有価証券報告書-第30期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 10:46
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109項目

(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、下期には若干持ち直しの兆しが出てきているものの、第一回目の緊急事態宣言から国内景気は過去最大の下落を見せ、厳しい状況が続きました。一方、コロナ禍においてICT分野は発展を加速させ、国内ではネット環境をベースにした各種サービスが徐々に浸透してきており、当社では引き続きスマートフォン向けコンテンツビジネスのさらなる成長およびシェアの拡大を図るべく、既存事業の維持と、アライアンスを中心に新規事業の展開を進めてまいりました。
当社は今後も安定成長に向けた収益多様化の為に、グリパチに続くコアタイトルを育成することが最も重要な課題であります。今後も新規事業として、国内外ゲームタイトルのパブリッシング展開やゲーム化を継続してまいります。
当事業年度につきましては、資金使途を新規事業の展開及び既存事業の安定的な運営資金を目的とし、第三者割当により第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の募集と新株の発行により資金調達を行い自己資本の拡充を図りました。
しかしながら、売上高に関しては主力事業であるバーチャルホール「グリパチ」が堅調に推移しあわせて新規事業の一部がサービスを開始したことなどから売上高は前年度を上回りましたが、利益面で売上原価抑制、コスト削減等を図ったものの、新規事業の広告宣伝費が大きく影響し、また一部事業の減損等の影響から、営業損益、経常損益、最終損益ともに黒字を達成することができず、自己資本は前年度を下回る結果となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前事業年度末に比べ122,590千円増加し、475,536千円(対前年同期比34.7%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は178,858千円(前年同期は72,493千円の使用)となりました。
これは主に、減価償却費28,107千円、減損損失153,405千円、貸倒引当金の増加9,146千円、関係会社株式評価損62,150千円、仕入債務の増加39,670千円による資金増加と、税引前当期純損失384,814千円、売上債権の増加71,777千円、長期前払費用の増加18,982千円の資金減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は164,123千円(前年同期は225,607千円の使用)となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出67,014千円、関係会社株式の取得による支出95,495千円の資金減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は465,572千円(前年同期は18,962千円の獲得)となりました。
これは主に、株式の発行による収入298,552千円、新株予約権付社債の発行による収入197,368千円の資金増加と、長期借入金の返済による支出30,348千円の資金減少によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
該当事項はありません。
c. 販売実績
当社はモバイル事業のみの単一セグメントであり、当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
モバイル事業1,430,60622.1
合計1,430,60622.1

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.モバイル事業による主な販売先は、一般ユーザーであり、各携帯キャリア及びプラットフォーム提供会社の情報料回収代行サービスを利用し、有料情報サービスを提供しております。
3.最近2事業年度の主要な売上高は、次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Apple Inc.376,07132.1480,24233.6
Google Inc.402,95234.4441,39230.9
グリー株式会社28,1682.4107,4267.5
KDDI株式会社32,9072.826,5611.9

