有価証券報告書-第7期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)
1.業績等の概要
(1)経営成績に関する説明
当社グループの経営成績の概要は以下のとおりです。
当社グループは、当連結会計年度の期首よりIFRS第16号「リース」を適用しており、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識しています。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。その結果、IFRS第16号の適用に伴う連結損益計算書における売上収益、営業利益、税引前利益、当期利益に与える影響は軽微ですが、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加するため、EBITDAが増加しています(詳細については、後述の第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記「2.作成の基礎(5)会計方針の変更」をご覧ください。)。
当連結会計年度の売上収益は、日本及び韓国事業セグメント、その他の海外事業セグメントが共に、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けたことで、41,270百万円(前期比6.8%減)となりました(セグメント別の業績の概要は、次節「(2) セグメント業績に関する説明」をご参照ください。)。
費用面では、売上収益の減収に合わせて、変動費的要素の高い外注費を大きく減少させ、固定費的要素の高い人件費及びその他の費用の圧縮を進めるなど、厳格なコスト・コントロールを実施しました。その一方、当社は、その他の海外事業セグメントの2020年6月期の業績状況及び将来の収益性に鑑み、投資額の回収が見込めなくなったため、当該セグメントに紐づくのれんについて、減損損失5,280百万円を計上することにしました。上記損失はIFRSの規定により営業損失として計上されるため、営業利益以下全ての利益に影響します。このため、当連結会計年度の営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失は、前期比でいずれも大きく減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益に減価償却費等を加えたEBITDA(利払・税引・償却前利益)(注1)は8,651百万円(前期比5.6%減)、営業利益は396百万円(同94.9%減)、税引前利益は8百万円(同99.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期損失は△2,131百万円となりました。なお、EBITDAは上述のIFRS第16号の適用に伴う影響による増加分を含んでおり、これは後述するセグメント業績についても同様です。
なお、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE、直近12ヶ月で算定)は△7.44%、インタレスト・カバレッジ・レシオ(直近12ヶ月で算定、注2)は1.05倍(前期12.89倍)となりました。
(2) セグメント業績に関する説明
当社グループのセグメント業績の概要は以下のとおりです。
(日本及び韓国事業)
日本では、第1四半期に大口顧客を中心にマーケティング・リサーチへの支出を抑制・削減する動きがあり減収となりましたが、営業体制を強化するとともに、注力領域であるDMP Solution(注3)を含むデジタル・マーケティング関連商材の販売に注力し、第2四半期の売上収益は前期並みの水準へと改善しました。その後も改善傾向は継続していましたが、新たに第3四半期から新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が出始め、売上収益は再び減少に転じ、第4四半期にはさらにその影響が拡大したことで売上収益は大きく減少しました。その結果、通期ベースでの売上収益も減収(前期比5.0%減)となりました。具体的には、3月以降、対面形式で行うオフライン・リサーチ案件の延期や中止が発生していたことに加えて、第4四半期に入り、顧客企業のマーケティング予算の削減や広告出稿の減少が生じたことで、オンライン・リサーチやデジタル領域でも案件の延期や中止が発生したことが影響しました。
韓国では、第2四半期より公共機関に対する売上収益が増加し、第3四半期には選挙に関連する案件を受注したことにより、現地通貨ベースでは増収を維持していました。しかし、第4四半期は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で減収に転じ、また、為替による悪影響が継続する中、円貨ベースでの通期の売上収益は減収(同11.0%減)となりました。
以上の結果、日本及び韓国事業セグメントの当第4四半期連結会計期間の売上収益は前期を大きく下回る水準となり(同17.3%減)、累計ベースでも前期を下回る33,025百万円(同5.7%減)となりました。また、費用面では、足許の業況を受け外注費や人件費の抑制に努めてきましたが、売上収益の減少による影響及びシステム関連費用の増加の影響が大きく、セグメント利益も前期を下回る5,712百万円(同19.4%減)となりました。
(その他の海外事業)
その他の海外事業セグメントでは、北米、欧州、中南米、中東及び、日本と韓国等を除く一部アジア地域で事業を営んでいます。当該セグメントでは、新規顧客の開拓とグローバル・キー・アカウント(注4)向け調査を中心に主力の広告プリテスト商材の販売が進む等、現地通貨ベースで第2四半期まで好調に推移していました。しかし、特に3月に入って以降、世界的に新型コロナウイルス感染症が大きく拡大する中で、グローバル企業を中心にマーケティング活動を見直す動きがあり、顧客企業のリサーチ需要が大きく減少しました。これにより、当社グループでも第3四半期から主に米国及び欧州において、受注を予定していたリサーチ案件の中止、規模の縮小等の影響が出始め、第4四半期はその影響が大きく拡大しました。加えて、為替による悪影響が継続しました。
