有価証券報告書-第48期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢や、所得環境の改善傾向を背景に緩やかな景気回復が持続したものの、設備投資については、中国経済の減速などを受けた外需の低迷が輸出企業の設備投資の抑制に作用し、製造業を中心に機械受注が減少しました。海外経済においては、中国や欧州などで景気減速感が強まっていることや、米中貿易摩擦が深刻化すると金融市場の混乱や米中両国経済の悪化と世界経済への波及が懸念されることから、景気の先行きは不透明な状況が続きました。
当社の属する情報サービス産業界は、政府が発表した「世界最先端デジタル国家」の創造に向けたIT戦略において、行政サービス、市町村を含む地方公共団体、民間産業分野でのICTを活用したデジタル化をIoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)、クラウドコンピューティング、ブロックチェーン等の技術基盤で整備することにより、地域の活性化、企業活動の高度化、生産性の向上に向けた取り組みが始まっております。
このような状況の中、当社は、新技術への取り組みとして特に注力しているAIやIoT関連開発では、各社様との業務提携や販売提携を積極展開すると共に、世界の最先端技術をいち早く取り入れることによって新しい付加価値をもった業務ソリューションの提案に取り組んでまいりました。また、新規事業創出などイノベーションを生み出すことができる組織体制や人材獲得の拡大と育成サポート強化の取組みに注力してまいりました。
この結果、当社の当事業年度の売上高は、33億38百万円(前期比7.3%増)となりました。損益につきましては、営業利益74百万円(前期比55.6%減)、経常利益81百万円(前期比54.4%減)、当期純利益34百万円(前期比85.1%減)となりました。
主なセグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社の報告セグメントは、「プロダクトマーケティング事業」「ビジネスソリューション事業」「IoTソリューション事業」「クラウドソリューション事業」の4区分としておりましたが、当事業年度より、「エンタープライズソリューション事業」、「IoTインテグレーション事業」の2区分に変更することといたしました。
この変更は、Advantech Co., Ltd.との資本業務提携を受けた事業体制の刷新及び商流の再構成を目的とした新組織体制による社内業績管理区分の見直しに伴うものであります。
主な変更点として、従来のセグメント区分「ビジネスソリューション事業」を軸に「プロダクトマーケティング事業」のBIツール系事業を加えた区分を「エンタープライズソリューション事業」とし、SI・プラットフォーム型開発をソフトウェアデベロップメントセグメントとして再統合しました。また、従来の「IoTソリューション事業」及び「クラウドソリューション事業」を軸に「プロダクトマーケティング事業」の映像関連機器販売事業を加えた区分を「IoTインテグレーション事業」とし、ハードウェアベースの事業領域を広義のIoTインテグレーションセグメントとして再統合しました。
以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
「エンタープライズソリューション事業」
各業種向けの派遣常駐形態のシステム開発及び受託請負形態のシステム開発案件において、展開する全てのエリアで受注状況が良好で技術者の稼働状況が引き続き高く、また、「kintone(キントーン)」(サイボウズ株式会社が提供するビジネスアプリ作成クラウド)による基幹システム提案の引合いが好調なことから、安定した売上高を積上げしたことにより、売上高は20億26百万円(前年同期比6.1%増)となりました。
「IoTインテグレーション事業」
当社が展開するIoTプラットフォーム「Konekti®(コネクティー)」及び関連ソリューションと2018年3月に戦略的提携を締結したAdvantech Co., Ltd.が展開するIIoT製品、WISE-PaaS及びSRP(Solution Ready Platform)ソリューションを用いて、製造現場で活用できるIoTソリューション提案に注力すると共に、西日本エリアにテクニカルチームを設置する等の受注活動の推進を図りました。また、「働き方改革」を推進する企業向けに、効果的なプレゼンテーションを実現するマルチ情報共有会議システム「Mezzanine(メザニン)」と大型壁面マルチスクリーンディスプレイ販売、自動車搭載セキュリティシステムのロイヤリティ収入等により、売上高は13億11百万円(前年同期比9.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益が1億66百万円(前年同期比67.2%減)減少いたしましたが、株式の発行による収入や自己株式の処分による収入等により、前事業年度末に比べ16億68百万円増加し、当事業年度末には32億50百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1億76百万円(同9.7%減)となりました。これは主に退職給付引当金の増加による収入14百万円、売上債権の増加による支出18百万円、棚卸資産の増加による支出14百万円、税引前当期純利益80百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用された資金は、1億34百万円(前年同期は79百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10百万円、無形固定資産の取得による支出20百万円、投資有価証券の取得による支出1億円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動にの結果得られた資金は、16億26百万円(前年同期は42百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の新規借入れによる収入6億円、Advantech Co., Ltd.及びAdvantech Corporate Investment Co., Ltd.を割当先とする第三者割当による新株式の発行及び自己株式の処分による収入9億33百万円及び1億69百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| エンタープライズソリューション事業(千円) | 2,024,326 | 105.5 |
| IoTインテグレーション事業(千円) | 1,171,276 | 109.0 |
| 合計(千円) | 3,195,602 | 106.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.金額は販売価格によっております。
