有価証券報告書-第153期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)

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2019/05/29 14:51
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、相次ぐ自然災害が大きな影響を与えたものの、企業収益の改善に伴う設備投資が増加し、雇用・所得環境の改善により個人消費は回復基調となりました。
映画業界は、興行収入が2,225億1,100万円(前年比97.3%)となり、興行収入での発表を始めた2000年以降、3番目の成績となりました。また、入場人員は1億6,921万人(前年比97.0%)となりました。邦画・洋画の構成比は邦画が54.8%、洋画が45.2%となり、「ボヘミアン・ラプソディ」が興行収入100億円を超え、大ヒットとなりましたが、依然として邦画の優勢な状況が続きました。全国のスクリーン数は前年より36スクリーン増えて3,561スクリーンとなりました。
演劇業界は、依然としてお客様が公演を厳しく選別している状況が続いています。その中で、お客様の嗜好に合致した公演・企画を実現させていくとともに、現状の観客動員を維持しながら、新たな販路を開拓していくことが課題となりました。
不動産業界は、賃貸オフィスビル市場にて、都心部および主要地方都市は企業業績の回復による需要を背景とした稼働率や賃料水準の維持、上昇傾向が続いていることから堅調である一方、工事費は高い水準に留まるとともに、不動産投資も過熱気味な状況が続きました。
このような状況下、当企業グループはより一層の経営の効率化を図るとともに、積極的な営業活動を展開しました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高90,827百万円(前連結会計年度比2.2%減)、営業利益4,565百万円(同29.4%減)、経常利益4,054百万円(同29.8%減)となり、特別損失117百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は2,596百万円(同30.7%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像関連事業)
配給は、邦画13作品、洋画7作品、アニメ12作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイングと、様々なジャンルの作品を公開しました。5月公開の「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」は、山田洋次監督の喜劇シリーズ3作目として、全国に笑いと感動を届けました。6月公開の「空飛ぶタイヤ」は、社会派エンターテインメントとして幅広い層に支持され、大ヒットとなりましたが、10月公開の「パーフェクトワールド 君といる奇跡」「旅猫リポート」等は目標に達しませんでした。11月公開の堤幸彦監督、篠原涼子主演の感動ミステリー作品「人魚の眠る家」は、東野圭吾ファンに加え広く女性の支持を集め、話題作となりました。12月公開の「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」は、実話を基にした感動的な内容と主演の大泉洋の熱演で、競合作品が多い正月興行において好評を博しました。
興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズにて、当社配給作品の他、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」「インクレディブル・ファミリー」「ジュラシック・ワールド/炎の王国」等、春先から夏休みにかけての興行が盛況だったことに加え、秋から冬休みにかけても「ボヘミアン・ラプソディ」を筆頭に多数のヒット作が公開されました。また、ODS(邦画、洋画、アニメの他に、演劇・音楽等、映画ではないコンテンツを映画館で上映)を合わせて563本の作品を上映しました。上映作品の編成・劇場宣伝を強化し、競合館との差別化を図るとともに、売店新メニューの定期的な投入、ポイントキャンペーンによる会員事業の強化等、お客様満足度の向上を目指す施策を実施しました。
テレビ制作は、地上波にて、新春ドラマスペシャル「釣りバカ日誌 新米社員 浜崎伝助」、時代劇スペシャル「必殺仕事人」「剣客商売」、またBS放送にて、BS時代劇「雲霧仁左衛門4」、スペシャルドラマ「無用庵隠居修行2」、WOWOWドラマ「孤高のメス」を制作し、収益に貢献しました。番組販売では、CS局に「刺客請負人シリーズ」他、時代劇作品の放映権と配信権をパッケージ販売し、好調に推移しました。
映像ソフトは、「魔法使いの嫁」「銀河英雄伝説 Die Neue These」等のアニメ作品の他、「虹色デイズ」「8年越しの花嫁 奇跡の実話」「空飛ぶタイヤ」「曇天に笑う」等を販売しました。
テレビ放映権販売は、BSテレビ東京にて「釣りバカ日誌」シリーズに続き、劇場公開から50周年を迎える「男はつらいよ」シリーズの全作放映が始まりました。海外販売では、「旅猫リポート」等の販売が、近年の中国マーケットからの日本映画やアニメの引き合いが影響し、好稼働しました。また、5月のカンヌ国際映画祭では、「東京物語」のデジタル修復版が上映され、高い評価を得ました。
CS放送事業は、CS業界は「スカパー!」やケーブルテレビの伸び悩みに加え、競合となるインターネットを介した映像配信サービスがオリジナルコンテンツを多数投入する等、厳しい状況が続く中、松竹ブロードキャスティング㈱は、映画・舞台・ドラマ等、幅広く番組を編成することにより、安定した収益の確保に努めました。
