有価証券報告書-第11期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 14:26
【資料】
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【項目】
146項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移した一方で、米中貿易摩擦の長期化や広がりを見せる保護主義等の影響により世界経済は減速リスクが懸念されるほか、新型コロナウイルスの感染拡大による内外経済に対する影響が推し量れず、先行き不透明な状況での推移となりました。個人消費については、緩やかな回復基調で推移していたものの、足元では新型コロナウイルスの感染拡大に対する不安が大きく広がり、今後の消費者の購買意欲に対する影響が懸念される中での推移となりました。
当住宅関連業界におきましては、当社グループのメインマーケットであります持家や分譲住宅の新設着工が、上期においては、低水準の住宅ローン金利や消費税増税前の駆け込み需要等もあり堅調な推移となった一方で、下期は、駆け込み需要の反動減の影響がみられたほか年間を通して貸家需要が低水準となったことから、当連結会計年度の新設住宅着工戸数は総じて弱含みでの推移となりました。また、原材料費や配送コストの上昇のほか人手不足等の不安定要素に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による一部商品の供給遅延が発生する等、経営環境は不透明感が増す中での推移となりました。
このような環境の中で当社グループは、エネルギー関連商材の拡販や非住宅木構造分野への取組みを強化するほか、中古マンションリノベーション業者への販売を強化する一方で、新規開拓を積極的に行う等経営基盤の拡大に努めてまいりました。また、2020年1月6日付で、大阪府を中心にプレカット加工・販売や建築資材販売を行う角野産業株式会社を子会社化し、関西地域の事業基盤の強化を図りました。なお、当社グループの住宅請負事業を担うジューテックホーム株式会社のメインブランド「ウェルダンノーブルハウス」が、「業界トップクラス」の居住性能を評価され、省エネルギー性能の優れた住宅に対して表彰される「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」を6年連続で受賞いたしました。
以上の結果、当連結会計年度末における財政状態については、総資産は前連結会計年度末に比べ699百万円増加の67,121百万円、負債は前連結会計年度末に比べ4百万円増加の52,494百万円、純資産は前連結会計年度末に比べ694百万円増加の14,626百万円となりました。また、経営成績については、売上高は、162,398百万円(前連結会計年度比1.6%増)、営業利益が1,541百万円(前連結会計年度比22.0%増)、経常利益が2,084百万円(前連結会計年度比9.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,279百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末から2,938百万円増加の10,591百万円となりました。
a. 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、資金は4,576百万円の増加(前連結会計年度は2,009百万円の増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が2,022百万円あったほか、仕入債務の減少額が347百万円あった一方で、売上債権の減少額が3,466百万円あったことによるものであります。
b. 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、資金は1,065百万円の減少(前連結会計年度は66百万円の減少)となりました。これは主として、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,272百万円あったことによるものであります。
c. 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、資金は572百万円の減少(前連結会計年度は645百万円の減少)となりました。これは主として、長期借入れによる収入が1,200百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が1,261百万円及び配当金の支払額が265百万円あったことによるものであります。
③ 仕入、受注及び販売の状況
a. 仕入実績
当社グループは、住宅資材販売を主たる事業としておりますので、生産実績に代えて仕入実績を記載しております。なお、当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額
(百万円)
前年同期比
(%)
住宅資材販売建材販売店・
住宅会社等
合 板15,723△0.8
建 材65,9130.9
住宅設備機器33,5831.8
ホームセンター等DIY商品5,711△1.0
その他22,8646.0
143,7971.6
その他1,798△4.8
合計145,5961.5

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループにおいて、受注実績に重要性はありませんので、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額
(百万円)
前年同期比
(%)
住宅資材販売建材販売店・
住宅会社等
合 板16,141△0.5
建 材71,7500.3
住宅設備機器37,1912.1
ホームセンター等DIY商品6,946△0.7
その他27,8557.0
159,8841.7
その他2,514△2.2
合計162,3981.6

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績に占める販売実績の割合が100分の10以上の相手先はありません。
3 金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の売上高は、新設住宅着工戸数が前連結会計年度比7.3%減、当社グループに影響が大きい持家住宅着工戸数も前連結会計年度比1.5%減となったものの、経営方針のもと、エネルギー関連商材の拡販や、中古マンションリノベーション分野への取り組み強化、積極的な新規開拓等の効果により、当社グループのメイン事業であるルート営業を中心とした卸売事業のほか、大手元請業者向け販売や中古マンションリノベーション業者向け販売が堅調な推移となったことから、前連結会計年度に比べ2,584百万円増加の162,398百万円となりました。
利益面については、売上総利益が売上総利益率の改善を主な要因として、923百万円増加の17,064百万円となりました。営業利益については、人件費が501百万円、運賃や荷役料等の配送コストが50百万円増加した影響等により、販売費及び一般管理費が645百万円増加となったことから、278百万円増加の1,541百万円となりました。経常利益については、営業外収益が889百万円あった一方で、営業外費用が346百万円あったことにより、営業外収支が543百万円プラスとなり、前連結会計年度に比べ187百万円増加の2,084百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、固定資産売却益による特別利益を8百万円を計上した一方で、固定資産除却損20百万円及び減損損失47百万円等を特別損失として計上したことから、前連結会計年度に比べ52百万円増加の1,279百万円となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比して699百万円増加の67,121百万円となりました。これは主として、現金及び預金が2,841百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が2,304百万円減少したことによるものであります。
負債については、前連結会計年度末に比して4百万円増加の52,494百万円となりました。
純資産については、前連結会計年度末に比して694百万円増加の14,626百万円となりました。これは主として、利益剰余金が1,013百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が288百万円減少したことによるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末から0.8ポイント増加の21.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループは、収益力の強化により営業活動によるキャッシュ・フローの増加を図るとともに、投資効率を重視した設備投資や有利子負債の削減を目指してまいります。
資本政策につきましては、財務の健全性に留意する一方で、会社の成長に資するための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考慮し、実施していくこととしております。
また、当社グループにおける資金需要の主なものは、既存事業の持続的成長や新たな事業ポートフォリオの充実を図るためのM&Aやシステム投資のほか、設備の更新等に要する設備資金や事業に係る運転資金であります。
当社グループは、必要となった資金については、主として内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものを活用しておりますが、安定的な財源の確保のため、複数の金融機関から借入による資金調達を行っており、今後も継続する方針であります。借入については、短期借入をベースとしており、金利変動等のリスクに備えるため、一部長期借入を行っております。現時点において、十分な当座貸越枠を設定しており、多様な資金需要に応じることができる体制となっております。
③ 新型コロナウイルスの影響について
新型コロナウイルスの影響は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (1)新型コロナウイルスの感染拡大に関するリスク」に記載のとおりであります。しかしながら、各国の感染防止策等により徐々に収束に向かっていき、経済や個人消費は緩やかに持ち直していくと期待されることから、当社グループの業績等への影響は一過性のものであると考えております。
④ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、貸倒引当金については、一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し計上しております。新型コロナウイルスの影響等により、経営状況が悪化する取引先が急増し貸倒懸念債権が増えた場合には、業績に影響を与える可能性がありますが、現時点においては該当する事例はありません。