有価証券報告書-第49期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

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2021/09/29 15:30
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(1) 経営成績等の状況の概要
当社は、2019年6月26日開催の第47回定時株主総会において「定款一部変更の件」を決議し、2020年6月期より、決算期を3月31日から6月30日に変更いたしました。このため、経営成績及び事業分野における比較につきましては、当連結会計年度(2020年7月1日から2021年6月30日)における数値と、2019年7月1日から2020年6月30日までの12か月間を「前年同一期間」として算出した参考数値とを比較して行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるものの、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種が促進される環境の中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、持ち直しの動きが続くことが期待されます。
また当社グループが事業を展開するアジア地域の経済は、中国では景気が緩やかに回復し、先行きについては国による濃淡はあるものの緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、国内外の新型コロナウイルス感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
新型コロナウイルス感染症は当社グループのビジネスにも引き続き影響を及ぼしておりますが、グループインタビューを中心とした定性調査のオンライン化など業務の見直しや従業員のリモートワークへの移行をより進展させ、在宅による業務の生産性を担保する取り組みにより、ビジネスを安定的に継続させてまいりました。
このような状況の中、当社グループは当連結会計年度である2021年6月期を初年度とする第13次中期経営計画(3か年)を策定いたしました。また本計画のグループ基本方針を「ビジネスのデザインを変えよう!!– お客様と生活者の「変わる」とともに –Reframe , Connect , Create 」といたしました。
上記方針のもと、マーケティング支援(消費財・サービス)事業においては、2021年1月に本リリースいたしました「SRI+」に加え、リサーチ活用やデータ提供にとどまらない基幹商品の更なる進化を推し進め、お客様のアウトカム(成果)に貢献するビジネスへと転換を進めております。
マーケティング支援(ヘルスケア)事業においては、治療領域に特化したPHR(※1)プラットフォームサービスを展開する株式会社Welbyとの資本業務提携により協業の強化を図るとともに、当社グループの強みであるリサーチ、データ販売、製造販売後調査、プロモーションといった「幅広い分野の事業・アセット」と「生活者・患者理解」を軸足として、お客様の変化に応じたコアビジネスの拡充や組み合わせによる新たな事業機会の創出を進めております。
ビジネスインテリジェンス事業においては、データハンドリングノウハウやAI・機械学習等の技術、また、長年に渡り培ってきた業界やお客様ビジネスへの深い理解を基盤として、お客様のDX推進を支援しうるパートナーを目指してまいります。
また、前中期経営計画より進めております働き方改革についても、SNS等各種ツールの活用や、新しい働き方の共有・展開を目的とするグループ横断のオンラインミーティングを実施するなど、新型コロナウイルス感染症によるリモートワーク主体の環境下においても、コミュニケーションの活性化や知見の共有化が促進されております。引き続き、当社グループで働く人たちが自律的・自発的に成長できる機会の提供を追求するなど、個々人のパフォーマンスを最大限に発揮させる新しいワークスタイルの創造と確立を目指してまいります。
こうした取り組みのもと、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高57,558百万円(前年同一期間比3.6%増)、営業利益4,421百万円(同20.8%増)、経常利益5,081百万円(同38.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,372百万円(同104.9%増)となりました。
事業分野別の状況は次のとおりであります。
(単位:百万円)
2019年7月1日~2020年6月30日2020年7月1日~2021年6月30日増減率
売上高55,55157,5583.6%
マーケティング支援(消費財・サービス)34,51935,5723.0%
マーケティング支援(ヘルスケア)13,50614,7148.9%
ビジネスインテリジェンス7,5247,271△3.4%
営業利益3,6584,42120.8%
マーケティング支援(消費財・サービス)1,4961,91027.7%
マーケティング支援(ヘルスケア)1,6192,26439.8%
ビジネスインテリジェンス542245△54.7%
経常利益3,6705,08138.4%
親会社株主に帰属する当期純利益1,6453,372104.9%