この結果、売上高は48,268百万円(前年同期比6.7%減)、セグメント利益は763百万円(同72.1%減)となりました。
(演劇事業)
歌舞伎座は、「團菊祭五月大歌舞伎」は、通し狂言「雷神不動北山櫻」や「弁天娘女男白浪」が人気を呼び盛況でした。「七月大歌舞伎」は、オペラや能楽を舞台に取り入れた「源氏物語」等が大きな話題を呼びました。「秀山祭九月大歌舞伎」は、古典の好評に加え、新作歌舞伎舞踊「幽玄」が話題となりました。十八世中村勘三郎七回忌追善「芸術祭十月大歌舞伎」の「助六曲輪初花桜」や、「十二月大歌舞伎」の「阿古屋」は、大好評になると共に芸の継承が話題となりました。
新橋演舞場は、3月は三谷幸喜の作・演出となる「江戸は燃えているか」をパルコとの共催で上演し、4月、5月は「滝沢歌舞伎2018」を上演し、いずれも大盛況となりました。8月は集英社、テレビ東京等と共同による人気少年漫画の舞台化、新作歌舞伎「NARUTO -ナルト-」を上演し、好評を博しました。「初春歌舞伎公演」は来年の十三代目市川團十郎白猿襲名を発表した市川海老蔵出演が大きな話題となりました。
大阪松竹座は、3月、8月、12月の恒例関西ジャニーズJr.公演は、盛況を極め、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎の襲名披露公演「七月大歌舞伎」が大盛況となりました。
南座は、約3年にわたる耐震補強・改装工事を終え、11月、12月の南座発祥四百年、南座新開場記念と銘打った「當る亥歳 吉例顔見世興行」で華々しく新開場しました。1月の「松竹新喜劇新春お年玉公演」と「喜劇有頂天団地」、2月の「滝沢歌舞伎ZERO」はいずれも好調となりました。
その他の公演は、5月にBunkamuraシアターコクーンでは、渋谷・コクーン歌舞伎第十六弾「切られの与三」を中村七之助ほかで上演し、同公演を6月に7日間、まつもと市民芸術館で上演、いずれも好評を博しました。6月に三越劇場では前年に大きな成果をあげた花形新派公演「黒蜥蜴」を装いも新たに全美版として上演しました。明けて1月浅草公会堂では、尾上松也を中心とした花形歌舞伎俳優による「新春浅草歌舞伎」を上演し盛況となりました。巡業公演は、4月に八代目中村芝翫親子の襲名披露公演第三十四回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が盛況となり、公文協主催の「松竹大歌舞伎」におきましては、東コースは尾上菊之助、中央コースは中村芝翫親子の襲名披露、片岡愛之助を中心とする西コースを開催し、多くのファンを魅了しました。
受託製作では、4月に新開場した名古屋御園座の公演が中心となり、「柿葺落四月大歌舞伎」は二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎の襲名披露公演、5月にスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」、6月に名古屋初上演となる「滝沢歌舞伎2018」、10月に恒例となる「吉例顔見世」といずれも大好評の舞台となりました。
シネマ歌舞伎は、「東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖」、「沓手鳥孤城落月/楊貴妃」と、2本の新作を含め、十八世中村勘三郎追善公演に合わせ「法界坊」を上映する等、全9作で新たな観客層を取り込みつつ好評を博しました。
METライブビューイングは、2018-2019シーズンから新音楽監督にヤニック・ネゼ=セガンを迎え、第1作のヴェルディ作曲「アイーダ」から、人気作「椿姫」の新演出を含む6作品を上映し多くのオペラ・ファンを魅了しました。
この結果、売上高は26,400百万円(前年同期比5.6%増)、セグメント利益は1,950百万円(同9.0%増)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸は、歌舞伎座タワー・築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)・東劇ビル・新宿松竹会館(新宿ピカデリー)・有楽町センタービル(マリオン)・松竹倶楽部ビル等の満室が続き、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献しました。11月には、耐震補強・改装工事を終えた南座が新開場し、ホテル・商業の複合開発として京都松竹阪井座ビルも竣工いたしました。また、各テナントとの賃料交渉にも誠実に対応し、計画どおりに利益を確保しました。
この結果、売上高は10,555百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益は4,594百万円(同3.3%増)となりました。
(その他)
プログラム・キャラクター商品は、劇場プログラムは、当社配給アニメ作品が好調だったことに加え、「銀魂2掟は破るためにこそある」等、他社配給作品も好調で収益に貢献しました。キャラクター商品は、「超歌舞伎」や、新作歌舞伎「NARUTO -ナルト-」等の歌舞伎関連のキャラクター商品を展開し、好調な売り上げとなりました。
イベント事業においては、国内では4年連続の開催となる東京タワーでの開催に加え、京都タワーでもホラーイベントを実施しました。また、歌舞伎の魅力をより幅広い層へ伝えていくためのオリジナルキャラクターである「かぶきにゃんたろう」は当社発のオリジナルキャラクターとして、歌舞伎関係のPR・販促活動や、ライセンスビジネス等、幅広く活用しました。
