有価証券報告書-第40期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
本項における将来に関する事項は、別段の表示がない限り、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が継続し緩やかな回復を見せておりましたが、諸外国の通商問題や新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり、先行き不透明な状況となりました。 住宅市場につきましては、政府の住宅取得支援策や住宅ローンの低金利環境の継続により、新設住宅着工戸数のうち持家、分譲住宅の合計は、前年同期並みとなったものの、相次ぐ自然災害や消費税率引き上げなどによる消費者マインドの低下により、2019年10月以降は弱含みで推移しました。また、住宅ローン市場におきましても、住宅市場同様に弱含みで推移しました。
このような事業環境のもと、当社は中期経営計画「Best route to 2020」の最終年度として「事業規模の拡大」、「企業価値の向上」ならびに「事業領域の拡大」の課題を中心に各種施策に取り組んでまいりました。
事業規模の拡大におきましては、既存提携金融機関との利用率向上および未提携金融機関との新規契約締結に取り組んでまいりました。既存提携金融機関との利用率向上につきましては、提携金融機関と当社のデータをつなぐシステムの利用先増加のための提案活動に努めたほか、当社保証商品についての説明会や営業店への訪問活動を展開しました。また、例年ご好評いただいているキャンペーンを実施し、住宅ローン獲得に向けた営業推進にお役立ていただきました。未提携金融機関との新規契約締結におきましては、継続的な営業活動を展開した結果、当事業年度において銀行1行、信用組合1組合、JA3組合、JF1組合の合計6機関と契約締結に至りました。また、他の保証会社の株式を買い取り子会社化することにより、既存住宅ローン市場における事業規模拡大に取り組みました。
企業価値の向上におきましては、経営の透明性や対外的な信用を高めることを目的に国内信用格付機関より、Aレンジの信用格付を新規に取得しました。また、システム化による業務効率化の取り組みを継続したほか、働きやすい環境整備への取り組みを行うなど、活力ある企業風土の醸成に努めました。
事業領域の拡大におきましては、当社求償債権の管理・回収業務の一部を委託している子会社の運営体制強化のための取り組みを継続しました。
こうした取り組みの結果、当事業年度の営業収益は、保証債務残高が堅調に推移し増収となりました。
営業費用につきましては、代位弁済の発生が引き続き低位に推移したことにより、債務保証損失引当金繰入額は減少となった結果、営業利益は増益となりました。
経常利益は、劣後特約付きローンの支払手数料や支払利息など営業外費用が発生したものの、有価証券利息が増加するなど営業外収益を計上した結果、増益となりました。
投資有価証券の売却損や評価損を特別損失に計上いたしましたが、当期純利益は増益となりました。
最終的に営業収益、営業利益、経常利益、当期純利益は、それぞれ過去最高の数値を更新しました。
なお、当社は信用保証事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて16.1%増加し、372,968百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて8.3%増加し、204,500百万円となりました。これは現金及び預金が増加したことなどによります。
固定資産は、前事業年度末に比べて27.2%増加し、168,468百万円となりました。これは投資有価証券、長期貸付金が増加したことなどによります。
負債合計は、前事業年度末に比べて17.3%増加し、227,919百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて1.6%減少し、29,910百万円となりました。これは前受収益が増加したものの、債務保証損失引当金、未払法人税等が減少したことなどによります。
固定負債は、前事業年度末に比べて20.9%増加し、198,008百万円となりました。これは長期借入金、長期前受収益が増加したことなどによります。
純資産合計は、前事業年度末に比べて14.2%増加し、145,049百万円となりました。これは利益剰余金が増加したことなどによります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ55,753百万円増加し、126,745百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は29,778百万円(前年同期は32,812百万円の資金増加)となりました。主な増加要因は税引前当期純利益35,241百万円、長期前受収益の増加額4,177百万円等であります。一方、主な減少要因は法人税等の支払額11,313百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は2,714百万円(前年同期は34,182百万円の資金減少)となりました。