四半期報告書-第28期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/12 15:32
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当社を取り巻く市場環境は、当社グループが事業展開する電子決済市場、インターネット広告市場ともに今後も継続的な成長が見込まれております。2020年の消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により同分野で最も市場規模の大きい旅行サービスが前年比約6割減と大きく影響を受けたことで、前年比0.4%減の19兆2,779億円となりました(注1)。一方で、2018年4月に内閣府主導の下、国内のキャッシュレス決済比率を2017年の21.3%(注2)から2025年に40%とする目標が設定され(注3)、キャッシュレス化が推進されている背景から、今後も電子決済市場の成長が見込まれます。また、インターネット広告市場は、2021年にインターネット広告費がマスコミ四媒体広告費を初めて上回り、前年比21.4%増となる2兆7,052億円(注4)となるなど、社会のデジタル化加速が追い風となり引き続き市場の成長が見込まれております。
出所 (注1)経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書(2021年7月)」
(注2)一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ 2022(2022年6月)」
(注3)経済産業省「キャッシュレス・ビジョン(2018年4月)」
(注4)㈱電通「2021年日本の広告費」
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
当第1四半期
連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年6月30日)
前年同期比
増減額増減率
(%)
収益10,84317,7346,89163.6
税引前四半期利益4,87411,2046,330129.9
四半期利益3,3107,4204,110124.2
親会社の所有者に帰属する
四半期利益
3,3437,4674,124123.4
四半期包括利益3,2367,5854,349134.4

当第1四半期連結累計期間の収益は17,734百万円(前年同期比6,891百万円増、同63.6%増)、税引前四半期利益は11,204百万円(前年同期比6,330百万円増、同129.9%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は7,467百万円(前年同期比4,124百万円増、同123.4%増)、四半期包括利益は7,585百万円(前年同期比4,349百万円増、同134.4%増)となりました。当第1四半期連結累計期間は、フィナンシャルテクノロジー事業の業績が決済取扱高の増加に伴い堅調に推移したほか、ロングタームインキュベーション事業において、持分法適用会社である㈱カカクコムの業績が、外食業界が回復に向かったこと等を受け、前年同期を上回りました。また、インキュベーションテクノロジー事業において、既存投資先の公正価値が堅調に増加したほか、外貨建営業投資有価証券が米ドル高の進行による為替影響を受けたことにより増収増益となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、不動産業界のDX化を推進する「Musubell事業」をマーケティングテクノロジー事業からロングタームインキュベーション事業へセグメント変更をしております。前第1四半期連結累計期間は、当セグメント変更後のセグメント区分に基づき作成したものを開示しております。また、当セグメント変更による影響額は軽微であります。
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
当第1四半期
連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年6月30日)
前年同期比
増減額増減率
(%)
フィナンシャル
テクノロジー事業
収益2,5162,7212058.1
税引前四半期利益1,1081,121131.2
マーケティング
テクノロジー事業
収益3,2172,927△289△9.0
税引前四半期利益248101△147△59.4
インキュベーション
テクノロジー事業
収益4,0158,9374,922122.6
税引前四半期利益3,6368,4804,844133.2
ロングタームインキュベーション事業収益1,0341,24621220.5
税引前四半期利益57468411019.1
調整額収益611,9031,842-
税引前四半期利益△6928181,510-
合計収益10,84317,7346,89163.6
税引前四半期利益4,87411,2046,330129.9

