四半期報告書-第48期第3四半期(令和2年10月31日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/05 15:21
【資料】
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【項目】
33項目
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
医薬品業界は、国内外において研究開発のスピードアップと効率化を目指したアウトソーシングが引き続き堅調です。このようなトレンドを受け、弊社は顧客から選ばれ続けるパートナーとなるべく、顧客ニーズを満たす迅速な対応とサービスの向上ならびに継続的な品質の向上に注力しております。
こうした状況の中、当第3四半期連結累計期間における売上高は10,420百万円と前第3四半期連結累計期間に比べて349百万円(3.5%)の増加となりました。
営業利益は1,626百万円と前第3四半期連結累計期間に比べて49百万円(3.1%)の増加となりましたが、円高の進行による為替評価損の計上および前第3四半期連結累計期間に計上した受取保険金の影響により、経常利益は1,646百万円と前第3四半期連結累計期間に比べて495百万円(23.1%)の減少となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,476百万円と前第3四半期連結累計期間に比べて128百万円(8.0%)の減少となりました。
当社グループのセグメント別の経営成績は次のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分をより具体性をもって各事業推移を把握すべく変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
① CRO事業
国内前臨床事業において顧客満足度をさらに高めることに注力し、信頼と品質で選ばれる受託研究機関(CRO)を目指すとともに、再生医療開発支援等、新しい技術分野におけるサービスも強化しております。また、2019年4月から開始しております大手製薬企業との創薬段階支援における包括的受託契約は順調に継続しております。豊富な受注残高を背景に稼働状況は堅調であり、内部業務プロセスのイノベーションによる経費節減と合わせて高利益率を維持しております。なお、現時点で新型コロナウイルス感染症による影響はありません。
そうした中、売上高は、9,945百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ713百万円(7.7%)の増加となり、営業利益は、2,209百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ227百万円(11.5%)の増加となりました。
② トランスレーショナル リサーチ事業(TR事業)
経鼻投与基盤技術(Nasal Delivery System: NDS)を応用した薬物吸収フィージビリティ試験や製剤研究結果に基づいて、複数の候補化合物の新規事業化を進めております。併せて、標的鼻内部位への送達を的確に実現するため、新規デバイスを開発しました。また、市場予測のもとに製剤開発をおこない、NDSを用いた薬物吸収フィージビリティ試験を繰り返すことにより候補化合物を絞り込みました。製剤の最終調整中であり、臨床開発子会社である株式会社SNLDを2020年10月に設立し第Ⅰ相臨床試験を準備中です。NDSを応用した Satsuma Pharmaceuticals, Inc. (カリフォルニア州;以下Satsuma社)は、2019年9月に米国ナスダック市場に上場を遂げており、昨年の第Ⅲ相臨床試験結果を評価して次のステップに踏み出す段階にあります。
一方、鼻から脳へと薬物を送達させる技術(Nose-to-Brain送達技術)研究が進展しました。本研究では、薬物を能動的に中枢神経細胞へ移行させるメカニズムを解析中です。鼻腔内標的である嗅部への送達、そこから脳内への送達、さらに脳内分布や薬効判定などを安全に効率的に行うために薬物の脳移行イメージング解析などを駆使しながら鋭意進めております。併せて大手製薬企業との共同研究も順調に進んでおります。
そうした中、売上高は980千円と前第3四半期連結累計期間に比べ477千円(95.2%)の増加となり、営業損失は456百万円(前第3四半期連結累計期間:営業損失382百万円)となりました。
③ メディポリス事業
環境に配慮した社会的事業として地熱発電事業を、自然と健康をテーマにした事業として指宿ベイヒルズ HOTEL&SPAの運営などを行っております。発電事業は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用しており、地球温暖化防止、純国産エネルギーの創出推進という我が国のエネルギー政策をうけて、1,500kw級のバイナリー型地熱発電所を稼働しております。ホテル事業は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けて、昨年4月以降営業休止期間を設けるとともに、多くのスタッフをグループ会社別部署に異動しました。6月中旬からは広大な敷地を活かして3密を避けた環境を創り、フレンチフルコースと鉄板焼きの料理をメインとした新たなリゾートプランを少数限定として提供しております。また、高単価販売へと戦略変更を行い、それに伴いましてホテルの一部を改装・増築、その部分を12月より別邸天降る丘として運営を開始いたしました。
そうした中、売上高423百万円と前第3四半期連結累計期間に比べ329百万円(43.8%)の減少となり、営業損失は42百万円(前第3四半期連結累計期間:営業利益16百万円)となりました。
(資産、負債、純資産の状況)
当第3四半期連結累計期間における前連結会計年度末からの財政状態の変動は、以下のとおりです。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,198百万円(8.2%)減少し、35,803百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ1,266百万円(10.2%)増加して13,676百万円となりました。固定資産は、投資有価証券の時価評価額が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ4,465百万円(16.8%)減少して22,126百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,614百万円(7.1%)減少し、21,005百万円となりました。流動負債は、短期借入金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ2,167百万円(16.7%)減少して10,783百万円となりました。固定負債は、長期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ552百万円(5.7%)増加して10,222百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益を1,476百万円計上した一方、上述のとおり投資有価証券の時価評価額が減少したことでその他有価証券評価差額金が2,613百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,584百万円(9.7%)減少し、14,797百万円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、285百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。