有価証券報告書-第27期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当期における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における我が国経済は、企業業績の回復や賃上げ等の雇用環境の改善を背景に全体として緩やかな回復基調を維持しました。日銀は長期にわたる大規模な金融緩和策を見直し、段階的な金利の正常化に踏み切りましたが、米国のトランプ政権による通商政策の転換が懸念材料であり、特に日本の輸出総額約107兆円の内、6%超を占める自動車及び自動車部品に関する関税交渉の進展次第では、対米輸出の大幅減少による国内経済への悪影響が見込まれ、追加利上げの足かせにもなっています。
なお日経平均株価は、2024年7月には米国の利下げ期待と国内企業の堅調な業績を背景に、史上最高値となる4万2,426円を記録しましたが、8月には米中摩擦の再燃や日銀の利上げ決定を受けて3万1,156円まで急落しました。10月以降、4万円台を回復する場面もありましたが、2025年2月にはトランプ政権の関税強化発表により再び下落するなど、ボラティリティの高い1年となりました。
このような状況下で、当企業グループの当期における連結業績は、収益が前期比19.3%増の1兆4,437億円となり過去最高を更新しました。金融サービス事業の収益が前期比9.9%増の過去最高となる1兆2,022億円となったことや、投資事業の収益が前期比341.5%増の1,127億円となったことが大きく貢献しています。
利益面については、金融サービス事業が堅調であったことに加え、未上場銘柄の評価額が向上したことで前期において税引前損失約177億円を計上していた投資事業が、税引前利益約672億円と大きく好転したことが寄与し、連結での税引前利益は前期比99.4%増の2,823億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同85.8%増の1,621億円となりました。
当企業グループにおいて、収益および利益の両面で最大かつ安定的な貢献をしている金融サービス事業につきましては、金利上昇局面を追い風に連結業績に対する寄与度の点で銀行事業が証券事業を上回る規模となっています。銀行事業の中核となるSBI新生銀行は、銀証連携を中心とする当企業グループとの連携諸施策で既に一定の成果を挙げ、当連結会計年度の業績は、実質業務純益が前期比27%増となる1,302億円(小数点以下切り捨て)となるなど、前期比で大幅な増収増益を達成しています。また住信SBIネット銀行や韓国のSBI貯蓄銀行の業績も好調でした。SBI証券は、オンラインでの国内株式売買手数料を無料にするゼロ革命が通期で影響したにもかかわらず、収益源の多様化等の諸施策が奏功したことで、当期の業績は前期比で増収増益を達成しました。
また、規制緩和により暗号資産業界の発展を支援するトランプ大統領の就任への期待から、暗号資産市場が活性化し、暗号資産マーケットメイカーの英国B2C2社や暗号資産交換業者の業績が好調でした。
当企業グループは、「金融サービス事業」や「資産運用事業」、「投資事業」に加え、今後も成長領域として期待される「暗号資産事業」、バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業のほかWeb3関連の先進的な分野に取り組む事業等が含まれる「次世代事業」の5つの事業セグメントを報告セグメントとしております。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(%表示は対前期増減率)
(金融サービス事業)
国内外における証券関連事業、銀行事業、保険事業を中核とした多様な金融関連事業を行っております。
当期における収益は1,202,206百万円(前期比9.9%増加)、税引前利益は225,369百万円(同30.3%増加)となりました。これは主に、銀行事業における「償却原価で測定される金融資産から生じる受取利息」の増加等の要因によるものであります。
(資産運用事業)
投資信託の設定、募集、運用などの投資運用や投資助言、金融商品の情報提供等を行っております。
当期における収益は33,811百万円(同14.8%増加)、税引前利益は5,447百万円(同12.5%増加)となりました。これは主に、新NISAの開始による各社の運用資産残高の増加等の要因によるものであります。
(投資事業)
国内外のIT、フィンテック、ブロックチェーン、金融及びバイオ関連のベンチャー企業等への投資に関する事業等を行っております。
当期における収益は112,708百万円(同341.5%増加)、税引前利益は67,188百万円の利益(前期は17,729百万円の損失)となりました。これは主に、企業への投資において認識される「FVTPLで測定する金融資産から生じる収益」の増加等の要因によるものであります。
(暗号資産事業)
暗号資産の交換・取引サービスを提供する暗号資産交換業等を行っております。
