四半期報告書-第48期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/06 15:10
【資料】
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【項目】
39項目
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
医薬品業界は、国内外において研究開発のスピードアップと効率化を目指したアウトソーシングが引き続き堅調です。このようなトレンドを受け、弊社は顧客から選ばれ続けるパートナーとなるべく、顧客ニーズを満たす迅速な対応とサービスの向上ならびに継続的な品質の向上に注力しております。
こうした状況の中、当第2四半期連結累計期間における売上高は7,003百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて614百万円(9.6%)の増加となりました。
営業利益は1,161百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて82百万円(7.7%)の増加、経常利益は1,305百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて46百万円(3.7%)の増加となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,139百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて262百万円(29.9%)の増加となりました。
当社グループのセグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分をより具体性をもって各事業推移を把握すべく変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
① CRO事業
国内前臨床事業において顧客満足度をさらに高めることに注力し、信頼と品質で選ばれる受託研究機関(CRO)を目指すとともに、再生医療開発支援等、新しい技術分野におけるサービスも強化しております。また、2019年4月から開始しております大手製薬企業との創薬段階支援における包括的受託契約は順調に継続しております。豊富な受注残高を背景に稼働状況は堅調であり、内部業務プロセスのイノベーションによる経費節減と合わせて高利益率を維持しております。なお、現時点で新型コロナウイルス感染症による影響はありません。
そうした中、売上高は、6,716百万円と前第2四半期連結累計期間に比べ868百万円(14.8%)の増加となり、営業利益は、1,540百万円と前第2四半期連結累計期間に比べ158百万円(11.4%)の増加となりました。
② トランスレーショナル リサーチ事業(TR事業)
経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)を応用した薬物吸収フィージビリティ試験や製剤研究結果に基づいて、複数の候補化合物の新規事業化を進めております。併せて、標的鼻内部位への送達を的確に実現するため、新規デバイスを開発しました。市場予測のもとに製剤開発し、NDSを用いた薬物吸収フィージビリティ試験により候補化合物を絞り込みました。製剤の最終化を遂げて、開発体制を確立するとともに第Ⅰ相臨床試験を準備中です。また、NDSを応用した Satsuma Pharmaceuticals, Inc. (カリフォルニア州;以下Satsuma社)は、2019年9月に米国ナスダック市場に上場し、現在、第Ⅲ相安全性臨床試験および第Ⅲ相薬効臨床試験を実施中です。
一方、鼻から脳へと薬物を送達させる技術(Nose-to-Brain送達技術)が進展しました。本研究では、薬物を能動的に中枢神経細胞へ移行させるメカニズムを解析しました。鼻腔内標的である嗅部への送達、そこから脳内への送達、さらに脳内分布や薬効判定などを安全に効率的に行うために薬物の脳移行イメージング解析などを駆使しながら鋭意進めております。併せて大手製薬企業との共同研究も順調に進んでおります。
そうした中、売上高は4百万円と前第2四半期連結累計期間に比べ4百万円(803.6%)の増加となり、営業損失は311百万円(前第2四半期連結累計期間:営業損失241百万円)となりました。
③ メディポリス事業
環境に配慮した社会的事業として地熱発電事業を、自然と健康をテーマにした事業として指宿ベイヒルズ HOTEL&SPAの運営などを行っております。発電事業は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用しており、地球温暖化防止、純国産エネルギーの創出推進という我が国のエネルギー政策をうけて、1,500kw級のバイナリー型地熱発電所を稼働しております。ホテル事業は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けて、4月以降営業休止期間を設けるとともに、多くのスタッフをグループ会社別部署に異動しました。6月中旬からは広大な敷地を活かして3密を避けた環境を創り、フレンチフルコースと鉄板焼きの料理をメインとした新たなリゾートプランを少数限定として提供しております。
そうした中、売上高269百万円と前第2四半期連結累計期間に比べ217百万円(44.7%)の減少となり、営業損失は15百万円(前第2四半期連結累計期間:営業損失21百万円)となりました。
(資産、負債、純資産の状況)
当第2四半期連結累計期間における前連結会計年度末からの財政状態の変動は、以下のとおりです。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,636百万円(9.3%)減少し、35,365百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ98百万円(0.8%)増加して12,508百万円となりました。固定資産は、投資有価証券の時価評価額が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ3,735百万円(14.0%)減少して22,857百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,914百万円(8.5%)減少し、20,706百万円となりました。流動負債は、短期借入金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ2,796百万円(21.6%)減少して10,154百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ881百万円(9.1%)増加して10,551百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益を1,139百万円計上した一方、上述のとおり投資有価証券の時価評価額が減少したことでその他有価証券評価差額金が2,512百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,722百万円(10.5%)減少し、14,659百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前連結会計年度末に比べて232百万円(4.4%)増加して、5,476百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,019百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて311百万円(23.4%)の減少となりました。
主な内訳は、税金等調整前四半期純利益1,300百万円、減価償却費574百万円、持分法投資利益410百万円及び法人税等の支払額416百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は332百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて177百万円(34.8%)の減少となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出617百万円及び貸付金の回収による収入420百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は477百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて835百万円(63.6%)の減少となりました。
主な内訳は、短期借入金の減少額2,000百万円、長期借入による収入4,240百万円及び長期借入の返済による支出2,401百万円です。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第2四半期連結累計期間において会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、167百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。