有価証券報告書-第49期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、米中の貿易摩擦と海外景気の先行きが不透明な状況が続いているなか、国内においては雇用の改善や所得の増加、改元効果や消費税増税による駆け込み需要など、景気は緩やかな回復基調で推移しておりました。しかし、1月以降に感染が拡大した新型コロナウイルスによる経済への急速な悪化の影響は、予測のつかない状況であり、先行きは不透明なものとなっております。
当社の属する情報サービス産業界においては、IoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)、クラウドコンピューティング、ブロックチェーン等の技術基盤で整備することにより、地域の活性化、企業活動の高度化を目指す取り組みが行われております。また、働き方改革を背景にテレワークの導入も加速し、ますます企業の省力化・合理化を積極的に行う動きがみられ、それに伴うソフトウェア投資が拡大していくことが予測されます。
このような状況の中、当社は、IoT分野において業務提携や販売提携を積極展開することで市場シェアの拡大を目指し、ノウハウの集積、業務効率向上、お客様への新しいソリューションの提案活動等に取り組んでまいりました。また、既存の分野においても、ビジネスシステム開発ノウハウをベースに、お客様へ新たな付加価値の提案に努めてまいりました。
この結果、当社の当事業年度の売上高は、34億22百万円(前期比2.5%増)となりました。損益につきましては、営業利益1億3百万円(前期比39.3%増)、経常利益1億8百万円(前期比34.2%増)、当期純利益84百万円(前期比147.6%増)となりました。
主なセグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
「エンタープライズソリューション事業」
各業種向けの派遣常駐型システム開発及び受託請負型システム開発案件において、受注環境は好調で、「kintone」(サイボウズ株式会社が提供するビジネスアプリ作成クラウド)による基幹システムの売上増加、さらに、BI&CRM(Business Intelligence&Company Performance Management)ツールの「Board」につきましても受注が増加しましたが、引き続き、新規受注案件の技術者確保が困難だったことなどの影響により、売上高は19億90百万円(前年同期比1.8%減)となりました。
「IoTインテグレーション事業」
インダストリアルIoT分野へのドメインフォーカスに加えて、医療IoT分野へ展開していくことをAdvantech Co.,Ltd.と合意し、同社が展開するWISE-PaaS及びSRP(Solution Ready Platform)ソリューションと日本ラッドのインテグレーションの強力な組み合わせを推進することで新規開拓を行いました。その結果、新規案件と追加案件の受注件数が共に増加いたしました。また、医療機関向け自動再来受付システムや医療費自動精算システムの改元対応による受注増、自動車搭載セキュリティシステムのロイヤリティ収入等が堅調に推移したことにより、売上高は14億31百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益が28百万円(前年同期比34.8%増)増加しましたが、長期借入金の返済、投資有価証券の取得支出等の要因により1億55百万円減少し、当事業年度末には30億94百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、88百万円(同49.7%減)となりました。これは主に、売上債権の増加による支出43百万円、棚卸資産の増加による支出40百万円、仕入債務の増加による収入43百万円、税引前当期純利益1億9百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用された資金は、95百万円(同29.4%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出11百万円、無形固定資産の取得による支出22百万円、投資有価証券の取得による支出54百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用された資金は、1億48百万円(前年同期は16億26百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1億22百万円、配当金の支払いによる支出26百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| エンタープライズソリューション事業(千円) | 2,026,280 | 100.1 |
| IoTインテグレーション事業(千円) | 1,244,677 | 106.3 |
| 合計(千円) | 3,270,958 | 102.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.金額は販売価格によっております。
4.IoTインテグレーション事業におけるデータセンター事業では受注生産を行っておりませんので、これに係る生産実績は含めていません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比(%) |
| エンタープライズソリューション事業(千円) | 1,994,327 | 101.6 | 634,548 | 100.6 |
| IoTインテグレーション事業(千円) | 1,253,472 | 105.8 | 388,104 | 101.0 |
| 合計 | 3,247,799 | 103.2 | 1,022,652 | 100.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.IoTインテグレーション事業におけるデータセンター事業では受注生産を行っておりませんので、これに係る受注実績は含めていません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| エンタープライズソリューション事業(千円) | 1,990,732 | 98.2 |
| IoTインテグレーション事業(千円) | 1,431,496 | 109.1 |
| 合計(千円) | 3,422,228 | 102.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当事業年度末の流動資産は40億12百万円となり、前事業年度末に比べ55百万円減少いたしました。これは主に、借入金返済等により現金及び預金が1億55百万円減少、売掛金が53百万円、仕掛品が21百万円及び前払費用が32百万円増加したことによるものであります。固定資産は4億47百万円となり、前事業年度末に比べ54百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が48百万円及びソフトウェアが7百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は44億60百万円となり、前事業年度末に比べ0百万円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は7億21百万円となり、前事業年度末に比べ65百万円増加いたしました。これは主に、未払費用が72百万円減少いたしましたが、買掛金が43百万円、前受金が67百万円、受注損失引当金が21百万円増加したことによるものであります。固定負債は10億16百万円となり、前事業年度末に比べ1億19百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が1億20百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は17億37百万円となり、前事業年度末に比べ54百万円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は27億23百万円となり、前事業年度末に比べ53百万円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上および配当金の支払いによる利益剰余金の増加57百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は61.0%(前事業年度末は59.8%)となりました。
(売上高)
当事業年度における売上高は、前年同期比で83百万円増加し、34億22百万円となりました。セグメントごとの業績につきましては、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1)経営成績等の状況の概要」「①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
IOTインテグレーション事業にて売上高が増加したことにより、エンタープライズソリューション事業での不採算プロジェクト発生による受注損失引当金の計上があったものの、売上総利益は前年同期比で69百万円増加し、7億67百万円となりました。
販売費及び一般管理費については、営業体制の強化のため人件費の増加があり、前年同期比で40百万円増加し、6億63百万円となりました。以上の結果、営業損益は前年同期比で29百万円増加し、1億3百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に加えて、受取利息4百万円、受取配当金2百万円、名古屋事業所移転に伴う受取補償金1百万円、支払利息2百万円、為替差損1百万円の発生等により、経常損益は前年同期比で27百万円増加し、1億8百万円の利益となりました。
(税引前当期純利益)
税引前当期純損益は前年同期比で28百万円増加し、1億9百万円の利益となりました。
(当社の経営成績に重要な影響を与える要因)
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社は、持続的な利益成長を目指した事業拡大の観点から、各事業における成長性や効率性の向上に取り組んでおり、「売上高」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。また、積極的な人材育成への投資や適切な研究開発投資を進める一方、収益力及び資本効率の向上を図るため、ROEも重視しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要 「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、資金需要については、営業活動で使用される運転資金他、設備投資や事業規模拡大に向けた戦略的投資であります。運転資金の調達については、自己資金および銀行借入れを主としており、戦略的投資に向けた資金調達については、資本業務提携や第三者割当増資等により調達しております。当事業年度末時点において、長期借入金の残高は480百万円であります。また、主要取引銀行4行との間で合計800百万円の当座貸越契約を締結しております(当事業年度末借入未実行残高800百万円)。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)に記載しております。この財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては第5経理の状況 1財務諸表等 注記事項(追加情報)に記載をしております。