有価証券報告書-第62期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/25 13:13
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148項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます)の状況の概要は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の取組み
当連結会計年度は「2023中期経営計画」の最終年度の総仕上げとして「自治体向け情報システムWebRingsの標準化対応」「DXソリューションの拡充」「サステナブル経営の推進」を軸に事業を推進してまいりました。
「自治体向け情報システムWebRingsの標準化対応」
当社のコア事業である公共分野においては、地方公共団体情報システムの標準化対応(自治体システム標準化対応)の期限延伸により、計画面および収益面で影響を受けましたが、2024年度以降に本格化する自治体システム標準化対応に向けて新たに品質管理部門を設置するなど準備を進めています。確実な移行支援に向けて、2024年度後半より導入作業を開始する予定です。
「DXソリューションの拡充」
中期経営計画に基づき強固な顧客基盤と豊富なサービスラインナップ、当社グループの総合力を強みとし、持続可能な社会の創造に貢献するDX企業グループへの変革を図ってまいりました。
特に自治体DXに関連したDXソリューションの拡充を中心に取り組み、業務資本提携先である株式会社三菱総合研究所グループや他企業とのアライアンスを推進し、かねてより販売中のAIを活用した自治体向けソリューション「AI相談パートナー」の拡販、民間分野へのDXサービスの提供を進めてまいりました。
「サステナブル経営の推進」
前年度に引き続きDX企業としてサステナブルな経営を支える人材を育成するべく、テクニカル人材育成体系に基づくDXリテラシーの底上げと、選抜者への集中教育によるDX人材の強化育成に注力いたしました。
当連結会計年度において当社は監査等委員会設置会社へ移行し、監督・監査機能の強化を行いコーポレートガバナンスの一層の強化を図ってまいりました。
また、当社は2023年5月、東京駅至近に全社営業の発信地として位置付けた「八重洲オフィス」を開設し、2023年9月には、新たに東京都中央区にオフィスビルを取得しました。同オフィスビルにはアイネスグループ各社の本部・本社機能を集約し、グループ経営の意思決定迅速化、生産性向上、コミュニケーション強化を図り、経営基盤強化と企業価値の向上を目指してまいります。
② 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度の売上高は405億57百万円と前期比4.4%の減収となりました。
公共分野につきましては、標準化前のリプレース需要の減少などにより、185億4百万円(前期比6.8%減)となりました。
金融分野につきましては、前年度と概ね同水準の77億65百万円(同2.0%増)となりました。
産業分野につきましては、主に基幹システム開発案件の減少などにより142億87百万円(同4.3%減)となりました。
商品・サービス別では、公共分野における前年度開発案件の保守フェーズへの移行などによりシステム開発が減少しシステム保守が増加しました。
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、以下、業種別及び商品・サービス別の売上高を示しております。
[業種別連結売上高](単位:百万円)

区分\期別前連結会計年度当連結会計年度対前年
増減率
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日
自 2023年4月1日
至 2024年3月31日
金額構成比金額構成比
公 共19,85346.8%18,50445.7%△6.8%
金 融7,61618.0%7,76519.1%2.0%
産 業14,93435.2%14,28735.2%△4.3%
合 計42,404100.0%40,557100.0%△4.4%

(注)当連結会計年度より、グループ事業再編に伴い、従来「その他」に区分していたグループ会社売上高を、
公共・金融・産業へ表示しました。前連結会計年度についても同様に組替再表示しております。
[商品・サービス別連結売上高](単位:百万円)

区分\期別前連結会計年度
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日
当連結会計年度
自 2023年4月1日
至 2024年3月31日
対前年
増減率
金額構成比金額構成比
システム開発17,33340.9%16,37140.3%△5.6%
運用14,83135.0%13,90334.3%△6.3%
システム保守4,85311.4%4,98412.3%2.7%
情報機器販売1,0802.5%1,2453.1%15.4%
その他4,30410.2%4,05110.0%△5.9%
合 計42,404100.0%40,557100.0%△4.4%

