有価証券報告書-第53期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景に緩やかな回復基調が継続しているも のの、米国政権の政策動向や新興国経済の減速などの懸念材料も多く、先行き不透明な状況が続いております。
不動産関連サービス業界におきましては、オフィスや商業ビルの空室率は東京都心部や地方中核都市においても改善の兆しが見られ、一部のエリアにおいては賃料の反転上昇が確認されております。また、東京都心部を中心に複合ビルの建て替えプロジェクトが増加しており、当社がターゲットとする市場の将来的な拡大が見られます。
このような事業環境のもと、当社グループにおきましては、新規管理案件の受託では、競合他社との差別化が図りやすい付加価値の高い管理案件を重点的に開拓しております。既存管理案件では、リーマンショック以降、契約先の管理業務に対するコスト意識は残るものの、安全・安心や資産価値の維持・向上の観点から、契約先に対して従前から提供している管理サービスをより一層充実した内容へと進化・改良する提案を行い、業務クオリティの向上と業務範囲の拡張にも取り組みを強化しております。
また、主力のビル管理業務の一層の強化・向上を図るとともに、周辺事業においても、PFI事業、省エネルギー事業、環境事業などへの積極的な事業展開を図っております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a 財政状態
当連結会計年度末の資産の合計は688億73百万円(前年同期比10.6%増)、負債の合計は236億70百万円(前年同期比13.7%増)、純資産の合計は452億3百万円(前年同期比9.0%増)となりました。
b 経営成績
当連結会計年度の売上高は964億78百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は57億72百万円(前年同期比4.5%増)、経常利益は63億79百万円(前年同期比7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は44億46百万円(前年同期比5.2%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
(建物管理運営事業)
建物管理運営事業につきましては、当連結会計年度の売上高は839億75百万円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は89億2百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
(環境施設管理事業)
環境施設管理事業につきましては、当連結会計年度の売上高は97億57百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益は11億34百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
(不動産ファンドマネジメント事業)
不動産ファンドマネジメント事業につきましては、当連結会計年度の売上高は4億63百万円(前年同期比19.8%減)、セグメント利益は84百万円(前年同期比51.4%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業につきましては、当連結会計年度の売上高は22億82百万円(前年同期比31.8%増)、セグメント利益は3億43百万円(前年同期比70.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ5億69百万円(2.7%増)増加し、残高は217億57百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は30億34百万円であり、前連結会計年度に比べ18億22百万円減少いたしました。
その主なものは、売上債権の増減額の増加(前年同期比22億81百万円増)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は7億3百万円であり、前連結会計年度に比べ5億35百万円支出が減少いたしました。
その主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少(前年同期比8億86百万円減)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は18億70百万円であり、前連結会計年度と比べ3億2百万円支出が減少いたしました。
その主なものは、借入金の借入・返済による純増減額の増加(前年同期比8億67百万円収入の増加)によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当社グループの業務内容は、役務提供を主体としているため、該当事項はありません。
b 外注費及び商品仕入実績
当連結会計年度の外注費及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 本表中の( )内は、商品仕入額で、( )外記載の内数であります。
2 外注仕入は、当社グループの管理受託業務の一部又は全部を下請(外注)業者に作業委託しているものであります。
3 商品仕入は、主として衛生・清掃用消耗品の仕入であります。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注の状況
当社グループの業務内容は、役務提供を主体としているため、該当事項はありません。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する下記の分析を行っております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産、負債の報告数値、偶発債務等の予測並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき継続的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、既存管理案件が高水準で継続したことに加え、工事関連業務の受注も堅調に推移したことにより、964億78百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
(売上原価)
売上原価につきましては、取引先のコスト抑制の影響はあったものの、仕入形態の見直しや時間管理の徹底を図りコストの削減・抑制に務めたことにより、原価率は前連結会計年度と比べほぼ同水準の80.5%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に比べ1億14百万円増加し130億61百万円となりました。主な要因といたしましては、組織体制強化による管理コストの増加によるものであります。
(営業外損益)