主な増加要因は定期預金の払戻による収入114,350百万円、有価証券の売却及び償還による収入12,320百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入6,110百万円等であります。一方、主な減少要因は定期預金の預入による支出74,450百万円、投資有価証券の取得による支出41,035百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は23,260百万円(前年同期は5,505百万円の資金減少)となりました。主な増加要因は長期借入れによる収入29,250百万円等であります。一方、主な減少要因は配当金の支払額5,992百万円等であります。
当社における運転資金の需要は、代位弁済金の支払ならびに販売費及び一般管理費等の営業費用となります。当社のビジネスモデルにおいては、保証引受の役務と同時に対価である保証料を収受することが多く、必要資金の流動性及び源泉の安定的確保が可能であることから、運転資金については自己資金にて対応することとしております。
④生産、受注及び販売の状況
a)生産実績
該当事項はありません。
b)受注状況
該当事項はありません。
c)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高および収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積り等は、過去の実績や現在の状況ならびに現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積り等を採用しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り等と異なる場合があります。当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」中、「1(1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しております。
当社は、住宅ローン保証を中心とした信用保証事業を展開しており、債務保証に係る損失に備えるための債務保証損失引当金および求償債権の貸倒れによる損失に備えるための貸倒引当金の見積りを行っております。
債務保証損失引当金は、当社が保有する保証債務から将来発生しうる損失に備えて計上しており、過去の一定期間における代位弁済および回収の実績を基に算出しております。経済環境の悪化等により代位弁済が増加、不動産市場の悪化により回収が低下した場合には、債務保証損失引当金が増加する可能性があります。
貸倒引当金は、代位弁済により取得した求償債権から発生する損失を見込んで計上しており、担保物件からの回収見込額を基に算出しております。不動産市場の悪化により回収が低下した場合には、貸倒引当金が増加する可能性があります。
なお、新型コロナウィルスの感染拡大は、経済環境や不動産市場に影響を与える可能性がありますが、現時点においては不確実性が大きいため、これらの引当金の見積りに反映させることは困難であります。
②経営成績の分析
財政状態およびキャッシュ・フローに関する分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
各種指標については以下のとおりです。
a)受付件数、実行件数ならびに新規保証実行金額
民間金融機関保証における受付件数、実行件数、新規保証実行金額につきましては、提携金融機関の利用率向上により順調に推移しております。
民間金融機関住宅ローン保証における受付件数、実行件数、新規保証実行金額の推移
b)保証債務残高
保証債務残高および保有契約件数は、民間金融機関保証における住宅ローン保証が堅調に推移していることから、増加を続けております。これは、他社と差別化した保証商品のラインナップや多様な保証料設定を実施した結果と捉えております。
なお、公的住宅融資保証およびその他に含まれる家賃保証につきましては、新規保証の取扱いを停止しており、保証債務残高および保有契約件数は減少しております。
イ.保証債務残高および保有契約件数の推移
ロ.民間金融機関住宅ローン保証における業態別保証債務残高および保有契約件数の推移
(注) 1.JAとは農業協同組合、信用農業協同組合連合会を指します。
2.JFとは漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会を指します。
3.未提携とは、合併や破綻した金融機関が保有していた当社保証付きの住宅ローン債権を引き継ぎ、当社と保証基本契約が未締結の金融機関を指します。
c)提携金融機関数
当社は外部の保証機関を求める金融機関等のニーズに応えるべく、多数の金融機関と保証基本契約を締結してまいりました。
系列保証会社への一極集中からリスク分散を図ることなどを目的とした外部保証会社導入の検討が進み、当社に対するニーズは高まっております。こうした状況を踏まえ、当社は、保証シェアの拡大を図るべく未提携金融機関へ新規契約締結に向けたアプローチを継続しております。
