有価証券報告書-第47期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 16:48
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156項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
2019年3月期中に米国前臨床事業及びSMO事業を譲渡したことにより14,561百万円と前連結会計年度に比べて1,097百万円(7.0%)の減少となりましたが、事業譲渡による影響を除くと2,623百万円(22.0%)の増加となっております。
営業利益は2,228百万円と前連結会計年度に比べて1,398百万円(168.5%)の増加、経常利益は3,121百万円と前連結会計年度に比べて1,507百万円(93.4%)の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,550百万円と前連結会計年度に比べて600百万円(30.8%)の増加となりました。
当社グループのセグメント別業績は次のとおりであります。
(a) 前臨床事業
売上高は米国前臨床事業を譲渡したことにより13,119百万円と前連結会計年度に比べて627百万円(4.6%)の減少となりましたが、営業利益は、2,870百万円と前連結会計年度に比べて1,483百万円(107.1%)の増加となりました。
(b) 臨床事業
売上高は、703百万円と前連結会計年度に比べて465百万円(39.8%)の減少となりましたが、営業利益は67百万円と前連結会計年度に比べて10百万円(19.3%)の増加となりました。なお、株式会社新日本科学PPDの利益は、経常利益として計上しております。
(c) トランスレーショナル リサーチ事業(TR事業)
売上高は1百万円と前連結会計年度に比べて10百万円(89.8%)の減少となり、営業損失は503百万円(前連結会計年度:営業損失299百万円)となりました。
(d) メディポリス事業
売上高は1,002百万円と前連結会計年度に比べて39百万円(4.1%)の増加となり、営業利益は2百万円(前連結会計年度:営業損失239百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は前連結会計年度末に比べて108百万円(2.1%)増加して、5,243百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は3,018百万円と前連結会計年度に比べて125百万円(4.3%)の増加となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,062百万円、減価償却費1,229百万円、持分法投資利益888百万円、売上債権の増加額619百万円及びたな卸資産の増加額445百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,455百万円(前連結会計年度:434百万円の獲得)となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,147百万円、投資有価証券の取得による支出790百万円及び貸付金の回収による収入578百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,449百万円と前連結会計年度に比べて2,052百万円(58.6%)の減少となりました。
主な内訳は、短期借入金の減少額5,920百万円、長期借入れによる収入9,060百万円及び長期借入金の返済による支出4,166百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
前臨床事業13,657,43492.7
臨床事業469,08848.3
トランスレーショナル リサーチ事業1,20210.4
メディポリス事業964,483103.6
報告セグメント 計15,092,20990.6
その他事業56,984328.8
合計15,149,19390.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
前臨床事業13,783,97371.811,299,549106.6
臨床事業509,93841.8200,167138.8
トランスレーショナル
リサーチ事業
1,80239.7600-
メディポリス事業964,483103.6--
報告セグメント 計15,260,19871.511,500,317107.0
その他事業56,984328.8--
合計15,317,18271.711,500,317107.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
前臨床事業13,084,43795.4
臨床事業453,97746.3
トランスレーショナル リサーチ事業1,20210.4
メディポリス事業964,483103.6
報告セグメント 計14,504,10092.7
その他事業56,984328.8
合計14,561,08493.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
4 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
アステラス製薬㈱--1,933,13113.3
中外製薬㈱--1,485,07310.2

(注)前連結会計年度は当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
(a) 概要
医薬品業界は、国内外において研究開発のスピードアップと効率化を目指したアウトソーシングが引き続き堅調です。このようなトレンドを受け、当社は顧客から選ばれ続けるパートナーとなるべく、顧客ニーズを満たす迅速な対応とサービスの向上並びに継続的な質の向上に注力しております。
なお、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度の業績への影響は軽微であると判断しております。
(b) 前臨床事業
