有価証券報告書-第63期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/25 13:20
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145項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます)の状況の概要は次のとおりであります。
① 当連結会計年度の取組み
当連結会計年度は「2026中期経営計画」の初年度として、「地方公共団体情報システムの標準化対応」、「次世代ソリューションの開発」、「事業基盤拡充」の3本の柱をベースとして事業を推進してまいりました。
「地方公共団体情報システムの標準化対応」
当社のコア事業である公共分野においては、地方公共団体情報システムの標準化対応(自治体システム標準化対応)を進めています。しかしながら、各種品質テストの結果、弊社基準を充足しない事象が発生したことにより、品質対策を行っています。この影響で、標準化移行の作業スケジュールを見直ししており、一部の自治体においては稼働時期が後ろ倒しとなりますが、住民サービスへ影響をきたさぬよう安全・安心なシステムを確実にご提供してまいります。
「次世代ソリューションの開発」
自治体向け行政システム「WebRings」の次世代版となる「つながる」をコンセプトとしたシステム開発を進めています。また、株式会社三菱総合研究所と共同で地方部における高齢者層の移動の利便性向上を目的としたオンデマンド交通の実証実験の実施や、「地域共創ポータル」を活用した地域社会の課題を解決するソリューションの実装に向けた取組みを行ってまいりました。
「事業基盤拡充」
事業基盤の拡充では、パートナーシップ推進の効果を発揮させ、アライアンス先も活用した顧客数の拡大・顧客基盤の強化に向けた取組みを実施してきました。また、社内IT基盤の高度化を推進し、セキュリティリスクを低減する社内インフラの整備や、生成AIを活用した高品質・短期間を実現する開発環境の構築を進めてまいりました。
2025年4月には当社の財産である人材を早期に育成し登用するべく、エンジニアの専門性の評価を主軸とする人事制度への改定を行いました。専門職を人材育成の柱とするほか、外部人材の登用・活用による当社事業戦略の推進、シニア人材の活用を進めてまいります。
なお、当社は2024年4月に東京都中央区日本橋蛎殻町に本社を移転しました。アイネスグループの本部機能を集約し、グループ経営の意思決定迅速化を図るとともに、中期経営計画のビジョンである「挑戦・進化し続ける企業」を体現し、経営基盤強化と企業価値の向上を目指してまいります。
② 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度の売上高は前年度と概ね同水準の405億63百万円となりました。
公共分野につきましては、グループ会社におけるアウトソーシング事業の一部撤退に伴う減収はあったものの、標準化対応システムの導入による増収等により、198億73百万円(前期比7.4%増)となりました。
民間分野につきましては、保険業向けのシステム開発や運用案件の受注減及び小売業向けシステム開発案件の減収等により206億89百万円(同6.2%減)となりました。
商品・サービス別では、標準化対応システムの導入によりシステム開発が増加し、大型BPO案件の減少などにより運用が減少及びグループ会社におけるアウトソーシング事業の一部撤退によりその他が減少しました。
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、以下、業種別及び商品・サービス別の売上高を示しております。
[業種別連結売上高](単位:百万円)

区分\期別前連結会計年度当連結会計年度対前年
増減率
自 2023年4月1日
至 2024年3月31日
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
金額構成比金額構成比
公 共18,50445.6%19,87349.0%7.4%
民 間22,05354.4%20,68951.0%△6.2%
合 計40,557100.0%40,563100.0%0.0%

(注)当連結会計年度より、管理会計区分の変更に伴い、従来「金融」「産業」に区分していた売上高を、民間分野へ表示しました。前連結会計年度についても同様に組替再表示しております。
[商品・サービス別連結売上高](単位:百万円)

区分\期別前連結会計年度
自 2023年4月1日
至 2024年3月31日
当連結会計年度
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
対前年
増減率
金額構成比金額構成比
システム開発16,37140.3%19,79748.8%20.9%
運用13,90334.3%12,67231.2%△8.9%
システム保守4,98412.3%4,92912.2%△1.1%
情報機器販売1,2453.1%1,1432.8%△8.2%
その他4,05110.0%2,0195.0%△50.2%
合 計40,557100.0%40,563100.0%0.0%

損益面においては、主に前年度に計上したファシリティコストの反動減により、営業利益は35億36百万円(前期比22.9%増)、経常利益は36億8百万円(同32.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億36百万円(同35.7%増)となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、総資産は567億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億99百万円増加しました。
流動資産は、現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産の増加等により44億80百万円増加し、247億64百万円となりました。固定資産は、投資有価証券の減少等により21億80百万円減少し、319億63百万円となりました。
流動負債は、短期借入金の増加等により23億63百万円増加し、99億65百万円となりました。固定負債は、長期借入金の減少等により14億65百万円減少し、75億69百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により14億2百万円増加し、391億92百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)は前連結会計年度末に比べ27億26百万円増加し、79億91百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は14億78百万円(前期比31.0%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上35億11百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2億88百万円(同97.1%減)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出15億8百万円及び投資有価証券の償還による収入18億円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は15億36百万円(同61.1%減)となりました。これは主に、短期借入れによる収入30億円等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の生産実績を示しております。
商品・サービスの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発(百万円)19,887119.9
運用(百万円)12,65891.4
システム保守(百万円)4,92999.6
情報機器販売(百万円)1,08685.0
その他(百万円)2,00449.2
合計(百万円)40,56699.6