営業外収益につきましては、持分法による投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べ91百万円増加し、7億58百万円となりました。
営業外費用につきましては、為替差損の減少等により、前連結会計年度に比べ75百万円減少し、1億51百万円となりました。
(特別損益)
特別利益につきましては、投資有価証券の売却の減少により、前連結会計年度に比べ2億89百万円減少し、2億26百万円となりました。
特別損失につきましても、前期に発生した子会社株式評価損の影響により、前連結会計年度に比べ69百万円減少し、30百万円となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等の合計は、前連結会計年度とほぼ同水準の20億40百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度より0.9ポイント減少し、31.0%となりました。
b 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ65億93百万円(10.6%増)増加し688億73百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ33億70百万円(9.4%増)増加し392億29百万円、固定資産は前連結会計年度末に比べ32億22百万円(12.2%増)増加し296億44百万円となりました。
増加の主な要因は、大型工事の受注による売掛金の増加(前年同期比23億75百万円増)や株価上昇に伴う投資有価証券の増加(前年同期比25億28百万円増)によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、買掛金の増加(前年同期比14億6百万円増)やマスターリース契約による預り保証金の増加(前年同期比8億27百万円増)により、負債の合計は前連結会計年度末に比べ28億54百万円(13.7%増)増加し236億70百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ37億38百万円(9.0%増)増加し452億3百万円となりました。
増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末の64.38%と比べ0.23ポイント減少し64.15%となりました。
当社グループは、経営に必要な流動性の確保と健全なバランスシートの維持を財務方針といたしております。
c キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d 検討内容
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億19百万円増加し、44億46百万円となりました。また、自己資本当期純利益率は10.6%となり、目標とする経営指標である10%以上を維持することが出来ましたが、総資産経常利益率は9.7%となり、目標とする経営指標である10%を下回る結果となりました。
e セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
(建物管理運営事業)
主たる業務であるビル管理業務及び保安警備の建物管理運営事業につきましては、新規案件の受託は厳しい状況で推移したものの、工事関連業務の受注が増加したことにより、当連結会計年度の売上高は839億75百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
利益面におきましても、受託単価の伸び悩み等の影響もありましたが、コスト管理の徹底を図り、セグメント利益は89億2百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
また当連結会計年度末のセグメント資産は、大型工事の受注による売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ3億63百万円(1.0%増)増加し360億4百万円となりました。
(環境施設管理事業)
上下水道処理施設等の生活環境全般にかかる公共施設管理を主体とする環境施設管理事業につきましては、ゴミ焼却施設等を中心に新規管理案件の受託や契約更改が堅調であったことに加え、大型工事を受注できたことにより、当連結会計年度の売上高は97億57百万円(前年同期比6.3%増)となりました。同事業の主要取引先である地方自治体の財政は依然として緊縮傾向にあり、民間ノウハウの活用余地が大きく、潜在的に大きな市場と捉えております。
利益面におきましても、高原価物件や仕入価格の見直しに加え、適正な人員配置を中心にコスト削減に努めてまいりました結果、セグメント利益は11億34百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
また当連結会計年度末のセグメント資産は、現金及び預金や大型工事の受注による売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ5億51百万円(18.9%増)増加し34億71百万円となりました。
(不動産ファンドマネジメント事業)
不動産ファンドの組成・資産運用を行うアセットマネジメント及び匿名組合への出資を主体とする不動産ファンドマネジメント事業につきましては、運用資産の売却に伴う収益は発生しましたが、運用資産売却に伴い運用報酬が減少したことにより、当連結会計年度の売上高は4億63百万円(前年同期比19.8%減)となりました。
利益面におきましても、経費の節減や業務の効率化に努めてまいりましたが、前述の運用報酬が減少したことにより、セグメント利益は84百万円(前年同期比51.4%減)となりました。
また当連結会計年度末のセグメント資産は、新規連結に伴う販売用不動産の増加等により、前連結会計年度末に比べ15億64百万円(106.5%増)増加し30億34百万円となりました。
(その他の事業)
イベントの企画・運営、印刷、デザインを主体としたその他の事業は、イベント業務の受託増により、当連結会計年度の売上高は22億82百万円(前年同期比31.8%増)、セグメント利益は3億43百万円(前年同期比70.8%増)となりました。
また当連結会計年度末のセグメント資産は、イベント業務の受託増に伴う売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ5億6百万円(53.2%増)増加し14億57百万円となりました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景に緩やかな回復基調が継続しているも のの、米国政権の政策動向や新興国経済の減速などの懸念材料も多く、先行き不透明な状況が続いております。
不動産関連サービス業界におきましては、オフィスや商業ビルの空室率は東京都心部や地方中核都市においても改善の兆しが見られ、一部のエリアにおいては賃料の反転上昇が確認されております。また、東京都心部を中心に複合ビルの建て替えプロジェクトが増加しており、当社がターゲットとする市場の将来的な拡大が見られます。
