有価証券報告書-第28期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済環境は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化等、国際情勢が緊迫化して不安感の続いたものとなりました。また、新型コロナウイルスが収束に向かい、社会活動はウィズコロナへと移行して正常化し、個人消費の回復や雇用の拡大、インバウンド需要の復活等、国内景気は緩やかな持ち直しの兆候はあったものの、金利上昇気配の高まり等、不透明感が強まる形で推移しました。
このような状況下、多くの産業界で人手不足状態が続いており、特に派遣や請負等、当社グループの主力事業である技術職知財リース事業においては、引き続き顧客企業からのニーズが強く、技術者派遣の同業者間においても、人材確保や育成強化等、競争激化傾向が顕著であります。業界内での人材獲得がますます厳しくなり思うように増員が図れない中、人間性の面でも秀逸であるとして当社でテクノロジストと呼称する優秀エンジニアの稼働率は高水準を維持、高付加価値業務への配属やローテーション等の施策で平均単価は引き続き上昇し、売上高は対前連結会計年度比で増加となりました。
費用面については、トップラインの伸びに伴い原価率が低下、また、全社的な業務効率化やコスト削減努力により、販売費及び一般管理費の膨らみが抑制され、前年度まで営業外収益として計上されていたコロナ禍における助成金収入がなくなった状況も跳ね返し、利益に関しても営業利益や経常利益等、全ての利益が前連結会計年度比で増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は2,060,546千円となり、前連結会計年度末より47,887千円の増加となりました。
当連結会計年度末の負債合計は858,026千円となり、前連結会計年度末より86,484千円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は1,202,519千円となり、前連結会計年度末より134,372千円の増加となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,242,965千円(前連結会計年度比2.0%増)、営業利益229,203千円(前連結会計年度比28.1%増)、経常利益226,426千円(前連結会計年度比4.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益163,800千円(前連結会計年度比24.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(技術職知財リース事業)
技術職知財リース事業は、売上高は3,217,085千円(前連結会計年度比2.3%増)、セグメント利益は576,574千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。
(一般派遣及びエンジニア派遣事業)
一般派遣及びエンジニア派遣事業は、売上高は25,879千円(前連結会計年度比20.6%減)、セグメント損失は4,021千円(前連結会計年度は5,072千円のセグメント利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26,626千円増加(前年同期は48,306千円の増加)し、1,359,460千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は159,483千円(前年同期は155,279千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額85,028千円があったものの、税金等調整前当期純利益の計上226,137千円、未払金の増加27,506千円があったことにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,026千円(前年同期は4,476千円の収入)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入311千円により資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出935千円があったことにより資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は131,830千円(前年同期は111,449千円の支出)となりました。これは主に、自己株式処分による収入6,060千円があったものの、長期借入金の返済による支出98,282千円があったことにより資金が減少したことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注)2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注)3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注)4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、技術職知財リース事業及び一般派遣及びエンジニア派遣事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため省略しております。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については「第一部 企業情報 第5 経理の状況 注記事項」に記載しております。
これらの連結財務諸表の作成にあたっては一部に会計上の見積りによる金額を含んでおりますが、見積りにつきましては、過去実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいており、妥当性についての継続的な評価を行っております。しかしながら見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は2,060,546千円となり、前連結会計年度末より47,887千円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加26,626千円、売掛金の増加25,833千円によるものであります。