当期における収益は80,797百万円(同41.4%増加)、税引前利益は21,220百万円(同151.8%増加)となりました。これは主に、暗号資産価格の上昇等の要因によるものであります。
(次世代事業)
生体内に存在するアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(5-ALA)を活用した医薬品・健康食品・化粧品の開発・販売や、がん及び免疫分野等における抗体医薬・核酸医薬の研究開発に関する事業、医療・健康情報のデジタル化や医療ビッグデータの活用を推進するソリューション・サービスの提供及び医療金融に関する事業等を行うバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業のほか、Web3関連の先進的な分野に取り組む事業や再生可能エネルギー事業、アフリカをはじめとした海外新市場で展開する事業等を行っております。
当期における収益は30,662百万円(同15.1%増加)、税引前利益は9,944百万円の損失(前期は4,952百万円の損失)となりました。
なお、当期末の総資産は32,113,430百万円となり、前期末の27,139,391百万円から4,974,039百万円の増加となりました。また、資本は前期末に比べ143,553百万円減少し、1,763,793百万円となりました。
② キャッシュ・フロー
当期末の現金及び現金同等物残高は5,500,548百万円となり、前期末の4,580,335百万円から920,213百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,508,745百万円の収入(前期は1,345,740百万円の収入)となりました。これは主に、「営業債権及びその他の債権の増減」が2,119,633百万円の支出となった一方で、「顧客預金の増減」が2,928,372百万円の収入及び「社債及び借入金(銀行業)の増減」が556,359百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,060,455百万円の支出(前期は65,116百万円の支出)となりました。これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」が1,413,476百万円となった一方で、「投資有価証券の取得による支出」が2,589,620百万円となったこと等の要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、445,892百万円の収入(前期は29,172百万円の収入)となりました。これは主に、「社債の償還による支出」が3,311,115百万円及び「長期借入金の返済による支出」が176,157百万円となった一方で、「社債の発行による収入」が3,682,052百万円及び「短期借入金の純増減額」が310,178百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産及び受注の実績については、該当する情報がないため記載しておりません。また、販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」に各セグメントの収益として記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
当企業グループの連結財務諸表はIFRS会計基準に準拠して作成しております。IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、他の情報源から直ちに明らかにならない資産及び負債の帳簿価額について、見積もり、判断及び仮定の設定を行う必要があります。見積もり及びそれに関する仮定は、関係が深いと思われる過去の経験及びその他の要素に基づいております。実績はこれらの見積もりと異なる場合があります。
当企業グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。また、当該会計方針のうち、将来に関する仮定及び報告期間末における見積もりの不確実性の要因となる事項で、特に重要性があるものについては、「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 (4) 見積もり及び判断の利用」に記載しております。これらは、当期及び来期以降に資産や負債の帳簿価額に対して重大な調整をもたらすリスクを含んでおります。
② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期における当企業グループを取り巻く事業環境は、企業業績の回復や賃上げ等の雇用環境の改善を背景に全体として緩やかな回復基調を維持しました。日銀は長期にわたる大規模な金融緩和策を見直し、段階的な金利の正常化に踏み切りましたが、米国のトランプ政権による通商政策の転換が懸念材料であり、特に日本の輸出総額約107兆円の内、6%超を占める自動車及び自動車部品に関する関税交渉の進展次第では、対米輸出の大幅減少による国内経済への悪影響が見込まれ、追加利上げの足かせにもなっています。