以上の結果、当第4四半期連結会計期間の売上収益は前期を非常に大きく下回り(前期比40.9%減)、累計ベースでも前期を大きく下回る8,380百万円(同10.7%減)となりました。また、費用面では、売上収益の減少に伴い、営業費用の圧縮に取り組みました。しかし、前述のとおり、当該セグメントに紐づくのれんについて、減損損失5,280百万円を計上したため、結果として、セグメント損益は前期を非常に大きく下回る△5,315百万円の損失となりました。
なお、日本及び韓国事業内のMACROMILL EMBRAIN CO.,LTD.の収益及び業績についてはウォン建てで管理し、その他の海外事業の収益及び業績についてはユーロ建てで管理しています。それぞれの換算レートは以下のとおりです。
また、売上収益に基づき算定した当第4四半期連結会計期間の換算レートは下記のとおりです。
(注)
1. EBITDA:Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortizationの略。当社ではEBITDA = 営業利益+減価償却費及び償却費+固定資産除却損+減損損失と定義しており、各事業から生み出されるキャッシュ・フローの規模をより適切に把握することができるため、各事業の収益性を測るための主要な経営指標として用いている。
2. インタレスト・カバレッジ・レシオ =(営業利益+受取利息+受取配当金)/ 支払利息
3. DMP:Data Management Platformの略。インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信や商品開発などマーケティング活動のアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのこと。DMP Solutionとは、顧客のDMPの構築支援や、顧客の保有するDMPに当社の自社パネルの各種データを定期的に提供すること、DMPに収納されたデータを拡張・補完するための追加的な調査を行うことなど、当社が行う顧客のDMPの活用可能性を高める一連のサービスのこと。
4. グローバルに事業を展開し、調査・マーケティング予算を多額に有する顧客企業のうち、当社グループのさらなる成長の鍵となる顧客(キー・アカウント)として、グローバルに営業強化の対象としている企業群のこと。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,208百万円増加し、13,310百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、7,785百万円(前年同期比2,138百万円増)となりました。
これは主に、減損損失5,280百万円、減価償却費及び償却費2,783百万円がありましたが、営業債権及びその他の債権の減少1,925百万円、法人所得税の支払額1,958百万円、利息の支払額295百万円等があったためです。
なお、営業債権の回転期間は65.6日(前年同期比12.7日短期化)、営業債務及びパネルポイント引当金の回転期間は45.5日(前年同期比6.0日短期化)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、2,157百万円(前年同期比338百万円増)となりました。
これは主に、無形資産の取得による支出1,402百万円、有形固定資産の取得による支出520百万円等があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2,395百万円(前年同期比450百万円減)となりました。
これは主に、非支配持分からの払込みによる収入850百万円がありましたが、長期借入金の返済による支出1,651百万円、リース負債の返済による支出1,290百万円等があったためです。
2.生産、受注及び販売の状況
(1)生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2)受注状況
当社グループの事業は受注から納品までの期間が短いため、記載を省略します。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)
1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。株式会社電通グループ及びその関係会社への売上は主に当社の子会社である株式会社電通マクロミルインサイトにおいて計上しております。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計方針及び見積りの詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記「3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
① 資産
資産は、77,150百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,170百万円減少しました。これは主にのれんの減少5,345百万円等の減少要因があったためです。
② 負債
負債は、46,414百万円となり、前連結会計年度末に比べ374百万円増加しました。これは主に、リース負債の増加2,806百万円等の増加要因があったためです。
③ 資本
資本は、30,736百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,545百万円減少しました。これは主に、配当金の支払額732百万円、当期損失1,685百万円の発生等があったためです。
(3)経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、前記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.業績等の概要 (1)経営成績に関する説明」を参照ください。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの営業活動からの堅実なキャッシュ・フロー創出力を原資として、経営環境や業績状況に適した戦略的なキャピタル・アロケーションを実行することを基本方針とし、継続的な成長の実現に向け、成長投資、負債の返済、株主還元の3つの資金使途のバランスを追求しています。
