有価証券報告書-第8期(令和2年7月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/09/30 15:10
【資料】
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【項目】
122項目
1.業績等の概要
(1)経営成績に関する説明
当社グループの経営成績の概要は以下のとおりです。
連結経営成績
(単位:百万円、別記ある場合を除く)
2020年6月期
(前期)
2021年6月期
(当期)
増減額増減率
売上収益41,27043,175+1,904+4.6%
日本及び韓国事業セグメント33,02534,088+1,063+3.2%
その他の海外事業セグメント8,3809,221+841+10.0%
EBITDA8,6518,680+28+0.3%
営業利益3965,362+4,965-
税引前利益84,887+4,879-
親会社の所有者に帰属する当期利益
又は損失(△)
△2,1312,822+4,953-

当連結会計年度の売上収益は、日本及び韓国事業セグメント、その他の海外事業セグメントが共に、期初から新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けてきたものの、その影響規模は四半期を追うごとに縮小してきました。顧客企業のマーケティング・リサーチ需要が回復傾向にあることに加え、前述の通り、コロナ禍を受けて消費者の意識や行動がどのように変化しているかを把握したいといった新しいニーズも生まれています。こうした状況を受けて、当社グループの当連結会計年度の連結売上収益は前期を上回る43,175百万円(前期比4.6%増)となりました(セグメント別の業績の概要は、次節「(2) セグメント業績に関する説明」をご参照下さい。)。
費用面では、リモートワークの導入や移動制限に伴い、営業費用のその他に含まれるオフィス光熱費や旅費交通費等の費用が減少しました。一方、想定を上回るペースでの売上収益の回復に伴い、受注体制を強化するために人件費が大きく増加し、加えて外注費も増加しました。その結果、営業費用は前期と比較して増加しましたが、前期の第4四半期に、その他の海外事業セグメントに紐づくのれんについて、減損損失5,280百万円を計上したことから、営業費用全体では前期と比較して減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益に減価償却費等を加えたEBITDA(利払・税引・償却前利益)(注1)は8,680百万円(同0.3%増)となりました。また、前期は減損損失を計上していることから、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比でいずれも大きく増加し、営業利益は5,362百万円(前期は396百万円)、税引前利益は4,887百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,822百万円となりました。なお、上記の利益については、第4四半期に主にその他の海外事業において雇用調整助成金による収入341百万円を計上した影響を含んでいます。
また、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE、直近12ヶ月で算定)は9.9%(前年同期間比17.4ポイント増、前期第4四半期に計上したのれんの減損損失を除いた場合は0.1ポイント減)となりました。インタレスト・カバレッジ・レシオ(直近12ヶ月で算定、注2)は12.9倍(前年同期間1.1倍、前期第4四半期に計上したのれんの減損損失を除いた場合は14.6倍)となりました。
(2) セグメント業績に関する説明
当社グループのセグメント業績の概要は以下のとおりです。
連結セグメント業績
(単位:百万円、別記ある場合を除く)
2020年6月期
(前期)
2021年6月期
(当期)
増減額増減率
売上収益41,27043,175+1,904+4.6%
日本及び韓国事業セグメント33,02534,088+1,063+3.2%
その他の海外事業セグメント8,3809,221+841+10.0%
セグメントEBITDA8,6518,680+28+0.3%
日本及び韓国事業セグメント8,0067,660△345△4.3%
その他の海外事業セグメント6451,020+374+58.0%
セグメント利益又は損失(△)3965,362+4,965-
日本及び韓国事業セグメント5,7125,076△636△11.1%
その他の海外事業セグメント△5,315286+5,602-

(日本及び韓国事業)
日本においては、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けつつも、徐々に経済活動が再開されており、顧客企業のマーケティング・リサーチ需要の回復が続いています。当社グループでは、顧客ニーズに対応した製販一体での機動的な営業施策の実施を導入し、引き続きDMP Solution(注3)を含むデジタル・マーケティング商材の販売に注力しました。第4四半期においては、緊急事態宣言の再発出を受け、一部のオフライン・リサーチサービスの提供を中止しました。このため、オフライン・リサーチ領域の売上は依然として低調に推移しているものの、オンライン・リサーチやデジタル領域の売上がそれを補う規模で回復しました。また、日本事業の売上収益は、前期第4四半期に新型コロナウイルス感染症の影響を最も大きく受けていた中、当期第4四半期は大きく増収したことで、当連結会計年度の売上収益は増収に転じました。
韓国においては、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、オフライン・リサーチをオンライン・リサーチで代替する動きが加速しています。オンライン・リサーチに強みを持つ当社グループは、その商機を最大限に捉え、オンライン・リサーチの売上を拡大していることに加えて、パネル・ビッグデータ・サービスを含むデジタル領域の営業活動が順調に進展しています。これらを受けて、新型コロナウイルス感染症の影響がある中でも、韓国事業の当連結会計年度の売上収益は前年同期比で二桁成長を実現しました。
以上の結果、日本及び韓国事業セグメントの当連結会計年度の売上収益は34,088百万円(前期比3.2%増)となりました。費用面では、足許のリサーチ需要の増加を受けて外注費が増加したことに加えて、将来に向けた受注体制整備のため人件費が大きく増加しました。また、減価償却費及び営業費用のその他に含まれるシステム関連費用が増加し、セグメント利益は5,076百万円(同11.1%減)となりました。
(その他の海外事業)
その他の海外事業セグメントでは、北米、欧州、中南米、中東及び、日本と韓国等を除く一部アジア地域で事業を営んでいます。世界的に新型コロナウイルス感染症の影響が継続している中、当社グループも地域によりその影響を大きく受けていますが、一部のグローバル・キー・アカウント(注4)におけるシェアの拡大及び新規案件の獲得が進んでいます。第4四半期のその他の海外事業の売上収益は、新型コロナウイルスの影響を受ける以前の水準にまで回復しており、当連結会計年度でも二桁増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は9,221百万円(前期比10.0%増)となり、セグメント利益は286百万円(前期はのれんの減損損失を計上したため5,315百万円の損失)となりました。
なお、日本及び韓国事業内のMACROMILL EMBRAIN CO., LTD.の収益及び業績についてはウォン建てで管理し、その他の海外事業の収益及び業績についてはユーロ建てで管理しています。それぞれの換算レートは以下のとおりです。
算定期間
(12ヶ月)
2020年6月期
(前期)
2021年6月期
(当期)
増減率
JPY/EUR(円)119.88127.06+6.0%
JPY/KRW(円)0.09090.0940+3.4%