(負債合計)
負債合計は858,026千円となり、前連結会計年度末より86,484千円の減少となりました。これは主に長期借入金の返済による減少98,282千円、未払金の増加27,734千円によるものであります。
(純資産合計)
純資産合計は1,202,519千円となり、前連結会計年度末より134,372千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加123,962千円、退職給付に係る調整累計額の計上による増加4,354千円があったことによるものであります。この結果、自己資本比率は58.4%と前連結会計年度末の53.1%に比べ5.3ポイント上昇いたしました。
2) 経営成績
(売上高、売上原価及び売上総利益)
売上高は3,242,965千円(前連結会計年度比2.0%増)、売上原価は2,191,129千円(前連結会計年度比1.3%減)となりました。これらの要因としては、当社グループテクノロジストの稼働率及び稼働時間の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は1,051,835千円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業損益)
販売費及び一般管理費は822,632千円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。主な要因としては、採用活動の強化による採用費の増加及びテクノロジスト増員を見据えた研修施設の増床や対応人員の増加による人件費等の増加によるものであります。
以上の結果、営業利益229,203千円(前連結会計年度比28.1%増)となりました。
(営業外損益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
営業外損益は2,777千円の損失(前連結会計年度は38,664千円の利益)となりました。主な要因としては、過年度の助成金を返金(2,142千円)したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は226,426千円(前連結会計年度比4.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は163,800千円(前連結会計年度比24.5%増)となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、景気動向、法的規制、同業他社があると分析しております。
(景気動向)
当社グループが営む技術職知財リース事業や一般派遣及びエンジニア派遣事業を取り巻く事業環境は、景気の低迷により、主要顧客である製造業の業績が悪化し、企業の設備投資の抑制や研究開発の削減等が行われた場合は、当社グループへの受注の減少により業績に大きな影響があります。
(法的規制)
当社グループは労働者派遣法に基づき派遣業務を行っているため、新たに規制緩和や法改正が行われ、これらが当社グループの事業運営に不利な影響を及ぼすものであった場合、当社グループの業績に大きな影響があります。
(同業他社)
当社グループが属する人材派遣事業の市場は、特別に設備投資をする必要がほとんどなく比較的企業が参入しやすい市場であるため、競合する企業が増加し人材獲得競争が激しくなった場合、テクノロジストの確保困難により当社グループの業績に大きな影響があります。
c.資本の財源及び資金の流動性について
(資金需要)
当社グループ事業における運転資金の主なものは当社グループテクノロジストの人件費となります。当社グループの事業は、優秀なテクノロジストの確保が最重要であり、近年テクノロジストの獲得競争が熾烈を極めていることからも、テクノロジストの採用費及び研修費についての資金需要は高くなっており、その支出の強化を行っております。
当社グループの配当政策は、収益基盤の強化と拡充を図りながら積極的な事業展開や将来の不確実性に備えるための内部留保に努めつつ、連結配当性向20%を目標とし、業績等を総合的に勘案しながら株主に対する利益還元を安定的かつ継続的に行う方針であります。当事業年度の配当につきましては、この方針に基づき、1株当たり5円の配当を実施することを決定し、連結配当性向は24.4%でありました。
(財政政策)
当社グループ事業の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行っております。
借入につきましては、長期借入を利用することで運転資金を安定的に確保するとともに、金利を固定し、金利が上昇した場合にも金利負担が増加することのないよう資金調達コストを一定に保っております。また、迅速な意思決定による事業展開に対応するために、金融機関と当座借越契約を締結し、緊急の資金需要へ備えております。
当社グループは、当社グループを取り巻く事業環境が、非常に世の中の景気の影響を受けやすく、景気の悪化により業績の悪化が免れない特徴があることから、持続的な企業成長に努めるためにも、健全な財務バランスを保つ方針でおります。そのため、内部留保資金につきましては、今後も継続して成長するための人材の採用及び育成等のために有効投資しつつも、リーマンショックや新型コロナウイルス感染拡大などを原因とした大規模な景気悪化にも耐えうる、比較的高い水準での資金確保を行ってまいります。
d.経営上の目標の達成状況について
当社グループが目標とする経営指標は、株主資本の充実及び株主の皆様への利益還元を目的として、連結売上総利益率30%以上、連結売上高経常利益率10%以上の達成であります。
当連結会計年度における連結売上総利益率は32.4%、連結売上高経常利益率は7.0%でありました。前連結会計年度は、連結売上総利益率は30.1%、連結売上高経常利益率は6.8%であったため、連結売上総利益率は2.3ポイント上昇で2期連続の目標達成となりましたが、連結売上高経常利益率は0.2ポイント上昇したものの目標には届きませんでした。目標とする経営指標を達成できるよう引き続き改善に取り組んでまいります。