なお日経平均株価は、2024年7月には米国の利下げ期待と国内企業の堅調な業績を背景に、史上最高値となる4万2,426円を記録しましたが、8月には米中摩擦の再燃や日銀の利上げ決定を受けて3万1,156円まで急落しました。10月以降、4万円台を回復する場面もありましたが、2025年2月にはトランプ政権の関税強化発表により再び下落するなど、ボラティリティの高い1年となりました。
(金融サービス事業)
SBI新生銀行(日本会計基準)は、法人業務における事業法人を中心とした貸出残高増加による金利収益や、海外事業での大口保証案件実行による手数料収益の計上等が寄与し、前期比で大幅な増収増益となりました。持分法適用関連会社の住信SBIネット銀行は、住宅ローン事業で貸出が順調に拡大したほか、運用利回り上昇によって資金運用収益が増加したこと等を背景に、当企業グループにおけるIFRS取り込みベースの持分法による投資利益は前期比44.3%増の6,436百万円となりました。韓国のSBI貯蓄銀行は、基礎的収支が堅調に推移し、融資債権劣化はほぼ収束するなど業績は改善傾向にあり、自己資本比率も17.81%(2025年3月末)と過去最高を記録しました。
SBI証券(日本会計基準)は、「ゼロ革命」(国内株式のオンライン取引に係る手数料の無料化)により通期で約380億円の逸失収益を生じたものの、収益源の多様化が奏功し収益減少をオフセットしたことで、営業収益、営業利益、当期純利益等がいずれも過去最高となりました。
SBIインシュアランスグループ(日本会計基準)は、保有契約件数の堅調な増加により増収増益となりました。
上記の結果、金融サービス事業の収益は過去最高となる前期比9.9%増の1兆2,022億円、税引前利益は同30.3%増の2,254億円となりました。
(資産運用事業)
新NISA開始により、資産運用事業に属する各社の運用資産残高が大幅に増加したこと等が寄与し、資産運用事業の収益は過去最高となる前期比14.8%増の338億円、税引前利益は同12.5%増の54億円となりました。
(投資事業)
投資事業では、未上場銘柄の評価額が向上した結果、前期の税引前損失から672億円の黒字へと大きく改善しました。
なお2025年4月より投資事業はPE投資事業に名称を変更しております。
(暗号資産事業)
トランプ大統領の就任により暗号資産市場が活性化する中、暗号資産マーケットメイカーの英国B2C2社の収益や利益が大きく伸びたことに加え、暗号資産取引所でも顧客基盤の拡大や新施策が奏功したことで、暗号資産事業の収益は過去最高となる前期比41.4%増の808億円、税引前利益も過去最高となる同151.8%増の212億円となりました。
(次世代事業)
バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業では、前期に5-ALA関連事業において計上した健康食品事業用の原料在庫の評価替えに伴う特別損失が当期は発生しなかったこともあり、黒字を確保しました。Web3・デジタルアセット等の先端技術領域は、利益貢献し始めた事業も一部あるものの、全体としては未だ先行投資の段階です。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。
④ 戦略的事業展開について
戦略的事業展開については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a) 資金需要及び資金の調達源
当企業グループの事業活動における主な資金需要としては、証券関連事業における信用取引に係る顧客への貸付資金、銀行関連事業及び海外金融サービス事業における貸付資金、投資事業における投資資金等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、銀行借入による間接金融、社債やエクイティファイナンス等の直接金融、証券会社や証券金融会社との取引、コールマネー、顧客預金の受入及び貸出金その他の資産の流動化等により資金を調達しております。
(b) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」に記載しております。
当期における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における我が国経済は、企業業績の回復や賃上げ等の雇用環境の改善を背景に全体として緩やかな回復基調を維持しました。日銀は長期にわたる大規模な金融緩和策を見直し、段階的な金利の正常化に踏み切りましたが、米国のトランプ政権による通商政策の転換が懸念材料であり、特に日本の輸出総額約107兆円の内、6%超を占める自動車及び自動車部品に関する関税交渉の進展次第では、対米輸出の大幅減少による国内経済への悪影響が見込まれ、追加利上げの足かせにもなっています。