(注)
(1) EBITDA:Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortizationの略。当社ではEBITDA = 営業利益+減価償却費及び償却費+固定資産除却損+減損損失と定義しており、各事業から生み出されるキャッシュ・フローの規模をより適切に把握することができるため、各事業の収益性を測るための主要な経営指標として用いている。
(2) インタレスト・カバレッジ・レシオ =(営業利益+受取利息+受取配当金)/ 支払利息
(3) DMP:Data Management Platformの略。インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信や商品開発などマーケティング活動のアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのこと。DMP Solutionとは、顧客のDMPの構築支援や、顧客の保有するDMPに当社の自社パネルの各種データを定期的に提供すること、DMPに収納されたデータを拡張・補完するための追加的な調査を行うことなど、当社が行う顧客のDMPの活用可能性を高める一連のサービスのこと。
(4) グローバルに事業を展開し、調査・マーケティング予算を多額に有する顧客企業のうち、当社グループのさらなる成長の鍵となる顧客(キー・アカウント)として、グローバルに営業強化の対象としている企業群のこと。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,769百万円増加し、19,079百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、6,023百万円(前年同期比1,761百万円減)となりました。
これは主に、税引前利益4,887百万円、減価償却費及び償却費3,016百万円、営業債務及びその他の債務の増加871百万円等がありましたが、営業債権及びその他の債権の増加1,728百万円、法人所得税の支払額1,418百万円、利息の支払額237百万円等があったためです。
なお、営業債権の回転期間は78.4日(前年同期比12.9日長期化)、営業債務及びパネルポイント引当金の回転期間は54.6日(前年同期比9.2日長期化)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、1,133百万円(前年同期比1,024百万円減)となりました。
これは主に、無形資産の取得による支出838百万円、有形固定資産の取得による支出303百万円等があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、631百万円(前年同期比3,026百万円増)となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出11,652百万円、リース負債の返済による支出1,302百万円、自己株式の取得による支出727百万円がありましたが、社債発行による収入14,939百万円等があったためです。
2.生産、受注及び販売の状況
(1)生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2)受注状況
当社グループの事業は受注から納品までの期間が短いため、記載を省略します。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
前年同期比(%)
日本及び韓国事業34,008+3.1
その他の海外事業9,166+10.7
合計43,175+4.6

(注)
1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年7月1日
至 2020年6月30日)
当連結会計年度
(自 2020年7月1日
至 2021年6月30日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
株式会社電通グループ及び
その関係会社
4,38710.64,39510.2

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。株式会社電通グループ及びその関係会社への売上は主に当社の子会社である株式会社電通マクロミルインサイトにおいて計上しております。
3.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計方針及び見積りの詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記「3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
① 資産
資産は、84,041百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,890百万円増加しました。これは主に、使用権資産の減少1,056百万円がありましたが、現金及び現金同等物の増加5,769百万円、営業債権及びその他の債権の増加1,046百万円、契約資産の増加944百万円等の増加要因があったためです。
② 負債
負債は、51,107百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,693百万円増加しました。これは主に、リース負債の減少1,055百万円がありましたが、社債及び借入金の増加3,201百万円、営業債務及びその他の債務の増加799百万円、その他の流動負債の増加723百万円等の増加要因があったためです。
③ 資本
資本は、32,933百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,197百万円増加しました。これは主に、自己株式の取得727百万円、配当金の支払額690百万円がありましたが、当期利益3,493百万円の発生等があったためです。
(3)経営成績の分析
経営成績の分析につきましては、前記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.業績等の概要 (1)経営成績に関する説明」を参照ください。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの営業活動からの堅実なキャッシュ・フロー創出力を原資として、経営環境や業績状況に適した戦略的なキャピタル・アロケーションを実行することを基本方針とし、継続的な成長の実現に向け、成長投資、負債の返済、株主還元の3つの資金使途のバランスを追求しています。
これらの3つの資金使途のうち、成長投資を最優先事項としています。ROIやROICなど投資効率を重視し、資本コストを上回る潜在リターンを持つ投資機会を、M&Aも含めて追及します。また、重要な資産である人材の雇用にも充当していきます。負債の返済については、純有利子負債(Net Debt)(注1)/ EBITDA倍率を2.5倍から2.0倍とすることを中期経営計画の目標値として掲げ、レバレッジ水準をコントロールしていきます。なお、株主還元の考え方は、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
当社グループの資金の源泉は、手元現預金及び将来の営業活動で得られる資金を充当することを基本としています。資金需要及び金利動向等の調達環境並びに有利子負債の返済及び社債の償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。
(注)
1. 純有利子負債(Net Debt)=有利子負債(短期借入金+1年以内返済予定の長期借入金+長期借入金+リース負債)-現金及び現金同等物
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前記「2 事業等のリスク」をご参照ください。

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