有価証券報告書-第36期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 13:18
【資料】
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【項目】
80項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
この財務諸表の作成に当たり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しているとおりです。
なお、引当金等の見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、異なる可能性があります。
(2) 当事業年度の経営成績の分析
当事業年度における経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりです。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える可能性がある要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(4) 経営戦略の現状と見通し
当社は、「情報サービスを通じて人と社会の豊かさに貢献する」を基本理念として掲げ、「Information Knowledge Innovation」(ITと知恵による変革)をコンセプトに事業を進めております。変貌し多様化する事業環境の中で、より高いレベルへのイノベーションを図ろうとする企業等顧客のために、先進の情報技術と培った業務知識と、創造的な知恵を駆使して高品質の情報サービスを提供し支援することを使命としております。
また、いわゆる独立系の情報サービス企業として、真に顧客のために、しっかりとしたモノづくり(システム開発)と、多様な技術要素やノウハウを組み合わせた高付加価値のサービスを提供する「存在感のある情報サービス企業」として事業展開することを心がけております。
そのため社内においては人間力・現場力に優れた「人材」の育成に注力し、「個」を育て「個」を活かす経営を推進するとともに、社会と歩む企業市民として社会的責任に留意し社会貢献活動にも積極的に取り組み、顧客・取引先・株主・社員など、広く社会を含むすべてのステークホルダーから「選ばれる企業」を目指してまいります。
わが国経済は、企業収益が改善し設備投資に持ち直しの動きが見られ、個人消費も堅調に推移するなど、景気の緩やかな回復が続いてまいりました。また、雇用環境の改善と相俟って物価指標が上昇基調を示し、デフレ脱却の動きが見られました。
IT市場においても、国内景気の復調に伴い、これまで慎重であった企業のIT投資がようやく具体化に向けて進み出し、特に金融業や製造業を中心に活発な動きが見られました。また、クラウド・コンピューティングに関する新たなサービス形態が台頭するなど、これまで以上に顧客のITに対するニーズが多様化し、これに対する柔軟な対応が求められてまいりました。一方で、価格改善の動きは足踏み状態が続き、業界内での競争は依然として厳しい状況が続いてまいりました。
当社といたしましては、翌事業年度において、こうした市場の波を適確に捉えるべく、万全の態勢をもって臨む準備をしてまいりますが、当面は市場ニーズと顧客動向を見極めつつ、採算重視の慎重な受注姿勢を維持するとともに、新規案件・新規ユーザーの開拓にも積極的に取り組んでまいります。
既存の主力案件は継続的に受注につながっており、中でもメガバンク次期統合案件ではさらなる規模拡大が見込まれ、また新たに大規模かつ長期的な開発案件として共済保険システム開発が動き出すなど、有力案件を着実に取り込んできております。さらに、外資系生保の保険金などの支払いシステム構築や商社系グループの販売管理システムなどの案件にも注力してまいります。
また、この4月にシステム基盤に係るサポート業務と統合させて再編した「インフラサポートサービス部」が、従来のシステムマネジメントサービスの領域を担い、クラウド・コンピューティングの導入や老朽化によるシステム刷新のニーズなどにも柔軟に対応してまいります。
加えて、社内の事業企画公募制度によって事業化した顧客管理ツール『i-Connection』などの新たなるソリューション提供によって、さらに市場範囲を拡げてまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源及び資金の流動性についての分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
第36期
自己資本比率(%)42.6
時価ベースの自己資本比率(%)26.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)5.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)12.0

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.各指標は、いずれも財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値に期末発行済株式数(自己株式控除後)を乗じて算出しております。
3.キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」を使用しております。有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
4.当社は、平成25年3月期は連結業績を開示しておりましたが、当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前事業年度以前においては個別キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、関連指標は記載しておりません。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当事業年度において当社は、国内景気の復調を背景に企業のIT化投資に対する需要が高まりつつある中、市場の開拓に向けて積極的な企画・提案活動を行ってまいりました。これにより、当事業年度の売上高は前事業年度と比べ増加いたしました。しかしながら、チャレンジ性のある一部の大型開発プロジェクトにおいて多額の開発費用を要したことから、収益については当初の計画を大きく下回ることとなりました。
このような状況を踏まえ、当社は、より積極的かつ、きめの細かい営業活動を推進するとともに、開発プロジェクトの管理を徹底することにより、安定した収益を確保できる強固な事業基盤づくりを目指してまいります。
具体的には、クラウドコンピューティングやビッグデータなどの新たな技術動向を把握・習得し、多様化する顧客のニーズをしっかりと受け止めながら、顧客の良きパートナーとして最善のITサービスを提案してまいります。また、しっかりとした「モノづくり」を追求し「高品質なサービス」を顧客に提供するため、生産性の向上に取り組み高い付加価値を生み出すとともに、受注から納品に至るまでのプロセスの改善を図り品質の向上とリスクの低減に努めてまいります。さらに、従業員それぞれの個性を活かし、モチベーションを育むための施策を講じることにより、人材づくりで活力溢れる会社を目指してまいります。