なお日経平均株価は、2024年7月には米国の利下げ期待と国内企業の堅調な業績を背景に、史上最高値となる4万2,426円を記録しましたが、8月には米中摩擦の再燃や日銀の利上げ決定を受けて3万1,156円まで急落しました。10月以降、4万円台を回復する場面もありましたが、2025年2月にはトランプ政権の関税強化発表により再び下落するなど、ボラティリティの高い1年となりました。
このような状況下で、当企業グループの当期における連結業績は、収益が前期比19.3%増の1兆4,437億円となり過去最高を更新しました。金融サービス事業の収益が前期比9.9%増の過去最高となる1兆2,022億円となったことや、投資事業の収益が前期比341.5%増の1,127億円となったことが大きく貢献しています。
利益面については、金融サービス事業が堅調であったことに加え、未上場銘柄の評価額が向上したことで前期において税引前損失約177億円を計上していた投資事業が、税引前利益約672億円と大きく好転したことが寄与し、連結での税引前利益は前期比99.4%増の2,823億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同85.8%増の1,621億円となりました。
当企業グループにおいて、収益および利益の両面で最大かつ安定的な貢献をしている金融サービス事業につきましては、金利上昇局面を追い風に連結業績に対する寄与度の点で銀行事業が証券事業を上回る規模となっています。銀行事業の中核となるSBI新生銀行は、銀証連携を中心とする当企業グループとの連携諸施策で既に一定の成果を挙げ、当連結会計年度の業績は、実質業務純益が前期比27%増となる1,302億円(小数点以下切り捨て)となるなど、前期比で大幅な増収増益を達成しています。また住信SBIネット銀行や韓国のSBI貯蓄銀行の業績も好調でした。SBI証券は、オンラインでの国内株式売買手数料を無料にするゼロ革命が通期で影響したにもかかわらず、収益源の多様化等の諸施策が奏功したことで、当期の業績は前期比で増収増益を達成しました。
また、規制緩和により暗号資産業界の発展を支援するトランプ大統領の就任への期待から、暗号資産市場が活性化し、暗号資産マーケットメイカーの英国B2C2社や暗号資産交換業者の業績が好調でした。
当企業グループは、「金融サービス事業」や「資産運用事業」、「投資事業」に加え、今後も成長領域として期待される「暗号資産事業」、バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業のほかWeb3関連の先進的な分野に取り組む事業等が含まれる「次世代事業」の5つの事業セグメントを報告セグメントとしております。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
| 収益 | 税引前利益 | ||||||||
| 前期 | 当期 | 前期 | 当期 | ||||||
| 百万円 | 百万円 | % | 百万円 | 百万円 | % | ||||
| 金融サービス事業 | 1,094,098 | 1,202,206 | 9.9 | 172,918 | 225,369 | 30.3 | |||
| 資産運用事業 | 29,449 | 33,811 | 14.8 | 4,843 | 5,447 | 12.5 | |||
| 投資事業 | 25,528 | 112,708 | 341.5 | (17,729) | 67,188 | - | |||
| 暗号資産事業 | 57,142 | 80,797 | 41.4 | 8,428 | 21,220 | 151.8 | |||
| 次世代事業 | 26,637 | 30,662 | 15.1 | (4,952) | (9,944) | - | |||
| 計 | 1,232,854 | 1,460,184 | 18.4 | 163,508 | 309,280 | 89.2 | |||
| 消去又は全社 | (22,350) | (16,451) | - | (21,939) | (26,990) | - | |||
| 連結 | 1,210,504 | 1,443,733 | 19.3 | 141,569 | 282,290 | 99.4 | |||
(%表示は対前期増減率)
(金融サービス事業)
国内外における証券関連事業、銀行事業、保険事業を中核とした多様な金融関連事業を行っております。
当期における収益は1,202,206百万円(前期比9.9%増加)、税引前利益は225,369百万円(同30.3%増加)となりました。これは主に、銀行事業における「償却原価で測定される金融資産から生じる受取利息」の増加等の要因によるものであります。
(資産運用事業)
投資信託の設定、募集、運用などの投資運用や投資助言、金融商品の情報提供等を行っております。
当期における収益は33,811百万円(同14.8%増加)、税引前利益は5,447百万円(同12.5%増加)となりました。これは主に、新NISAの開始による各社の運用資産残高の増加等の要因によるものであります。
