四半期報告書-第19期第1四半期(2024/01/01-2024/03/31)

【提出】
2024/05/15 12:02
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日~2024年3月31日)におけるわが国の経済は、経済社会活動の正常化や雇用・所得環境の改善の動きを背景に、景気はこのところ足踏みがみられるものの、緩やかに回復している状況です。一方で、賃金の上昇を上回る物価上昇が継続していること等により、個人消費の持ち直しに足踏みがみられております。
国内化粧品市場においては、緩やかな景気回復を背景に、個人消費が持ち直す状況となりました。また、円安効果や春節休暇による訪日外国人客の増加でインバウンド需要が伸長しております。海外化粧品市場においては、景気は一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直している状況です。中国市場においては、不動産市況の低迷やデフレへの懸念等により、景気は持ち直しの動きに足踏みがみられる状況にあります。
このような市場環境のもと、2024年からスタートした中期経営計画(2024年から2026年)に基づき、4つの事業成長戦略「国内事業の顧客基盤強化、持続的成長と収益性改善」「海外事業の更なる成長と新市場での基盤確立」「育成ブランドの成長を伴う黒字化による持続的収益貢献」「ブランドポートフォリオ拡充と事業領域拡張」と、それを支える持続的な経営基盤の強化として「新価値創出に向けた研究開発力強化」「社会課題対応と独自性を兼ね備えたサステナビリティ強化」をテーマに掲げ、取り組んでまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における業績は次の通りとなりました。
当第1四半期連結累計期間の売上高は、主に基幹ブランドであるPOLAブランドの売上の減少影響により前年同期比3.0%減の40,886百万円となりました。営業利益は売上高減による粗利の減少により前年同期比26.2%減の3,357百万円、経常利益は円安の継続で為替差益を計上した影響により前年同期比3.2%減の4,675百万円となりました。以上の結果に加え、前年に計上した特別損失の影響により、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比14.0%増の3,126百万円となりました。
[業績の概要]
前第1四半期
連結累計期間
(百万円)
当第1四半期
連結累計期間
(百万円)
前年同期
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上高42,13640,886△1,249△3.0
営業利益4,5493,357△1,191△26.2
経常利益4,8324,675△156△3.2
親会社株主に帰属する
四半期純利益
2,7433,12638314.0


[セグメント別の業績]
売上高(外部顧客への売上高)
前第1四半期
連結累計期間
(百万円)
当第1四半期
連結累計期間
(百万円)
前年同期
増減額
(百万円)
増減率
(%)
ビューティケア事業40,95039,552△1,398△3.4
不動産事業518499△18△3.7
その他66683416825.2
合 計42,13640,886△1,249△3.0

セグメント利益又は損失(△)(営業利益又は損失(△))
前第1四半期
連結累計期間
(百万円)
当第1四半期
連結累計期間
(百万円)
前年同期
増減額
(百万円)
増減率
(%)
ビューティケア事業4,3593,575△784△18.0
不動産事業16152△109△67.4
その他25149-
セグメント利益の調整額(注)26△322△348-
合 計4,5493,357△1,191△26.2