4.IoTインテグレーション事業におけるデータセンター事業では受注生産を行っておりませんので、これに係る生産実績は含めていません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比(%) |
| エンタープライズソリューション事業(千円) | 1,963,470 | 98.9 | 630,953 | 90.9 |
| IoTインテグレーション事業(千円) | 1,185,290 | 131.6 | 384,255 | 108.9 |
| 合計 | 3,148,760 | 109.1 | 1,015,208 | 97.0 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.IoTインテグレーション事業におけるデータセンター事業では受注生産を行っておりませんので、これに係る受注実績は含めていません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| エンタープライズソリューション事業(千円) | 2,026,747 | 106.1 |
| IoTインテグレーション事業(千円) | 1,311,962 | 109.4 |
| 合計(千円) | 3,338,709 | 107.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります
| 相手先 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 第一環境株式会社 | 328,625 | 10.5 | - | - |
当事業年度における損益計算書の売上高の10%以上を占める大口取引先は存在しないため記載を省略いたします。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社の当事業年度の経営成績等)
(資産)
当事業年度末の流動資産は40億68百万円となり、前事業年度末に比べ17億33百万円増加いたしました。これは主に、Advantech Co., Ltd.との資本業務提携契約による第三者割当増資並びに自己株式の処分の実施、及び事業規模拡大に備えた新規の借入金等により、現金及び預金が16億68百万円増加したことによるものであります。固定資産は3億93百万円となり、前事業年度末に比べ76百万円増加いたしました。これは主に、事業提携先への新規投資等により投資有価証券が94百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は44億61百万円となり、前事業年度末に比べ18億10百万円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は6億56百万円となり、前事業年度末に比べ2億12百万円増加いたしました。
これは主に、1年内返済予定の長期借入金が1億5百万円、未払費用が58百万円、未払法人税等が30百万円増加したことによるものであります。固定負債は11億35百万円となり、前事業年度末に比べ4億87百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が4億77百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は17億91百万円となり、前事業年度末に比べ7億円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は26億70百万円となり、前事業年度末に比べ11億10百万円増加いたしまし
た。これは主に第三者割当増資による資本金及び資本準備金の増加9億33百万円、自己株式の処分の実施によるその他資本剰余金の増加97百万円、自己株式の減少71百万円、並びに当期純利益の計上と配当金の支払いによる利益剰余金の増加12百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は59.8%(前事業年度末は58.8%)となりました。
(売上高)
当事業年度における売上高は、前年同期比で2億28百万円増加し、33億38百万円となりました。セグメントごとの業績につきましては、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(営業利益)
売上高は増加したものの、従業員増加による人件費及び受注案件に対応する外注加工費の増加があり、売上総利益は前年同期比で30百万円減少し、6億97百万円となりました。販売費及び一般管理費については、前期には貸倒引当金の戻入があったこと及び当期は事業税が増加したこと等により、前年同期比で62百万円増加し、6億22百万円となりました。以上の結果、営業損益は前年同期比で93百万円減少し、74百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に加えて、受取配当金5百万円、為替差益1百万円及び支払利息1百万円の発生等により、経常損益は前年同期比で96百万円減少し、81百万円の利益となりました。
(税引前当期純利益)
税引前当期純損益は前年同期比で1億66百万円減少し、80百万円の当期利益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要 「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(当社の経営成績に重要な影響を与える要因)
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社は、運転資金の調達については、自己資金および銀行借入れを主としております。当事業年度は、安定的な資金の流動性確保と今後の事業規模拡大に備えた資金需要の変動を見据え、Advantech Co., Ltd.との資本業務提携契約による第三者割当増資並びに自己株式の処分を行いました。また、主要取引銀行3行との間で合計700百万円の当座貸越契約を締結しております(当事業年度末借入未実行残高700百万円)。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社は、持続的な利益成長を目指した事業拡大の観点から、各事業における成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「売上高」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。また、積極的な人材育成への投資や適切な研究開発投資を進める一方、収益力及び資本効率の向上を図るため、ROEも重視しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(重要な会計方針及び見積り)
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。