このような事業環境のもと、当社グループにおきましては、新規管理案件の受託では、競合他社との差別化が図りやすい付加価値の高い管理案件を重点的に開拓しております。既存管理案件では、リーマンショック以降、契約先の管理業務に対するコスト意識は残るものの、安全・安心や資産価値の維持・向上の観点から、契約先に対して従前から提供している管理サービスをより一層充実した内容へと進化・改良する提案を行い、業務クオリティの向上と業務範囲の拡張にも取り組みを強化しております。
また、主力のビル管理業務の一層の強化・向上を図るとともに、周辺事業においても、PFI事業、省エネルギー事業、環境事業などへの積極的な事業展開を図っております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a 財政状態
当連結会計年度末の資産の合計は688億73百万円(前年同期比10.6%増)、負債の合計は236億70百万円(前年同期比13.7%増)、純資産の合計は452億3百万円(前年同期比9.0%増)となりました。
b 経営成績
当連結会計年度の売上高は964億78百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は57億72百万円(前年同期比4.5%増)、経常利益は63億79百万円(前年同期比7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は44億46百万円(前年同期比5.2%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
(建物管理運営事業)
建物管理運営事業につきましては、当連結会計年度の売上高は839億75百万円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は89億2百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
(環境施設管理事業)
環境施設管理事業につきましては、当連結会計年度の売上高は97億57百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益は11億34百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
(不動産ファンドマネジメント事業)
不動産ファンドマネジメント事業につきましては、当連結会計年度の売上高は4億63百万円(前年同期比19.8%減)、セグメント利益は84百万円(前年同期比51.4%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業につきましては、当連結会計年度の売上高は22億82百万円(前年同期比31.8%増)、セグメント利益は3億43百万円(前年同期比70.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ5億69百万円(2.7%増)増加し、残高は217億57百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は30億34百万円であり、前連結会計年度に比べ18億22百万円減少いたしました。
その主なものは、売上債権の増減額の増加(前年同期比22億81百万円増)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は7億3百万円であり、前連結会計年度に比べ5億35百万円支出が減少いたしました。
その主なものは、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少(前年同期比8億86百万円減)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は18億70百万円であり、前連結会計年度と比べ3億2百万円支出が減少いたしました。
その主なものは、借入金の借入・返済による純増減額の増加(前年同期比8億67百万円収入の増加)によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当社グループの業務内容は、役務提供を主体としているため、該当事項はありません。
b 外注費及び商品仕入実績
当連結会計年度の外注費及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | ||||
建物管理運営事業 | ( | 368,404 36,414,089 | ) | ( | 102.1 103.9 | ) |
環境施設管理事業 | ( | 56,324 2,036,066 | ) | ( | 89.5 102.6 | ) |
不動産ファンドマネジメント事業 | ( | ― 37,223 | ) | ( | ― 81.4 | ) |
その他の事業 | ( | ― 1,777,566 | ) | ( | ― 132.6 | ) |
合計 | ( | 424,728 40,264,945 | ) | ( | 100.3 104.8 | ) |
(注) 1 本表中の( )内は、商品仕入額で、( )外記載の内数であります。
2 外注仕入は、当社グループの管理受託業務の一部又は全部を下請(外注)業者に作業委託しているものであります。
3 商品仕入は、主として衛生・清掃用消耗品の仕入であります。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注の状況
当社グループの業務内容は、役務提供を主体としているため、該当事項はありません。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
建物管理運営事業 | 83,975,219 | 103.7 |
環境施設管理事業 | 9,757,950 | 106.3 |
不動産ファンドマネジメント事業 | 463,083 | 80.2 |
その他の事業 | 2,282,444 | 131.8 |
合計 | 96,478,696 | 104.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する下記の分析を行っております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産、負債の報告数値、偶発債務等の予測並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき継続的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、既存管理案件が高水準で継続したことに加え、工事関連業務の受注も堅調に推移したことにより、964億78百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
(売上原価)