なお、2020年3月末における金融機関数が減少した理由は、金融機関の合併によるものです。
金融機関業態別提携金融機関数の推移
(注) 1.JAとは農業協同組合、信用農業協同組合連合会を指します。
2.JFとは漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会を指します。
3.各事業年度末時点の提携金融機関数を集計しております。
d)延滞金額
良好な雇用環境が続いたことに加え、延滞初期段階から金融機関と協調し返済正常化を目的とした相談・助言を行い、保証委託者の実態について早期把握に努めたことから、保証債務残高に対する延滞金額の割合は低位で推移しております。
民間金融機関住宅ローン保証における延滞金額の推移
(注) 延滞金額につきましては、延滞期間が3ヶ月以上の保証引受先を集計しています。
e)代位弁済金額および求償債権回収金額
イ.代位弁済金額
延滞初期段階から保証委託者の現状と将来の返済能力を早期に把握し、延滞長期化の防止および返済正常化に取り組んでいることから、保証債務残高に対する代位弁済金額の割合は低位で推移しております。
代位弁済金額の推移
ロ.求償債権回収金額
当社が代位弁済後において取得する求償債権につきましては、その殆どに不動産担保が設定されております。当社では、回収期間の短縮化と回収金額の最大化を図るという基本方針に基づき、保証委託者の実態に応じた物件売却(任意売却・競売)を実施し、迅速かつ最大限の回収に努めております。
求償債権回収金額の推移
③経営戦略の現状と見通し
中期経営計画「Beyond the Border」において、「積み上げた信用と信頼を礎とし、国内トップの保証会社として確固たる地位を確立する」をビジョンとして掲げております。中核事業である住宅ローン保証事業の更なる拡大にに加え、収益源の多様化を図るべく事業領域の拡大にも取り組むことにより、中長期的な観点による着実な成長を目指してまいります。
事業規模拡大に向け、現在の営業基盤を強化し新規住宅ローンにおける当社保証案件の増加に取り組むほか、既に貸出されている住宅ローン市場においては他社の保証債務承継等を進めていくことにより、国内の住宅ローン市場に占める当社保証のシェア拡大を図ってまいります。事業領域拡大につきましては、子会社サービサーの事業規模拡大を図るほか、信用保証事業と親和性の高い事業分野への進出を検討してまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が継続し緩やかな回復を見せておりましたが、諸外国の通商問題や新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり、先行き不透明な状況となりました。 住宅市場につきましては、政府の住宅取得支援策や住宅ローンの低金利環境の継続により、新設住宅着工戸数のうち持家、分譲住宅の合計は、前年同期並みとなったものの、相次ぐ自然災害や消費税率引き上げなどによる消費者マインドの低下により、2019年10月以降は弱含みで推移しました。また、住宅ローン市場におきましても、住宅市場同様に弱含みで推移しました。
このような事業環境のもと、当社は中期経営計画「Best route to 2020」の最終年度として「事業規模の拡大」、「企業価値の向上」ならびに「事業領域の拡大」の課題を中心に各種施策に取り組んでまいりました。
事業規模の拡大におきましては、既存提携金融機関との利用率向上および未提携金融機関との新規契約締結に取り組んでまいりました。既存提携金融機関との利用率向上につきましては、提携金融機関と当社のデータをつなぐシステムの利用先増加のための提案活動に努めたほか、当社保証商品についての説明会や営業店への訪問活動を展開しました。また、例年ご好評いただいているキャンペーンを実施し、住宅ローン獲得に向けた営業推進にお役立ていただきました。未提携金融機関との新規契約締結におきましては、継続的な営業活動を展開した結果、当事業年度において銀行1行、信用組合1組合、JA3組合、JF1組合の合計6機関と契約締結に至りました。また、他の保証会社の株式を買い取り子会社化することにより、既存住宅ローン市場における事業規模拡大に取り組みました。
企業価値の向上におきましては、経営の透明性や対外的な信用を高めることを目的に国内信用格付機関より、Aレンジの信用格付を新規に取得しました。また、システム化による業務効率化の取り組みを継続したほか、働きやすい環境整備への取り組みを行うなど、活力ある企業風土の醸成に努めました。
事業領域の拡大におきましては、当社求償債権の管理・回収業務の一部を委託している子会社の運営体制強化のための取り組みを継続しました。
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 対前期増減率(%) | |
| 営業収益 | 43,204百万円 | 45,203百万円 | 4.6 |
| 営業利益 | 34,229百万円 | 35,379百万円 | 3.4 |
| 経常利益 | 35,169百万円 | 35,760百万円 | 1.7 |
