有価証券報告書-第58期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 13:18
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます)の状況の概要は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の事業環境に対する経営陣の認識
当連結会計年度におけるわが国経済は、通商問題や中国経済の動向など、海外経済の不確実性への懸念を残しつつも、個人消費の持ち直しや、雇用環境・企業収益の改善などにより緩やかな回復が続きました。当社が属する情報サービス産業においては、企業のデジタルトランスフォーメーションのためのIT投資などが引き続き堅調に推移しました。
しかしながら、3月以降、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、国民経済や幅広い業種の企業において急速に所得環境や収益の悪化が顕在化しております。新型コロナウイルスが当社の当連結会計年度の業績に与えた影響は限定的ではあったものの、後述のとおり、4月以降、現在にいたる感染者数の拡大、政府による緊急事態宣言に伴う国民の経済活動の停滞など、きわめて不透明な状況が継続しております。
② 当連結会計年度の取り組み
当連結会計年度におきましては、受注・売上高の増加のための積極的な営業活動を展開すると共に、自治体向けの中核商品であるWebRingsの次世代版開発に注力いたしました。
また、2018年5月に業務資本提携契約を締結した株式会社三菱総合研究所(以下、「MRI社」といいます)グループと共に、公共・金融・産業の各分野において、新たなソリューションの共同開発や、共同での受注活動を展開するなど、提携の成果が上がってきております。そして2019年10月には、MRI社により当社株式の追加取得がなされるなど、提携関係はより一層強化されております。
一方、財務政策として、長年の経営課題であった資産効率の向上のため、簿価が最大の横浜事業所の売却をはじめ、他の物件の減損などを進め、所有不動産の処分に一定の目途をつけつつあります。
③ 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度の売上高につきましては、業種別連結売上高に記載のとおりであります。金融分野において前期の機器販売の反動減があったものの、当社の戦略分野である公共分野において各種の法改正に伴うシステム改修需要や新規自治体・新規業務の受注が拡大したこと、産業分野においても小売業向けなどが寄与したこと、グループ会社における公的機関向けのBPO業務(業種別連結売上高の「その他」に計上)が拡大したことなどから売上高は過去最高であった2007年3月期に次ぐ422億78百万円(前期比10.8%の増収)となりました。
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、以下、業種別及び商品・サービス別の売上高を示しております。
[業種別連結売上高](単位:百万円)

区分\期別前連結会計年度当連結会計年度対前年
増減率
自 2018年4月1日
至 2019年3月31日
自 2019年4月1日
至 2020年3月31日
金額構成比金額構成比
公 共13,43435.2%16,66939.4%24.1%
金 融14,26237.4%12,50729.6%△12.3%
産 業6,45316.9%7,31817.3%13.4%
そ の 他3,99210.5%5,78213.7%44.8%
合 計38,143100.0%42,278100.0%10.8%

注)なお、第1四半期より顧客業種別の区分を一部変更しております。また、前年度についても、当該変更後の
区分による数値を用いています。
[商品・サービス別連結売上高](単位:百万円)

区分\期別前連結会計年度
自 2018年4月1日
至 2019年3月31日
当連結会計年度
自 2019年4月1日
至 2020年3月31日
対前年
増減率
金額構成比金額構成比
システム開発16,21542.5%18,10742.9%11.7%
運用10,25726.9%11,98028.3%16.8%
システム保守4,86212.8%4,99411.8%2.7%
情報機器販売2,8587.5%2,2905.4%△19.9%
その他3,94910.3%4,90411.6%24.2%
合 計38,143100.0%42,278100.0%10.8%

損益面では、これらの増収効果に加え、前年度の不採算プロジェクトの影響が解消したことなどにより営業利益は29億3百万円(前期比33.8%増)、経常利益は29億57百万円(同32.4%増)となりました。なお、当連結会計年度においては、オフィス移転のための臨時的コスト(約6億円)を営業費用に計上しておりますが、当該コストを除いたコア営業利益ベースでは、35億円と過去最高益を更新しました。
特別損益につきましては、第3四半期までに、資産効率改善を目的に主に横浜事業所の減損損失など特別損失26億4百万円を計上する一方、主に旧本社(千代田区三番町)の売却に伴う固定資産売却益など特別利益43億56百万円を計上いたしました。また、第4四半期にはさらなる資産効率改善を進めるべく、首都圏の所有物件の減損処理などを進め、特別損失16億75百万円を計上しました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、コア営業利益の大幅な増益により、20億63百万円(同38.3%増)と過去最高益を更新しました。
また、収益性や資本効率を表す指標であるROE(自己資本当期純利益率)は、5.5%(前期比プラス1.5ポイント) となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、総資産は526億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億66百万円減少しました。
流動資産は、旧本社及び横浜事業所の売却に伴う現金及び預金の増加等により124億51百万円増加し、332億91百万円となりました。固定資産は、同売却に伴う建物及び構築物並びに土地の減少等により142億18百万円減少し、193億85百万円となりました。
流動負債は、1億5百万円減少し、79億44百万円となりました。固定負債は、退職給付信託の設定に伴う退職給付に係る負債の減少等により29億90百万円減少し、68億64百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により13億29百万円増加し、378億68百万円となりました。
④キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます)は、前連結会計年度末に比べ123億8百万円増加し、当連結会計年度末には210億14百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は15億12百万円(前期比65.2%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上30億34百万円等による資金の増加、退職給付に係る負債の減少29億42百万円、法人税等の支払額13億83百万円等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は115億31百万円(前期は20億55百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入172億2百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億35百万円(前期比79.6%減)となりました。これは主に、配当金の支払額7億12百万円等があったことによるものであります。
⑤生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の生産実績を示しております。
商品・サービスの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発(百万円)17,680109.7
運用(百万円)11,961116.8
システム保守(百万円)5,045103.6
情報機器販売(百万円)2,21980.1
その他(百万円)4,823124.1
合計(百万円)41,730110.1