これらの3つの資金使途のうち、成長投資を最優先事項としています。ROIやROICなど投資効率を重視し、資本コストを上回る潜在リターンを持つ投資機会を、M&Aも含めて追及します。また、重要な資産である人材の雇用にも充当していきます。負債の返済については、純有利子負債(Net Debt)(注1)/ EBITDA倍率を2.0倍から2.5倍とすることを中期経営計画の目標値として掲げ、レバレッジ水準の引き下げを継続していきます。なお、株主還元の考え方は、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
当社グループの資金の源泉は、手元現預金及び将来の営業活動で得られる資金を充当することを基本としています。資金需要及び金利動向等の調達環境並びに有利子負債の返済及び社債の償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。
(注)
1. 純有利子負債(Net Debt)=有利子負債(短期借入金+1年以内返済予定の長期借入金+長期借入金+リース負債)-現金及び現金同等物
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前記「2 事業等のリスク」をご参照ください。
(1)経営成績に関する説明
当社グループの経営成績の概要は以下のとおりです。
| 連結経営成績 (単位:百万円、別記ある場合を除く) | 2019年6月期 (前期) | 2020年6月期 (当期) | 増減額 | 増減率 |
| 売上収益 | 44,279 | 41,270 | △3,009 | △6.8% |
| 日本及び韓国事業 | 35,020 | 33,025 | △1,995 | △5.7% |
| その他の海外事業 | 9,385 | 8,380 | △1,005 | △10.7% |
| EBITDA | 9,167 | 8,651 | △516 | △5.6% |
| 営業利益 | 7,751 | 396 | △7,355 | △94.9% |
| 税引前利益 | 7,285 | 8 | △7,277 | △99.9% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(△) | 4,702 | △2,131 | △6,833 | - |
当社グループは、当連結会計年度の期首よりIFRS第16号「リース」を適用しており、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識しています。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。その結果、IFRS第16号の適用に伴う連結損益計算書における売上収益、営業利益、税引前利益、当期利益に与える影響は軽微ですが、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加するため、EBITDAが増加しています(詳細については、後述の第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記「2.作成の基礎(5)会計方針の変更」をご覧ください。)。
当連結会計年度の売上収益は、日本及び韓国事業セグメント、その他の海外事業セグメントが共に、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けたことで、41,270百万円(前期比6.8%減)となりました(セグメント別の業績の概要は、次節「(2) セグメント業績に関する説明」をご参照ください。)。
費用面では、売上収益の減収に合わせて、変動費的要素の高い外注費を大きく減少させ、固定費的要素の高い人件費及びその他の費用の圧縮を進めるなど、厳格なコスト・コントロールを実施しました。その一方、当社は、その他の海外事業セグメントの2020年6月期の業績状況及び将来の収益性に鑑み、投資額の回収が見込めなくなったため、当該セグメントに紐づくのれんについて、減損損失5,280百万円を計上することにしました。上記損失はIFRSの規定により営業損失として計上されるため、営業利益以下全ての利益に影響します。このため、当連結会計年度の営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失は、前期比でいずれも大きく減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益に減価償却費等を加えたEBITDA(利払・税引・償却前利益)(注1)は8,651百万円(前期比5.6%減)、営業利益は396百万円(同94.9%減)、税引前利益は8百万円(同99.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期損失は△2,131百万円となりました。なお、EBITDAは上述のIFRS第16号の適用に伴う影響による増加分を含んでおり、これは後述するセグメント業績についても同様です。
なお、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE、直近12ヶ月で算定)は△7.44%、インタレスト・カバレッジ・レシオ(直近12ヶ月で算定、注2)は1.05倍(前期12.89倍)となりました。
(2) セグメント業績に関する説明
当社グループのセグメント業績の概要は以下のとおりです。
| 連結セグメント業績 (単位:百万円、別記ある場合を除く) | 2019年6月期 (前期) | 2020年6月期 (当期) | 増減額 | 増減率 |
| 売上収益 | 44,279 | 41,270 | △3,009 | △6.8% |
| 日本及び韓国事業 | 35,020 | 33,025 | △1,995 | △5.7% |
| 日本 | 30,998 | 29,447 | △1,551 | △5.0% |
| 韓国 | 4,039 | 3,595 | △443 | △11.0% |
| その他の海外事業 | 9,385 | 8,380 | △1,005 | △10.7% |
| 米国 | 4,549 | 4,021 | △528 | △11.6% |
| 欧州 | 3,768 | 3,188 | △580 | △15.4% |