| 当期純利益 | 24,134百万円 | 24,430百万円 | 1.2 |
こうした取り組みの結果、当事業年度の営業収益は、保証債務残高が堅調に推移し増収となりました。
営業費用につきましては、代位弁済の発生が引き続き低位に推移したことにより、債務保証損失引当金繰入額は減少となった結果、営業利益は増益となりました。
経常利益は、劣後特約付きローンの支払手数料や支払利息など営業外費用が発生したものの、有価証券利息が増加するなど営業外収益を計上した結果、増益となりました。
投資有価証券の売却損や評価損を特別損失に計上いたしましたが、当期純利益は増益となりました。
最終的に営業収益、営業利益、経常利益、当期純利益は、それぞれ過去最高の数値を更新しました。
なお、当社は信用保証事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて16.1%増加し、372,968百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて8.3%増加し、204,500百万円となりました。これは現金及び預金が増加したことなどによります。
固定資産は、前事業年度末に比べて27.2%増加し、168,468百万円となりました。これは投資有価証券、長期貸付金が増加したことなどによります。
負債合計は、前事業年度末に比べて17.3%増加し、227,919百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて1.6%減少し、29,910百万円となりました。これは前受収益が増加したものの、債務保証損失引当金、未払法人税等が減少したことなどによります。
固定負債は、前事業年度末に比べて20.9%増加し、198,008百万円となりました。これは長期借入金、長期前受収益が増加したことなどによります。
純資産合計は、前事業年度末に比べて14.2%増加し、145,049百万円となりました。これは利益剰余金が増加したことなどによります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ55,753百万円増加し、126,745百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は29,778百万円(前年同期は32,812百万円の資金増加)となりました。主な増加要因は税引前当期純利益35,241百万円、長期前受収益の増加額4,177百万円等であります。一方、主な減少要因は法人税等の支払額11,313百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は2,714百万円(前年同期は34,182百万円の資金減少)となりました。主な増加要因は定期預金の払戻による収入114,350百万円、有価証券の売却及び償還による収入12,320百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入6,110百万円等であります。一方、主な減少要因は定期預金の預入による支出74,450百万円、投資有価証券の取得による支出41,035百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は23,260百万円(前年同期は5,505百万円の資金減少)となりました。主な増加要因は長期借入れによる収入29,250百万円等であります。一方、主な減少要因は配当金の支払額5,992百万円等であります。
当社における運転資金の需要は、代位弁済金の支払ならびに販売費及び一般管理費等の営業費用となります。当社のビジネスモデルにおいては、保証引受の役務と同時に対価である保証料を収受することが多く、必要資金の流動性及び源泉の安定的確保が可能であることから、運転資金については自己資金にて対応することとしております。
④生産、受注及び販売の状況
a)生産実績
該当事項はありません。
b)受注状況
該当事項はありません。
c)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
| セグメント名 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 信用保証事業 | 45,203 | 104.6% |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高および収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積り等は、過去の実績や現在の状況ならびに現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積り等を採用しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り等と異なる場合があります。当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」中、「1(1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しております。
