代劇スペシャル「剣客商売6」、BS放送では、スペシャルドラマ「無用庵隠居修行3」、「立花登青春手控えスペシャル」、連続ドラマ「贋作・男はつらいよ」を制作し、収益に貢献しました。番組販売では、CS局に「鬼平犯科帳シリーズ」他、時代劇作品や、「釣りバカ日誌Season2」等のシリーズドラマを地上波やBS局に販売し、好調に推移しました。
映像ソフトは、「男はつらいよ」50周年・最新作公開に合わせ、初のブルーレイ化となる「復刻“寅んく”4Kデジタル修復版 ブルーレイ全巻ボックス」を発売しました。また、「映画 少年たち」「ザ・ファブル」等が収益に貢献しました。
テレビ放映権販売は、日本テレビにて「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が放映されました。また、BSテレビ東京にて「男はつらいよ」シリーズに続き、10月より「釣りバカ日誌」シリーズが放映されました。海外販売では、近年の中国マーケットからの日本映画やアニメの引き合いが影響し、高稼働しました。また、6月の上海国際映画祭では、「フラワーズ・オブ・シャンハイ」のデジタル修復版が上映され、高い評価を得ました。
CS放送事業は、松竹ブロードキャスティング㈱にて、競合となるインターネット動画配信サービスにより、多チャンネル市場は厳しい状況が続いておりますが、コスト削減等により利益の確保に努めました。
この結果、売上高は54,961百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は2,179百万円(同185.7%増)となりました。
(演劇事業)
歌舞伎座は、「團菊祭五月大歌舞伎」は、各世代の俳優が人気狂言を上演するとともに、尾上丑之助初舞台披露等もあり盛況でした。「六月大歌舞伎」は、三谷幸喜作・演出の新作歌舞伎「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」が話題を集めました。「七月大歌舞伎」は、市川海老蔵十三役の「星合世十三團」が好評を博しました。三世中村歌六追善の「秀山祭九月大歌舞伎」は、三世歌六の当たり役の上演が好評で、弁慶日替わりの「勧進帳」も話題となりました。「壽初春大歌舞伎」は、一線級から花形までの各世代が活躍し、多彩な演目が人気を呼びました。
新橋演舞場は、4月、5月は「滝沢歌舞伎ZERO」を上演し、大盛況となりました。9月はミュージカル「ペテン師と詐欺師」が好成績となりました。10月、11月はスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)の第3作「新版 オグリ」、12月は宮崎駿原作による新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」が大きな話題となりました。1月は、秋元康作・演出の新作歌舞伎「雪蛍恋乃滝」が評判となりました。
大阪松竹座は、3月、8月の恒例関西ジャニーズJr.公演は大盛況となり、5月は3年振りとなる藤山直美主演「笑う門には福来たる」、6月は大竹しのぶ、渡辺えり、キムラ緑子出演の「三婆」が盛況となりました。
南座は、3月の「坂東玉三郎特別公演」では、坂東玉三郎の美の世界がお客様を魅了し、5月「京都ミライマツリ2019」は革新をテーマにした新時代のお祭りを創出し、話題となりました。8月はバーチャルアイドルと歌舞伎の共演による「超歌舞伎」が話題となり多くのインバウンドを動員し、9月は、花形による「東海道四谷怪談」が大きな評判となりました。1月のイマーシブシアター「サクラヒメ」で新しい興行形態に挑戦し新たな客層を開拓しました。
その他の公演は、5月は日生劇場で、大地真央を主演に迎え「クイーン・エリザベス」を上演し、6月は三越劇場で、花形新派公演「夜の蝶」を上演し、いずれも好評を博しました。9月は日生劇場で、ジャニー喜多川企画・構成・総合演出で「少年たち To be!」を上演し、大盛況と成りました。明けて1月浅草公会堂では、若手を中心とした花形歌舞伎俳優による「新春浅草歌舞伎」を上演し盛況となりました。巡業公演は、4月に金丸座にて第三十五回記念「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が盛況となり、公文協主催の「松竹大歌舞伎」では、4月中央コース、7月東コースで、二代目松本白鸚・十代目松本幸四郎襲名披露公演が多くのファンを魅了しました。
受託製作では、名古屋御園座では、4月に陽春花形歌舞伎「南総里見八犬伝」、10月は平成30年に新開場して2度目の「吉例顔見世」、博多座では、三月花形歌舞伎「鯉つかみ」、博多座開場20周年記念の「六月博多座大歌舞伎」、九州初開催となる「平成中村座小倉城公演」といずれも大好評の舞台となりました。
シネマ歌舞伎は、4月に「野田版 桜の森の満開の下」、9月に坂東玉三郎×鼓童 特別篇「幽玄」、11月に「女殺油地獄」、1月「廓文章 吉田屋」と、新作4本を含む11作品を「月イチ歌舞伎2019」にて上映し、新たな観客層を取り込み、好評を博しました。
METライブビューイングは、最高動員数を記録した前シーズンに引き続き、新シーズン2019-20は11月プッチーニの「トゥーランドット」で幕を開け、多くのオペラ・ファンを魅了しました。また、初めての試みとして、2月に新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」のディレイビューイングを前後編に分け実施し、好評を博しました。
この結果、売上高は26,557百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は681百万円(同65.1%減)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸では、歌舞伎座タワー・築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)・東劇ビル・新宿松竹会館(新宿ピカデリー)・有楽町センタービル(マリオン)・松竹倶楽部ビル等の満室が続き、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献しました。一昨年竣工しました京都松竹阪井座ビルは当期から通期稼働しました。また、各テナントとの賃料交渉にも誠実に対応し、計画どおりに利益を確保しました。