| その他 | 1,069 | 1,171 | +102 | +9.5% |
| セグメントEBITDA | 9,167 | 8,651 | △516 | △5.6% |
| 日本及び韓国事業 | 8,073 | 8,006 | △67 | △0.8% |
| その他の海外事業 | 1,093 | 645 | △448 | △41.0% |
| セグメント利益又は損失(△) | 7,751 | 396 | △7,355 | △94.9% |
| 日本及び韓国事業 | 7,091 | 5,712 | △1,379 | △19.4% |
| その他の海外事業 | 659 | △5,315 | △5,974 | - |
(日本及び韓国事業)
日本では、第1四半期に大口顧客を中心にマーケティング・リサーチへの支出を抑制・削減する動きがあり減収となりましたが、営業体制を強化するとともに、注力領域であるDMP Solution(注3)を含むデジタル・マーケティング関連商材の販売に注力し、第2四半期の売上収益は前期並みの水準へと改善しました。その後も改善傾向は継続していましたが、新たに第3四半期から新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が出始め、売上収益は再び減少に転じ、第4四半期にはさらにその影響が拡大したことで売上収益は大きく減少しました。その結果、通期ベースでの売上収益も減収(前期比5.0%減)となりました。具体的には、3月以降、対面形式で行うオフライン・リサーチ案件の延期や中止が発生していたことに加えて、第4四半期に入り、顧客企業のマーケティング予算の削減や広告出稿の減少が生じたことで、オンライン・リサーチやデジタル領域でも案件の延期や中止が発生したことが影響しました。
韓国では、第2四半期より公共機関に対する売上収益が増加し、第3四半期には選挙に関連する案件を受注したことにより、現地通貨ベースでは増収を維持していました。しかし、第4四半期は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で減収に転じ、また、為替による悪影響が継続する中、円貨ベースでの通期の売上収益は減収(同11.0%減)となりました。
以上の結果、日本及び韓国事業セグメントの当第4四半期連結会計期間の売上収益は前期を大きく下回る水準となり(同17.3%減)、累計ベースでも前期を下回る33,025百万円(同5.7%減)となりました。また、費用面では、足許の業況を受け外注費や人件費の抑制に努めてきましたが、売上収益の減少による影響及びシステム関連費用の増加の影響が大きく、セグメント利益も前期を下回る5,712百万円(同19.4%減)となりました。
(その他の海外事業)
その他の海外事業セグメントでは、北米、欧州、中南米、中東及び、日本と韓国等を除く一部アジア地域で事業を営んでいます。当該セグメントでは、新規顧客の開拓とグローバル・キー・アカウント(注4)向け調査を中心に主力の広告プリテスト商材の販売が進む等、現地通貨ベースで第2四半期まで好調に推移していました。しかし、特に3月に入って以降、世界的に新型コロナウイルス感染症が大きく拡大する中で、グローバル企業を中心にマーケティング活動を見直す動きがあり、顧客企業のリサーチ需要が大きく減少しました。これにより、当社グループでも第3四半期から主に米国及び欧州において、受注を予定していたリサーチ案件の中止、規模の縮小等の影響が出始め、第4四半期はその影響が大きく拡大しました。加えて、為替による悪影響が継続しました。
以上の結果、当第4四半期連結会計期間の売上収益は前期を非常に大きく下回り(前期比40.9%減)、累計ベースでも前期を大きく下回る8,380百万円(同10.7%減)となりました。また、費用面では、売上収益の減少に伴い、営業費用の圧縮に取り組みました。しかし、前述のとおり、当該セグメントに紐づくのれんについて、減損損失5,280百万円を計上したため、結果として、セグメント損益は前期を非常に大きく下回る△5,315百万円の損失となりました。
なお、日本及び韓国事業内のMACROMILL EMBRAIN CO.,LTD.の収益及び業績についてはウォン建てで管理し、その他の海外事業の収益及び業績についてはユーロ建てで管理しています。それぞれの換算レートは以下のとおりです。
| 算定期間(12ヶ月間) | 前連結会計年度 (2019年6月期) | 当連結会計年度 (2020年6月期) | 増減率 |
| JPY/EUR(円) | 126.89 | 119.88 | △5.5% |
| JPY/KRW(円) | 0.0985 | 0.0909 | △7.7% |
また、売上収益に基づき算定した当第4四半期連結会計期間の換算レートは下記のとおりです。
| 算定期間(3ヶ月間) | 2019年6月期 第4四半期 連結会計期間 | 2020年6月期 第4四半期 連結会計期間 | 増減率 |
| JPY/EUR(円) | 123.41 | 117.65 | △4.7% |
| JPY/KRW(円) | 0.0939 | 0.0879 | △6.4% |
(注)
1. EBITDA:Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortizationの略。当社ではEBITDA = 営業利益+減価償却費及び償却費+固定資産除却損+減損損失と定義しており、各事業から生み出されるキャッシュ・フローの規模をより適切に把握することができるため、各事業の収益性を測るための主要な経営指標として用いている。
2. インタレスト・カバレッジ・レシオ =(営業利益+受取利息+受取配当金)/ 支払利息
3. DMP:Data Management Platformの略。インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信や商品開発などマーケティング活動のアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのこと。DMP Solutionとは、顧客のDMPの構築支援や、顧客の保有するDMPに当社の自社パネルの各種データを定期的に提供すること、DMPに収納されたデータを拡張・補完するための追加的な調査を行うことなど、当社が行う顧客のDMPの活用可能性を高める一連のサービスのこと。