当社は、住宅ローン保証を中心とした信用保証事業を展開しており、債務保証に係る損失に備えるための債務保証損失引当金および求償債権の貸倒れによる損失に備えるための貸倒引当金の見積りを行っております。
債務保証損失引当金は、当社が保有する保証債務から将来発生しうる損失に備えて計上しており、過去の一定期間における代位弁済および回収の実績を基に算出しております。経済環境の悪化等により代位弁済が増加、不動産市場の悪化により回収が低下した場合には、債務保証損失引当金が増加する可能性があります。
貸倒引当金は、代位弁済により取得した求償債権から発生する損失を見込んで計上しており、担保物件からの回収見込額を基に算出しております。不動産市場の悪化により回収が低下した場合には、貸倒引当金が増加する可能性があります。
なお、新型コロナウィルスの感染拡大は、経済環境や不動産市場に影響を与える可能性がありますが、現時点においては不確実性が大きいため、これらの引当金の見積りに反映させることは困難であります。
②経営成績の分析
財政状態およびキャッシュ・フローに関する分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
各種指標については以下のとおりです。
a)受付件数、実行件数ならびに新規保証実行金額
民間金融機関保証における受付件数、実行件数、新規保証実行金額につきましては、提携金融機関の利用率向上により順調に推移しております。
民間金融機関住宅ローン保証における受付件数、実行件数、新規保証実行金額の推移
| (単位:件、百万円) | |||
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 受付件数 | 260,343 | 284,552 | 289,258 |
| 実行件数 | 68,073 | 68,311 | 67,003 |
| 新規保証実行金額 | 1,666,315 | 1,722,629 | 1,732,416 |
b)保証債務残高
保証債務残高および保有契約件数は、民間金融機関保証における住宅ローン保証が堅調に推移していることから、増加を続けております。これは、他社と差別化した保証商品のラインナップや多様な保証料設定を実施した結果と捉えております。
なお、公的住宅融資保証およびその他に含まれる家賃保証につきましては、新規保証の取扱いを停止しており、保証債務残高および保有契約件数は減少しております。
イ.保証債務残高および保有契約件数の推移
| (単位:件、百万円) | ||||||||
| 2018年3月末 | 2019年3月末 | 2020年3月末 | ||||||
| 区分 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | ||
| 当社 | 726,483 | 11,789,304 | 772,818 | 12,717,625 | 815,528 | 13,616,023 | ||
| 民間金融機関 | 705,674 | 11,702,638 | 754,315 | 12,643,809 | 799,337 | 13,553,438 | ||
| 住宅ローン | 679,730 | 11,630,848 | 725,226 | 12,574,439 | 768,251 | 13,485,605 | ||
| アパートローン | 28 | 803 | 27 | 717 | 22 | 526 | ||
| 教育ローン | 184 | 162 | 134 | 117 | 105 | 82 | ||
| カードローン | 11,327 | 753 | 14,971 | 1,180 | 17,925 | 1,516 | ||
| その他 | 14,405 | 70,070 | 13,957 | 67,353 | 13,034 | 65,707 | ||
| 公的機関 | 19,545 | 84,809 | 17,521 | 72,242 | 15,684 | 61,266 | ||
| その他 | 1,264 | 1,856 | 982 | 1,573 | 507 | 1,318 | ||
| 子会社 | ― | ― | ― | ― | 9,098 | 90,397 | ||
ロ.民間金融機関住宅ローン保証における業態別保証債務残高および保有契約件数の推移
| (単位:件、百万円) | |||||||
| 2018年3月末 | 2019年3月末 | 2020年3月末 | |||||
| 区分 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | |
| 民間金融機関 | 679,730 | 11,630,848 | 725,226 | 12,574,439 | 768,251 | 13,485,605 | |
| 銀行 | 230,315 | 4,392,186 | 265,574 | 5,185,779 | 302,579 | 6,028,456 | |