(投資事業)
国内外のIT、フィンテック、ブロックチェーン、金融及びバイオ関連のベンチャー企業等への投資に関する事業等を行っております。
当期における収益は112,708百万円(同341.5%増加)、税引前利益は67,188百万円の利益(前期は17,729百万円の損失)となりました。これは主に、企業への投資において認識される「FVTPLで測定する金融資産から生じる収益」の増加等の要因によるものであります。
(暗号資産事業)
暗号資産の交換・取引サービスを提供する暗号資産交換業等を行っております。
当期における収益は80,797百万円(同41.4%増加)、税引前利益は21,220百万円(同151.8%増加)となりました。これは主に、暗号資産価格の上昇等の要因によるものであります。
(次世代事業)
生体内に存在するアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(5-ALA)を活用した医薬品・健康食品・化粧品の開発・販売や、がん及び免疫分野等における抗体医薬・核酸医薬の研究開発に関する事業、医療・健康情報のデジタル化や医療ビッグデータの活用を推進するソリューション・サービスの提供及び医療金融に関する事業等を行うバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業のほか、Web3関連の先進的な分野に取り組む事業や再生可能エネルギー事業、アフリカをはじめとした海外新市場で展開する事業等を行っております。
当期における収益は30,662百万円(同15.1%増加)、税引前利益は9,944百万円の損失(前期は4,952百万円の損失)となりました。
なお、当期末の総資産は32,113,430百万円となり、前期末の27,139,391百万円から4,974,039百万円の増加となりました。また、資本は前期末に比べ143,553百万円減少し、1,763,793百万円となりました。
② キャッシュ・フロー
当期末の現金及び現金同等物残高は5,500,548百万円となり、前期末の4,580,335百万円から920,213百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,508,745百万円の収入(前期は1,345,740百万円の収入)となりました。これは主に、「営業債権及びその他の債権の増減」が2,119,633百万円の支出となった一方で、「顧客預金の増減」が2,928,372百万円の収入及び「社債及び借入金(銀行業)の増減」が556,359百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,060,455百万円の支出(前期は65,116百万円の支出)となりました。これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」が1,413,476百万円となった一方で、「投資有価証券の取得による支出」が2,589,620百万円となったこと等の要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、445,892百万円の収入(前期は29,172百万円の収入)となりました。これは主に、「社債の償還による支出」が3,311,115百万円及び「長期借入金の返済による支出」が176,157百万円となった一方で、「社債の発行による収入」が3,682,052百万円及び「短期借入金の純増減額」が310,178百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産及び受注の実績については、該当する情報がないため記載しておりません。また、販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」に各セグメントの収益として記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
当企業グループの連結財務諸表はIFRS会計基準に準拠して作成しております。IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、他の情報源から直ちに明らかにならない資産及び負債の帳簿価額について、見積もり、判断及び仮定の設定を行う必要があります。見積もり及びそれに関する仮定は、関係が深いと思われる過去の経験及びその他の要素に基づいております。実績はこれらの見積もりと異なる場合があります。
当企業グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。また、当該会計方針のうち、将来に関する仮定及び報告期間末における見積もりの不確実性の要因となる事項で、特に重要性があるものについては、「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 (4) 見積もり及び判断の利用」に記載しております。これらは、当期及び来期以降に資産や負債の帳簿価額に対して重大な調整をもたらすリスクを含んでおります。
② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期における当企業グループを取り巻く事業環境は、企業業績の回復や賃上げ等の雇用環境の改善を背景に全体として緩やかな回復基調を維持しました。日銀は長期にわたる大規模な金融緩和策を見直し、段階的な金利の正常化に踏み切りましたが、米国のトランプ政権による通商政策の転換が懸念材料であり、特に日本の輸出総額約107兆円の内、6%超を占める自動車及び自動車部品に関する関税交渉の進展次第では、対米輸出の大幅減少による国内経済への悪影響が見込まれ、追加利上げの足かせにもなっています。
なお日経平均株価は、2024年7月には米国の利下げ期待と国内企業の堅調な業績を背景に、史上最高値となる4万2,426円を記録しましたが、8月には米中摩擦の再燃や日銀の利上げ決定を受けて3万1,156円まで急落しました。10月以降、4万円台を回復する場面もありましたが、2025年2月にはトランプ政権の関税強化発表により再び下落するなど、ボラティリティの高い1年となりました。
(金融サービス事業)
SBI新生銀行(日本会計基準)は、法人業務における事業法人を中心とした貸出残高増加による金利収益や、海外事業での大口保証案件実行による手数料収益の計上等が寄与し、前期比で大幅な増収増益となりました。持分法適用関連会社の住信SBIネット銀行は、住宅ローン事業で貸出が順調に拡大したほか、運用利回り上昇によって資金運用収益が増加したこと等を背景に、当企業グループにおけるIFRS取り込みベースの持分法による投資利益は前期比44.3%増の6,436百万円となりました。韓国のSBI貯蓄銀行は、基礎的収支が堅調に推移し、融資債権劣化はほぼ収束するなど業績は改善傾向にあり、自己資本比率も17.81%(2025年3月末)と過去最高を記録しました。
SBI証券(日本会計基準)は、「ゼロ革命」(国内株式のオンライン取引に係る手数料の無料化)により通期で約380億円の逸失収益を生じたものの、収益源の多様化が奏功し収益減少をオフセットしたことで、営業収益、営業利益、当期純利益等がいずれも過去最高となりました。
SBIインシュアランスグループ(日本会計基準)は、保有契約件数の堅調な増加により増収増益となりました。
上記の結果、金融サービス事業の収益は過去最高となる前期比9.9%増の1兆2,022億円、税引前利益は同30.3%増の2,254億円となりました。
(資産運用事業)
新NISA開始により、資産運用事業に属する各社の運用資産残高が大幅に増加したこと等が寄与し、資産運用事業の収益は過去最高となる前期比14.8%増の338億円、税引前利益は同12.5%増の54億円となりました。
(投資事業)
投資事業では、未上場銘柄の評価額が向上した結果、前期の税引前損失から672億円の黒字へと大きく改善しました。
なお2025年4月より投資事業はPE投資事業に名称を変更しております。
(暗号資産事業)
トランプ大統領の就任により暗号資産市場が活性化する中、暗号資産マーケットメイカーの英国B2C2社の収益や利益が大きく伸びたことに加え、暗号資産取引所でも顧客基盤の拡大や新施策が奏功したことで、暗号資産事業の収益は過去最高となる前期比41.4%増の808億円、税引前利益も過去最高となる同151.8%増の212億円となりました。
(次世代事業)
バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業では、前期に5-ALA関連事業において計上した健康食品事業用の原料在庫の評価替えに伴う特別損失が当期は発生しなかったこともあり、黒字を確保しました。Web3・デジタルアセット等の先端技術領域は、利益貢献し始めた事業も一部あるものの、全体としては未だ先行投資の段階です。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。
④ 戦略的事業展開について
戦略的事業展開については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a) 資金需要及び資金の調達源
当企業グループの事業活動における主な資金需要としては、証券関連事業における信用取引に係る顧客への貸付資金、銀行関連事業及び海外金融サービス事業における貸付資金、投資事業における投資資金等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、銀行借入による間接金融、社債やエクイティファイナンス等の直接金融、証券会社や証券金融会社との取引、コールマネー、顧客預金の受入及び貸出金その他の資産の流動化等により資金を調達しております。
(b) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」に記載しております。