(注)金額は売価換算によっております。
b.受注実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における当社グループ全体の受注実績を示しております。
受注高(百万円)前年同期比(%)
45,416113.9

c.販売実績
当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の販売実績を示しております。
商品・サービスの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発(百万円)19,797120.9
運用(百万円)12,67291.1
システム保守(百万円)4,92998.9
情報機器販売(百万円)1,14391.8
その他(百万円)2,01949.8
合計(百万円)40,563100.0

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績及び財政状態の状況」に記載しております。
当社の過去10年の連結業績推移は図1のとおりであります。
売上高の推移では、2018年度以前は300億円台後半が続いていましたが、2019年度以降は400億円台に拡大しました。
要因は、強固な自治体顧客基盤を強みとする公共分野において、少子高齢化などを背景とした福祉関連等のさまざまな法制度改正の需要を着実に取り込み、同分野における売上高の安定化を図ってきたことが大きく寄与しています。
2020年度、2021年度は新型コロナの影響により減収傾向となりましたが、2024年度は、大型BPO案件の減収やグループ会社におけるアウトソーシング事業の一部撤退等があったものの、標準化対応システムの導入による増収効果等により、2023年度並みの406億円となりました。
損益の推移は、2018年度以降、営業利益および当期純利益ともに回復基調となっておりましたが、2020年度、2021年度は売上高と同様の要因により、減益となりました。2024年度は、2023年度に計上した八重洲オフィスの開設に伴うコストや本社移転に伴う一時費用等の反動減により、営業利益と当期純利益のいずれも増益となりました。
0102010_004.png
図2の基礎的収益力を示す売上高営業利益率については、「2026中期経営計画」の初年度となる2024年度は、ファシリティコストの反動減等により、2023年度の7.1%から1.6ポイント改善し、8.7%となっております。
図3の自己資本利益率(ROE)につきましても同様の傾向となっており、2024年度は、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことにより、2023年度の4.8%から1.5ポイント改善し、6.3%となりました。なお、2025年度は、当中期経営計画の2年目となりますが、業績や指標の目標を達成できるよう、引き続き各種施策を強力に推進してまいります。
0102010_005.png(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローについて)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況等は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性について)
資本の財源につきましては、財務の健全性や資本の効率性など当社グループにとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保の充実と株主の皆様への利益還元との最適なバランスを考え、安定した財源を維持することを基本としております。
当社グループは、短期の運転資金につきましては原則自己資金で賄うこととしており、資金の調達が必要な場合には、主に金融機関からの借入を行っております。設備投資や長期の運転資金につきましては自己資金または金融機関からの長期借入で賄うこととしており、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
これらの方針に基づき、図4のとおり、株主の皆様への利益配当につきましても、急速な市場の変化に対応するため財務基盤の充実を図りつつ、業績および経営環境等を総合的に勘案しながら安定かつ継続的に配当を実施してまいりました。
0102010_006.png今後も営業活動により得られたキャッシュ・フローやグループ内余剰資金の有効活用等による運転資金の効率化を進め、これらの活動で得られた資金を活用して、事業の更なる成長に合わせた戦略的投資や資本構成の最適化、また株主様への還元施策などを推進することにより、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。
なお、今後の日本経済は、雇用環境の改善や各種政策の効果等により景気は緩やかな回復が続くことが期待される一方で、ウクライナや中東地域の紛争長期化や米国の政策動向により、依然として先行き不透明な状況が続いていくことが予想されます。
このような状況下、当社グループにおきましても今後の業績にマイナス影響を及ぼす可能性はありますが、現状の純資産額の水準ならびに資金状況から事業運営上、支障はありません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
(受注制作のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
受注制作のソフトウェア開発について、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。なお、収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗率について、当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
受注制作のソフトウェア開発のうち、原価総額が収益総額を超過する可能性が高く、かつその金額を合理的に見積ることができる場合、損失見込額を受注損失引当金として計上しています。ただし、受注制作のソフトウェア開発は契約ごとの個別性が強く、また比較的長期にわたる契約が多いことから、契約時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況及び採算性等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
(市場販売目的のソフトウェア)
市場販売目的のソフトウェアの減価償却方法につき、見込販売本数に基づく償却額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか大きい額を減価償却費として計上しております。なお見積有効期間は3年以内であります。販売期間の経過に伴い、減価償却を実施した後の未償却残高が翌期以降の見込販売収益の額を上回った場合、当該超過額を一時の費用として計上しております。したがって、これらの金額は将来の当該ソフトウェアの販売見込により影響を受ける可能性があります。
(退職給付に係る負債)
退職給付債務及び年金資産は、割引率、年金資産の長期期待運用収益率等の将来に関する一定の見積数値に基づいて算定されています。退職給付債務の計算に用いる割引率は、安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しています。また、年金資産の長期期待運用収益率は、将来の収益に対する予測や過去の運用実績を考慮して決定しています。見積数値と実績数値との差異や、見積数値の変更は、将来の退職給付債務及び退職給付費用に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が変動した場合は繰延税金資産の計上額が大きく変動する可能性があります。

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