有価証券報告書-第57期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 14:04
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中での保護主義的な通商問題や英国のEU離脱問題、中国経済の動向など海外経済の不確実性などの懸念を残しつつも、個人消費の持ち直しや設備投資の増加、雇用環境・企業収益の改善などにより総じて緩やかな回復が続きました。
当社グループの属する情報サービス産業においては、企業のIT投資は業種を問わず引き続き拡大するとともにAI、IoT、RPAなど、ITを活用した先端テクノロジー分野の市場も急速に立ち上がってきました。
このような事業環境の中、当社グループは、受注・売上拡大のための営業活動を展開するとともに、中核製品である自治体向けWeb型総合行政情報システム「WebRings(ウェブリングス)」の次世代版への開発投資を推進してまいりました。また、㈱アイネス総合研究所を中心にAI、RPA、ビッグデータ、IoTなど、デジタルトランスフォーメーションに関連する分野やお客様・外部機関などとの実証実験等、将来を見据えた研究開発活動にも積極的に取り組んでまいりました。
2018年6月には、市場構造・テクノロジーの急激な変化に、よりスピーディに、より的確に対応するとともに、相互の優秀な人材を活用する等により受注機会の拡大を図るため㈱三菱総合研究所(以下「MRI社」といいます。)と資本提携契約を、MRI社とその連結子会社である三菱総研DCS㈱(以下「DCS社」といいます。)の3社間で包括的な業務提携契約を締結し、現在、3社の事業部門を中心に協業や人材交流を推進しております。具体的な事例として、MRI社と共同での行政データ活用(ビッグデータ)に関する自治体職員向けセミナーの開催や、複数自治体におけるAI、RPAを活用した住民サービス向上・職員の事務効率化のための実証実験・営業活動を展開しました。また、DCS社との間でも主として金融機関向けに具体的な商談レベルでの協業検討を逐次進めております。
当連結会計年度の経営成績につきましては、業種別連結売上高に記載のとおり全分野において増収となりました。金融分野での機器販売の増加、産業分野での新規顧客開拓や既存顧客の投資拡大が寄与しました。公共分野では自治体向け法制度改正案件の売上計上が一部次期に先延ばしとなりましたが増収を維持し、全体の売上高は前期比5.6%増の381億43百万円となりました。
損益面では、一部のプロジェクトで原価増加がありましたが、全社的な原価逓減努力や前期に計上した川崎事業所移転コストの解消等により営業利益では21億69百万円と前期比34.9%の増益となりました。また、これにより経常利益は22億33百万円(前期比34.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億92百万円(同41.1%増)となりました。
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、以下、業種別及び商品・サービス別の売上高を示しております。
[業種別連結売上高](単位:百万円)

区分\期別前連結会計年度当連結会計年度対前年
増減率
自 2017年4月1日
至 2018年3月31日
自 2018年4月1日
至 2019年3月31日
金額構成比金額構成比
産 業7,84021.8%7,89520.7%0.7%
金 融13,05436.1%14,98439.3%14.8%
公 共15,22442.1%15,26340.0%0.3%
合 計36,119100.0%38,143100.0%5.6%

[商品・サービス別連結売上高](単位:百万円)

区分\期別前連結会計年度
自 2017年4月1日
至 2018年3月31日
当連結会計年度
自 2018年4月1日
至 2019年3月31日
対前年
増減率
金額構成比金額構成比
システム開発15,45242.8%16,21542.5%4.9%
運用9,82727.2%10,25726.9%4.4%
システム保守4,61512.8%4,86212.8%5.4%
情報機器販売1,7454.8%2,8587.5%63.8%
その他4,47812.4%3,94910.3%△11.8%
合 計36,119100.0%38,143100.0%5.6%