この結果、売上高は11,198百万円(前年同期比6.1%増)、セグメント利益は4,991百万円(同8.6%増)となりました。
(その他)
プログラム・キャラクター商品は、劇場プログラムは、「映画 少年たち」、「HiGH&LOW THE WORST」などの自社配給作品が好調だったことに加え、「ジョーカー」等、他社配給作品も収益に貢献しました。キャラクター商品は、「超歌舞伎」や新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」等の歌舞伎関連のキャラクター商品を積極的に展開し、好調な売り上げとなりました。
イベント事業においては、5年連続の開催となる東京タワーでのお化け屋敷イベントを実施致しました。従来型のお化け屋敷にVR等の最新技術を組み合わせて新しいコンテンツとして開発し、国内外のお客様から好評を得ました。また、歌舞伎の魅力をより幅広い層へ伝えていくためのオリジナルキャラクターである「かぶきにゃんたろう」は当社発のオリジナルキャラクターとして、歌舞伎関係のPR・販促活動や、ライセンスビジネス等、幅広く活用しました。
この結果、売上高は4,761百万円(前年同期比15.0%減)、セグメント利益は22百万円(同94.8%減)となりまし
た。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,009百万円減少し、195,336百万円となりました。これは主に現金及び預金(責任財産限定対象)が減少したこと等によるものであります。
なお、責任財産限定特約付の社債償還及び借入金返済に伴い、その対象となっていた現金及び預金(責任財産限定対象)、建物及び構築物(責任財産限定対象)(純額)、並びに長期前払費用(責任財産限定対象)は、現金及び預金、建物及び構築物(純額)、並びに「投資その他の資産」のその他にそれぞれ振り替えております。
負債は、前連結会計年度末に比べ11,575百万円減少し、104,043百万円となりました。これは主に長期借入金の増加があったものの、1年内返済予定の長期借入金(責任財産限定)が減少したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,434百万円減少し、91,292百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加があったものの、その他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は21,250百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,538百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11,965百万円(前年同期比80.5%増)となりました。これは主として、減価償却費5,421百万円及び税金等調整前当期純利益3,801百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は3,660百万円(前年同期に使用した資金は6,707百万円)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出6,308百万円があったものの、現金及び預金(責任財産限定対象)の減少11,857百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13,086百万円(前年同期に得られた資金は3,648百万円)となりました。これは主として、長期借入れによる収入20,945百万円があったものの、長期借入金(責任財産限定)の返済による支出20,310百万円及び長期借入金の返済による支出12,112百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当企業グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため単価を特定できるものではなく、また受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については「①経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒引当金、賞与引当金、役員退職慰労引当金等の計上について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。当企業グループが採用しております会計方針のうち、重要なものにつきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績等の分析
(売上高)
売上高は97,479百万円(前年同期比7.3%増)となりました。これは主に映像関連事業において、映画興行界が年間興行収入を発表するようになった2000年以降、最高の成績となったことに伴い、好調に推移したこと等によります。
(売上原価)
売上原価は56,415百万円(同9.9%増)となりました。これは主に映像関連事業における製作費等が増加したためであります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は36,459百万円(同4.4%増)となりました。これは主に広告宣伝費、人件費等が増加したためであります。
(営業利益)