[フィナンシャルテクノロジー事業]
フィナンシャルテクノロジー事業では、Eコマース(EC)をはじめとするBtoCの商取引に必要不可欠なクレジットカード決済やコンビニ決済等の電子決済ソリューション及び決済周辺サービス等の提供を行っております。
当第1四半期連結累計期間は、決済事業において非対面領域、対面領域ともに堅調に拡大し、決済取扱高は前年同期比約18%増の1兆2,368億円、決済取扱件数は同約22%増の2.2億件となりました。一方で、前連結会計年度に行ったシステムの増強及びオペレーションの冗長化を企図した設備投資等により固定費が増加しました。
これらの結果、収益は2,721百万円(前年同期比205百万円増、同8.1%増)、税引前四半期利益は1,121百万円(前年同期比13百万円増、同1.2%増)となりました。
[マーケティングテクノロジー事業]
マーケティングテクノロジー事業では、総合的なデジタルマーケティングや様々なデータを活用したデータマーケティングビジネス等を行っております。
当第1四半期連結累計期間は、インターネット広告を手掛ける当社マーケティングテクノロジーカンパニーにおいて、主力のデジタルアド事業が底堅く推移しました。一方で、不動産広告領域においては前年同期に計上した大型プロジェクト案件の反動により収益が減少しました。
これらの結果、収益は2,927百万円(前年同期比289百万円減、同9.0%減)、税引前四半期利益は101百万円(前年同期比147百万円減、同59.4%減)となりました。
[インキュベーションテクノロジー事業]
インキュベーションテクノロジー事業では、国内外のスタートアップ企業等への投資及び当社グループ内の事業との連携による投資先の育成等を行っております。
当第1四半期連結累計期間は、既存投資先の公正価値が堅調に増加したほか、外貨建営業投資有価証券が米ドル高の進行による為替影響を受けたことにより、収益は8,937百万円(前年同期比4,922百万円増、同122.6%増)、税引前四半期利益は8,480百万円(前年同期比4,844百万円増、同133.2%増)となりました。
また、営業投資有価証券の残高は、86,565百万円(前連結会計年度末比8,616百万円増)となりました。
[ロングタームインキュベーション事業]
ロングタームインキュベーション事業では、当社グループがこれまで培ってきた投資育成や事業開発のノウハウを活かし、中長期的かつ継続的な事業利益の創出に取り組んでおります。
当第1四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の解除等により、外食業界が回復に向かったことを受け、持分法適用会社である㈱カカクコムの業績が前年同期を上回り、収益は1,246百万円(前年同期比212百万円増、同20.5%増)、税引前四半期利益は684百万円(前年同期比110百万円増、同19.1%増)となりました。
② 財政状態
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2022年3月31日)
当第1四半期
連結会計期間
(2022年6月30日)
前連結会計年度末比
増減額増減率
(%)
流動資産147,642155,8288,1865.5
非流動資産83,96586,4332,4682.9
資産合計231,607242,26110,6534.6
流動負債59,24260,5251,2842.2
非流動負債75,14978,3013,1534.2
負債合計134,390138,8274,4363.3
資本合計97,217103,4346,2176.4

(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて10,653百万円増加し、242,261百万円となりました。この主な要因は、決済事業等に係る営業債権及びその他の債権が4,536百万円減少した一方、営業投資有価証券が8,616百万円、現金及び現金同等物が3,332百万円、投資有価証券等のその他の金融資産(非流動資産)が1,167百万円、持分法で会計処理されている投資が1,072百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて4,436百万円増加し、138,827百万円となりました。この主な要因は、金融資産の公正価値の増加等により繰延税金負債が3,202百万円、社債及び借入金(流動負債及び非流動負債)が2,400百万円増加したことによるものであります。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて6,217百万円増加し、103,434百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が配当金により1,648百万円減少した一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上により7,467百万円増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
(自 2021年4月1日
至 2021年6月30日)
当第1四半期
連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年6月30日)
前年同期比
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー7973,4692,672
投資活動によるキャッシュ・フロー△321△573△252
財務活動によるキャッシュ・フロー△2,5633842,947
現金及び現金同等物の期末残高35,92446,74810,824

当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、46,748百万円(前連結会計年度末比3,332百万円増、同7.7%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動の結果、獲得した資金は3,469百万円となりました。収入の主な内訳は、税引前四半期利益11,204百万円、営業債権及びその他の債権の減少額4,510百万円であり、支出の主な内訳は、営業投資有価証券の増加額8,151百万円、持分法による投資利益1,907百万円、投資有価証券に関する利益1,478百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動の結果、使用した資金は573百万円となりました。支出の主な内訳は、無形資産の取得による支出418百万円、有形固定資産の取得による支出109百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動の結果、獲得した資金は384百万円となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の純増額1,500百万円、長期借入れによる収入1,100百万円であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額1,628百万円、リース負債の返済による支出436百万円であります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、当社グループの要約四半期連結財務諸表は、「四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この要約四半期連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。要約四半期連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(4)経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、41百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。