当連結会計年度末における財政状態は、総資産は544億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億43百万円減少しました。
流動資産は、主に現金及び預金の減少により21億44百万円減少し、208億39百万円となりました。固定資産は、 ソフトウエアの増加等により10億1百万円増加し、336億4百万円となりました。
流動負債は、買掛金等が減少したものの、主に未払法人税等や未払消費税等の増加により15億96百万円増加し、 80億50百万円となりました。固定負債は、退職給付信託の設定に伴う退職給付に係る負債の減少等により7億3百万円減少し、98億54百万円となりました。
純資産は、第三者割当による自己株式の処分等を行なったものの、自己株式の取得等により20億36百万円減少し、365億38百万円となりました。これは、ROE(自己資本当期純利益率)向上と株主還元強化を図る目的で2018年8月以降、累計で60億円の自己株式取得枠を設定し、2019年3月までに実施した60億円/4,826千株(発行済株式総数の16.9%)の自己株式の取得等を行った結果によるものです。なお、2019年3月に自己株式58億41百万円/4,700千株を消却したことに伴い、資本剰余金も同額減少しております。この自己株式の消却による純資産額の変動はありません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13億20百万円減少し、当連結会計年度末には87億6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は43億44百万円(前期比48.1%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上21億96百万円、売上債権の減少4億13百万円等による資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20億55百万円(同0.9%増)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入12億50百万円等があったものの、無形固定資産の取得による支出19億85百万円、有形固定資産の取得による支出7億9百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は36億9百万円(同506.6%増)となりました。これは主に、自己株式の処分による収入29億45百万円があったものの、自己株式の取得による支出60億2百万円、配当金の支払額5億34百万円等があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の生産実績を示しております。
商品・サービスの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発(百万円)16,116100.3
運用(百万円)10,240104.2
システム保守(百万円)4,871106.2
情報機器販売(百万円)2,770155.9
その他(百万円)3,88685.5
合計(百万円)37,885103.0

(注)1.金額は売価換算によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における当社グループ全体の受注実績を示しております。
受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
37,303100.139,64697.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の販売実績を示しております。
商品・サービスの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発(百万円)16,215104.9
運用(百万円)10,257104.4
システム保守(百万円)4,862105.4
情報機器販売(百万円)2,858163.8
その他(百万円)3,94988.2
合計(百万円)38,143105.6

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
プルデンシャル・システムズ・ジャパン株式会社3,90710.83,7279.8