売上高が増加したため、4,604百万円(同0.9%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益は794百万円(同7.4%増)となりました。これは主に雑収入が増加したことによります。また、主に支払利息が減少したことにより営業外費用は936百万円(同25.1%減)となりました。その結果、営業外損益計上後の経常利益は4,462百万円(同10.0%増)となりました。
(特別損益)
特別損失については、公演中止損失等660百万円を計上しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は2,420百万円(同6.8%減)となり、1株当たり当期純利益は176円18銭となりました。
③キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当企業グループの主な資金需要は運転資金及び設備投資資金であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は21,250百万円となっております。
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、天候不順や自然災害、消費税引き上げがあったものの、設備投資の増加や個人消費にも持ち直しの動きが見られる等、企業収益や雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調となりました。
映画業界は、興行収入が2,611億8,000万円(前年比117.4%)となり、興行収入での発表を始めた2000年以降、最高の成績となりました。また、入場人員は1億9,491万人(前年比115.2%)となりました。邦画・洋画の構成比は邦画が54.4%、洋画が45.6%となり、「天気の子」が興行収入100億円を超える等、依然として邦画の優勢な状況が続きました。全国のスクリーン数は前年より22スクリーン増えて3,583スクリーンとなりました。
演劇業界は、依然としてお客様が公演を厳しく選別している状況が続いています。その中で、お客様の嗜好に合致した公演・企画を実現させていくとともに、現状の観客動員を維持しながら、新たな販路を開拓していくことが課題となりました。
不動産業界は、賃貸オフィスビル市場にて、都心部および主要地方都市は企業の人材確保等によるオフィス需要の拡大に伴い、高稼働率や賃料水準の維持、上昇傾向が続いていることから堅調である一方、国際情勢や相次ぐ自然災害、消費税引き上げの影響にも留意が必要となりました。
このような状況下、当社グループはより一層の経営の効率化を図るとともに、積極的な営業活動を展開しました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高97,479百万円(前連結会計年度比7.3%増)、営業利益4,604百万円(同0.9%増)、経常利益4,462百万円(同10.0%増)となり、特別損失660百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は2,420百万円(同6.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像関連事業)
配給は、邦画16作品、洋画4作品、アニメ13作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマと、様々なジャンルの作品を公開しました。6月公開の「ザ・ファブル」は、幅広い層に支持され大ヒットとなりました。8月公開の「引っ越し大名!」は、シニア層に加え、出演者のファンの幅広い世代の女性層に支持をされました。12月公開の「午前0時、キスしに来てよ」は、若い世代を中心に支持をされ話題となり、「男はつらいよ お帰り 寅さん」は、第1作が公開されてから50年、シリーズ50作目の最新作として、全国に笑いと感動を届け、正月興行において大ヒットとなりました。
興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズにて、当社配給作品の他、「アラジン」「トイ・ストーリー4」「天気の子」等の春先から夏休みにかけての興行が大変盛況となり、秋から冬休みにかけては、「アナと雪の女王2」「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」等のヒット作が公開されました。また、ODS(邦画、洋画、アニメの他に、演劇・音楽等、映画ではないコンテンツを映画館で上映)を合わせて617本の作品を上映しました。最先端の映像技術「Dolby Vision™(ドルビービジョン)」、立体音響技術の「Dolby Atmos®(ドルビーアトモス)」と、最適化されたシアターデザインの技術が一体となった「Dolby Cinema™(ドルビーシネマ) 」を4月にMOVIXさいたま、10月に丸の内ピカデリーに導入し、他社との差別化を図り、高稼働いたしました。
テレビ制作は、地上波にて連続ドラマ「きのう何食べた?」、2時間ドラマ「嫉妬」、時代劇スペシャル「剣客商売6」、BS放送では、スペシャルドラマ「無用庵隠居修行3」、「立花登青春手控えスペシャル」、連続ドラマ「贋作・男はつらいよ」を制作し、収益に貢献しました。番組販売では、CS局に「鬼平犯科帳シリーズ」他、時代劇作品や、「釣りバカ日誌Season2」等のシリーズドラマを地上波やBS局に販売し、好調に推移しました。
映像ソフトは、「男はつらいよ」50周年・最新作公開に合わせ、初のブルーレイ化となる「復刻“寅んく”4Kデジタル修復版 ブルーレイ全巻ボックス」を発売しました。また、「映画 少年たち」「ザ・ファブル」等が収益に貢献しました。
テレビ放映権販売は、日本テレビにて「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が放映されました。また、BSテレビ東京にて「男はつらいよ」シリーズに続き、10月より「釣りバカ日誌」シリーズが放映されました。海外販売では、近年の中国マーケットからの日本映画やアニメの引き合いが影響し、高稼働しました。また、6月の上海国際映画祭では、「フラワーズ・オブ・シャンハイ」のデジタル修復版が上映され、高い評価を得ました。