顧客満足度をさらに高めることに注力し、信頼と品質で選ばれる受託研究機関(CRO)を目指すとともに、再生医療開発支援等、新しい技術分野におけるサービスも強化しております。また、大手製薬企業からの包括的受託契約も獲得し、2019年4月から業務を開始しております。豊富な受注残高を背景に稼働状況は堅調であり、内部業務プロセスのイノベーションと経費節減を合わせ、利益率が改善しております。
(c) 臨床事業
2019年3月期に行ったSMO事業の譲渡によりグループ内の業務の集約を図る一方、臨床事業における米国臨床CRO企業のPPD社との合弁会社、株式会社新日本科学PPD(持分法適用会社)では、グローバル治験(国際共同治験)に対応すべく盤石な組織体制の構築を順調に進めております。
(d) トランスレーショナル リサーチ事業(TR事業)
経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)を応用した薬物吸収フィージビリティ試験や製剤研究結果に基づいて、複数の候補化合物の新規事業化を進めております。併せて、標的鼻内部位への送達を的確に実現するため、新規デバイスを開発いたしました。市場予測のもとに、製剤開発を行い、NDSを用いた薬物吸収フィージビリティ試験により候補化合物を絞り込み、最終製剤を選定いたしました。また、NDSを応用した Satsuma Pharmaceuticals, Inc. (カリフォルニア州: Satsuma社)は、2019年9月に米国ナスダック市場上場を果たし、現在第Ⅲ相臨床試験が順調に進行中です。
一方、鼻から脳へと薬物を送達させる技術(Nose-to-Brain送達技術)が進展中です。本技術研究では、薬物を能動的に中枢神経細胞へ移行させるメカニズムを解析しております。鼻腔内標的である嗅部への送達、そこから脳内への送達、さらに脳内分布や薬効判定などをいかに安全に効率的に行うかについて、薬物の脳移行イメージング解析などを駆使しながら鋭意進めております。併せて大手製薬企業との共同研究も順調に進んでおります。
(e) メディポリス事業
環境に配慮する社会的事業として地熱発電事業、自然と健康をテーマにした指宿ベイヒルズ HOTEL&SPAの運営などを行っております。発電事業は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用しており、地球温暖化防止、純国産エネルギーの創出推進という我が国のエネルギー政策をうけて、1,500kw級のバイナリー型地熱発電所を稼働しております。ホテル事業は、丘の上から桜島と錦江湾、その背後の大隅半島を一望できる素晴らしい眺望と豊富な温泉を利用した露天風呂や砂蒸し風呂、森の中の個室風呂などの各種スパ施設のほか、鉄板焼き“道(みち)”やフレンチレストラン“セレステ”が好評です。
(f) 財政状態の分析
当連結会計年度における前連結会計年度末からの財政状態の変動は、以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の総資産は、固定資産の投資有価証券の時価評価額が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ15,326百万円(28.2%)減少し、39,002百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ743百万円(6.4%)増加して12,409百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ16,070百万円(37.7%)減少して26,592百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ3,230百万円(12.5%)減少し、22,620百万円となりました。流動負債は、短期借入金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ4,816百万円(27.1%)減少して12,951百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が減少し、長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,585百万円(19.6%)増加して9,669百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を2,550百万円計上し、上述のとおり投資有価証券の時価評価額が減少したことでその他有価証券評価差額金が14,424百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ12,095百万円(42.5%)減少し、16,381百万円となりました。
(g) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、GLPやGCPといった法的規制に対する適合性の調査等で高い評価を受けております。しかしながら、クライアントの創薬開発競争が激化し国際化、高度化及び大型化していく中で、当社グループは、サービスの質を継続的に高めていくと共に、グローバル化し複雑化していく顧客ニーズに対し的確に対応しつつ成長を維持していくために、設備、人材面での投資が不可欠となっております。人材の育成には時間を要する部分があり、また施設に対する投資も規模の経済性の観点からも先行的に行う必要が生じます。
とりわけ、日本よりもはるかに巨大な市場を有する米国等の海外クライアントからのニーズに迅速かつ的確に対応していくためには、海外の規格や法的規制に対応可能な体制を整えることが戦略的に重要であると考えております。海外の規格や基準に適合性をもつためには、十分なる準備や適合性に関する調査への対応が必要であります。
従って、事業のグローバルな競争力の向上と事業規模拡大のためには、これらに継続的に取り組む必要があり、その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(h) 戦略的現状と見通し
前臨床事業は、中長期的な視点で国内外の顧客からの要望に対して、確実に応えられる体制構築に取組んでおります。再生医療分野では最新装置を導入しており、他施設では実施困難な案件を受託できております。また、2019年4月には、大手製薬企業から創薬プロセスの一部業務の包括契約の受託に成功しました。今後も効率的かつ効果的に各種実験を適切なタイミングで行えるオンリーワンの事業価値を継続して提供してまいります。