(注) セグメント利益の調整額とは、グループの内部取引に伴う利益及びセグメントに含まれない経費等を連結時に消去・加算した金額であります。なお、セグメント利益の調整額の詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) 1 報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報(注2)」をご覧ください。
(ビューティケア事業)
ビューティケア事業は、基幹ブランドとして「POLA」「ORBIS」を、海外ブランドとして「Jurlique」を、育成ブランドとして「THREE」「DECENCIA」「FUJIMI」を展開しております。
POLAブランドでは、エイジングケア・美白を中心とした高機能商品の投入による更なるブランド価値の向上と、中長期的な顧客基盤構築を進めております。国内事業では、新規顧客獲得から高LTV化までの転換促進を実現するブランド体験(One POLAモデル)の構築に取り組んでおります。2023年に始動した全ての販売チャネルを対象とするメンバーシッププログラム「ポーラ プレミアム パス」の浸透によりお客さまのチャネル回遊が始まり、また新商品の「ホワイトショット フェイシャルセラム」や「B.A ライト セレクター」、エステ等が好調に推移しておりますが、委託販売チャネルにおける店舗数と顧客数の減少等の影響により、国内事業全体で前年を下回る実績となりました。海外事業では、アフターコロナにおける事業回復と、最重点市場である中国でブランドプレゼンスの確立のための顧客接点の拡充に取り組んでおりますが、中国を中心とする一部のアジア地域における景気減速の影響により、海外事業全体で前年を下回る実績となりました。以上の結果、POLAブランドは前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
ORBISブランドでは、高収益事業へと再成長を遂げるため、ブランド差別性の創出によるプレゼンス、顧客ロイヤリティの向上と、エイジングスキンケアシリーズ「オルビスユー」を中心に据えたシワ改善・美白ケア等、スキンケア顧客の拡大を進めております。国内事業では、スキンケアを軸にした直販事業の安定成長及び強固な利益基盤の構築と、未開拓市場への参入による新しい領域でのトップライン拡大に取り組んでおります。顧客基盤の安定化が進む直販チャネルでは、主力商品の「オルビスユー」シリーズの他、新商品の「アドバンスド ブライトニング セラム」等が好調に推移し、顧客数、顧客単価ともに前年超過となりました。新たな成長ドライバーと位置づけ積極展開している外部チャネルでは、顧客のリピート化も進んでおり、売上の伸長が継続しております。海外事業では、重点市場である中国での成長加速と黒字化のため、引き続き顧客接点の拡大とブランド認知向上に注力しておりますが、中国における景気減速の影響により、海外事業全体で前年を下回る実績となりました。以上の結果、ORBISブランドは前年同期を上回る売上高・営業利益となりました。
Jurliqueブランドでは、引き続き、豪州及び中国を中心としたアジア市場での事業成長に向けた取り組みを進めております。本国である豪州においては、アフターコロナの事業回復が順調に進み、更に新製品が好調に推移したことにより、前年より二桁成長の実績となりました。また中国においても、景気減速の影響を受けたものの、ECチャネルを中心に成長し、前年を上回る実績となりました。以上の結果、Jurliqueブランドは前年同期を上回る売上高となりました。また、営業損失は為替の影響を除くと前年同期並みの結果となりました。
育成ブランドでは、THREEブランドでブランド再生への取り組みを進めております。差別性である「精油」「香り」を軸とした顧客アプローチにより既存顧客を中心に活性化がみられておりますが、新規顧客の獲得が前年に及ばず、前年を下回る実績で推移しております。DECENCIAブランドでは、顧客数の増加トレンドが継続し、前年を上回る実績で推移しております。FUJIMIブランドでは、黒字化に向けて顧客体験価値を高める取り組みを進めており、前年同期並みの実績で推移しております。以上の結果に加え、前年に2ブランドを撤退した影響により、育成ブランド全体では前年同期を下回る売上高となりました。一方で、各ブランドにおいて厳格な費用コントロールを実施したこと等が奏功し、営業損失は改善しております。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は39,552百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益は3,575百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業では、都市部のオフィスビル賃貸を中心に、魅力的なオフィス環境の整備による賃料の維持向上と空室率の低下に取り組むとともに、子育て支援に特化した賃貸マンション事業も展開しております。当第1四半期連結累計期間は、一部テナントの退去や「ポーラ青山ビルディング」の竣工に伴う費用の計上影響等により、前年同期を下回る売上高、営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は499百万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は52百万円(前年同期比67.4%減)となりました。
(その他)
その他に含まれている事業は、ビルメンテナンス事業であります。
ビルメンテナンス事業は、主にビルの運営管理を行っております。当第1四半期連結累計期間は、契約件数の増加等により、売上高、営業利益ともに前年同期を上回る結果となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は834百万円(前年同期比25.2%増)、営業利益は51百万円(前年同期比2,423.6%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ430百万円減少し、200,777百万円(前連結会計年度末比0.2%減)となりました。主な増減項目は、有形固定資産の増加3,398百万円、投資有価証券の増加2,276百万円、未収消費税の増加に伴う流動資産「その他」1,620百万円により増加し、一方で現金及び預金の減少7,613百万円、受取手形及び売掛金の減少1,263百万円により減少しております。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3,618百万円増加し、36,428百万円(前連結会計年度末比11.0%増)となりました。主な増減項目は、未払金の増加に伴う流動負債「その他」の増加4,144百万円により増加し、一方で賞与引当金の減少387百万円、未払法人税等の減少223百万円により減少しております。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ4,049百万円減少し、164,349百万円(前連結会計年度末比2.4%減)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上3,126百万円、剰余金の配当6,865百万円により減少しております。
(3) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,136百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当第1四半期連結累計期間に完成したものは次の通りであります。
会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容完成年月
ポーラ化成工業㈱横浜研究所
(神奈川県横浜市戸塚区)
ビューティケア事業事業所の再編2024年3月
㈱ピーオーリアルエステート青山ビル
(東京都港区)
不動産事業賃貸物件の改築2024年3月