(注)1.相手先は各携帯キャリア及びプラットフォーム提供会社であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
当事業年度における資産・負債及び純資産の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
1) 資産
当事業年度末における資産は101,161千円増加し、1,097,253千円(前事業年度末比10.2%増)となりました。
これは主に、現金及び預金122,590千円、売掛金79,777千円、関係会社株式33,345千円の増加がありましたが、受取手形9,000千円、ソフトウエア10,907千円、ソフトウエア仮勘定57,140千円、長期前払費用48,822千円の減少と貸倒引当金9,566千円の計上によるものです。
2) 負債
当事業年度末における負債は13,013千円増加し、336,667千円(前事業年度末比4.0%増)となりました。
これは主に、買掛金39,670千円、前受金16,087千円の増加がありましたが、未払金2,044千円、未払消費税等9,974千円、長期借入金30,348千円の減少によるものです。
3) 純資産
当事業年度末における純資産は88,148千円増加し、760,586千円(前事業年度末比13.1%増)となりました。
これは、主に資本金249,991千円、資本剰余金249,991千円の増加がありましたが、当期純損失の計上による利益剰余金414,460千円の減少によるものです。
以上の結果、当事業年度における当社の財政状態につきましては、前事業年度に引き続き流動比率が高く事業の円滑な運用に必要な流動性の確保があり、経営の安全性はあると考えております。
b. 経営成績
当事業年度において、損益計算書に重要な影響を与えた要因については次のとおりであります。
1) 売上高
売上高は1,430,606千円(前年同期比22.1%増)となりました。当社はモバイル事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、事業におけるサービス分野別の要因につきましては以下のとおりであります。
・ソーシャルゲームについては、主力サービスのバーチャルホール「グリパチ」が堅調に推移し、Ⅴ字回復を遂げるに至りました。また、当社が運営を担当し、グリー株式会社をパブリッシャーとするスマートフォンゲーム「ONE PUNCH MAN一撃マジファイト」が当第3四半期にリリースされております。
一方新規タイトルとして期中にリリースした「ビックバッドモンスターズ」については、想定した売上に満たず、早期にサービスを終了し、リソースをその他タイトルに振り分けております。その他のソーシャルゲームについては順調に推移いたしました。以上の結果、ソーシャルゲーム全体の売上は対前期比28.1%の増加となりました。
これらの新規アプリ事業については、一定数の利用者を獲得するまでは先行投資的な支出が続きますが、一定の利用者数を超えた後は利益に直結する収益獲得が見込まれることから、当社が中長期的な目標とする売上高経常利益率10%を目指すうえで、現在の主力サービスに次ぐ第2、第3の柱となるサービスを育成するためには引き続き一定の投資が必要であると考えております。
・従量制アプリについては、年間を通して有力タイトルをリリースするなど堅調に推移しましたことで、売上は対前期比28.8%の増加となりました。
・受託開発および運営業務に関しては、ストック型案件、フロー型案件がともに堅調に推移し、売上高は対前期比10.1%の増加となりました。
当社は、大手メーカーやプラットフォーム運営会社から受託する運営業務が安定的な収益源となることから、今後もコンテンツホルダーとの連携を促進することで、本事業による安定的な収益基盤の維持・拡大が期待できるものと考えております。
・その他新規事業につきましては、当第4四半期において、開発部門を中心とした韓国現地法人を設立し、ソーシャルカジノプロジェクトを本格稼働いたしました。最終的には総合型エンターテインメントオンラインプラットフォームを構築することを目指し、日韓合同チームでの開発を開始しております。
2) 営業損益
・売上原価は999,620千円(前年同期比38.8%増)となりました。
当事業年度の増加要因は、ソーシャルゲームで新規サービスの開始により外注費と業務委託費が増加したことによるものです。
当社の事業の特性上、新規のアプリ開発費用と売上増加に伴うロイヤリティ、版権料、システム利用料等の増加は必然的に発生いたします。よって、当社としましては、アプリ製作過程での内製化率の向上による外注費抑制、契約見直し等による版権料等の抑制を推進することが、全体の利益率向上につながるものと認識しております。
・販売費及び一般管理費は590,474千円(前年同期比37.0%増)となりました。
当事業年度の増加要因は、ソーシャルゲームの新規サービスの開始にともない広告宣伝費を投入したことによるものです。
スマートフォンゲームのビジネス展開において、新サービス開始後に発生する広告宣伝費は、将来の収益獲得のための先行投資的な費用の支出と認識し、その費用対効果については慎重に見極める必要があると認識しております。
また、新サービス開始に向けた要員の確保による人件費につきましても、将来の収益獲得のための先行投資的な費用の支出と認識しており、スマートフォンゲームのビジネス展開においては一定数の利用者を獲得するまでは先行投資的な支出が固定的に続くことから、人材の育成を含め、経営資源となる人件費の有効活用につきましても慎重に見極める必要があると認識しております。
この結果、当事業年度の営業損益は営業損失159,488千円(前年同期は営業利益19,961千円)となりました。
3) 経常損益
・営業外収益は425千円(前年同期は374千円)となりました。
当事業年度の増加要因は、主に貸付金利息の計上によるものです。
・営業外費用は10,636千円(前年同期は2,642千円)となりました。
当事業年度の増加要因は、金融機関借入金の残高減少により支払利息は減少しましたが、資金調達にともない社債発行費や株式交付費と第三者機関への評価算定に関連した費用が増加したことによるものです。
この結果、当事業年度の経常損益は経常損失169,700千円(前年同期は経常利益17,693千円)となりました。
4) 当期純損益
・特別利益の計上は441千円(前年同期は57千円)となりました。
当事業年度の発生は、長期貸付金に対して引き当てた貸倒引当金の戻入額と、退職者による新株予約権(業績条件付ストック・オプション)の失効によるものです。
・特別損失の計上は215,555千円(前年同期は60,359千円)となりました。
当事業年度の発生は、サービスの一部タイトルで当初計画していた収益性との乖離が発生した事業用資産及びソフトウエア仮勘定に計上されている開発中のソフトウエア資産について、事業プロジェクト継続による損失拡大を避ける観点から配信停止等も含めて当該資産グループに関する事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー計画に基づき回収可能性を検討した結果、固定資産の減損に係る会計基準等に基づき減損処理を行いました。
また、当社が保有する関連会社である株式会社モビディックの株式について、当初計画していた収益性との乖離が発生したため、金融商品に関する会計基準等に基づき減損処理を行い、関係会社株式評価損を計上したことによるものです。
当事業年度において減損処理と評価損の計上については、事業化及び運営過程で得られた経験・ノウハウを分析し反省するとともに、今後のソーシャルゲーム事業を展開する上での経営判断とリスク管理に活かす所存であります。
・法人税等
法人税、住民税及び事業税は2,291千円(前年同期は2,294千円)となりました。
特別損失の計上を要因とする申告調整を行った結果においても課税所得は生じず、前年同期とほぼ同じ地方税額を計上しております。
・法人税等調整額の計上は27,354千円(前年同期は9,852千円)となりました。
繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を全額取崩し、法人税等調整額に計上しております。
これは、当社が過去3期と当期において重要な税務上の欠損金が生じており、かつ、翌期の繰延税金資産の回収可能性を担保する一時差異等加減算前課税所得の見積りについても合理的な算定が困難であることから、繰延税金資産の回収可能性はないものと判断したことによるものです。
この結果、当事業年度の当期純損益は当期純損失414,460千円(前年同期は当期純損失54,755千円)となりました。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー及び資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社は事業活動のための適切な資金を確保し、資金の流動性を維持するとともに、健全な財政状態を目指すための安定的な営業キャッシュ・フローの創出が資本財源の最優先事項と考えております。
当社がスマートフォンゲーム事業を展開する上で、スマートフォンネイティブアプリの開発費は資金負担が非常に重く、一定数の利用者を獲得するまでは先行投資的な支出が続くことや、運営費として企画運営の人件費や優良なコンテンツ確保のための契約金及び最低保証許諾金(ミニマムギャランティー)等も先行して支出され、人員採用や契約時から売上金回収までの期間において手元流動性の低下が見込まれます。このため、優良なコンテンツを獲得する際、獲得機会の損失リスクを回避するには機動的に使用できる資金を確保しておく必要があると考えております。
当事業年度末の現預金残高は475,536千円、有利子負債残高は101,196千円であり、手元流動性は確保している状況であり、財務状況は健全であると認識しております。
2021年3月31日現在の有利子負債の概要は以下のとおりであります
年度別要支払額(千円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内
長期借入金101,19630,34857,29313,555
101,19630,34857,29313,555