この結果、売上高は5,603百万円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益は429百万円(同3.0%減)となりまし
た。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,782百万円増加し、208,355百万円となりました。これは主に建物及び構築物(純額)及び設備(純額)の増加等によるものであります。
なお、信託契約解除に伴い、信託預金(責任財産限定対象)、信託建物(責任財産限定対象)(純額)及び信託土地(責任財産限定対象)は、現金及び預金、建物及び構築物(純額)並びに土地にそれぞれ振り替えております。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,622百万円増加し、115,629百万円となりました。これは主に長期借入金の増加等によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ160百万円増加し、92,726百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の減少があったものの利益剰余金及び非支配株主持分が増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は18,711百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,572百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は6,630百万円(前年同期31.2%減)となりました。これは主として、たな卸資産の増加1,284百万円があったものの、減価償却費5,393百万円及び税金等調整前当期純利益3,937百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6,707百万円(前年同期2.2%減)となりました。これは主として、信託預金(責任財産限定対象)の減少3,221百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出9,217百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は3,648百万円(前年同期に使用した資金は4,485百万円)となりました。これは主として、長期借入金(責任財産限定)の返済による支出17,306百万円及び長期借入金の返済による支出7,686百万円があったものの、長期借入れによる収入29,629百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当企業グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため単価を特定できるものではなく、また受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については「①経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒引当金、賞与引当金、役員退職慰労引当金等の計上について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。当企業グループが採用しております会計方針のうち、重要なものにつきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績等の分析
(売上高)
売上高は90,827百万円(前年同期比2.2%減)となりました。これは主に演劇事業及び不動産事業は好調に推移したものの、映像関連事業の配給において当初の目標に達しない作品があったことによります。
(売上原価)
売上原価は51,346百万円(同2.8%減)となりました。これは主に映像関連事業における製作費等が減少したためであります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は34,915百万円(同3.9%増)となりました。これは主に広告宣伝費、減価償却費等が増加したためであります。
(営業利益)
売上高が減少したため、4,565百万円(同29.4%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は739百万円(同21.2%増)となりました。これは主に持分法による投資利益が増加したことによります。また、主に支払利息が減少したことにより営業外費用は1,250百万円(同3.8%減)となりました。その結果、営業外損益計上後の経常利益は4,054百万円(同29.8%減)となりました。
(特別損益)
特別損失については、固定資産除却損等117百万円を計上しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は2,596百万円(同30.7%減)となり、1株当たり当期純利益は189円00銭となりました。
③キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当企業グループの主な資金需要は運転資金及び設備投資資金であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。当連結会計年度の設備投資の主なものは京都南座の耐震補強・改装工事で金融機関等より70億円を借入れました。

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