海外顧客からの引き合いが活発に推移しており、グローバルな大手製薬企業から継続的な受注に成功しております。この20年間、米国前臨床事業運営で培ったノウハウと米国での勤務経験を積んだ人材資産を活用して、海外顧客からの受託拡大に注力しております。
臨床事業は、PPD社との合弁会社である株式会社新日本科学PPDを通じ、国内におけるグローバル治験を主体に受託サービスの拡充を積極的に展開しております。
TR事業は、当社独自の経鼻投与基盤技術であるNDSを用いた既存薬剤の投与経路変更による医薬品開発など、パートナー企業とのアライアンス構築を継続して進めており、特に国外の製薬企業との、複数の候補薬剤ライセンスアウト・共同開発交渉を継続します。また、経鼻偏頭痛薬の第Ⅲ相臨床試験を順調に進めているSatsuma社に対し、さらなる知財のライセンス供与元として技術支援をしてまいります。
その他自社開発品については、至適製剤化を進め、早期に臨床開発に入れるよう準備をおこないます。さらに、それに続くポートフォリオとして、本年初頭より猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症の予防・治療薬に関してもNDS技術の応用ができないか、感染状況の追跡評価等を進めてまいります。
一方、NDSの新たな応用領域として、Nose-to-Brain送達技術の研究開発を加速いたします。中枢疾患におけるアンメットメディカルニーズは非常に高く、その治療薬開発は製薬企業における重点注力領域であります。血液-脳関門(Blood Brain Barrier)の存在により、静脈注射でも脳内に送達できない薬物について、Nose-to-Brain送達技術の応用が期待されています。現在、社内研究の継続に加えて、複数の大手製薬企業と共同研究契約やフィージビリティ試験契約交渉を進めてまいります。
メディポリス事業は、従来の発電事業に加えて、地熱資源量の把握のための調査事業費補助金制度等を利用した新規発電の可能性を検討しております。また、シラスウナギの人工種苗生産は、今後の事業化に向けた展開の一環として、新たに稼働した沖永良部島(鹿児島県和泊町)での研究を本格化させてまいります。
その他、メディポリス指宿の資源を最大限活用すべく、様々な取組みを検討してまいります。
(i) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、ここ数年の世界的な新薬開発における国際化、大型化、高度化等の動向に鑑みますと、環境の変化に対応して経営施策を機動的かつ柔軟に展開していくことが要求されております。
前臨床事業におきましては、より付加価値が高く、かつ顧客満足度の高いサービスを、効率的かつ迅速に提供していく方針です。この前提条件として、より品質の高い実験動物を顧客ニーズに従い安定供給していく重要性が一層高まってきているために、中国、アジア地域の当社施設からの安定的な供給体制の確立に取り組んでおります。市場規模が日本の数倍あると予想される米国でのビジネスチャンスを逃さぬよう、SNBL U.S.A., Ltd.の運営で長年培ったノウハウと米国での勤務経験のある人材資産を最大限に活用して、今後も海外顧客からの受託拡大に注力してまいります。
臨床事業におきましては、世界トップクラスの臨床CROであるPPDと日本における臨床事業を統合し、国内における臨床試験の実施体制を強化するとともに、PPDの有するグローバルネットワークを通じて、グローバル試験を含む幅広い試験の受託体制を強化し、事業の拡大を進めております。
トランスレーショナル リサーチ事業におきましては、創薬型の医薬品開発支援事業へのパラダイムシフトを進めるべく、外部資金を活用した開発を積極的に推進し、早期の事業化を目指していくよう取り組んでおります。
昨今の医薬品開発においては、低分子医薬品から抗体医薬・核酸医薬、さらに再生医療・遺伝子治療へと創薬モダリティの多様化が進んでおります。当社グループは、こうした業界の動きに一早く対応し、常に新たな創薬ニーズに応えるべく取り組んで参りました。特に再生医療分野においては、京都大学iPS細胞研究所との共同研究に基づくiPS細胞を用いた治療に向けた安全性試験に関する研究開発経験を活かして受託しているほか、重要投資先である株式会社リジェネシスサイエンスを通じたライセンス事業にも取り組んでおります。
今後とも創薬モダリティの多様化により生じる顧客からの様々な新規ニーズに迅速に対応し、付加価値の高いサービスを効率的に提供してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)資金需要
当社グループの資金需要は、主に設備投資等の投資及び運転資金等となっております。設備投資等の投資を行うにあたっては、案件ごとに投資の回収可能性や収益向上の点から検討を行い、重要なものについては取締役会での決議を経て決定するなど、社内の所定の手続に従って決定しております。計画については、第3設備の状況 3設備の新設、除却等の計画(1)重要な設備の新設等に記載のとおりです。
(b)資金の源泉
営業キャッシュ・フローからの収入で賄いきれないものについて、借入により調達しております。また、設備投資の一部についてファイナンス・リースを利用しております。なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物等の残高は5,243百万円となっております。
(c)有利子負債
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は15,122百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積及び当該見積に用いた仮定
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。
以下「連結財務諸表規則」) に基づいて作成しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響は、収束時期を見通すことが依然困難な状況にあるものの、当社グループの事業活動及び業績への影響は限定的であることから、本連結財務諸表における重要な会計上の判断及び見積りの変更は見込んでおりません。

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