上記の表において、貸借対照表の1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社の運転資金と投資・設備資金の調達につきましては、その使用目的に応じ調達時点での財政状態と営業キャッシュ・フローの状況や、デットファイナンスとエクイティファイナンスの性格を勘案し、柔軟かつ最適な資金調達方法を選択すべきであると考えております。
資金調達については様々なファイナンス手法がありますが、現時点において当社は機動的に使用できる一定の流動性預金を確保維持するため、金融機関よりの運転資金を調達しております。その調達使途につきましては、短期運転資金を従量制アプリの開発費及び広告宣伝費に、長期運転資金を人件費に、その資金需要を勘案した調達を行っております。なお、長期運転資金は新規事業を展開する上でサービス開始までの人件費が固定的に先行して発生することから、固定金利、返済期間5年の分割返済を条件とし、返済期間が重ならないように返済期限を分散し、返済集中のリスクを回避しております。
また、特に投資・設備資金の調達につきましては、事業計画の規模に応じた資金調達方法を選択すべきであると認識しております。
当事業年度につきましては、資金使途を新規事業の展開及び既存事業の安定的な運営資金を目的とした第三者割当により第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の募集と新株の発行により、資金調達を行ってまいりました。
これは、資金調達方法の選択過程において、金融機関からの資金調達方法である当座貸越契約に係る借入未実行残高150,000千円については、新型コロナウイルスの感染拡大により想定しえない事業継続の阻害となるリスクに備えるため、現時点では使用しないことが運転資金の効果的な調達方法であると判断したことによるものです。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行わなければなりません。したがって、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社がモバイル事業を展開するうえで、主要なサービスであるソーシャルゲームにおけるバーチャルホール「グリパチ」と従量制スマートフォンゲームアプリのコンテンツは、パチンコ・パチスロジャンルとなります。
パチンコ・パチスロ市場は、遊技参加人口の減少を背景にパチンコホール数も減少傾向であることから、遊技機市場も影響を受け低調に推移することも予想されます。
新型コロナウイルス感染症の影響により実際のパチンコホールのように営業自粛や遊技参加人口が減少傾向ではありますが、当社はモバイルデバイス向けにインターネットを通じてユーザーに対しコンテンツの提供や情報の配信を行う事業を展開していることから、当事業年度における売上高減少の影響はありませんでした。
当社としましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期を予測することが困難ではあるものの、2022年3月期末までに収束すると仮定した場合においても、経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性は低いものと認識しております。

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