4. グローバルに事業を展開し、調査・マーケティング予算を多額に有する顧客企業のうち、当社グループのさらなる成長の鍵となる顧客(キー・アカウント)として、グローバルに営業強化の対象としている企業群のこと。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,208百万円増加し、13,310百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、7,785百万円(前年同期比2,138百万円増)となりました。
これは主に、減損損失5,280百万円、減価償却費及び償却費2,783百万円がありましたが、営業債権及びその他の債権の減少1,925百万円、法人所得税の支払額1,958百万円、利息の支払額295百万円等があったためです。
なお、営業債権の回転期間は65.6日(前年同期比12.7日短期化)、営業債務及びパネルポイント引当金の回転期間は45.5日(前年同期比6.0日短期化)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、2,157百万円(前年同期比338百万円増)となりました。
これは主に、無形資産の取得による支出1,402百万円、有形固定資産の取得による支出520百万円等があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2,395百万円(前年同期比450百万円減)となりました。
これは主に、非支配持分からの払込みによる収入850百万円がありましたが、長期借入金の返済による支出1,651百万円、リース負債の返済による支出1,290百万円等があったためです。
2.生産、受注及び販売の状況
(1)生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2)受注状況
当社グループの事業は受注から納品までの期間が短いため、記載を省略します。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | 前年同期比(%) |
| 日本及び韓国事業 | 32,987 | △5.8 |
| その他の海外事業 | 8,283 | △10.7 |
| 合計 | 41,270 | △6.8 |
(注)
1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年7月1日 至 2019年6月30日) | 当連結会計年度 (自 2019年7月1日 至 2020年6月30日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社電通グループ及び その関係会社 | 5,107 | 11.5 | 4,387 | 10.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。株式会社電通グループ及びその関係会社への売上は主に当社の子会社である株式会社電通マクロミルインサイトにおいて計上しております。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計方針及び見積りの詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記「3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
① 資産
資産は、77,150百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,170百万円減少しました。これは主にのれんの減少5,345百万円等の減少要因があったためです。
② 負債
負債は、46,414百万円となり、前連結会計年度末に比べ374百万円増加しました。これは主に、リース負債の増加2,806百万円等の増加要因があったためです。
③ 資本
資本は、30,736百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,545百万円減少しました。これは主に、配当金の支払額732百万円、当期損失1,685百万円の発生等があったためです。
(3)経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、前記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.業績等の概要 (1)経営成績に関する説明」を参照ください。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの営業活動からの堅実なキャッシュ・フロー創出力を原資として、経営環境や業績状況に適した戦略的なキャピタル・アロケーションを実行することを基本方針とし、継続的な成長の実現に向け、成長投資、負債の返済、株主還元の3つの資金使途のバランスを追求しています。
これらの3つの資金使途のうち、成長投資を最優先事項としています。ROIやROICなど投資効率を重視し、資本コストを上回る潜在リターンを持つ投資機会を、M&Aも含めて追及します。また、重要な資産である人材の雇用にも充当していきます。負債の返済については、純有利子負債(Net Debt)(注1)/ EBITDA倍率を2.0倍から2.5倍とすることを中期経営計画の目標値として掲げ、レバレッジ水準の引き下げを継続していきます。なお、株主還元の考え方は、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
当社グループの資金の源泉は、手元現預金及び将来の営業活動で得られる資金を充当することを基本としています。資金需要及び金利動向等の調達環境並びに有利子負債の返済及び社債の償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。
(注)
1. 純有利子負債(Net Debt)=有利子負債(短期借入金+1年以内返済予定の長期借入金+長期借入金+リース負債)-現金及び現金同等物
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前記「2 事業等のリスク」をご参照ください。