有価証券報告書-第31期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度より、子会社のCommSeed Korea Co., Ltd.(韓国)の重要性が増したため、また、株式会社アイビープログレスの株式を全株取得し子会社化したことにともない両社を連結の範囲に含めております。このため、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しておりますので、前期との比較分析は行っておりません。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響により、引き続き厳しい局面が続いており、ワクチンの普及などの影響により、回復傾向を見せつつも、新たな変異株の流行や世界情勢の急激な変化、原材料費の高騰など、依然として不透明な状況が続いております。
一方、当社グループの事業領域であるモバイルコンテンツビジネスの領域は、コロナ禍でも需要は衰えず、新たなビジネスが続々と誕生し、目覚ましい広がりを見せております。
このような状況下で、当社グループは既存事業を維持しつつ、当社グループの次の柱となる新たな事業の準備を進めてまいりました。
当連結会計年度の売上高に関しては、主力事業であるバーチャルホール「グリパチ」をはじめとするソーシャルゲーム領域が堅調に推移し、単体で過去最高を記録いたしました。
利益面では、引き続き売上原価と販管費抑制によるコスト削減に努め、営業損益、経常損益、最終損益ともに黒字を達成いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高が1,915,036千円、営業利益は92,301千円、経常利益は75,004千円、親会社株主に帰属する当期純利益は83,962千円となりました。
なお、当社グループはモバイル事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、事業におけるサービス分野別の主な取り組みは、以下のとおりであります。
a ソーシャルゲームについては、主力サービスのバーチャルホール「グリパチ」が前連結会計年度に引き続き堅調に推移いたしました。定期的な新アプリの投入やYouTube生放送と連動したイベントなど、各種施策が功を奏し、リリースから10年を経てなお、多くのお客様にご利用いただいており、会員数は570万人を突破しております。
b 従量制アプリについては、年間を通して3本の有力タイトルをリリースし、過去のゲームアプリに関しても定期的にセールを実施するなど、全体として堅調に推移しました。
c 受託開発および運営業務に関しては、ストック型案件、フロー型案件がともに堅調に推移しております。
d その他新規事業につきましては、2022年中の開始を目指し、韓国子会社CommSeed Korea Co., Ltd.との連携した日韓合同チームでソーシャルカジノプロジェクトの開発を進行いたしました。一方、業容拡大に伴う開発力のさらなる強化を目的とし、株式会社アイビープログレスの全株式を取得し、完全子会社化いたしました。また、韓国FSN社との戦略的提携を皮切りに、P2Eゲームをはじめとするブロックチェーン関連事業に参入しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は670,756千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は279,477千円となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益74,946千円、減価償却費28,533千円、貸倒引当金の増加22,982千円、売上債権の減少34,858千円、前払費用の減少48,381千円、未払費用の増加41,666千円、その他流動負債の増加50,780千円を要因とした資金増加と、仕入債務の減少44,906千円を要因とした資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は132,775千円となりました。
主な内訳は、無形固定資産の取得による支出106,038千円と連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19,176千円を要因とした資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は30,342千円となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出30,348千円を要因とした資金減少によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
該当事項はありません。
c. 販売実績
当社グループはモバイル事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
| 金額(千円) | |
| モバイル事業 | 1,915,036 |
| 合計 | 1,915,036 |
(注)1.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比については記載しておりません。
2.モバイル事業による主な販売先は、一般ユーザーであり、各携帯キャリア及びプラットフォーム提供会社の情報料回収代行サービスを利用し、有料情報サービスを提供しております。
3.当連結会計年度の主要な売上高は、次のとおりであります。
| 相手先 | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
| 金額(千円) | 割合(%) | |
| Apple Inc. | 681,760 | 35.4 |
| Google Inc. | 674,919 | 35.1 |
| グリー株式会社 | 75,610 | 3.9 |
(注)相手先はプラットフォーム提供会社であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産は1,235,500千円となりました。
流動資産は942,082千円となり、主な内訳は現金及び預金690,756千円、売掛金220,166千円であります。
固定資産は293,417千円となり、主な内訳はソフトウエア36,200千円、ソフトウエア仮勘定82,454千円、投資有価証券30,600千円、関係会社社債59,800千円、差入保証金30,677千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は373,861千円となりました。
流動負債は305,015千円となり、主な内訳は買掛金92,436千円、未払消費税等45,825千円、契約負債41,038千円であります。
固定負債は68,845千円となり、主な内訳は長期借入金40,500千円であります。
(純資産)
連結会計年度末における純資産は861,638千円となりました。
