有価証券報告書-第53期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の動向と政策に関する不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されるなか、企業収益は改善し、雇用・所得環境にも改善が見られるなど、緩やかな回復が続きました。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、企業収益の改善にともない、顧客企業におけるIT投資需要は引き続き堅調に推移いたしました。AI、IoT、ビッグデータ、ブロックチェーン等の技術を利用する新しい製品、サービス、ビジネスモデルで競争上の優位性を確立する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」への取り組みや、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)、テレワークといった「働き方改革」の実現に向けたIT活用など、ITの積極活用による経営戦略実現を目指す企業のIT投資動向は強まりを見せており、今後もIT投資需要は拡大していくものと予想されております。
このような環境のもと、当社グループは、主力ソリューションによる「トップライン(売上)の拡大」を積極的に推進し、一方で、プロジェクト損失を最小限に抑えるべく、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の体制強化及び不採算プロジェクトの発生防止に努めました。また、ソフトウエア開発における部品化・再利用をはじめとする開発作業の効率化や、人事評価制度の運用における管理工数の削減といった社内業務プロセスの簡素化によるコスト削減など、収益構造の改善に取り組みました。
ホテルシステム事業につきましては、インバウンド旅行者の増加を背景とした新設ホテルの開業が続くなか、積極的な受注活動を推進し、売上、利益ともに引き続き堅調に推移いたしました。自社開発製品である金融業向け個人信用情報接続ソリューション「Ccms(シーシーエムエス)」、システムの可視化ソリューション「REVERSE PLANET(リバースプラネット)」につきましては、既存顧客の深耕や同業他社とのアライアンス強化による導入ユーザー数の拡大に努めました。また、製造業向け生産管理システム「Factory-ONE 電脳工場」をはじめとした他社製パッケージの導入・カスタマイズ案件につきましては、旺盛な需要に支えられ受注が堅調に推移いたしました。
大手SIerからの受託開発事業につきましては、かねてより官公庁をはじめとした得意分野への集中による採算性の向上を推進しておりますが、当期におきましては、金融分野の大型案件への参画にともない売上、利益ともに堅調に推移いたしました。
AI事業につきましては、「IBM Watson Explorer」を利用した業務イノベーション支援サービスの受注活動に注力し、試行導入(PoC、概念実証)から本格導入へと進むユーザーの獲得が進み、売上が伸長いたしました。地理空間情報ソフトウエア製品群「Luciad」の販売につきましては、官公庁向けの案件を獲得し、売上増、利益増に寄与いたしました。
加えて、当社子会社の株式会社フューチャー・コミュニケーションズにて運営しているコールセンター事業につきましては、電力・ガス小売り自由化にともない増加している料金関係業務を集中的に実施するため、電力会社から委託を受け開設した新事務所の運営がスタートするなど、売上面、利益面ともに大きく貢献いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前期に比べ16億64百万円(8.9%)増収の204億57百万円となりました。利益面につきましては、前期に計上したシステム開発事業における一過性損失によるマイナス影響が解消されたことに加え、増収による売上総利益の増加及び一般管理費抑制による利益率改善により、営業利益は前期に比べ6億6百万円改善の6億88百万円、経常利益は前期に比べ6億5百万円改善の7億91百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ16億85百万円改善の5億73百万円となりました。
当連結会計年度の品分類別の概況は次のとおりであります。
<システム開発>パッケージカストマイズ売上は前年より減少したものの、業務アプリケーション開発においてホテル・金融業・流通業向け開発売上が前期に比べ増加しました。
その結果、システム開発売上高は、87億26百万円(前期はシステム開発売上高80億48百万円)となりました。
<サービス>運用支援サービスは前年に比べ減少したものの、パッケージ導入サービスや顧客アプリケーション保守サービスの売上が前期に比べ増加しました。
その結果、サービス売上高は、89億50百万円(前期はサービス売上高83億90百万円)となりました。
<システム機器等販売>サーバの販売は前期に比べ減少したものの、パソコン等の販売やパッケージの販売が前年に比べ増加しました。
その結果、システム機器等販売売上高は、27億80百万円(前期はシステム機器等販売売上高23億54百万円)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は165億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億66百万円増加いたしました。流動資産は139億99百万円となり、15億69百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金の増加(9億80百万円)、受取手形及び売掛金の増加(4億59百万円)、商品の増加(3億21百万円)等であります。固定資産は25億51百万円となり、96百万円増加いたしました。主な要因は、その他に含まれる長期前払費用の増加(1億39百万円)、投資有価証券の減少(47百万円)等であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は79億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億51百万円増加いたしました。流動負債は41億89百万円となり、12億16百万円増加いたしました。主な要因は、賞与引当金の増加(5億5百万円)、未払法人税等の増加(2億44百万円)、その他に含まれる前受金の増加(2億28百万円)、支払手形及び買掛金の増加(1億43百万円)等であります。固定負債は37億77百万円となり、4億34百万円増加いたしました。主な要因は、退職給付に係る負債の増加(4億92百万円)等であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は85億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ15百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加(14億89百万円)、資本剰余金の減少(10億61百万円)、退職給付に係る調整累計額の減少(4億18百万円)等であります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の57.6%から51.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9億68百万円増加し、76億32百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11億48百万円(前連結会計年度は2億48百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上(7億91百万円)、賞与引当金の増加(5億5百万円)、減価償却費の計上(2億66百万円)等による収入に対して、たな卸資産の増加(3億81百万円)等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は72百万円(前連結会計年度は3億35百万円の支出)となりました。主な要因は、有価証券及び投資有価証券の売却(2億43百万円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得(47百万円)等による収入に対して、無形固定資産の取得(1億34百万円)、有形固定資産の取得(86百万円)等の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2億46百万円(前連結会計年度は4億49百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払(1億47百万円)、リース債務の返済(82百万円)等の支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績を品分類別に示すと、次のとおりであります。