CS放送事業は、松竹ブロードキャスティング㈱にて、競合となるインターネット動画配信サービスにより、多チャンネル市場は厳しい状況が続いておりますが、コスト削減等により利益の確保に努めました。
この結果、売上高は54,961百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は2,179百万円(同185.7%増)となりました。
(演劇事業)
歌舞伎座は、「團菊祭五月大歌舞伎」は、各世代の俳優が人気狂言を上演するとともに、尾上丑之助初舞台披露等もあり盛況でした。「六月大歌舞伎」は、三谷幸喜作・演出の新作歌舞伎「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」が話題を集めました。「七月大歌舞伎」は、市川海老蔵十三役の「星合世十三團」が好評を博しました。三世中村歌六追善の「秀山祭九月大歌舞伎」は、三世歌六の当たり役の上演が好評で、弁慶日替わりの「勧進帳」も話題となりました。「壽初春大歌舞伎」は、一線級から花形までの各世代が活躍し、多彩な演目が人気を呼びました。
新橋演舞場は、4月、5月は「滝沢歌舞伎ZERO」を上演し、大盛況となりました。9月はミュージカル「ペテン師と詐欺師」が好成績となりました。10月、11月はスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)の第3作「新版 オグリ」、12月は宮崎駿原作による新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」が大きな話題となりました。1月は、秋元康作・演出の新作歌舞伎「雪蛍恋乃滝」が評判となりました。
大阪松竹座は、3月、8月の恒例関西ジャニーズJr.公演は大盛況となり、5月は3年振りとなる藤山直美主演「笑う門には福来たる」、6月は大竹しのぶ、渡辺えり、キムラ緑子出演の「三婆」が盛況となりました。
南座は、3月の「坂東玉三郎特別公演」では、坂東玉三郎の美の世界がお客様を魅了し、5月「京都ミライマツリ2019」は革新をテーマにした新時代のお祭りを創出し、話題となりました。8月はバーチャルアイドルと歌舞伎の共演による「超歌舞伎」が話題となり多くのインバウンドを動員し、9月は、花形による「東海道四谷怪談」が大きな評判となりました。1月のイマーシブシアター「サクラヒメ」で新しい興行形態に挑戦し新たな客層を開拓しました。
その他の公演は、5月は日生劇場で、大地真央を主演に迎え「クイーン・エリザベス」を上演し、6月は三越劇場で、花形新派公演「夜の蝶」を上演し、いずれも好評を博しました。9月は日生劇場で、ジャニー喜多川企画・構成・総合演出で「少年たち To be!」を上演し、大盛況と成りました。明けて1月浅草公会堂では、若手を中心とした花形歌舞伎俳優による「新春浅草歌舞伎」を上演し盛況となりました。巡業公演は、4月に金丸座にて第三十五回記念「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が盛況となり、公文協主催の「松竹大歌舞伎」では、4月中央コース、7月東コースで、二代目松本白鸚・十代目松本幸四郎襲名披露公演が多くのファンを魅了しました。
受託製作では、名古屋御園座では、4月に陽春花形歌舞伎「南総里見八犬伝」、10月は平成30年に新開場して2度目の「吉例顔見世」、博多座では、三月花形歌舞伎「鯉つかみ」、博多座開場20周年記念の「六月博多座大歌舞伎」、九州初開催となる「平成中村座小倉城公演」といずれも大好評の舞台となりました。
シネマ歌舞伎は、4月に「野田版 桜の森の満開の下」、9月に坂東玉三郎×鼓童 特別篇「幽玄」、11月に「女殺油地獄」、1月「廓文章 吉田屋」と、新作4本を含む11作品を「月イチ歌舞伎2019」にて上映し、新たな観客層を取り込み、好評を博しました。
METライブビューイングは、最高動員数を記録した前シーズンに引き続き、新シーズン2019-20は11月プッチーニの「トゥーランドット」で幕を開け、多くのオペラ・ファンを魅了しました。また、初めての試みとして、2月に新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」のディレイビューイングを前後編に分け実施し、好評を博しました。
この結果、売上高は26,557百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は681百万円(同65.1%減)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸では、歌舞伎座タワー・築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)・東劇ビル・新宿松竹会館(新宿ピカデリー)・有楽町センタービル(マリオン)・松竹倶楽部ビル等の満室が続き、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献しました。一昨年竣工しました京都松竹阪井座ビルは当期から通期稼働しました。また、各テナントとの賃料交渉にも誠実に対応し、計画どおりに利益を確保しました。
この結果、売上高は11,198百万円(前年同期比6.1%増)、セグメント利益は4,991百万円(同8.6%増)となりました。
(その他)
プログラム・キャラクター商品は、劇場プログラムは、「映画 少年たち」、「HiGH&LOW THE WORST」などの自社配給作品が好調だったことに加え、「ジョーカー」等、他社配給作品も収益に貢献しました。キャラクター商品は、「超歌舞伎」や新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」等の歌舞伎関連のキャラクター商品を積極的に展開し、好調な売り上げとなりました。
