四半期報告書-第48期第4四半期(令和2年1月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/05/11 15:45
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第4四半期連結累計期間(2019年4月1日から2020年3月31日)におけるわが国経済は、緩やかな景気回復が続きましたが、2020年1月に国内で初めて感染が確認された新型コロナウイルス感染症の影響により、足下のみならず先行きについても、同様に厳しい状況が続くと見込まれております。海外経済も、感染症の世界的大流行の影響により経済活動が抑制されており、当社グループが事業を展開するアジア地域においても中国を中心に経済活動が大幅に縮小、総じて景気が減速しており、当面この影響が続くと見込まれております。
このような状況の中、当社グループは、第12次中期経営計画の最終年となる当連結会計年度において、引き続き「“Take the Initiative” ~データ活用の領域で先手を取れ~」をグループ基本方針として掲げ、グループの持続的成長や企業価値向上を目指して、次世代サービス開発ならびに積極的な事業投資及びR&D活動を継続して実行しております。
マーケティング支援(消費財・サービス)事業においては、当事業セグメントの中核を担う株式会社インテージにおいて、SRI(全国小売店パネル調査)の進化版『SRI+』に関し、2021年のサービス本リリースに向け開発を進めております。
マーケティング支援(ヘルスケア)事業においては、2019年4月1日に株式会社アスクレップと株式会社アンテリオを経営統合して発足した「株式会社インテージヘルスケア」をセグメントの中核と位置づけ、セグメントに属する各社が保有するアセットやソリューションを駆使した新たな事業分野拡大を目指しております。
ビジネスインテリジェンス事業においては、長年に渡り培ってきたデータハンドリングノウハウやAI等の新たな技術をベースにお客様の課題解決につながる価値提供の実現を重点課題として事業の展開を図っております。
また、第12次中期経営計画を機に取り組みを進めてまいりました働き方改革についても、当社グループの最大の資産である人材の有効活用、付加価値および生産性の向上を目指した取り組みを加速しております。
こうした取り組みのもと、当社グループの当第4四半期連結累計期間の業績は、売上高56,204百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業利益4,554百万円(同6.7%増)、経常利益4,600百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,130百万円(同9.5%増)となりました。
なお、当社におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により、マーケティング支援(消費財・サービス)事業を中心に一部の業務中止や実施延期が発生しており、当第4四半期連結累計期間の業績より影響が出始めております。
事業分野別の状況は次のとおりであります。
① マーケティング支援(消費財・サービス)事業
マーケティング支援(消費財・サービス)事業の連結業績は、売上高34,898百万円(前連結会計年度比3.2%増)、営業利益2,086百万円(同5.7%減)の増収減益となりました。
当事業では、株式会社インテージにおいて、主力事業であるパネル調査が堅調に推移しております。
カスタムリサーチにおいては、提案活動の強化により、WEB調査を中心に前年を上回る好調な水準で推移いたしました。引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響も考慮しつつ、お客様のマーケティング課題解決に貢献してまいります。
コミュニケーション分野は、同社が独自に開発した技術(Dynamic Panel技術)(※1)を活用した新たなテレビ視聴計測データ(Media Gauge Dynamic Panel)の販売が伸長しております。
また、海外事業の売上は好調に推移いたしました。
利益面においては、前述のSRI+のリニューアルや新たなサービスの開発及び、海外事業(タイ等)の利益率低下などの影響を受けております。
② マーケティング支援(ヘルスケア)事業
マーケティング支援(ヘルスケア)事業の連結業績は、売上高13,725百万円(前連結会計年度比4.9%増)、営業利益は 1,710百万円(同6.6%増)の増収増益となりました。
当事業では、株式会社インテージヘルスケアにおいて、医師に対するWEBアンケート調査などの医療用医薬品・医療機器に係るカスタムリサーチや、一般用医薬品に係るパネル調査が堅調に推移する一方で、プロジェクトの小型化などが影響しCRO(医薬品開発業務受託機関)の製造販売後調査の売上が減少傾向にあります。安全性管理業務、臨床開発業務などの案件獲得を引き続き進めてまいります。
また、昨年度に子会社化した株式会社協和企画におけるプロモーション事業(※2)は、当社グループ内企業との協働案件の受注や新規顧客からの受注があるなど復調の兆しはあるものの、縮小する広告市況の影響をうけ依然として厳しい状況にあります。
利益面については、CRO事業の売上の減少やプロモーション事業の販売不振により減少したものの、カスタムリサーチやシンジケートデータ(※3)の売上の増加により増益となっております。
③ ビジネスインテリジェンス事業
ビジネスインテリジェンス事業の連結業績は、売上高7,581百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業利益758百万円 (同67.6%増)と増収増益となりました。