※「2019年7月1日~2020年6月30日」の数値は前連結会計年度の数値から前第1四半期連結累計期間の数値を差し引いて算出しております。
マーケティング支援(消費財・サービス)事業
マーケティング支援(消費財・サービス)事業の連結業績は、売上高35,572百万円(前年同一期間比3.0%増)、営業利益1,910百万円(同27.7%増)の増収増益となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響が顕著でありましたが、第2四半期連結会計期間以降は増収増益基調に転じ、第4四半期連結会計期間では新型コロナウイルス感染症の影響前(2019年4月1日から2019年6月30日)の水準を上回りました。
当事業では、主力事業であるパネル調査が好調に推移いたしました。また、オフライン調査など新型コロナウイルス感染症の影響を受けておりましたカスタムリサーチについても、WEB調査などが好調に推移し前年同一期間を上回る水準に回復しました。コミュニケーション分野は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け苦戦を続けておりましたが、第3四半期以降は復調傾向にありました。株式会社インテージリサーチにおける官公庁案件も好調を維持しました。
海外事業についても、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受け、インド、香港をはじめとするアジア各国の売上が低調に推移しましたが、当第4四半期連結会計期間では回復傾向にありました。一方2020年3月に子会社化したオンライン調査を主業務とする株式会社データスプリングは好調に推移しました。
利益面については、投資が増加したものの株式会社インテージリサーチの増収や株式会社データスプリングの貢献により増益となっております。
マーケティング支援(ヘルスケア)事業
マーケティング支援(ヘルスケア)事業の連結業績は、売上高14,714百万円(前年同一期間比8.9%増)、営業利益は2,264百万円(同39.8%増)の増収増益となりました。
当事業では、株式会社インテージヘルスケアにおいて、リサーチ事業は一般用医薬品に係るパネル調査が堅調に推移し、医療用医薬品に係るカスタムリサーチも、医師に対するWEBアンケートなどが好調であり前年同一期間を上回る水準で推移しました。株式会社医療情報総合研究所が手掛けるレセプトデータ分析も前年同一期間からの好調を維持しております。
一方、CRO(医薬品開発業務受託機関)の製造販売後調査は、プロジェクトの小型化や不採算案件の発生に伴い収益性が低下しているため、改善に向けて取り組んでおります。株式会社協和企画におけるプロモーション事業(※2)は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い案件スケジュールの再設定が発生しましたが、医薬品販売促進資材のデジタル化、イベントのオンライン化の取り組みにより収益は改善しつつあります。
利益面については、カスタムリサーチやシンジケートデータ(※3)の売上の増加により増益となっております。
ビジネスインテリジェンス事業
ビジネスインテリジェンス事業の連結業績は、売上高7,271百万円(前年同一期間比3.4%減)、営業利益245百万円(同54.7%減)の減収減益となりました。
当事業では、株式会社インテージテクノスフィアにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響が大きい旅行業界を中心に既存業界向けのソリューションの売上が減少しました。一方で、株式会社ビルドシステムはローコード開発(※4)案件の獲得に伴い大幅に伸長しております。なお、AIソリューションについては、自動車・公共分野等の重点顧客への深耕を図り、次年度の案件獲得を進めております。
また、中期経営計画で掲げております「お客様のDX推進パートナー」の実現にむけオンラインセミナーの開催、WEBページリニューアルと活用、DX支援のサービス化、インテージグループの総合力を活用した顧客課題解決への提案など積極的な営業活動を展開しております。
利益面については、新型コロナウイルス感染症による売上減少の影響を受けております。
※1 PHR(Personal Health Record)とは、個人の健康診断結果や服薬歴等の健康等情報を電子記録として本人や家族が正確に把握するための仕組みをいいます
※2 プロモーション事業は、医療に関する広告媒体の取扱い、医薬品販売促進資材の制作、医学・薬学に関する 学会の運営などをおこなう事業をいいます
※3 シンジケートデータは、特定の調査協力者(医師等)に定期的に実施する自主企画調査によって取得したデータをいいます
※4 ローコード開発とは、アプリケーションの高速開発アプローチをいいます
財政状態の状況は次のとおりであります。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,879百万円増加し、27,195百万円となりました。これは、現金及び預金が2,354百万円、受取手形及び売掛金が733百万円増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,073百万円増加し、18,247百万円となりました。これは、建物及び構築物が128百万円、投資有価証券が279百万円減少したものの、のれんが1,528百万円増加したことなどによるものです。
この結果、総資産は3,953百万円増加し、45,443百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,910百万円増加し、12,696百万円となりました。これは、未払金が1,745百万円減少したものの、未払法人税等が1,131百万円、未払消費税等が965百万円、賞与引当金が1,173百万円増加したことなどによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ160百万円増加し、2,528百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が200百万円減少したものの、長期借入金が323百万円増加したことなどによるものです。
この結果、負債合計は2,071百万円増加し、15,224百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,882百万円増加し、30,218百万円となりました。これは、退職給付に係る調整額が397百万円減少したものの、利益剰余金が2,159百万円増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費、賞与引当金の増加額等による収入額が法人税等の支払額等の支出額を上回ったことにより、4,845百万円の純収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等の支出額が投資有価証券の売却による収入等の収入額を上回ったことにより、1,241百万円の純支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出、配当金の支払額等の支出額が、短期借入れによる収入等の収入額を上回ったことにより、1,354百万円の純支出となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ2,352百万円増加し、14,132百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)
マーケティング支援(消費財・サービス)23,502,926
マーケティング支援(ヘルスケア)9,797,505
ビジネスインテリジェンス6,058,473
合計39,358,905

(注) 1.金額は売上原価によっており、消費税等は含まれておりません。
2.決算期変更に伴い、前連結会計年度は15か月決算となっておりますので、前期比については記載しておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)受注残高(千円)
マーケティング支援
(消費財・サービス)
36,573,67414,561,720
マーケティング支援
(ヘルスケア)
14,104,0937,449,743
ビジネスインテリジェンス6,877,4263,429,092
合計57,555,19425,440,556

(注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.決算期変更に伴い、前連結会計年度は15か月決算となっておりますので、前期比については記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)
マーケティング支援(消費財・サービス)35,572,433
マーケティング支援(ヘルスケア)14,714,966
ビジネスインテリジェンス7,271,595
合計57,558,996

(注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.決算期変更に伴い、前連結会計年度は15か月決算となっておりますので、前期比については記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性に係る情報については、次のとおりであります。
当社グループは、中長期的な成長による持続的かつ安定的な企業価値の向上を目指しており、それを支える財務戦略の基本方針は、最適資本構成の下、純利益から生じるキャッシュ・フローを成長のための投資と株主還元にバランス良く配分していくこととしております。
成長投資については、2021年6月期を初年度とする第13次中期経営計画においても、引き続き積極的な事業投資とM&Aの実行は継続していくものとし、「データの価値化」「データ活用の仕組化」によりお客様のデジタルトランスフォーメーションの対応や社会構造の変化への対応を支援するための投資を基本方針として、経営環境を考慮しながら実施してまいります。
株主還元については経営における重要課題の一つと考えており連結配当性向40%、DOE(自己資本配当率)4.5%以上の維持を目標としております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、財務の健全性・安定性を維持するため、銀行等から借入等を行う方針です。そのため、当社は取引銀行3行との間に、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。また、当社は将来の緊急事態発生時に備え、2020年5月に相対型コミットメントラインの契約を追加で締結しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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