主な内訳は資本金1,136,699千円、資本準備金567,808千円と利益剰余金△859,931千円であります。
以上の結果、当連結会計年度における当社の財政状態につきましては、流動比率が高く事業の円滑な運用に必要な流動性の確保があり、経営の安全性はあると考えております。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、1,915,036千円となりました。
これは主に、ソーシャルゲームにおいて主力サービスのバーチャルホール「グリパチ」が、定期的な新アプリの投入やYouTube生放送と連動したイベントなど各種施策が功を奏し、売上が増加したことによるものです。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加に伴いプラットフォーム利用料は増加しましたが、業務委託料等の料率については低減化を推進したことによる費用削減の効果もあり、1,326,216千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費の増加や営業債権に対する貸倒引当金繰入額の計上等により、496,518千円となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は4,920千円となりました。これは主に、在外子会社における雇用促進の補助金収入4,331千円によるものです。
当連結会計年度の営業外費用は22,217千円となりました。これは主に、保有株式の減損処理から持分法による投資損失8,050千円の計上と、投資債権に対する貸倒引当金繰入額10,162千円の計上によるものです。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は、新株予約権の権利失効による新株予約権戻入益942千円であります。
当連結会計年度の特別損失は、保有株式の減損処理による投資有価証券評価損1,000千円であります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は92,301千円、経常利益は75,004千円、親会社株式に帰属する当期純利益は83,962千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー及び資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループは事業活動のための適切な資金を確保し、資金の流動性を維持するとともに、健全な財政状態を目指すための安定的な営業キャッシュ・フローの創出が資本財源の最優先事項と考えております。
当社グループがスマートフォンゲーム事業を展開する上で、スマートフォンネイティブアプリの開発費は資金負担が非常に重く、一定数の利用者を獲得するまでは先行投資的な支出が続くことや、運営費として企画運営の人件費や優良なコンテンツ確保のための契約金及び最低保証許諾金(ミニマムギャランティー)等も先行して支出され、人員採用や契約時から売上金回収までの期間において手元流動性の低下が見込まれます。このため、優良なコンテンツを獲得する際、獲得機会の損失リスクを回避するには機動的に使用できる資金を確保しておく必要があると考えております。
当連結会計年度末の現預金残高は690,756千円、有利子負債残高は70,848千円であることから、手元流動性は確保している状況にあり、財務状況は健全であると認識しております。
2022年3月31日現在の有利子負債の概要は以下のとおりであります
| 年度別要支払額(千円) | ||||
| 契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 |
| 長期借入金 | 70,848 | 30,348 | 40,500 | - |
| 計 | 70,848 | 30,348 | 40,500 | - |
上記の表において、連結貸借対照表の1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの運転資金と投資・設備資金の調達につきましては、その使用目的に応じ調達時点での財政状態と営業キャッシュ・フローの状況や、デットファイナンスとエクイティファイナンスの性格を勘案し、柔軟かつ最適な資金調達方法を選択すべきであると考えております。
資金調達については様々なファイナンス手法がありますが、現時点において当社グループは機動的に使用できる一定の流動性預金を確保維持するため、金融機関よりの運転資金を調達しております。その調達使途につきましては、短期運転資金を従量制アプリの開発費及び広告宣伝費に、長期運転資金を人件費に、その資金需要を勘案した調達を行っております。なお、長期運転資金は新規事業を展開する上でサービス開始までの人件費が固定的に先行して発生することから、固定金利、返済期間5年の分割返済を条件とし、返済期間が重ならないように返済期限を分散し、返済集中のリスクを回避しております。
また、特に投資・設備資金の調達につきましては、事業計画の規模に応じた資金調達方法を選択すべきであると認識しております。
当連結会計年度につきましては、先行投資的な資金負担がなく資金調達を行っておりません。
当社グループとしましては、資金調達方法の選択において金融機関からの資金調達方法である当座貸越契約に係る借入未実行残高150,000千円につきましても、新型コロナウイルスの感染症やウクライナをめぐる国際情勢の影響により想定しえない事業継続の阻害となるリスクに備えるため、現時点では使用しないことが運転資金の効果的な調達方法であると判断しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行わなければなりません。したがって、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループがモバイル事業を展開するうえで、主要なサービスであるソーシャルゲームにおけるバーチャルホール「グリパチ」と従量制スマートフォンゲームアプリのコンテンツは、パチンコ・パチスロジャンルとなります。
パチンコ・パチスロ市場は、遊技参加人口の減少を背景にパチンコホール数も減少傾向であることから、遊技機市場も影響を受け低調に推移することも予想されます。
新型コロナウイルスの感染症の影響により実際のパチンコホールでは遊技参加人口が減少傾向ではありますが、当社はモバイルデバイス向けにインターネットを通じてユーザーに対しコンテンツの提供や情報の配信を行う事業を展開していることから、当連結会計年度における売上高減少の影響はありませんでした。
当社グループとしましては、新型コロナウイルスの感染症やウクライナをめぐる国際情勢の影響を予測することが困難ではあるものの、2023年3月期末までに収束すると仮定した場合においても、経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性は低いものと認識しております。