| 信用金庫 | 361,388 | 5,901,003 | 368,975 | 6,010,834 | 372,923 | 6,046,424 | |
| 信用組合 | 33,623 | 431,295 | 34,384 | 444,258 | 34,866 | 454,692 | |
| JA | 53,131 | 887,254 | 54,953 | 913,249 | 56,451 | 933,939 | |
| JF・労働金庫・その他 | 1,184 | 18,515 | 1,254 | 19,784 | 1,356 | 21,630 | |
| 未提携 | 89 | 593 | 86 | 533 | 76 | 461 | |
(注) 1.JAとは農業協同組合、信用農業協同組合連合会を指します。
2.JFとは漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会を指します。
3.未提携とは、合併や破綻した金融機関が保有していた当社保証付きの住宅ローン債権を引き継ぎ、当社と保証基本契約が未締結の金融機関を指します。
c)提携金融機関数
当社は外部の保証機関を求める金融機関等のニーズに応えるべく、多数の金融機関と保証基本契約を締結してまいりました。
系列保証会社への一極集中からリスク分散を図ることなどを目的とした外部保証会社導入の検討が進み、当社に対するニーズは高まっております。こうした状況を踏まえ、当社は、保証シェアの拡大を図るべく未提携金融機関へ新規契約締結に向けたアプローチを継続しております。
なお、2020年3月末における金融機関数が減少した理由は、金融機関の合併によるものです。
金融機関業態別提携金融機関数の推移
| (単位:機関) | |||
| 2018年3月末 | 2019年3月末 | 2020年3月末 | |
| 銀行 | 90 | 93 | 93 |
| 信用金庫 | 250 | 248 | 244 |
| 信用組合 | 100 | 99 | 99 |
| JA | 279 | 283 | 275 |
| JF・労働金庫・その他 | 27 | 27 | 28 |
| 合 計 | 746 | 750 | 739 |
(注) 1.JAとは農業協同組合、信用農業協同組合連合会を指します。
2.JFとは漁業協同組合、信用漁業協同組合連合会を指します。
3.各事業年度末時点の提携金融機関数を集計しております。
d)延滞金額
良好な雇用環境が続いたことに加え、延滞初期段階から金融機関と協調し返済正常化を目的とした相談・助言を行い、保証委託者の実態について早期把握に努めたことから、保証債務残高に対する延滞金額の割合は低位で推移しております。
民間金融機関住宅ローン保証における延滞金額の推移
| (単位:百万円) | |||
| 2018年3月末 (金額:2017年9月末時点) | 2019年3月末 (金額:2018年9月末時点) | 2020年3月末 (金額:2019年9月末時点) | |
| 延滞金額 | 24,014 | 24,095 | 26,990 |
(注) 延滞金額につきましては、延滞期間が3ヶ月以上の保証引受先を集計しています。
e)代位弁済金額および求償債権回収金額
イ.代位弁済金額
延滞初期段階から保証委託者の現状と将来の返済能力を早期に把握し、延滞長期化の防止および返済正常化に取り組んでいることから、保証債務残高に対する代位弁済金額の割合は低位で推移しております。
代位弁済金額の推移
| (単位:百万円) | |||
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 代位弁済金額 | 11,237 | 11,709 | 12,036 |
ロ.求償債権回収金額
当社が代位弁済後において取得する求償債権につきましては、その殆どに不動産担保が設定されております。当社では、回収期間の短縮化と回収金額の最大化を図るという基本方針に基づき、保証委託者の実態に応じた物件売却(任意売却・競売)を実施し、迅速かつ最大限の回収に努めております。
求償債権回収金額の推移
| (単位:百万円) | |||
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 求償債権回収金額 | 7,594 | 8,469 | 8,564 |
③経営戦略の現状と見通し
中期経営計画「Beyond the Border」において、「積み上げた信用と信頼を礎とし、国内トップの保証会社として確固たる地位を確立する」をビジョンとして掲げております。中核事業である住宅ローン保証事業の更なる拡大にに加え、収益源の多様化を図るべく事業領域の拡大にも取り組むことにより、中長期的な観点による着実な成長を目指してまいります。
事業規模拡大に向け、現在の営業基盤を強化し新規住宅ローンにおける当社保証案件の増加に取り組むほか、既に貸出されている住宅ローン市場においては他社の保証債務承継等を進めていくことにより、国内の住宅ローン市場に占める当社保証のシェア拡大を図ってまいります。事業領域拡大につきましては、子会社サービサーの事業規模拡大を図るほか、信用保証事業と親和性の高い事業分野への進出を検討してまいります。