損益面においては、主に公共分野の減収および新営業オフィス開設に伴うコスト増や本社移転に伴う一時費用計上などにより、営業利益は28億77百万円(前期比24.3%減)、経常利益は27億32百万円(同29.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億95百万円(同29.3%減)となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、総資産は544億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億4百万円増加しました。
流動資産は、現金及び預金や有価証券の減少等により46億40百万円減少し、202億83百万円となりました。固定資産は、オフィスビル取得による土地や建設仮勘定の増加等により105億44百万円増加し、341億43百万円となりました。
流動負債は、1年内返済予定の長期借入金の増加等により11億86百万円増加し、76億1百万円となりました。固定負債は、長期借入金の増加等により32億13百万円増加し、90億35百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により15億3百万円増加し、377億90百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)は前連結会計年度末に比べ38億96百万円減少し、52億65百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は21億42百万円(前期比7.9%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上26億72百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は99億87百万円(同388.3%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出96億26百万円及び有価証券の売却による収入23億円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は39億48百万円(前期は8億49百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50億円等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の生産実績を示しております。
商品・サービスの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発(百万円)16,59195.5
運用(百万円)13,84593.2
システム保守(百万円)4,951101.6
情報機器販売(百万円)1,278117.5
その他(百万円)4,07494.5
合計(百万円)40,74195.9

(注)金額は売価換算によっております。
b.受注実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における当社グループ全体の受注実績を示しております。
受注高(百万円)前年同期比(%)
39,88599.0

c.販売実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の販売実績を示しております。
商品・サービスの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発(百万円)16,37194.4
運用(百万円)13,90393.7
システム保守(百万円)4,984102.7
情報機器販売(百万円)1,245115.4
その他(百万円)4,05194.1
合計(百万円)40,55795.6

