四半期報告書-第46期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/10 15:10
【資料】
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【項目】
23項目
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)
が判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期
連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連
結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)経営成績の状況
医薬品業界は、バイオベンチャー企業が活発な事業展開を進めております。米国では、機関投資家からの積極的な資金提供が原動力となり、開発・製造・販売のスピードアップや効率化を目指したアウトソーシングニーズが堅調です。このような顧客動向を受け、当社は顧客から選ばれ続けるパートナーとなるべく、顧客ニーズを満たす迅速な対応とサービスの深化ならびに継続的な質の向上に注力しております。
こうした状況の中、当第1四半期連結累計期間における売上高は3,712百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて337百万円(10.0%)の増加となりました。営業損失は141百万円(前第1四半期連結累計期間:営業損失698百万円)、経常利益は558百万円(前第1四半期連結累計期間:経常損失577百万円)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は385百万円(前第1四半期連結累計期間:親会社株主に帰属する四半期純損失604百万円)となりました。
当社グループのセグメント別の経営成績は次のとおりであります。
① 前臨床事業
国内前臨床事業は、顧客満足度をさらに高めることに注力し、信頼で選ばれる受託研究機関を目指すとともに、再生医療開発支援、医療機器開発支援や薬効薬理試験メニュー拡充等新しい技術分野における受託サービスを強化しており、受注高は昨年実績を超えて順調に積みあがってきております。
米国前臨床事業のSNBL USA, Ltd.(米国 Washington 州)は、ブランドの再構築の成果が徐々に表れ、米国政府主導の下で進められているARS試験や新規顧客からの受注増加に加えて、大手顧客からのリピート案件も着実に獲得しております。一方、昨年9月に実施した動物輸入検疫及び飼育・販売事業の譲渡と外部委託をはじめ、固定費をはじめとした経費削減の取り組みについても順調に進んでおります。
当社グループは、霊長類を用いた前臨床研究受託に関して、その技術力の高さと背景データの豊富さに定評があること、自家繁殖場を有することで高品質動物を安定的に供給できる体制を確立していること、加えて、動物愛護の視点からAAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)による認証をSNBLグループ全拠点で獲得していること等、明確な差別化戦略が功を奏しクライアントからの高い評価が定着してきており、継続した安定的な受注獲得に寄与しています。
そうした中で、売上高は3,105百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて413百万円(15.4%)の増加となりました。営業損失は72百万円(前第1四半期連結累計期間:営業損失708百万円)となりました。
② 臨床事業
SMO事業においては、関東地域の事業基盤を確立しつつあるとともに、グループ内のSMO事業を統合し、がん対象試験の強化を進めております。
そうした中で、売上高は347百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて108百万円(23.7%)の減少となりました。営業利益は7百万円と前第1四半期連結累計期間に比べ42百万円(84.8%)の減少となりました。
③ トランスレーショナル リサーチ事業(TR事業)
経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)の応用的発展である鼻から脳へと薬物を送達させる技術(Nose-to-Brain送達技術)の研究について、昨年度において複数の大手製薬企業と締結した共同研究契約、フィージビリティ試験契約に基づいて着実に研究を進め、さらに次のステージにステップアップするデータが得られつつあります。また、積極的な学会発表と営業活動をおこなった結果、国内外の大手製薬企業からの問い合わせが増えております。
外部資金を活用した新たなスキームを用いて設立したNDSを応用した偏頭痛薬の開発会社 Satsuma Pharmaceuticals, Inc. (以下「Satsuma社」)は、平成28年12月に米国の有力機関投資家からの資金調達に成功し、臨床試験に向けて順調に研究開発を進めております。この新たな事業化スキームは、特定の化合物を経鼻剤に適用する開発子会社を設立し、機関投資家等から資金を調達して、臨床試験へと開発段階を上げてProof-of-Concept(概念実証)の確認を行い、付加価値を高めた上で、開発会社の株式上場や製薬企業への開発品のライセンスアウト、もしくは会社売却等を目指したものであります。
NDSを応用したインフルエンザ経鼻ワクチン(開発コード:TR-Flu)の開発は、ワクチン会社から提供されたインフルエンザ抗原を用いて、TR-Fluによる抗体産生を評価するための非臨床試験を積み重ねており、優位性を確実に証明する段階へと進展しました。インフルエンザ抗原粉末投与専用デバイスとともにコンビネーション製品として開発しております。
加えて、NDSを用いたフィージビリティ試験の受託については、国内外の大手製薬企業やベンチャー企業から新規化合物の経鼻応用を探索する試験を継続して受託し、共同研究にステップアップできる段階となっております。
そうした中で、売上高は0百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて10百万円(98.1%)の減少となりました。営業損失は68百万円(前第1四半期連結累計期間:営業損失49百万円)となりました。
④ メディポリス事業
環境に配慮する社会的事業として、当社は鹿児島県指宿市において地熱発電事業を行っております。併せて、自然と健康をテーマにした指宿ベイヒルズ HOTEL&SPAの運営を行っており、これらの事業をメディポリス事業と位置付けております。
本発電事業は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づいて運営しており、地球温暖化防止、純国産エネルギーの創出推進という国のエネルギー政策をうけて、1,500kw級のバイナリー型地熱発電所を稼働、全量を売電しています。
当ホテルは昨年開業10周年を迎え、リブランディングを実行、客室のスイートルーム化、“砂蒸し風呂”など各種スパ施設並びに鉄板焼きやフレンチレストランの新設を行い、施設の充実を図りました。ホテル名称にも、昨年7月1日より「丘の上から眼下に広がる指宿市と錦江湾や大隅半島を臨む」といった意味を込め、「指宿ベイヒルズ HOTEL&SPA」と改称しました。
そうした中で、売上高267百万円と前第1四半期連結累計期間に比べて35百万円(15.5%)の増加となりました。営業損失は3百万円(前第1四半期連結累計期間:営業利益14百万円)となりました。
⑤ その他
昨年、ニホンウナギの内陸部での閉鎖式循環システムによる人工種苗生産に世界ではじめて成功いたしました。これは、従来の方法とは異なり、内陸地でも可能であること、病原体の混入の心配がなく飼育水槽の水質管理が容易にできること、水槽の適温維持が低コストでできることなどの特長があり、さらに研究規模を拡大しております。また、当社重要投資先である株式会社リジェネシスサイエンス(以下「RGS」)は、昨年9月、中国のヘルスケア事業大手であるLUYE Life Sciences Group Ltd.(以下「緑葉集団」)とRGSが保有する培養軟骨細胞技術及びその他再生医療技術に関してライセンス契約を締結しました。本ライセンス契約により、緑葉集団からRGSに支払われる契約締結時及び対象技術移転時に契約一時金の一部、ならびにライセンス製品である培養細胞の売上高及びライセンス技術使用の売上高に応じて支払われるマイルストーン及びロイヤリティの一部が、それぞれ当社に支払われます。
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結累計期間における前連結会計年度末からの財政状態の変動は、以下のとおりとなりました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,835百万円(3.2%)減少し、55,657百万円となりました。流動資産につきましては、現金及び預金並びに受取手形及び売掛金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,446百万円(9.6%)減少して13,691百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ388百万円(0.9%)減少して41,966百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,043百万円(3.3%)減少し、30,234百万円となりました。流動負債につきましては、その他(未払金及び未払費用)が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ551百万円(2.8%)減少して19,451百万円となりました。固定負債は、長期借入金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ491百万円(4.4%)減少して10,783百万円となりました。
純資産は、為替換算調整勘定が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ792百万円(3.0%)減少し、25,423百万円となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、78,310千円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。