売上原価につきましては、取引先のコスト抑制の影響はあったものの、仕入形態の見直しや時間管理の徹底を図りコストの削減・抑制に務めたことにより、原価率は前連結会計年度と比べほぼ同水準の80.5%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に比べ1億14百万円増加し130億61百万円となりました。主な要因といたしましては、組織体制強化による管理コストの増加によるものであります。
(営業外損益)
営業外収益につきましては、持分法による投資利益の増加等により、前連結会計年度に比べ91百万円増加し、7億58百万円となりました。
営業外費用につきましては、為替差損の減少等により、前連結会計年度に比べ75百万円減少し、1億51百万円となりました。
(特別損益)
特別利益につきましては、投資有価証券の売却の減少により、前連結会計年度に比べ2億89百万円減少し、2億26百万円となりました。
特別損失につきましても、前期に発生した子会社株式評価損の影響により、前連結会計年度に比べ69百万円減少し、30百万円となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等の合計は、前連結会計年度とほぼ同水準の20億40百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度より0.9ポイント減少し、31.0%となりました。
b 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ65億93百万円(10.6%増)増加し688億73百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ33億70百万円(9.4%増)増加し392億29百万円、固定資産は前連結会計年度末に比べ32億22百万円(12.2%増)増加し296億44百万円となりました。
増加の主な要因は、大型工事の受注による売掛金の増加(前年同期比23億75百万円増)や株価上昇に伴う投資有価証券の増加(前年同期比25億28百万円増)によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、買掛金の増加(前年同期比14億6百万円増)やマスターリース契約による預り保証金の増加(前年同期比8億27百万円増)により、負債の合計は前連結会計年度末に比べ28億54百万円(13.7%増)増加し236億70百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ37億38百万円(9.0%増)増加し452億3百万円となりました。
増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末の64.38%と比べ0.23ポイント減少し64.15%となりました。
当社グループは、経営に必要な流動性の確保と健全なバランスシートの維持を財務方針といたしております。
c キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d 検討内容
以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億19百万円増加し、44億46百万円となりました。また、自己資本当期純利益率は10.6%となり、目標とする経営指標である10%以上を維持することが出来ましたが、総資産経常利益率は9.7%となり、目標とする経営指標である10%を下回る結果となりました。
e セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析
(建物管理運営事業)
主たる業務であるビル管理業務及び保安警備の建物管理運営事業につきましては、新規案件の受託は厳しい状況で推移したものの、工事関連業務の受注が増加したことにより、当連結会計年度の売上高は839億75百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
利益面におきましても、受託単価の伸び悩み等の影響もありましたが、コスト管理の徹底を図り、セグメント利益は89億2百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
また当連結会計年度末のセグメント資産は、大型工事の受注による売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ3億63百万円(1.0%増)増加し360億4百万円となりました。
(環境施設管理事業)
上下水道処理施設等の生活環境全般にかかる公共施設管理を主体とする環境施設管理事業につきましては、ゴミ焼却施設等を中心に新規管理案件の受託や契約更改が堅調であったことに加え、大型工事を受注できたことにより、当連結会計年度の売上高は97億57百万円(前年同期比6.3%増)となりました。同事業の主要取引先である地方自治体の財政は依然として緊縮傾向にあり、民間ノウハウの活用余地が大きく、潜在的に大きな市場と捉えております。
利益面におきましても、高原価物件や仕入価格の見直しに加え、適正な人員配置を中心にコスト削減に努めてまいりました結果、セグメント利益は11億34百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
また当連結会計年度末のセグメント資産は、現金及び預金や大型工事の受注による売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ5億51百万円(18.9%増)増加し34億71百万円となりました。
(不動産ファンドマネジメント事業)
不動産ファンドの組成・資産運用を行うアセットマネジメント及び匿名組合への出資を主体とする不動産ファンドマネジメント事業につきましては、運用資産の売却に伴う収益は発生しましたが、運用資産売却に伴い運用報酬が減少したことにより、当連結会計年度の売上高は4億63百万円(前年同期比19.8%減)となりました。
利益面におきましても、経費の節減や業務の効率化に努めてまいりましたが、前述の運用報酬が減少したことにより、セグメント利益は84百万円(前年同期比51.4%減)となりました。
また当連結会計年度末のセグメント資産は、新規連結に伴う販売用不動産の増加等により、前連結会計年度末に比べ15億64百万円(106.5%増)増加し30億34百万円となりました。
(その他の事業)
イベントの企画・運営、印刷、デザインを主体としたその他の事業は、イベント業務の受託増により、当連結会計年度の売上高は22億82百万円(前年同期比31.8%増)、セグメント利益は3億43百万円(前年同期比70.8%増)となりました。
また当連結会計年度末のセグメント資産は、イベント業務の受託増に伴う売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ5億6百万円(53.2%増)増加し14億57百万円となりました。