当事業では、株式会社インテージテクノスフィアにおいて、既存業界向けソリューションが堅調なことや、昨年度に子会社化したエヌ・エス・ケイ株式会社が貢献し、売上が伸長しております。なお、AIソリューションについては、撮像(※4)に強みをもつシーシーエス株式会社をはじめとし、積極的な協業を行い、データ活用コンサルティングから分析基盤の提供までをワンストップで提供する事業の拡充を図ってまいりました。(※5)
当事業においても、新型コロナウイルス感染症の影響などにより変化することが予想されるお客様の事業状況を踏まえた対策を講じてまいります。
利益面は、株式会社インテージテクノスフィア、エヌ・エス・ケイ株式会社の売上増加に伴い増益となりました。
次期以降もマーケティング支援(消費財・サービス)事業にとどまらず、すべてのセグメントにおいて新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が続くと見込まれ、先行きは不透明となっております。当社グループにおきましても、感染症の影響が継続することにより、オフライン調査が実施できないことや、外出自粛にともなう景気の冷え込み、お客様の業績悪化による予算の削減などによる業務の中止や縮小が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。海外事業においても同様に、各国の外出禁止令等が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。感染症の影響を最小限にとどめるべく、オンライン調査へ手法を変更するなど業務の見直しに加え、従業員のリモートワークの促進による業務の生産性を担保する取り組みなど各種の対応策を講じてまいります。あわせて感染症の影響によるお客様の事業状況の変化を踏まえた各種の対応策を講じてまいります。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ327百万円増加し、28,149百万円となりました。これは、現金及び預金が796百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が726百万円、仕掛品が111百万円増加したことなどによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ613百万円増加し、18,315百万円となりました。これは、投資有価証券が475百万円増加したことなどによるものです。
この結果、総資産は940百万円増加し、46,465百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ326百万円増加し、14,288百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が239百万円、ポイント引当金が112百万円増加したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ581百万円減少し、1,993百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が421百万円、リース債務が95百万円減少したことなどによるものです。
この結果、負債合計は254百万円減少し、16,281百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,195百万円増加し、30,183百万円となりました。これは、利益剰余金が1,326百万円増加したことなどによるものです。
※1 Dynamic Panel技術は、スマートテレビなどの機器ログデータを個人を特定することなく人単位に推計分解する技術です 特許出願中
※2 プロモーション事業は、医療に関する広告媒体の取扱い、医薬品販売促進資材の制作、医学・薬学に関する学会の運営などをおこなう事業をいいます
※3 シンジケートデータは、特定の調査協力者(医師等)に定期的に実施する自主企画調査によって取得したデータをいいます
※4 撮像は、高品位な画像認識サービスの提供に必要となる高度な撮影技術をいいます
※5 2019年10月30日 インテージテクノスフィアとシーシーエスが業務提携 ~製造業向け外観検査へのAI活用を、より容易に~https://www.intage-technosphere.co.jp/company/news/2019/20191031-001/
(2)キャッシュ・フローの状況
当第4四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動にて3,360百万円獲得し、投資活動にて1,768百万円、財務活動にて2,368百万円使用した結果、前連結会計年度末に比べ796百万円減少し、10,924百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第4四半期連結累計期間における営業活動による資金収支は3,360百万円と前連結会計期間に比べ919百万円の収入減少となりました。これは、売上債権の減少額の減少などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第4四半期連結累計期間における投資活動による資金収支は△1,768百万円と前連結会計期間に比べ2,318百万円の支出減少となりました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出や投資有価証券の取得による支出が減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第4四半期連結累計期間における財務活動による資金収支は△2,368百万円と前連結会計期間に比べ2,309百万円の支出増加となりました。これは、自己株式の取得支出の増加や短期借入金の返済による支出の増加などによるものです。
(3)研究開発活動
当第4四半期連結累計期間において研究開発費は発生しておりません。