2024年3月期計画の達成状況については、以下のとおりです。
売上高は計画比507百万円減(13.5%減)となりました。主な要因としては、派遣単価および稼働率は好調であったものの、人手不足で人員獲得競争は激しく、想定していた人員数を充分には確保できなかった結果であります。
営業利益は計画比80百万円減(26.1%減)、経常利益は計画比83百万円減(27.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比6百万円減(3.6%減)、1株当たり当期純利益は計画比0.81ポイント減となりました。これらの主な要因としては、売上高が計画に届かずトップラインが伸びなかったことでありますが、かねてより実施している合理化推進策により、広告宣伝費、採用費等、必要性に応じつつも控え目に抑えるなど、コスト圧縮に努めたことで、最終利益の対計画比減少率を最大限に抑制しました。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 技術職知財リース事業
当連結会計年度において、当社グループのテクノロジスト需要は引き続き高く、主に稼働率と平均単価の上昇により、売上高は3,217,085千円(前連結会計年度比2.3%増)、セグメント利益は576,574千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。
2) 一般派遣及びエンジニア派遣事業
コロナ禍の影響に端を発して、引き続き休止している業務もあり、売上高は25,879千円(前連結会計年度比20.6%減)、セグメント損失は4,021千円(前連結会計年度は5,072千円のセグメント利益)となりました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済環境は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の悪化等、国際情勢が緊迫化して不安感の続いたものとなりました。また、新型コロナウイルスが収束に向かい、社会活動はウィズコロナへと移行して正常化し、個人消費の回復や雇用の拡大、インバウンド需要の復活等、国内景気は緩やかな持ち直しの兆候はあったものの、金利上昇気配の高まり等、不透明感が強まる形で推移しました。
このような状況下、多くの産業界で人手不足状態が続いており、特に派遣や請負等、当社グループの主力事業である技術職知財リース事業においては、引き続き顧客企業からのニーズが強く、技術者派遣の同業者間においても、人材確保や育成強化等、競争激化傾向が顕著であります。業界内での人材獲得がますます厳しくなり思うように増員が図れない中、人間性の面でも秀逸であるとして当社でテクノロジストと呼称する優秀エンジニアの稼働率は高水準を維持、高付加価値業務への配属やローテーション等の施策で平均単価は引き続き上昇し、売上高は対前連結会計年度比で増加となりました。
費用面については、トップラインの伸びに伴い原価率が低下、また、全社的な業務効率化やコスト削減努力により、販売費及び一般管理費の膨らみが抑制され、前年度まで営業外収益として計上されていたコロナ禍における助成金収入がなくなった状況も跳ね返し、利益に関しても営業利益や経常利益等、全ての利益が前連結会計年度比で増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は2,060,546千円となり、前連結会計年度末より47,887千円の増加となりました。
当連結会計年度末の負債合計は858,026千円となり、前連結会計年度末より86,484千円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は1,202,519千円となり、前連結会計年度末より134,372千円の増加となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高3,242,965千円(前連結会計年度比2.0%増)、営業利益229,203千円(前連結会計年度比28.1%増)、経常利益226,426千円(前連結会計年度比4.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益163,800千円(前連結会計年度比24.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(技術職知財リース事業)
技術職知財リース事業は、売上高は3,217,085千円(前連結会計年度比2.3%増)、セグメント利益は576,574千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。
(一般派遣及びエンジニア派遣事業)
一般派遣及びエンジニア派遣事業は、売上高は25,879千円(前連結会計年度比20.6%減)、セグメント損失は4,021千円(前連結会計年度は5,072千円のセグメント利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26,626千円増加(前年同期は48,306千円の増加)し、1,359,460千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は159,483千円(前年同期は155,279千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額85,028千円があったものの、税金等調整前当期純利益の計上226,137千円、未払金の増加27,506千円があったことにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,026千円(前年同期は4,476千円の収入)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入311千円により資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出935千円があったことにより資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は131,830千円(前年同期は111,449千円の支出)となりました。これは主に、自己株式処分による収入6,060千円があったものの、長期借入金の返済による支出98,282千円があったことにより資金が減少したことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