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
(受注制作のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
受注制作のソフトウェアに係る収益につき、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められるものについては工事進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を適用し、その他のものについては工事完成基準を適用しております。また、損失の発生が見込まれるソフトウェア開発契約について、将来の損失に備えるため、その損失見込額を受注損失引当金として計上しております。なお、収益総額、見積総原価及び決算日における進捗率について、当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
請負契約に基づくソフトウェア開発のうち、将来の損失が見込まれ、かつ当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、発生が見込まれる損失額を計上しております。ただし、契約時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況及び採算性等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
(市場販売目的ソフトウェア)
市場販売目的のソフトウェアの減価償却方法につき、見込販売本数に基づく償却額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか大きい額を減価償却費として計上しております。なお見積有効期間は3年以内であります。販売開始時の見込販売本数を見直した結果、その著しい減少が見込まれる場合には、当該ソフトウェアの経済価値の減少部分を一時の損失として処理することとしております。したがってこれらの金額は、将来の当該ソフトウェアの販売見込により影響を受ける可能性があります。
(退職給付に係る負債)
退職給付債務及び年金資産は、割引率、年金資産の長期期待運用収益率等の将来に関する一定の見積数値に基づいて算定されています。退職給付債務の計算に用いる割引率は、安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しています。また、年金資産の長期期待運用収益率は、将来の収益に対する予測や過去の運用実績を考慮して決定しています。見積数値と実績数値との差異や、見積数値の変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合は繰延税金資産の計上額が大きく変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当連結会計年度の経営成績の状況)
当連結会計年度の売上は、金融分野での機器販売の増加、産業分野での新規顧客開拓や既存顧客の投資拡大が寄与しました。また、公共分野では自治体向け法制度改正案件の売上計上が一部次期に先延ばしとなりましたが増収を維持し、全業種分野において増収を果たしました。この結果、連結売上高は前期比5.6%増の381億43百万円となりました。
損益面では、一部のプロジェクトで原価が増加しましたが、増収効果に加えて全社的な原価逓減努力や前期に計上した川崎事業所移転コストの解消等により、営業利益では21億69百万円と前期比34.9%の増益となりました。また、これにより経常利益は22億33百万円(前期比34.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億92百万円(同41.1%増)となりました。
なお、この増益効果に加え、自己株式の取得などによる純資産圧縮の効果もあり、当連結会計年度におけるROEは4.0%となり、過去2番目の水準となりました。
以上のとおり、当社業績は前期をボトムとして着実に改善傾向にあると認識しております。
(当連結会計年度の財政状態の状況)
当連結会計年度の財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.3ポイント低下し67.1%、1株当たり純資産額は1,477.71円から59.74円増加し1,537.45円となりました。
なお、当期においては、事業の競争力強化と経営資源の効率化を図るため、東京都千代田区に所有する本社土地・建物を売却し、新たに東京都中央区に本社オフィスを賃借することとしました。引き続き、資産効率の向上に努め、健全な財政状態の維持を図ってまいります。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性について)
資本の財源につきましては、財務の健全性や資本の効率性など当社グループにとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保の充実と株主の皆様への利益還元との最適なバランスを考え、安定した財源を維持することを基本としております。
また、当社グループは短期の運転資金につきましては原則自己資金で賄うこととし、設備投資や長期の運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの長期借入で賄うこととしており、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
なお、当連結会計年度末における金融機関からの借入金残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は87億6百万円となっております。
(中期経営計画について)
2019年度よりスタートした「2021中期経営計画」では、引き続き情報サービス市場での様々なニーズや課題に対応し、かつ既存のお客様に対する安定的なサービスを提供することにより、受注・売上の着実な積み上げと、これらを実現するための経営基盤の強化をめざしております。
前期までの中期経営計画においても、お客様の先端ITテクノロジーへの期待に応えるべく、㈱アイネス総合研究所(以下、「アイネス総研」といいます。)を中心に研究開発を行ってまいりました。しかしながら、それらを事業化して成果を上げるには至らず、結果として未達成となりました。
「2021中期経営計画」では前回の反省を生かして、アイネス総研の研究開発活動に他社とのアライアンスやM&A等を組み合わせた事業化を計画し、これを「新規成長事業の創生・拡大」の方針としております。すでに、2018年6月、㈱三菱総合研究所グループとの業務・資本提携を行い、自治体やその他分野向けの新規ソリューションの共同開発・販売案件がスタートしております。
さらに、「2025年の崖」※1に直面するお客様の課題を解決するため、単なるITシステムの更新ではなく、ビジネスそのもののデジタルトランスフォーメーション(DX)化を支援するサービスの推進を計画し、これを「顧客基盤事業のビジネスモデル刷新」の方針としております。すでに、自治体分野では、中核製品であるWeb型総合行政情報システム「WebRings(ウェブリングス)」の次世代版の開発に着手しております。
また、経営環境の変化に素早く、かつ柔軟に対応できる強固な経営基盤を確立すること、即ち「財務基盤の強化と資産・資本効率の向上」、「デジタル経営の推進」も「2021中期経営計画」の題目の一つであります。すでに、財務・資本戦略によるバランスシートのスリム化、拠点配置の効率化(オフィス改革)やITインフラの整備等を立案・推進しております。
以上の施策により「2021中期経営計画」(最終年度:2021年度)では、連結売上高400億円以上・営業利益率7%以上の達成をめざしております。
[用語解説]
※1 「2025年の崖」
出典:経済産業省 『DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート』(2018年9月7日)

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