イベント事業においては、5年連続の開催となる東京タワーでのお化け屋敷イベントを実施致しました。従来型のお化け屋敷にVR等の最新技術を組み合わせて新しいコンテンツとして開発し、国内外のお客様から好評を得ました。また、歌舞伎の魅力をより幅広い層へ伝えていくためのオリジナルキャラクターである「かぶきにゃんたろう」は当社発のオリジナルキャラクターとして、歌舞伎関係のPR・販促活動や、ライセンスビジネス等、幅広く活用しました。
この結果、売上高は4,761百万円(前年同期比15.0%減)、セグメント利益は22百万円(同94.8%減)となりまし
た。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,009百万円減少し、195,336百万円となりました。これは主に現金及び預金(責任財産限定対象)が減少したこと等によるものであります。
なお、責任財産限定特約付の社債償還及び借入金返済に伴い、その対象となっていた現金及び預金(責任財産限定対象)、建物及び構築物(責任財産限定対象)(純額)、並びに長期前払費用(責任財産限定対象)は、現金及び預金、建物及び構築物(純額)、並びに「投資その他の資産」のその他にそれぞれ振り替えております。
負債は、前連結会計年度末に比べ11,575百万円減少し、104,043百万円となりました。これは主に長期借入金の増加があったものの、1年内返済予定の長期借入金(責任財産限定)が減少したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,434百万円減少し、91,292百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加があったものの、その他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は21,250百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,538百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11,965百万円(前年同期比80.5%増)となりました。これは主として、減価償却費5,421百万円及び税金等調整前当期純利益3,801百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は3,660百万円(前年同期に使用した資金は6,707百万円)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出6,308百万円があったものの、現金及び預金(責任財産限定対象)の減少11,857百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13,086百万円(前年同期に得られた資金は3,648百万円)となりました。これは主として、長期借入れによる収入20,945百万円があったものの、長期借入金(責任財産限定)の返済による支出20,310百万円及び長期借入金の返済による支出12,112百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当企業グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため単価を特定できるものではなく、また受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については「①経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒引当金、賞与引当金、役員退職慰労引当金等の計上について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。当企業グループが採用しております会計方針のうち、重要なものにつきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績等の分析
(売上高)
売上高は97,479百万円(前年同期比7.3%増)となりました。これは主に映像関連事業において、映画興行界が年間興行収入を発表するようになった2000年以降、最高の成績となったことに伴い、好調に推移したこと等によります。
(売上原価)
売上原価は56,415百万円(同9.9%増)となりました。これは主に映像関連事業における製作費等が増加したためであります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は36,459百万円(同4.4%増)となりました。これは主に広告宣伝費、人件費等が増加したためであります。
(営業利益)
売上高が増加したため、4,604百万円(同0.9%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益は794百万円(同7.4%増)となりました。これは主に雑収入が増加したことによります。また、主に支払利息が減少したことにより営業外費用は936百万円(同25.1%減)となりました。その結果、営業外損益計上後の経常利益は4,462百万円(同10.0%増)となりました。
(特別損益)
特別損失については、公演中止損失等660百万円を計上しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は2,420百万円(同6.8%減)となり、1株当たり当期純利益は176円18銭となりました。
③キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当企業グループの主な資金需要は運転資金及び設備投資資金であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は21,250百万円となっております。