自己資本比率(%) | 47.1 | 53.1 | 58.4 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 83.7 | 102.9 | 102.3 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 5.9 | 1.7 | 1.0 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 31.2 | 115.1 | 173.5 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注)2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注)3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
(注)4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、技術職知財リース事業及び一般派遣及びエンジニア派遣事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため省略しております。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
販売実績(千円) | 前年同期比(%) | ||
技術職知財リース事業 | 3,217,085 | 102.3 | |
自動車関連 | 649,619 | 95.6 | |
航空機・宇宙関連 | 100,399 | 152.0 | |
産業用機器関連 | 783,759 | 116.7 | |
精密機器関連 | 113,178 | 121.7 | |
情報通信機器関連 | 128,803 | 103.1 | |
電子・電気機器関連 | 219,407 | 87.1 | |
半導体・集積回路関連 | 198,901 | 99.9 | |
情報処理関連 | 430,382 | 99.3 | |
建築関連 | 438,836 | 82.6 | |
その他 | 153,795 | 162.4 | |
一般派遣及びエンジニア派遣事業 | 25,879 | 79.4 | |
合計 | 3,242,965 | 102.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
株式会社LIXIL | 365,300 | 11.5 | 321,080 | 9.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については「第一部 企業情報 第5 経理の状況 注記事項」に記載しております。
これらの連結財務諸表の作成にあたっては一部に会計上の見積りによる金額を含んでおりますが、見積りにつきましては、過去実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいており、妥当性についての継続的な評価を行っております。しかしながら見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は2,060,546千円となり、前連結会計年度末より47,887千円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加26,626千円、売掛金の増加25,833千円によるものであります。
(負債合計)
負債合計は858,026千円となり、前連結会計年度末より86,484千円の減少となりました。これは主に長期借入金の返済による減少98,282千円、未払金の増加27,734千円によるものであります。
(純資産合計)
純資産合計は1,202,519千円となり、前連結会計年度末より134,372千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加123,962千円、退職給付に係る調整累計額の計上による増加4,354千円があったことによるものであります。この結果、自己資本比率は58.4%と前連結会計年度末の53.1%に比べ5.3ポイント上昇いたしました。
2) 経営成績
(売上高、売上原価及び売上総利益)
売上高は3,242,965千円(前連結会計年度比2.0%増)、売上原価は2,191,129千円(前連結会計年度比1.3%減)となりました。これらの要因としては、当社グループテクノロジストの稼働率及び稼働時間の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は1,051,835千円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業損益)
販売費及び一般管理費は822,632千円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。主な要因としては、採用活動の強化による採用費の増加及びテクノロジスト増員を見据えた研修施設の増床や対応人員の増加による人件費等の増加によるものであります。
以上の結果、営業利益229,203千円(前連結会計年度比28.1%増)となりました。
(営業外損益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
営業外損益は2,777千円の損失(前連結会計年度は38,664千円の利益)となりました。主な要因としては、過年度の助成金を返金(2,142千円)したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は226,426千円(前連結会計年度比4.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は163,800千円(前連結会計年度比24.5%増)となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、景気動向、法的規制、同業他社があると分析しております。