(注)1.金額は売価換算によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における当社グループ全体の受注実績を示しております。
受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
40,712109.138,07696.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の販売実績を示しております。
商品・サービスの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発(百万円)18,10711.7
運用(百万円)11,98016.8
システム保守(百万円)4,9942.7
情報機器販売(百万円)2,290△19.9
その他(百万円)4,90424.2
合計(百万円)42,27810.8

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ 経営成績及び財政状態の状況」に記載しております。
(財政状態について)
当連結会計年度の施策としては、従来からの懸案であった所有不動産の大幅圧縮を推進しました。具体的には、旧本社及び横浜事業所の売却に加え、他所有物件の売却・減損処理による固定資産の圧縮を図りました。
この結果、固定資産が純資産によりどれほど賄われているかを示す固定比率(固定資産÷純資産額)は、前年度末の92.0%から51.2%へと大幅に改善され、財務上の安全性が高まりました。
また、退職給付信託への拠出(30億円)によるバランスシートのスリム化に取り組みました。
(経営成績について)
当社の過去10年の連結業績推移は図1のとおりであります。
0102010_001.png
中長期的には、図2のとおり当社が最も競争力を有する自治体向け総合行政情報システムWebRingsが牽引し、導入後の運用・保守などのストックビジネスの安定的増加と相俟って特に公共分野が売上成長に寄与してきました。
また、商品・サービスの競争力と顧客ロイヤリティの不断の向上、プロジェクト管理・品質管理の継続的強化に加え、2015年以降取り組んできた所有不動産処分による資産保有コストの低減などの固定費削減策が、図3のとおり中長期的な収益力の底上げに大きく寄与してきたと当社経営陣は評価しております。
0102010_002.png(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大による経済環境の悪化により、営業活動の停滞、システム開発プロジェクトの進行遅延など翌年度の当社業績は少なからずマイナス影響を受ける可能性があります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローについて)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ④ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性について)
資本の財源につきましては、財務の健全性や資本の効率性など当社グループにとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保の充実と株主の皆様への利益還元との最適なバランスを考え、安定した財源を維持することを基本としております。
また、当社グループは短期の運転資金につきましては原則自己資金で賄うこととし、設備投資や長期の運転資金につきましては自己資金または金融機関からの長期借入で賄うこととしており、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。 なお、当連結会計年度末における金融機関からの借入金残高はありません。また、当連結会計年度におきましては、旧本社及び横浜事業所の売却収入により当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前年度末比123億8百万円増の210億14百万円となっております。
なお、3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大による経済環境の悪化は、営業活動の停滞やシステム開発プロジェクトの進捗遅れなどを通じて当社業績へも少なからずマイナス影響を及ぼす可能性がありますが、現状の資金状況から事業運営上、支障はございません。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、新型コロナウィルス感染症の影響は、確実性に乏しく、見積りに反映させることが難しい要素もありますが、入手可能な情報を基に見積りを行っております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
(受注制作のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
受注制作のソフトウェアに係る収益につき、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められるものについては工事進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を適用し、その他のものについては工事完成基準を適用しております。また、損失の発生が見込まれるソフトウェア開発契約について、将来の損失に備えるため、その損失見込額を受注損失引当金として計上しております。なお、収益総額、見積総原価及び決算日における進捗率について、当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
請負契約に基づくソフトウェア開発のうち、将来の損失が見込まれ、かつ当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、発生が見込まれる損失額を計上しております。ただし、契約時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況及び採算性等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
(市場販売目的ソフトウェア)
市場販売目的のソフトウェアの減価償却方法につき、見込販売本数に基づく償却額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか大きい額を減価償却費として計上しております。なお見積有効期間は3年以内であります。販売開始時の見込販売本数を見直した結果、その著しい減少が見込まれる場合には、当該ソフトウェアの経済価値の減少部分を一時の損失として処理することとしております。したがって、これらの金額は将来の当該ソフトウェアの販売見込により影響を受ける可能性があります。
(退職給付に係る負債)
退職給付債務及び年金資産は、割引率、年金資産の長期期待運用収益率等の将来に関する一定の見積数値に基づいて算定されています。退職給付債務の計算に用いる割引率は、安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しています。また、年金資産の長期期待運用収益率は、将来の収益に対する予測や過去の運用実績を考慮して決定しています。見積数値と実績数値との差異や、見積数値の変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合は繰延税金資産の計上額が大きく変動する可能性があります。

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