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績及び財政状態の状況」に記載しております。
(財政状態について)
2020年度まで、財務体質の向上を目指して保有不動産の処分を行ってまいりましたが、2023年度はDXビジネスの拡大やコロナ禍後の働き方改革に見合った拠点戦略を展開し、2023年5月、東京駅至近に全社営業の発信地として位置付けた「八重洲オフィス」の開設や、さらに首都圏オフィスや支社の改廃・設置を行いました。また2023年9月には、新たに東京都中央区に本社ビルを取得しました。これらの拠点戦略関連投資を中心に設備投資総額は109億円となりました。一方で本社ビルの取得資金として、金融機関より長期借入金50億円の資金調達を実施しております。この結果、総資産は544億円となり、前連結会計年度末に比べ59億円増加しましたが、同本社ビルへアイネスグループ各社の本部・本社機能を集約することにより、グループ経営の意思決定の迅速化や生産性の向上、コミュニケーション強化を図り、経営基盤強化と企業価値の向上を目指してまいります。
(経営成績について)
当社の過去10年の連結業績推移は図1のとおりであります。
過去10年の売上高の推移では、2018年度以前は300億円台後半が続いていましたが、2019年度以降は400億円台に拡大しました。
要因は、強固な自治体顧客基盤を強みとする公共分野において、少子高齢化などを背景とした福祉関連等のさまざまな法制度改正の需要を着実に取り込み、同分野における売上高の拡大を図ってきたことが大きく寄与しています。
2020年3月に新型コロナ緊急事態宣言が発出されましたが、実質的な「コロナ禍前」と考えられる2019年度をピークに2020年度、2021年度は減収傾向となったものの、2022年度では2019年度並みの売上高水準に回復しております。一方で直近の2023年度は、自治体システムの標準化を控えたリプレース需要の減少などにより、2022年度から減収となり、406億円となりました。
損益面では、営業利益において、2023年度は、主に公共分野の減収および先述の八重洲オフィス開設に伴うコスト増などにより、2022年度の過去最高益である38億円から減益となり、29億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に2022年度の25億円から減益の18億円となりました。
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当連結会計年度の業績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりです。
財政状態及び経営成績の状況から、図2のとおり自己資本利益率(ROE)は、親会社株主に帰属する当期純利益の過去最高益を更新した2022年度の7.2%から大きく減少し、4.8%となりました。また、基礎的収益力を示す売上高営業利益率についても、過去最高となる営業利益を計上した2022年度の9.0%から減少し、7.1%となっております。なお、2024年度は、新たに始動させた「2026中期経営計画」の初年度となりますが、事業戦略の3つの柱となる「地方公共団体情報システムの標準化対応」、「次世代ソリューションの開発」、「事業基盤拡充」に取り組み、当中期経営計画における3年後(2026年度)の業績や指標の目標値として売上高500億円、売上高営業利益率10%以上、ROE8%以上、ROIC7%以上とそれぞれ定めた上で、目標の達成に向けて引き続き各種施策を推進してまいります。
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(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローについて)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性について)
資本の財源につきましては、財務の健全性や資本の効率性など当社グループにとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保の充実と株主の皆様への利益還元との最適なバランスを考え、安定した財源を維持することを基本としております。
当社グループは、短期の運転資金につきましては原則自己資金で賄うこととし、設備投資や長期の運転資金につきましては自己資金または金融機関からの長期借入で賄うこととしており、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
これらの方針に基づき、図4のとおり、株主の皆様への利益配当につきましても、急速な市場の変化に対応するため財務基盤の充実を図りつつ、業績および経営環境等を総合的に勘案しながら安定かつ継続的に配当を実施してまいりました。また、当連結会計年度におきましては本社ビルの取得資金として、金融機関より長期借入金50億円の資金調達を実施しております。
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今後も営業活動により得られたキャッシュ・フローやグループ内余剰資金の有効活用等による運転資金の効率化を進め、これらの活動で得られた資金を活用して「2026中期経営計画」の実現に向け、事業拡大に向けた戦略的投資や資本構成の最適化、また株主様への還元施策などを進めてまいります。
なお、新型コロナ感染症に関連した行動制限の解除による経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、ウクライナや中東情勢等による社会情勢不安や円安等に起因した原材料高騰に伴う物価上昇等により、先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況下、当社グループにおきましても今後の業績にマイナス影響を及ぼす可能性はありますが、現状の純資産額の水準ならびに資金状況から事業運営上、支障はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
(受注制作のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
受注制作のソフトウェア開発について、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。なお、収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗率について、当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
受注制作のソフトウェア開発のうち、原価総額が収益総額を超過する可能性が高く、かつその金額を合理的に見積ることができる場合、損失見込額を受注損失引当金として計上しています。ただし、受注制作のソフトウェア開発は契約ごとの個別性が強く、また比較的長期にわたる契約が多いことから、契約時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況及び採算性等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
(市場販売目的のソフトウェア)
市場販売目的のソフトウェアの減価償却方法につき、見込販売本数に基づく償却額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか大きい額を減価償却費として計上しております。なお見積有効期間は3年以内であります。販売期間の経過に伴い、減価償却を実施した後の未償却残高が翌期以降の見込販売収益の額を上回った場合、当該超過額を一時の費用として計上しております。したがって、これらの金額は将来の当該ソフトウェアの販売見込により影響を受ける可能性があります。
(退職給付に係る負債)
退職給付債務及び年金資産は、割引率、年金資産の長期期待運用収益率等の将来に関する一定の見積数値に基づいて算定されています。退職給付債務の計算に用いる割引率は、安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しています。また、年金資産の長期期待運用収益率は、将来の収益に対する予測や過去の運用実績を考慮して決定しています。見積数値と実績数値との差異や、見積数値の変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合は繰延税金資産の計上額が大きく変動する可能性があります。

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