(景気動向)
当社グループが営む技術職知財リース事業や一般派遣及びエンジニア派遣事業を取り巻く事業環境は、景気の低迷により、主要顧客である製造業の業績が悪化し、企業の設備投資の抑制や研究開発の削減等が行われた場合は、当社グループへの受注の減少により業績に大きな影響があります。
(法的規制)
当社グループは労働者派遣法に基づき派遣業務を行っているため、新たに規制緩和や法改正が行われ、これらが当社グループの事業運営に不利な影響を及ぼすものであった場合、当社グループの業績に大きな影響があります。
(同業他社)
当社グループが属する人材派遣事業の市場は、特別に設備投資をする必要がほとんどなく比較的企業が参入しやすい市場であるため、競合する企業が増加し人材獲得競争が激しくなった場合、テクノロジストの確保困難により当社グループの業績に大きな影響があります。
c.資本の財源及び資金の流動性について
(資金需要)
当社グループ事業における運転資金の主なものは当社グループテクノロジストの人件費となります。当社グループの事業は、優秀なテクノロジストの確保が最重要であり、近年テクノロジストの獲得競争が熾烈を極めていることからも、テクノロジストの採用費及び研修費についての資金需要は高くなっており、その支出の強化を行っております。
当社グループの配当政策は、収益基盤の強化と拡充を図りながら積極的な事業展開や将来の不確実性に備えるための内部留保に努めつつ、連結配当性向20%を目標とし、業績等を総合的に勘案しながら株主に対する利益還元を安定的かつ継続的に行う方針であります。当事業年度の配当につきましては、この方針に基づき、1株当たり5円の配当を実施することを決定し、連結配当性向は24.4%でありました。
(財政政策)
当社グループ事業の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行っております。
借入につきましては、長期借入を利用することで運転資金を安定的に確保するとともに、金利を固定し、金利が上昇した場合にも金利負担が増加することのないよう資金調達コストを一定に保っております。また、迅速な意思決定による事業展開に対応するために、金融機関と当座借越契約を締結し、緊急の資金需要へ備えております。
当社グループは、当社グループを取り巻く事業環境が、非常に世の中の景気の影響を受けやすく、景気の悪化により業績の悪化が免れない特徴があることから、持続的な企業成長に努めるためにも、健全な財務バランスを保つ方針でおります。そのため、内部留保資金につきましては、今後も継続して成長するための人材の採用及び育成等のために有効投資しつつも、リーマンショックや新型コロナウイルス感染拡大などを原因とした大規模な景気悪化にも耐えうる、比較的高い水準での資金確保を行ってまいります。
d.経営上の目標の達成状況について
当社グループが目標とする経営指標は、株主資本の充実及び株主の皆様への利益還元を目的として、連結売上総利益率30%以上、連結売上高経常利益率10%以上の達成であります。
当連結会計年度における連結売上総利益率は32.4%、連結売上高経常利益率は7.0%でありました。前連結会計年度は、連結売上総利益率は30.1%、連結売上高経常利益率は6.8%であったため、連結売上総利益率は2.3ポイント上昇で2期連続の目標達成となりましたが、連結売上高経常利益率は0.2ポイント上昇したものの目標には届きませんでした。目標とする経営指標を達成できるよう引き続き改善に取り組んでまいります。
2024年3月期計画の達成状況については、以下のとおりです。
指標 | 2024年3月期 (計画) | 2024年3月期 (実績) | 2024年3月期 (計画比) |
売上高 | 3,750百万円 | 3,242百万円 | 507百万円減(13.5%減) |
営業利益 | 310百万円 | 229百万円 | 80百万円減(26.1%減) |
経常利益 | 310百万円 | 226百万円 | 83百万円減(27.0%減) |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 170百万円 | 163百万円 | 6百万円減(3.6%減) |
1株当たり当期純利益 | 21.34 | 20.53 | 0.81ポイント減(-) |
売上高は計画比507百万円減(13.5%減)となりました。主な要因としては、派遣単価および稼働率は好調であったものの、人手不足で人員獲得競争は激しく、想定していた人員数を充分には確保できなかった結果であります。
営業利益は計画比80百万円減(26.1%減)、経常利益は計画比83百万円減(27.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比6百万円減(3.6%減)、1株当たり当期純利益は計画比0.81ポイント減となりました。これらの主な要因としては、売上高が計画に届かずトップラインが伸びなかったことでありますが、かねてより実施している合理化推進策により、広告宣伝費、採用費等、必要性に応じつつも控え目に抑えるなど、コスト圧縮に努めたことで、最終利益の対計画比減少率を最大限に抑制しました。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 技術職知財リース事業
当連結会計年度において、当社グループのテクノロジスト需要は引き続き高く、主に稼働率と平均単価の上昇により、売上高は3,217,085千円(前連結会計年度比2.3%増)、セグメント利益は576,574千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。
2) 一般派遣及びエンジニア派遣事業
コロナ禍の影響に端を発して、引き続き休止している業務もあり、売上高は25,879千円(前連結会計年度比20.6%減)、セグメント損失は4,021千円(前連結会計年度は5,072千円のセグメント利益)となりました。