| 品分類 | 生産高(千円) | 前期比(%) | |
| システム開発 | 8,754,730 | 10.1 | |
| サービス | サービス | 8,215,095 | 8.1 |
| ハード保守 | 767,337 | 0.1 | |
| 小計 | 8,982,432 | 7.4 | |
| 合計 | 17,737,162 | 8.7 | |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績を品分類別に示すと、次のとおりであります。
| 品分類 | 受注高 (千円) | 前期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前期比 (%) | |
| システム開発 | 8,357,210 | △5.5 | 1,937,509 | △16.0 | |
| サービス | サービス | 8,665,530 | 13.8 | 1,297,195 | 59.2 |
| ハード保守 | 766,222 | △0.1 | 5,088 | △18.0 | |
| 小計 | 9,431,753 | 12.5 | 1,302,284 | 58.6 | |
| システム機器等販売 | 3,374,996 | 53.5 | 1,043,438 | 132.4 | |
| 合計 | 21,163,960 | 8.9 | 4,283,232 | 19.8 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績を品分類別に示すと、次のとおりであります。
| 品分類 | 販売高(千円) | 前期比(%) | |
| システム開発 | 8,726,142 | 8.4 | |
| サービス | サービス | 8,183,115 | 7.3 |
| ハード保守 | 767,337 | 0.1 | |
| 小計 | 8,950,452 | 6.7 | |
| システム機器等販売 | 2,780,587 | 18.1 | |
| 合計 | 20,457,182 | 8.9 | |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 日本電気株式会社 | 3,551,891 | 18.9 | 4,327,893 | 21.2 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積り及び判断につきましては、過去の実績及び状況等から合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、前期比16億64百万円増収の204億57百万円、営業利益は前期比6億6百万円増益の6億88百万円となり、「増収増益」となりました。
この営業利益につきまして、前期からの変動要因を分析いたしますと、増収による利益増が3億76百万円、売上総利益率改善による利益増が1億38百万円、販売費及び一般管理費の減少による利益増が91百万円であります。
当社グループは、主力ソリューションによる「トップライン(売上)の拡大」を掲げ、営業力の強化を図り、受注獲得を積極的に推進いたしました。その結果、前期比8.9%の増収を達成することができました。売上総利益率につきましては、プロジェクト損失を最小限に抑えるべく取り組んでまいりましたPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の体制強化等が効果を発揮し、新たな大型の不採算プロジェクトの発生を抑えることができました。その結果、売上総利益率は前期に比べ0.7ポイント改善いたしました。また、販管費及び一般管理費につきましては、間接部門から直接部門への要員シフトを実施した結果、人件費の減少につながりました。
(売上高営業利益率)
当社グループは目標とする経営指標として「売上高営業利益率」を用いており、中長期的な目標として「5%」を設定しております。当連結会計年度における当社グループの売上高営業利益率は前期に比べ3.0ポイント改善し3.4%となりました。今後につきましては、目標到達に向けて、プロジェクト損失のさらなる抑制、売上の増大、及び収益性の改善に向けた施策を実施してまいります。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は前期比2百万円増加の1億10百万円となりました。また、営業外費用は前期比3百万円増加の6百万円となりました。
その結果、経常利益は前期比6億5百万円改善の7億91百万円となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益)
特別利益につきましては、前連結会計年度の34百万円に対し、当連結会計年度の発生はありませんでした。また、特別損失につきましても、前連結会計年度2億27百万円に対し、当連結会計年度の発生はありませんでした。その結果、税金等調整前当期純利益は前期比7億99百万円改善の7億91百万円となりました。
また、法人税等は、前連結会計年度に発生した繰延税金資産取崩しの反動により、前期比8億86百万円減少の2億18百万円となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比16億85百万円改善し、5億73百万円となりました。
(自己資本比率)
当連結会計年度末の自己資本比率につきましては51.9%となり、前連結会計年度末の57.6%から5.7ポイント低下いたしましたが、このたびの自己資本比率の低下につきましては、一時的な要因によるものであり、当社としては大きな問題はないと認識しております。
なお、自己資本比率変動の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(資金の財源及び資金の流動性)
当社グループの主要な資金需要は、ソフトウエア開発及びサービス提供のための労務費、外注費、経費、販売用ハードウエア等の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用、並びに市場販売目的ソフトウエアの改良・強化にかかる投資等であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本方針としております。今後もたな卸資産の削減、受注の増大及び売掛金の早期回収等により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を図ってまいります。
当連結会計年度におきましては、営業活動によるキャッシュ・フローが大きく拡大したことにより、当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物の残高は76億32百万円と、前期末比9億68百万円増加いたしました。
なお、キャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
キャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
| 第49期 2015年3月期 | 第50期 2016年3月期 | 第51期 2017年3月期 | 第52期 2018年3月期 | 第53期 2019年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 61.1 | 60.1 | 60.6 | 57.6 | 51.9 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 36.2 | 30.8 | 34.1 | 47.1 | 56.0 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍) | 53.9 | ― | 0.4 | 1.1 | 0.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 0.9 | ― | 100.7 | 113.0 | 807.0 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末時価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。